大神: | (コンコン)支配人、大神です。 |
米田: | おうっ、へえれや。 |
大神: | 失礼します。支配人、一体何のご用……こ、これはっ 真宮寺大佐に葵叉丹!なぜこんなところにっ! |
加山: | (ポロロ〜ン)俺もいるぞぉ〜お〜がみ〜。 |
大神: | お前はいーんだ。米田支配人、これは一体……? |
一馬: | それを聞きたいのは私たちのほうだ。 |
叉丹: | そうだぞ、米田、きちんと説明しろ。それから大神、今の私は叉丹ではなく山崎真之介としてここにいる。そこんとこ間違えないように。 |
大神: | そ、そうですか、失礼しました。で、支配人? |
米田: | うむ、ひとつ確認したいことがあったんでな、この二人にちょっと来てもらった。 |
大神: | 「ちょっと来てもらった」って、そんな簡単に……。 |
米田: | うむ、通販で買ったこの「簡易反魂の術セット復活くん・お試し版」を試してみたんだが、二人とも意外と簡単によみがえりやがったな。 |
一馬: | ……通販…… |
山崎: | …お試し版…… |
米田: | まあ、あくまでも「簡易反魂の術」だからな、1時間もすりゃあ、またあの世に戻ることになるがな。 |
山崎: | なにっ、1時間? |
一馬: | それを先に言え、米田!こんなところでぐずぐずしている暇はない!さくらはどこだ!私は娘に会いに行くぞ! |
米田: | そうつれねえこと言うもんじゃねえよ。旧友に久しぶりに会ったってえのに。 |
一馬: | うるさい。君、加山くんといったかな、案内してくれ。 |
加山: | さくらくんの居所ですか〜?いやぁ、知らないなぁ〜。 |
一馬: | それでも月組隊長か!まったく最近の若い奴は……。 |
大神: | 自分が知ってるであります!ただ、現在さくらくんは入浴中でありまして、お会いになるのはちょっと無理かと…… |
一馬: | なにっ、入浴中!かわいい娘の発育ぶりを確認するのは親の務め!それではなおさら会いに行かなくては……って貴様なぜ娘が入浴中だなどということを知っている!? |
加山: | (にやにや) |
大神: | (ぐっ、し、しまった)さ、さくらくんはいつもこの時間に入浴すると聞いたことがあるのであります!け、けっして「体が勝手に……」などという不埒な真似をさっきまでしていたというわけではありません、信じて下さいお父さん! |
一馬: | だれがお父さんだ、だれが。君のような奴を息子に持った覚えはない! |
大神: | そ、そんな。さくらくんは僕が必ず幸せに…… |
一馬: | 娘の名を気安く呼ぶな。君のような女をとっかえひっかえする奴に娘はやれん!それになんだそのおっ立てた髪は。さては貴様定職にもつかずに「ばんど」を組んでギターでも弾いているならず者だな?このこのっ。 |
大神: | ぐ、ぐわっ、ち、ちがいます聞いてください自分は…… |
加山: | そうですよ〜お父さん〜。見ての通りギターは僕でして、大神はボーカルです〜。 |
大神: | あっ、加山このやろ裏切りやがって…… |
一馬: | まて、まだ話は終わってないぞ! |
山崎: | ……ところで真宮寺。もうずいぶん時間が経過しているようだがいいのか? |
一馬: | し、しまった。もういい、私は自分で娘に会いに行く! |
山崎: | うむ、私もあやめにそっくりだという妹のところに行ってみよう。 |
米田: | へっへっへ、行けるもんなら行ってみやがれ。 |
一馬: | ぬっ? |
山崎: | うおっ?どうしたことだ、部屋から出られん。 |
米田: | へっへっへぇ。おめえら、俺に反魂の術をかけられたことを忘れていたようだな。おめえらの行動は俺の思うがままってぇことだ。 |
山崎: | ぬぬぅ、あいかわらず変なところで抜け目のない奴。 |
米田: | まあ、こっちの話がすみゃあ自由にしてやっからよ。 |
一馬: | 本当だな?よしじゃあその話とやらをさっさと済ませよう。 |
米田: | よぉし。さて大神、ここに集まってもらったメンツにどういう意味があんのかわかるか? |
大神: | 野郎ばっかしですね。 |
加山: | これじゃあ読者の方々にウケがよくないなぁ〜。 |
米田: | そう、野郎ばっかしだ。つまりここにいるのは、対降魔部隊及び帝国華撃団の男性隊員ってぇことだ。 |
山崎: | ふむ。 |
米田: | だが、この5人の中に実は仲間はずれがいるっ! |
大神: | えっ、お、俺じゃないですよね支配人? |
一馬: | そりゃ山崎お前だろう?悪役ボスキャラなんだから……。 |
山崎: | な、何をいう。お前だって敵役のくせに。 |
加山: | 僕だけ情報部隊だなんていうのはなしですよぉ〜。 |
米田: | へっ、そんなわかりにくいもんじゃねえよ。 いくぞ!各自自分の名前をフルネームで言え! 米田一基! |
大神: | は、はい。 大神一郎! |
加山: | 加山雄一! |
一馬: | 真宮寺一馬。 |
山崎: | 山崎真之介。 |
米田: | お前だ山崎!お前だけ名前に「一」の字が入っていない! |
山崎: | うっ。 |
大神: | そ、そういえば……。 |
加山: | いひやぁ〜、みんな「一」の字がはいってるんだなぁ〜。こりはびっくり。 |
一馬: | ほれみろ、やっぱりお前だったじゃないか山崎。 |
山崎: | くっ、そ、そういえば思い出したぞ。対降魔部隊の時もお前ら二人で「一の会」とやらをつくって、よく俺を仲間はずれにしてくれたな!剣術の稽古でもペアを組んでくれない、お弁当を一緒に食べてくれない、挙げ句の果てに上履きを隠す……俺がどんなに傷ついたことか……。 |
米田: | 何を言いやがる。それでめそめそ工房にこもってるのをあやめくんに慰めてもらって、結局最後はものにしやがって。 |
一馬: | そうだそうだ。なんだかんだでお前はおいしいところ持ってったじゃないか。 |
山崎: | う、うるさい。思えばあの時の屈辱から、私の叉丹への覚醒がはじまったのだ!見ていろ、私はまた復活して帝都を滅ぼしてやる。 |
一馬: | 何を偉そうに。サクラ1の最後でそんな事を言って去っていったわりには、2じゃてんで弱っちくってあっさりやられたくせに。 |
山崎: | や、やかましい。そういや俺にとどめを刺したのは真宮寺、貴様だったな!痛かったんだぞこの野郎! |
一馬: | あ、てめ、俺より階級2つも低いくせにそういう口のきき方すんのか? |
山崎: | 知るか、そんな昔のこと。ここで対等に決着つけてやる! |
一馬: | 望むところだ! |
ドタンバタン | |
米田: | あ〜、おめえらうっとおしいな。もう帰れや。 |
一馬: | な、ちょ、ちょっと待て米田!まだ私はさくらに…… |
山崎: | そ、そうだ私もかえでくんに…… |
米田: | ああ、わかったそのうち気が向いたら、また呼び出してやっから。ほんじゃな。 |
一馬: | うわあ〜ぁ〜おぼえてろよぉ〜よねだ〜 |
山崎: | うぉのれ〜、私はまた復活してやるぞ〜 |
大神: | …………。 |
米田: | ……大神。 |
大神: | ……はい? |
米田: | 旧友などというものは美しい思い出の中にとどめておくべきものだな、うん。 |
大神: | …………。 |
加山: | 大神、心配するな〜俺はいつまでも変わらないぞぉ〜。 |
大神: | …お前は頼むから変わってくれ…… |
大神: | さくらくんはいい。マリアもいい。すみれくんや織姫もまあいい。だがあのアイリスは何なんだ! いったい誰があんないい加減な合体技考えたんだっ!! |
加山: | 誤解してもらっては困るなぁ大神ぃ。合体技とは、隊員とおまえの心が一つになってこそ発動される起死回生の必殺戦力。おまえ達の生死にかかわる戦術の開発に、いい加減なものなど何一つとして許されないのだ。 |
大神: | じゃあ、あの合体技は真面目な戦術理論にもとづいた、合理的な結果の産物だというのか? |
加山: | 当然だ大神ぃ。花組各隊員と隊長であるおまえとの合体技開発にあたっては、我が隠密情報部隊・月組による分析結果をベースに、オブザーバーとして特殊空挺部隊・風組の意見も採り入れながら、米田指令を中心に活発な討論が行われてきた。 |
大神: | え、そ、そんなに綿密に議論されたうえで完成した技だったなんて。すまなかった加山、俺、あんな技だからてっきりギャグでやらされてるのかと思ってて… |
加山: | はっはっは、そう思うのも無理はない。そうだ、ここに当時の議事録が残っているが、何なら見てみるか? |
大神: | あ、ああ、ぜひお願いするよ。 |
加山: | …では、マリア機と大神機による発動技は『死に至るダンス』に決定です。 ロシア語訳については月組の多国語セクションに担当させておきましょう。 |
米田: | おう頼むぜ。次は…誰だ、すみれか。 |
加山: | はい。戦術面ではすでに仕様が固まっていますが、これにふさわしい決めゼリフがまだ未決となっております。 |
米田: | ううむぅ〜、あのすみれのことだ。何かこうよぉ、「わたくしが一番ですのよ、おーっほっほっほ!」てぇな感じのヤツを一発どかーんとかましてやりてぇなあ。 |
加山: | なるほど。(う〜、長官がすみれくんの声真似ってのも相当不気味だぞ) 風組の諸君、なにかいい意見はあるかな? |
かすみ: | そうですね、では… たとえば、有名な中世の地動説論争になぞらえて、『コペルニクスもガリレオも、ふたりの前では天動説』などというのはいかがでしょう。 |
椿: | さっすがかすみさん、それって理知的でとってもグッドですっ! |
由里: | じゃあじゃあっ、続けて『この世界はふたりを中心に廻っているっ!!』なんていうの、どうかしらっ? |
米田: | だぁーっはっはっは! そいつぁ傑作だぁ、あのすみれにぴったりでぇ。よしよし、それでいけぇ。 |
加山: | 了解しました。ではこの件に関しても決定事項といたします。続きまして… |
米田: | おう? また来たぞお楽しみがよぉ。 |
椿: | あ、もしかしてアイリスちゃんですか? はいはーい! あたし、ちゃんと新しい魔法のおまじない考えてきましたぁーっ! |
米田: | だーっはっは、毎回アイリスの合体技作るのは椿の十八番だからよぉ? |
椿: | じゃーん、今回はさらにパワーアップ! ふたりのこころがひとつになれば、アイリス、リアリス、パリルミラ… ライリス ラルミス パルミラルー! |
由里: | 『おとなのハートで、イリス・アデュールトっ!』 きゃーっかわいいかわいいーっ!!(><)ノ |
米田: | うっほほ、こいつはまた一段とはげしくなりやがった。大神がどんな顔するかいまから楽しみだぜ、だーっはっはっは! |
加山: | ではこの件についても全会一致で決定とします。 いやぁー大神ぃ、おまえも相変わらず受難の日々だなぁ〜。 |
加山: | とまあ、こういう感じだ大神ぃ。 |
大神: | …あの、これって、ほとんどノリだけで決めてるような気がするんですけど… |
加山: | それは認識の相違というやつだな大神ぃ。ではさらばだ、アディオースっ、とおっ! |
大神: | …ありゃ、行っちゃったよ。 うーん、なんか納得いかないなあ。でもまあ、かわいいからいいやっ。アイリス、リアリス、パリルミラぁ〜〜〜♪ |
すみれ: | 勘違いして頂いては困りますわ。治にいて乱を忘れず、わたくしたち花組は常に訓練を欠かすことはありませんのよ。 |
さくら: | ええ。通常技や必殺技はもちろん、大神さんとの合体技も事前の訓練が欠かせません! |
カンナ: | とゆーわけで、今日はその訓練日なわけだが… おうおう、相も変わらずやってらぁ。 |
アイリス: | ふたりのこころがひとつになれば、アイリス、リアリス、パリルミラぁ! |
大神: | ライリス、ラルミス、パルラルミルレル、じゃなかった、あれ、ええと… |
アイリス: | んもーっ、お兄ちゃんいつもそこでとちるーっ! |
大神: | ご、ごめん… このセリフ、なんだかすぐ舌がからまっちゃって… |
アイリス: | アイリスとお兄ちゃんがらぶらぶちっくになるための大切なせりふなんだからー、まじめにやってよぉーっ! |
さくら: | …と、このように合体技もちゃんと訓練の日程に組み込まれています。ああん、アイリスうらやましいなぁ。あたしの次の訓練日は… ぐす、あと3日もあと… |
すみれ: | このわたくしはともかく、残り7人分全員につきあわされる少尉はたまったものではありませんわね。やはり花組トップスタァ、この神崎すみれこそ少尉のリードにふさわしいのですわっ、おーっほっほっほ! |
カンナ: | 一生言ってろ。お、次はマリアの番だな。 |
マリア: | 隊長お疲れさまです。アイリス、もう交代の時間よ。4時からは私と隊長の『スミエールヌィ ターニィエツ』を訓練する予定でしょ。 |
アイリス: | やだやだーっ、アイリスもっともっとお兄ちゃんとくんれんするんだもーん! |
マリア: | アイリス! 時間はちゃんと守らなければだめ。他の隊員にとっても貴重な訓練時間なのよ! |
さくら: | ま、マリアさん… なんだかとっても目がマジです。 |
すみれ: | まったく、なんだかんだ言って結局ねらいは同じですのね。 |
カンナ: | あーあー、もうマリアらしくもねぇなあ。おいおい、こんなことしてるうちに時間なくなっちまうぜ。 |
すみれ: | はっ、もしかして、いまが漁夫の利の大チャンスかも!ですわっ。 少尉ぃ〜〜っ、わたくしと少尉の決めセリフがいまいちしっくりきませんの、少し読み合わせしていただけませんかしらー?(たったった) |
さくら: | あーーっ! すみれさん抜け駆けずるいですーっ! あ、あたしも、大神さーんあたしの合体技で剣の突き合わせ方をもう少しーっ!(たったった) |
マリア: | す、すみれにさくらっ、あなたたちまで! |
大神: | み、みんなちょっとまってくれぇもごもごもご… |
アイリス: | いやーっ! お兄ちゃんとっちゃだめーっ! さもないとお(>o<)ノ☆☆☆ビリビリビリ |
大神: | う、うわーっ、あああアイリスやめるんだ、みんな早く離れろぉーっ!! |
どっかーんっ! |