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サクラ大百科 第二十一巻

Volume 21

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12/6 収録




ご注意


このお話はサクラ大百科にいままで掲載されたお話と、関連付けられている部分があります。単品でもお楽しみ頂けないことはありませんが、ここまでのお話をお読みになった上でここに来てくださると、より楽しめるものとなります。ご了承ください。また明るい部屋で十分離れた上でご覧ください。(著者・KIG)




年末特別企画
・忘年会だよ花組集合

KIGさんのご投稿
 
 
大神:お、そろそろ準備完了かい?
さくら:あ、大神さん。
すみれ:ええ、すぐにでも始められますわよ。
大神:そうか。いやー、すき焼きなんて久しぶりだなあ。楽しみだね。
さくら:ふふふ、そうですね、なんだかわくわくしてきました!
すみれ:まあ、たまにはこういう庶民らしいのも悪くありませんわね。
織姫:少尉さーん、アイリスたち連れてきましたー。Oh、これが例の「こたつでなべ」でーすねー?
アイリス:わーい、レニ、たのしみだねー。
レニ:……そうだね。
大神:うーん、もうちょっとこたつ、真ん中に移動したほうがいいな。みんな手伝って。
レニ:了解。
大神:それじゃ、いくぞ。せーのっ!
一同:勝利のポーズ、決めっ!
大神:ってそうじゃなくて!こたつを動かすの!
さくら:す、すいません、つい条件反射で……。
織姫:少尉さんのかけ声が悪いんでーす。
大神:わかったよ。それじゃ、いち、にいのさん。
……うん、こんなもんだな。
紅蘭:おこんばんわ〜紅奴どす〜。すんまへんなあ、準備手伝わんと。
アイリス:あー、紅蘭ずるいんだー。
紅蘭:すまんなあ、アイリス、これで許したって。かえではんからの差し入れや。
すみれ:かえでさんから?なんでございましょ?
紅蘭:コロッケやて。なんでも実家のお母はんの作らはったもんらしいで。
さくら:ふ、ふーん。かえでさんのお母様、コロッケが得意なのかしら?
紅蘭:さあ。 あれ?マリアはんとカンナはんは?
大神:ああ、ちょっと買い出しに行ってもらってるんだ。そうすぐ帰ってくるんじゃないかな。
紅蘭:なんやぁ、ぐずぐずしとったら、さき食べてまうで。
アイリス:そうだよねー。カンナが入るとどんどんたべられちゃうしー。
レニ:先手必勝。
すみれ:まったくですわね。
織姫:わたーしたちイタリアンは食べるのが遅いんでーす。一方的に不利でーす。
大神:ま、まあ、もうちょっと待とうよ。
(わいわいがやがや)
 
扉の外
カンナ:おっ、やってるやってる。
よっしゃマリア、さっきのネタ合わせどおりにいくぞ!
マリア:ほ、本当にあれをやるの?
カンナ:なんだよ今さら。ほらいくぞ!
バタン!
さくら:あ、カンナさんとマリ…
カンナ:花組・年長組、とうじょーう!
マリア:……と、とうじょーう……
一同:…………(あんぐり)。
カンナ:おいおいマリア、なんだよそのタイミングは。ほらハズしちまったじゃねえか。
織姫:……タイミングの問題じゃないと思いまーす……
カンナ:こういうもんはタイミングと勢いだ!なあ紅蘭!
紅蘭:そ、そやねー。
マリア:ごめんなさい。私よくわからなくて…
さくら:と、とにかくマリアさんもカンナさんもご苦労様でした。さ、どうぞ座ってください。
カンナ:おお、わりいな、待たせちまって。じゃ、はじめようぜ。
マリア:はい、みんなグラスはいきわたった? じゃ隊長、乾杯を。
大神:今夜はロシア風に……
マリア:や、やめてください隊長。
大神:そうかい? じゃ、みんな一年お疲れ様でした! かんぱーい!
一同:かんぱーい!
カンナ:さあ、食おうぜみんな!
すみれ:ちょっとお待ちなさいなカンナさん。あなたのペースで食べられてはみんなが食いっぱぐれます。制限をつけさせて頂きますわ。
織姫:賛成でーす!
カンナ:な、なんだよ。どういうんだ?
すみれ:あなた、左手でおはしをお使いなさいな、それで少しは遅くなるでしょ。
カンナ:う、まあいいぜ。やったろうじゃないか!……ぬっ、よっ、はっ!……と、とれない……。
アイリス:あれー?カンナも「りょーとー(もごっ)。
大神:(アイリス!その話をむしかえすのはやめてくれ!)
さくら:? 何してるんです大神さん?
大神:い、いやなんでもないよ。
マリア:しかしこれだけの人数がいるとすき焼きはつらいわね、鍋が遠くて……
さくら:あ、あたしとってあげますよ。なにがいいですか?
マリア:じゃあ、そこの肉とえのき、お願いできる?
すみれ:さくらさん、わたくしにはお豆腐とおしらたきを……。
カンナ:けっ、なんだそのおしらたきってのは。こちとらおめえのせいでろくに食えねえんだぞ。
さくら:ふ、ふたりともケンカしないでくださいね。アイリスたちは?
アイリス:アイリスもおにくぅ〜。
レニ:ボクは……ネギ。
さくら:はいはい、お肉とネギね。
紅蘭:……むう……流したか……。
さくら:? なんのこと、紅蘭?
紅蘭:いやなんでも。おっ、かえではんのコロッケうまいなあ〜。
すみれ:ほんとにおいしゅうございますわ〜。
織姫:ぐらっちぇ!
アイリス:そうだ!お兄ちゃんこれのむぅ?パパがおくってくれたの!
大神:お、なんだいこれ?
アイリス:んーとねー、シャンパーン!アイリスの田舎の「じざけ」だよー!
大神:……なんか、シャンパンが地酒って違和感あるけど、ありがたくいただくよ。なんていうシャンパンかな……
アイリス:えっとねー、「くりゅぐ」って書いてあるー!
大神:ク、クリュグ!?
(そ、そういえばアイリスの実家は大富豪。くっそーブルジョワめ。花組財政難の時、援助もしてくれなかったくせに……
紅蘭:せや、さくらはん、ウチらもハタチになったことやし、ちょっとだけ飲もか?
さくら:そ、そうね。それじゃちょっとだけ……。
大神:じゃあ、ついであげるよ。ビールでいいね?
さくら:あ、ありがとうございます、大神さん。(ぽっ)
紅蘭:へへへ、おおきに、大神はん。
すみれ:(ムッ)少尉〜、わたくしにもついでくださいな〜。
マリア:ちょっと待ちなさいすみれ、あなたはさくらよりひとつ年下のはずよ。
カンナ:そうだぞ、そうは見えねえけど
すみれ:よっ、よけいなお世話ですわ。
ふふふーん、べつによろしいですわよ〜。あなたがたとちがって、わたくしはまだティーンエイジャー、ぴっちぴちなのですわ〜。
マリア:もう一度言ってごらんなさい。(ちゃかっ)
すみれ:わわわ、わたくしはまだけつの青いひよっこなのですわ〜!
アイリス:わーい、じゃあすみれも花組・年少組だね〜!
すみれ:……それもいやですわ。
織姫:いーえ、強制的に加入していただきまーす。
紅蘭:(ごくごくごく)ぷはーっ、この一杯のために生きとんなぁ〜!
織姫:あなーたはオヤジですか、紅蘭。
レニ:……ちょっと待って、紅蘭の生年月日は1906年3月3日。20才になるのは来年の3月のはずだよ。
マリア:そ、そういえば……紅蘭、グラスをよこしなさい。
紅蘭:(ちっ、ばれたか)いやぁ、あれ、そやったっけ?てっきりさくらはんと同い年やと……。
織姫:まったく油断も隙もありませーん。
大神:って言いつつその手に持ってるのはなんだ織姫くん!
織姫:きゃははは、なーに言ってるですか少尉さーん!わたーしたちイタリアンにとってはワインなんて水も同然でーす!
大神:だめだよ織姫くん……ってもう半分以上あけてるじゃないか。ああっ、レニ!それビールじゃないか!
レニ:ボクはドイツ人。ビールなんか水だ。
大神:だめだって!そのグラス、こっちに……
さくら:あははははははは!大神さーん、なんだか楽しいですねー!
大神:(ギ、ギクッ)そ、そうだねさくらくん。(よ、酔ってるのかな?)
さくら:あたし、うたっちゃおっかな〜!
大神:(げ。やっぱり酔ってる。こ、これはまずい展開だ。俺の霊力が「この場は退け」とささやいているっ。)
あっ、アイロンかけっぱなしだったかも!見てこなくちゃ!
さくら:……大神さん、どこ行くんです。まさかあたしの歌が聞けないっていうんですか?
大神:い、いやだなあさくらくん、どこにも行かないよ、ずっとそばにいるさ……(とほほ)。
さくら:うふふふ、ですよねー。
ねー大神さん、あたしうたっちゃおっかな〜。(じいぃぃぃぃっ!)
大神:う、うわあ、さくらくん、君の歌、是が非でも聞きたいなぁ!
さくら:うふふー、でしょー?
はいはーい!1番、真宮寺さくら、歌いまーす!
紅蘭:さくらはん、よう言うた!ウチはその言葉待っとったんや!こんなこともあろうかと用意しておいた「ばんそうくん改の改」で……
マリア:カンナ。
カンナ:おう。(がしっ)
紅蘭:な、なにするんやカンナはん!はなしなはれ!……ああっ、そないなとこつかんだらあかん!
カンナ:まあまあ紅蘭、「ばんそうくん」はいいからこっち来て老酒でも飲めって。
大神:飲ましてどうする。
紅蘭:「ばんそうくん改の改」やぁ〜!昨日徹夜したんやぁ〜!
マリア:はいはい。
……さあ、さくらいいわよ。
さくら:はーい!それじゃいきまーす!
♪あさのひか〜りがぁ〜やわらかくなぁってぇ〜 そとの、くうきが、やさしくかぁわあってぇ〜
アイリス:さっくら〜!
さくら:♪ゆきどけみぃーちを かたをすぼめてあ〜るくぅ わたしはな〜にを〜してたでしょおぉかぁぁ〜
一同:???
さくら:♪ときのながれぇにみをまぁかせぇ〜
一同:ちょっとまてい!
さくら:な、なんですか?
大神:なんという危険な真似を……。
マリア:ただでさえ歌詞の引用はあぶないというのに……。
織姫:これ以上はだめでーす。ジシュキセイでーす。
さくら:え〜!せっかく気持ちよく歌ってたのに……。
じゃ、そうだわ!マリアさん歌ってください!
マリア:え、わ、私?そ、そんな。
さくら:ええ、あたしマリアさんの持ち歌好きなんですよぉ。あの最後のほうが「青雲のテーマ」に似てるやつ!
マリア:……さくら、世の中には言っていいことと悪いことがあるのよ。
さくら:え〜、だめなんですか〜?
ふーんだ、いいもーん。飲もっと。
大神:さ、さくらくん、ほどほどにしとこうね。
さくら:えへへー。大神さん、あたしの心配してくれるんですか。うれしっ!
大神:え、まあ、その……
さくら:うふふー。大神さん、いーっぱいワカメ食べて、あたしと青葉城おさんぽしましょうねー。
大神:も、もちろんだよさくらくん。(いまだにワカメと青葉城の関連性がわからない……。)
さくら:それから宇都宮ぎょーざ、たべましょうねー。やくそくですよぉ。
大神:(……わからん)
マリア:……青雲……。
アイリス:きゃはっ、おにいちゃーん、これおいしいねー!
大神:なんだいアイリス……ってそれさっきのシャンパンじゃないか!だめだって!
アイリス:これアイリスのだもーん!ヒック!
大神:だめっ、そんなの飲んでるとおっきくなれないぞ!
レニ:隊長はボクが発育不良だっていうんだね……ひどいよ……やっぱり隊長は胸もおしりもぼーんっていうのが好きなんだね……
大神:ビール片手に何言ってるんだレニ!
すみれ:おーひょっひょっひょ、ひょうでふわよねえひょうい〜。やっふぁり、ぼーん!がよろひいでふわよねー!
大神:あ、でてこないと思ったらこっそり飲んでたなすみれくん!
織姫:ふみれはん、そこどくでーふ!あなーたの発育はもうおわりでーふ!少尉はーん、ひょうらいへいのあるわたひを選ぶでーふ!
大神:お、織姫くんまで……ふたりともまとわりつかないでくれ!
そ、そうだ!カンナ!ちょっとこのふたりひきはがしてくれ!
カンナ:だーはっはっは!この老酒ってけっこういけるなあ紅蘭!
紅蘭:ひゃーっひゃっひゃっ!せーやろー?カンナはんの泡盛もおいしいわぁー!
カンナ:うーれしいこと言ってくれるなあ、こうらーん!きーもちいいぜぇ!なーんかこう力がわきあがってくるってのかぁ?
紅蘭:おうっ、カンナはん、あんたは虎や!虎になるんや!
カンナ:おおっ、あたいは虎だ!
そーれ、三進転掌!(どごぉっ!)
紅蘭:ひゃーっひゃっひゃっ!ええぞぉータイガー!
大神:み、見なかったことにしよう……。
織姫:きゃははは!たのしいでーふ!
すみれ:ひっく!りりひいでふわよ〜ひょうい〜。
アイリス:うふふっ、ゆめのせかいでいやしてあげるぅ。
レニ:えあすて、ちゅばいて、ちゅるっちゅ、えあすて、ちゅばいて、ちゅるっちゅ……
紅蘭:うわははは!えーかんじやでェ!
カンナ:おらァ!おらおらァ!
さくら:どんどんいきましゅ!
大神:だ、誰かなんとかしてくれ、この酔っぱらい集団……
そ、そうだ、マリアがいた! マリア!マリア!
マリア:……どうせ私の曲は「青雲のテーマ」よ……。
大神:……マ、マリア?
マリア:(ぐびぐびぐび) あ゛?
大神:(げっ、あ、あれはひょっとしてウオッカ!?)
マリア:ひっく!たいちょーう! あなたはどうおもってるんです!? やっぱり「青雲」ですか!?
大神:い、いや、そ、そんなことはないよ、うん。
マリア:ほんっとーですか?!ほんっとにほんっとーですか?!
大神:も、もちろんだよ、うん。「青雲」なわけないじゃないか!
マリア:う〜、そんなうまいこと言って、じつはまさか「毎日香」なんじゃないでしょうね!?
大神:ままま、毎日香?!
マリア:……やっぱり隊長は「毎日香」が好きなんですね……「青雲」より「毎日香」なんですね……
大神:ちょっ、マ、マリア?
マリア:私より「毎日香」なんですね?!「毎日香」をとるんですね?!そうに決まってる!
うわあああああ!
大神:い、いやそんなことはないよマリア、「毎日香」より君の方が大事だ!決まってるじゃないか!
マリア:…………。
…………!
大神:マ、マリア?
マリア:う゛。
大神:おどわーっ!
ま、まずい状況なのかマリア? 深刻なのか? たのむ、もうちょっとこらえてくれ!
ど、どどどうしよう、そうだトイレだ、あれ?トイレはどこだっけ……
さくら:あーっ、大神しゃんとマリアしゃん、二人でどこいくんでしゅかぁ〜!
織姫:つーしょっとになろーなんへ、ゆるへまへーん!
アイリス:お兄ちゃんはアイリスのぉ〜!
すみれ:ひょーっひょっひょっ、にぎゃしませんことよぉ〜。
レニ:きどーりょくを、うば、うばおう……。
紅蘭:いけーっ、タイガー、大神はんをつかまえるんやぁー!
カンナ:うおうっ、あたいは獲物を狩る虎だぜーっ!
マリア:う゛。
大神:うわああああ!はなしてくれええええ!もーやだとちぎにかえるうううう!
 
 
 
……花組の夜はふけていく……

 
 
 
§あとがき§

 というわけで、「全員壊れろ」の巻でした。つ、つかれた……。
 「花組・年長組、とうじょーう!」と「ボクはネギ」をやりたくて始めたネタでしたが、いざ始めてみるとなかなか収まりがつかず、みんなどんどん壊れていってしまいました……。宴会の始まりから書き出してしまったもんで、盛り上がっていく感じを作るのに苦労しましたねー。うまくみなさんに伝わるといいんですが……。
 蛇足ですが、マリアの「う゛。」は大富豪のときのアレの声で読んでください。
 それでは、ネットスナフキンのKIGでございました。おそまつ様&よいお年を……。
 
 

 いやあ、来ました来ました、花組忘年会ネタのご投稿が(^O^)。このぶっちぎりのパワーと壊れっぷりを前にして、もはや私にどんなコメントの余地が残されていましょうか(^^;。これまでの傑作ネタがそこここに散りばめられた総集編とも言うべき本ご作品で、皆さんもこの一年のサクラ大百科2に想いを馳せていただければ幸いです(ばく)。
 暦も師走に入り、いよいよ忘年会シーズンも幕をあけようとしています。連日の飲み会で皆さん「う゛。」にならないよう、くれぐれも肝臓は大切に。KIGさん、ご投稿まことにありがとうございますですー(^o^)/

 
 
 
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