加山: | 帝国華撃団・月組隊長、加山参りました。 |
米田: | うむ、ご苦労。 |
かえで: | さっそく花組の人間関係に関する報告会、始めましょうか。 |
米田: | まずは加山、おめえの報告を聞こうじゃねぇか。 |
加山: | はい。大神という触媒を抜きにして考えた場合の、花組隊員の信頼関係分析でしたね。まずはこの表をご覧ください。花組隊員どうしがイベントにおいていっしょに行動していた回数を表したものです。 |
名前 | さくら | すみれ | マリア | アイリス | 紅蘭 | カンナ | 織姫 | レニ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
さくら | 1 | 1 | 2 | 3 | 1 | 3 | 0 | 11 | |
すみれ | 1 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 6 | |
マリア | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | |
アイリス | 2 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 8 | |
紅蘭 | 3 | 1 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | 10 | |
カンナ | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 | 7 | |
織姫 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 6 | |
レニ | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 5 |
米田: | ふむ。これを見た限りでは、さくら、紅蘭あたりが非常に人づきあいがいいようだな。 |
かえで: | そうですね。まあ花組では一番アクのない二人といえるかもしれませんわ。お互いも同い年だけあって仲がいいですわね。 |
加山: | さくら隊員には第1話から登場しているというアドバンテージがあります。紅蘭隊員は登場が遅いにも関わらず、他の隊員とまんべんなく接触しており、彼女が意外に細やかな気遣いをする人間であることを示しているといえます。 |
かえで: | そうね。扱いの難しいレニに関しても、潜水訓練用のロボットを作ってあげるなど、個人的に接触しているようだわ。 |
加山: | 彼女の場合、いろいろと考えて人と接触する神経質な部分があるようです。アイリスとの個人的接触がリストにないのは、むしろ気を遣う必要がなかったからかもしれません。 |
米田: | そのアイリスはやはりレニと仲がいいってぇわけだな。 |
かえで: | そうですわね。レニは花組に溶け込んだとはいえ、なかなかアイリス以外の隊員と個人的な付き合いをするまでにはいきませんわね。 |
米田: | ほう、マリアとカンナのコンビってのはねぇんだな。 |
かえで: | まあ、あの二人の場合、親友といっても始終いっしょにいるタイプではなく、多少距離をおいて認め合うタイプですから。役割も違いますし。 |
加山: | そうです。マリア隊員が多少メンバーと距離を置き、規律を維持する。カンナ隊員が気さくに付き合い和を保つ。このような役割分担がデータからも読み取れます。 |
米田: | 大神のヤローがのうのうとしてられっのも、この二人のおかげだな。 |
加山: | 同感です。 |
かえで: | 織姫は意外にさくらになついているようですね。 |
米田: | まあ、さくらは同性にゃけっこう懐のふけぇとこがあるからなあ。素直じゃねえ奴の相手はすみれで十分すぎるほど経験済みってとこだろ。 |
かえで: | すみれにも成長が見られますわ。以前ならアイリスとレニを連れて海水浴にいく、なんてことは考えられなかったのでは? |
米田: | うむ、そうかもしれねぇなあ。 |
加山: | 司令。今後の課題は? |
米田: | うーむ、まずはレニだなあ。いまひとつ織姫とすみれに隔意があるからなぁ。だいたいなんであいつぁ星組で同僚だったくせに、織姫をさける節があるんだろうな。 |
かえで: | あの二人はいわば水と油ですから。織姫の方はあまり気にしていないようですから、こちらがそれほど気に病む事もないと思いますわ。アイリスも緩衝材になってくれますし。 |
米田: | あといっしょにいるのがピンとこねぇのは織姫とすみれか? |
かえで: | そうですわね……あの二人は似たところがありますから、なかなか気がぴたりとあうというわけにはいかないかもしれませんわね。 |
米田: | な〜に、かまわねえよ。隊なんだからよ。なにも無理して個人個人が仲良くなる必要はねぇやな。全体としてまとまってりゃあよ。 それより問題はだ! |
かえで: | はい? |
米田: | 大神のばか野郎だ! |
加山: | 同感です! |
米田: | あいつがこのままへらへら八方美人に愛想ふりまいってっと、触媒どころか、分離剤になっちまう。ちやほやする隊員をとっかえひっかえしやがって!だいたい最近のあいつのゲージを見たかかえでくん! |
かえで: | い、いえ。 |
米田: | ピンクだ、真っ赤だ、軟派ゲージふりきってやがる!ひとつあいつを叱りつけて、ゲージも顔色も真っ青にしてやらにゃあなるめえ! |
加山: | 同感です! |
かえで: | はあ、わかりましたわ。呼んでまいります。 |
| |
大神: | かえでさん!わざわざ呼びに来てくださったんですか、感激だなあ!ええ、どこへでも参りますとも! |
かえで: | (……なるほどね、ゲージが真っ赤だわ。) |
大神: | どうしたんです、かえでさん?まあかえでさんほど美しい方ならだまっていてもそれで十分ですが。 |
かえで: | ……支配人がお呼びよ、大神君。 |
大神: | そうですか、わかりました! (コンコン)……大神です、入りまーす。 |
米田: | おう、へえりやがれ! |
バタン | |
かえで: | 大神君もかわいそうに……。 |
・ ・ ・ | |
かえで: | 支配人?終わりました? ……あんまり大神君をいじめたらかわいそうですわよ。 |
米田: | おっ、かえでくんじゃあないか。あいかわらず美人だね。 |
かえで: | …………。 |
米田: | その服なかなか似合うじゃないか。君のためにデザインされたかのようだよ。 |
かえで: | 支配人……ゲージ真っ赤です……まさかうつった…… |
米田: | なんのことだいかえでくん?いやあ、生まれ変わったかのような爽快な気分だよ! |
かえで: | (……大神君!あなたはこれからこの帝劇をどうしようというの……!!) |
米田: | おい、かえでくん、どうしたんだ、顔色がわるいぞ、おーい、かえでくーん………… |
紅蘭: | はあぁ〜ぁ。 |
かえで: | あらあら、どうしたの紅蘭。そんな大きなため息ついちゃって。 |
紅蘭: | あ、かえではん。……ちょっと聞いてくれはります? |
かえで: | ええ、もちろんよ。 |
紅蘭: | ふと気づいたんですけどな、どうもウチ、最近ツッコミ役が多いんですわ。 |
かえで: | ……はい? |
紅蘭: | ツッコミですわ、ツッコミ。「いいかげんにしなはれー」とか、「なんでやねん」みたいな。 |
かえで: | あ、ああ、はいはい。えーと、舞台の上の話ね? |
紅蘭: | いや、ちゃいます!生活全般に渡ってですわ! |
かえで: | …………。 |
紅蘭: | すべての人間関係は「フリ、ボケ、ツッコミ、ノリ、フォロー」この五大要素によって成り立つ!こんなんは常識ですよ、かえではん! |
かえで: | そ、そうなの? |
紅蘭: | で、最近ウチは気づくとツッコミをやらされてるんですわ。こらなんとかせなあかん! |
かえで: | ? どうして? |
紅蘭: | ウチの真価は、ボケに回ってこそ発揮されるからに決まってます! 「かっちゅう良くって、よろこうぶ〜」 ああ、お茶の間の大爆笑が聞こえてくるようやわ! |
かえで: | ……。 |
紅蘭: | どないしはったんです、かえではん? |
かえで: | ご、ごめんなさい。ちょっとめまいがしたものだから。 |
紅蘭: | そらあかん。お部屋にもどらはりますか? |
かえで: | いえ、だいじょうぶよ。それより紅蘭、あなたは具体的にはどうしたいわけ? |
紅蘭: | そらやっぱり、ツッコミからボケに回りたい!ボケをきれいに決めたい!びしっとツッコんでほしい! |
かえで: | それなら話は簡単ね。だれか他の人に、その「ツッコミ役」を引き受けてもらうしかないわね。 |
紅蘭: | ……そらそうですね。なんで今まで気づかへんかったんやろ?せやせや、誰かにツッコミやってもらお!いや〜、かえではんに相談してよかったわ〜。おおきに、ありがとうございました。ほな、ウチはさっそく! (たたたたっ) |
かえで: | ……なんだか疲れたわ…… |
| |
紅蘭: | よっしゃ、まずはさくらはんや!部屋にいてはんのかいな? さっくらはん!あれ?カンナはんが一緒やの? |
さくら: | こ、紅蘭! |
紅蘭: | な、なに?なんかウチ迷惑やった? |
カンナ: | はっはっは、いいじゃねえか、さくら。隊長にさえばれなきゃいいんだろ? |
紅蘭: | いったいなんやの?あれ、それは? |
カンナ: | いやぁ〜、隊長にあげるってんでマフラー編んでるんだってさ。さくららしいよな。 |
さくら: | そ、そんな大きな声で言わないでください、カンナさん。 |
紅蘭: | ……そらさくらはんらしいけど、そのマフラーの色はいったい……? |
カンナ: | ああ、このピンクに緑の斑点のことか? |
さくら: | えーと、「好きな色はなんですか?」って聞いたら、 「うーん緑かな?あ、あとさくらくんが着てたサマードレスの色なんかも好きだなぁ」 って大神さんが言ってくれて……きゃーっ、恥ずかしいっ! |
カンナ: | くーっ、隊長もやるねえ! |
紅蘭: | ……それでまさかその二色を混ぜてまえ、と? |
さくら: | ええ。なにかまずかった? |
紅蘭: | …………。 |
カンナ: | 別にいいんじゃねえか?しっかし手編みのマフラーとはねぇ、あたいにゃとうてい真似できねえなあ。 |
さくら: | あら、じゃあカンナさんだったら何をプレゼントするんですか? |
カンナ: | あたいかい?そうだなあ、あたいだったらやっぱり、なんか食いもんでも作ってやるかなあ。 |
さくら: | いいですね!カンナさん、大神さんの好物ってなんだか知ってます? |
カンナ: | そうだなあ、あたいが前にゴーヤチャンプルーを作ってやった時には、うまいうまいって食ってたけどなあ。 |
さくら: | ゴーヤチャンプルーですか……ちょっとあたしには作れませんね……。 |
カンナ: | うーん、それほど難しくはねえんだけど……。 そうだ!そんならいっそのこと、このマフラーの柄をゴーヤにするってのはどうだ? |
紅蘭: | なっ、ちょっ、カンナはん、それはなんぼなんでも…… |
さくら: | えっ、で、でも…… |
紅蘭: | (そうやさくらはん!抵抗しなはれ!) |
さくら: | ゴーヤって何色なんですか? |
紅蘭: | なんでそうなんねん! |
カンナ: | 心配すんな、緑色だ! |
さくら: | ああよかった。じゃあゴーヤってどんな形してるのかみせてもらえます? |
カンナ: | おう、たしかあたいの部屋に、この前送ってもらったのが何本か…… |
紅蘭: | (ピンクにゴーヤ模様……ピンクにゴーヤ模様……それが大神はんの首に巻きつく……) |
さくら: | 紅蘭?どうしたの? |
カンナ: | おい、紅蘭、だいじょうぶか? |
紅蘭: | はっ、いや、なんでも。 ……ほな、お邪魔しました。 |
さくら: | あっ紅蘭、なにか用だったんじゃないの? |
紅蘭: | ……いや、もうええんですわホンマ。えらいすんませんでした。 |
さ&カ: | ??? |
| |
紅蘭: | ……あかんわ。気ィついたらすっかりツッコミにまわっとったわ。考えてみたら、あの二人みたいな天然にツッコミ役がつとまるわけないなあ。ほかいこ、ほか。 おっ、サロンにおるんは、すみれはんと織姫はんやな? |
織姫: | Oh!このドレスなーかなかいいですね〜? |
すみれ: | まあまあですわね。でもちょっぴり地味じゃありませんこと? |
紅蘭: | なにしてはるん、ふたりとも? |
すみれ: | あら紅蘭。いえね、わたくしのところに新作ドレスのカタログが届いたものですから、織姫さんと一緒に眺めていたのですわ。 |
織姫: | ニッポンのファッションもだいぶ良くなってきたようですねー。 |
すみれ: | こういったお話ができるのは、織姫さんだけですわ。他の方々ではどうにも……ましてやカンナさんなどでは……おーほっほっほ。 |
紅蘭: | はあ、さいですか。 ……今日はちょいとおふたりに相談がありまして…… |
すみれ: | まかしてくださいませ! |
織姫: | わっかりましたー! |
紅蘭: | おおっ、そりゃ頼もしい!って、ウチまだ何も…… |
織姫: | みーなまでおっしゃいますなー! |
すみれ: | わかっておりますわ!花組ファッションリーダーたるわたくしたちに相談といえばただひとつ!3に向けての新衣装のご相談ですわね? |
紅蘭: | 3て……いや、そやなくて…… |
織姫: | はーずかしがらなくても、オーライでーす。すーべて私たちにまかせてビッグボートに乗った気でいてくださーい。 |
すみれ: | 実は先ほどから織姫さんと話しておりましたの。皆さん舞台女優だというのに、普段の衣装がどうも垢抜けない、と。 |
織姫: | もっとこー、女優としてのオーラがにじみ出るような華麗さがほしいでーす。 |
すみれ: | 紅蘭のチャイナドレスは、まあ悪くはないのですけれども、やたらに素肌をさらすのはどうかと思いますわ。 |
紅蘭: | (あんたがいうか、あんたが?!) |
すみれ: | ささ、このカタログを参考にいたしましょ。織姫さん、このドレスなどいかがかしら。 |
織姫: | そーですねー、紅蘭さん胸がないですから、こーゆー胸元の開いたのはどうかと思いまーす。だめですねー。 |
すみれ: | ……むぅ。 |
織姫: | それより、こっちのはどうでしょー? |
すみれ: | 紅蘭のような地味なお顔では、このような華やかな色合いのは似合いませんわね。却下ですわ。 |
織姫: | ……ぬぬぬ。 |
紅蘭: | ……ウチむっちゃ失礼なこと言われとるような気がすんねんけど…… |
すみれ: | やはりこちらのような…… |
織姫: | それよりこっちが…… |
紅蘭: | (あんたら、ウチが目の前におること忘れとるやろ……) |
織姫: | ……失望しましたー。すみれさん思ってた以上にセンスナッシングでーす。 |
すみれ: | な、なにをおっしゃいますの!それはわたくしのセリフですわ! |
織姫: | だいたいおかしいと思ってたでーす。すみれさんみたいにガバッと肩だしてキモノ着てる人、ニッポンでみたことありませーん! |
すみれ: | あなたこそ、そんな衣装で熱海の山に登るなんてどういう了見ですの?TPOってものがございますでしょう、TPOってものが! |
織姫: | きーっ、あれはわたしのせいじゃなくてニッポンの山のせいでーす!普段から妙なカッコーしてるすみれさんに言われたくありませーん! |
すみれ: | ぬわんですってぇ?!あなた、口のきき方に気をつけたほうがよろしくってよ!そんなことだからレニに援護をたのんでも「やだ。」などと言われてしまうのですわ! |
織姫: | ち、ち、ちょームカツク!すみれさんだって「うるさい。」とか言われてるじゃありませんかー! |
すみれ: | ぐ、ぐががぁぁ。う、うるさいですわね!これだけは言うまいと思っていたのですけれど、あなたのエンディング!前作のわたくしのエンディングと同じじゃありませんの!真似しないでくださる?! |
織姫: | な、なに言いやがるってカンジ!そんなのわたしの知ったこっちゃないでーす! |
すみれ: | よろしゅうございますわ!あなたとは一度決着をつけねばなるまい、と常々思っておりましたの!神崎風塵流の恐ろしさ、教えてさし上げますわ! |
織姫: | 望むところでーす!地中海の赤い風が吹き荒れまーす! |
ズンズンズンズン | |
紅蘭: | ああ、二人して中庭のほうに行ってしもた。あかん……。 |
| |
紅蘭: | あの二人にはツッコミはどだい無理な話やなあ。ツッコミっちゅうのに必要なんは冷静さや。あの二人にはカケラもない資質やなー。 となると候補はほぼ決まりやな。どこにいてはんのかいな、マリアはんは?作戦司令室、ここかいな? |
レニ: | ……マリア、ここは? |
マリア: | そうね……。 |
紅蘭: | レニにマリアはん。なにしてはりますのん? |
マリア: | あら紅蘭。地図上での戦略シミュレーションよ。ちょっと待っててちょうだい。 |
紅蘭: | はいな。 |
レニ: | …………?(地図の一点をゆびさした) |
マリア: | …………。(軽く首を振った) |
レニ: | …………。(違う地点から指をなぞった) |
マリア: | …………。(小首をかしげた) …………。(かすかにうなずいた) |
レニ: | …………?(地図上の一点をトントンと叩いた) |
マリア: | …………。(かすかにうなずいて指をその地点までなぞった) |
レ&マ: | …………。(ちらりと目をみあわせ、二人でほんのすこし微笑んだ) |
紅蘭: | 〜〜〜〜〜〜〜?! |
マリア: | 待たせたわね、紅蘭。 |
紅蘭: | マ、マリアはん、今のは? |
マリア: | ああ、レニと協力してうまく敵を挟撃できたわ。 |
レニ: | ……作戦成功。 |
紅蘭: | そ、そうですか、おめでとうございます。 |
マリア: | それより紅蘭、どうしたの?なにかあったのかしら? |
紅蘭: | ええ、まあ。 (どないしよ。突然ツッコミ役に回ってくれ、頼むのもなあ。せや、ちょっと試してみよ!) |
レニ: | …………? |
紅蘭: | いや、ちょっとマリアはんに相談しよ思いまして。光武のことなんですけどな。 |
マリア: | 光武の?なにかしら? |
レニ: | ……戦力があがるの? |
紅蘭: | いや、それもあるんですけどな、この際戦力アップをかねて、 霊子甲冑をもっとこうかっちゅういいデザインにしようかなーって! |
レニ: | ? |
マリア: | わかったわ。あなたが言うくらいだからそれは必要なことなのね? |
紅蘭: | え?あ?あれ? |
マリア: | さっそく米田長官のところに行って予算のことなどご相談しましょう。 |
紅蘭: | いやそやなくて、そこは「ええかげんにしなはれー」って…… |
マリア: | ? なにを言っているの紅蘭? |
レニ: | ……マリア、おそらく「甲冑」と「かっちゅういい」が韻をふんでいるものと思う。 |
紅蘭: | ……韻って、そないなおおげさなもんや…… |
マリア: | ? かっちゅういい?「格好良い」の方言かしら。紅蘭、私まだ方言までは……。 |
紅蘭: | いや、そんなことやなくて…… |
レニ: | ……甲冑と格好良い、さらに甲冑良いということで霊子甲冑の改良を意味するものと思われる。 |
紅蘭: | いや、なにもそこまで…… |
マリア: | ああ、なるほどそういうことなのね?日本語って難しいのね、勉強になったわ。 で、光武の改造についてはどうする?とりあえず隊長とかえでさんに先に話を通しましょうか? |
紅蘭: | …………。 |
マリア: | 紅蘭? |
紅蘭: | ……いや、そないに急ぐわけやないですから……ゆっくり計画練って……また相談に来ますわ……。 |
マリア: | そう?じゃ待ってるわ。 レニ、続きを。 |
レニ: | …………?(指を3本立てた) |
マリア: | …………。(かるく首をふり、指を4本立てた) |
紅蘭: | ……ほな、失礼しますわ…… |
| |
紅蘭: | あかん……完全なボケつぶしや……あないに正面からこられたらかわしようがないわ。どないしよう、花組に軽快なツッコミをこなせる人材はおらんようや。 ……けどあきらめるわけにはいかへん!ウチは意地でもボケ役になったるんや! となったら手は一つ!自分でツッコミ役を育てる!育てるっちゅうことはターゲットは決まりや! |
| |
アイリス: | なんでやねん!なんでやねん!なんでやねん!なん…… |
紅蘭: | ちがーう!もっと歯切れ良く、大きな声で!ええか、ツッコミっちゅうのの基本はスピードと正確さや!すばやくはっきりと!間違っても噛んだらあかんで! |
アイリス: | うわーん!!紅蘭こわーい!! |
紅蘭: | 甘ったれとったらあかん!そないなことでは立派な芸人にはなられへんで! 次は裏拳ツッコミの素振りもつけるで!とりあえず300回や! |
アイリス: | うえーん!グスッ、なんでやねん!なんでやねん!なんで…… |
紅蘭: | ちがーう! |