火車: | くっくっく、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。 | |
木喰: | べつに忙しくもないがの。わしらもう死んどるし。 | |
火車: | ……本日はわれわれ黒鬼会の反省会。みなさまぜひ忌憚のないご意見を……。 | |
土蜘蛛: | 反省会ねえ……。 | |
火車: | また慰労会の意味もかねておりますれば、軽いお飲み物と食べ物も用意してございます。 | |
金剛: | おお、気がきくぜ火車! | |
火車: | またこの火車主催の楽しいゲーム大会「ドレミファ・そら。・死・ドン」も用意しておりますので… | |
京極: | いや、それはいらん。 | |
火車: | ……徹夜で準備したのに…… | |
水狐: | あら?そういえば鬼王は? | |
京極: | うむ。あやつは今日、対降魔部隊の義理があるとかで遅れてくるそうだ。 | |
水狐: | なによ、つきあい悪いわねー。 | |
木喰: | まあ、大人にはいろいろあるものじゃよ。 | |
火車: | とりあえずみなさま、軽くつまみながらご歓談のほどを…… | |
水狐: | はーい、それじゃ京極さま、おひとつどうぞ〜。 | |
京極: | うむ。 | |
金剛: | お、おう、水狐、俺にも…… | |
水狐: | (るっさいわね、金剛、邪魔しないでよっ!)(ぼぐぅっ!) | |
金剛: | ぐ、ぐはあっ!……しょ、しょんなぁ〜。 ……ち、ちくしょう。おい土蜘蛛、てめ手酌で飲んでんじゃねえよ!女だろ!酌しろ、酌!ったく、なんのために腕六本もついてやがんだ! | |
土蜘蛛: | それはね……こうするためだよ! | |
金剛: | ぐはっ、げへっ、ひでぶっ! | |
木喰: | おお、相手の両腕を封じておいてから、鼻をつまみ往復びんた、ソーラー・プレキサスとリバーへの同時ボディーブロー!見事な攻撃じゃ! | |
火車: | くっくっく、なかなか美しい……私の炎には劣りますが……。 | |
金剛: | ぐはあっ、びてでえで、どべろっで! | |
木喰: | なんじゃ?鼻をつままれているせいか、なにを言ってるのかよくわからんのう。 | |
火車: | 「見てねえで止めろって」のようですが、はっきりとはわかりませんねぇ〜。 | |
木喰: | うむうむ。確認のとれん情報をもとに動くのは愚の骨頂じゃ。ここは様子をみるとしようかの。 | |
金剛: | ぼ、ぼばえら〜、ぐべっ! | |
水狐: | ……ちょっと土蜘蛛! | |
金剛: | (す、水狐やっぱり、お前だけだ〜) | |
水狐: | ブローの角度が甘いわ。もっとこう、こうよ! | |
土蜘蛛: | こうか?(ぼすっ) こうか?(どむっ) | |
京極: | うむ、そんな感じだ。 | |
金剛: | ぐべべぇ〜! | |
木喰: | さて、わしらはご歓談しようかの。 | |
火車: | そうしましょう。 さ、御老体、こちらなぞお食べになってはいかがです。 | |
木喰: | おお、火車、さすがわしの兄弟機を駆るだけのことはあるの、気がきく……ってなんじゃこれは。 | |
火車: | 木です。 | |
木喰: | わしゃカミキリムシか。 | |
水狐: | ささ、京極さま、もう一杯いかが〜。 | |
京極: | うむ、すまぬな水狐。 | |
水狐: | もう京極さまったらっ!す・い・こって呼んでっ! | |
京極: | 呼んどるではないか。 | |
水狐: | あ、京極さま、もうとっくり空いてしまいましたわ。思い切ってボトルいれましょ。ね? はいっ、ニューボトル!ニューボトル! | |
京極: | ……水狐、おまえ、私の知らんところで何をしていた…… | |
火車: | うーん、このろうそくの炎、これさえあれば何杯でもいけますねえ… | |
木喰: | なんのこの数式の美しさにくらべれば… | |
金剛: | はあはあ。お、おまえら… | |
木喰: | なんじゃ、やっと抜け出してきたのか金剛。 | |
土蜘蛛: | ……飲んでるとこ邪魔すんじゃないよ……(ぐびぐび) | |
火車: | くっくっく、だらしのない。あれしきの攻撃で……。 | |
金剛: | な、なんだと…(ぜいぜい) | |
木喰: | 金剛、おぬしはどうも根性が足りん。何度も何度も負けて帰ってきおって。大日剣を直すわしの身にもなってみろ。 | |
金剛: | も、木喰、お前人のこと言えんのか? 水狐聞いてくれ! こいつたった2機相手に負けたんだぜ! | |
木喰: | う、うぬっ、そ、それは… | |
水狐: | うわ、そうなの? やだサイッテー。 | |
火車: | くっくっく、それは知りませんでした。なんと美しくない……。 | |
金剛: | その前にも槍で一発「ぐさっ」ってやられただけで撤退しやがるしよお! | |
木喰: | ぐ、ぐぬぬ。 | |
土蜘蛛: | ワタシも前から思ってたんだけどね木喰、あんたの必殺技、貧弱すぎやしないかい? | |
水狐: | あーそうそう! 「びっくりどっきりメカ」を応援するだけなんですものねー。 | |
木喰: | 「びっくりどっきりメカ」ではない! 「円空」じゃ! | |
水狐: | 誰もそんな名前覚えちゃいないわよ。ねー京極さま〜! | |
京極: | うむ、そうだな。あれは「びっくりどっきりメカ」だ。 | |
木喰: | うう、京極様まで……。 うぬ、それならば言わせてもらうがの、水狐、おぬしの必殺技、ぷれいやーの方々に評判悪いぞ! | |
水狐: | な、なんですって!? | |
木喰: | おぬしが無駄に分身なぞするものだから、何度も見せられてうっとおしいのじゃよ! | |
土蜘蛛: | あっはっは、そぉうだねえ! Aボタンキャンセルもできないしねえ! | |
水狐: | そ、そんな。ウインクのサービスまでつけてるのに……。 | |
金剛: | いや水狐俺は好きだぞ、あのウインクに金剛もうメロメロ… | |
水狐: | あんたはひっこんでて!(ぼぐぅっ!) | |
金剛: | ぐふうっ! しょ、しょんなぁ〜。 | |
火車: | くっくっく、それにひきかえ私の「そら。」の好評なことといったら……。 | |
水狐: | なに言ってんのよ! 慣れたプレイヤーはあんたの「そら。」なんか聞かずに、速攻で倒すそうじゃないの! | |
火車: | な、な、な! | |
木喰: | それに自分の焼塵にだきつかれて死ぬなどという醜態をさらしおって。 | |
金剛: | はっはっは! こいつはいいや! | |
火車: | く。ならば私も言わせて頂きます。金剛、あなた部下に嫌われておりますよ…。 | |
金剛: | な、なにい! | |
京極: | ほう。 | |
土蜘蛛: | ああ、そうそう、ワタシも聞いたよその噂。 | |
木喰: | 初耳じゃな。 | |
火車: | 以前、黄童子の控え室を通りがかったとき…… | |
| ||
黄童子A: | ……最近金剛のオヤジにも参るよな。やたらに出撃しやがってよぉ。 | |
黄童子B: | 聞いたか、今度オレらに「かばう」機能つけて自分をかばわせるらしいぜ! | |
黄童子A: | ああ、噂にはきいてるよ…… | |
黄童子C: | オレらがかばってるって気づいたら、華撃団のやつら、真っ先にオレらに襲いかかってくるんだろうな…… | |
黄童子A: | うう、オレこええよ……。 | |
黄童子B: | 知ってるか?あいつ、水狐さんにいいとこ見せたいってだけで出撃してるらしいぜ! | |
黄童子C: | まじかよ! 冗談じゃねえぜ! オレらそんなことのために命はらなきゃなんねえのか! | |
黄童子A: | ににに、逃げちゃおうぜおい! | |
黄童子B: | そ、そうだな、そうするか。 | |
黄童子C: | そうだよな、オレらにだって幸せになる権利あるよな! | |
| ||
火車: | ……というようなことが……。 | |
金剛: | くっ、そ、そういえば3人ほどいなくなっていたような……。 | |
火車: | なんでも彼らはいま北海道で畑を耕しているとか…… | |
金剛: | ち、ちくしょうあいつら…… | |
木喰: | 部下の人心掌握は中間管理職の基本じゃぞ。 | |
火車: | 部下に裏切られるなんて、笑ってしまいますね……くっくっく。 | |
金剛: | お前が言うか、お前が! | |
火車: | べ、べつに私は裏切られたわけじゃありませんよ。あの焼塵が壊れただけです。 | |
木喰: | いや、わからぬぞ。おぬしへの恨みで抱きついたのやもしれぬ。 | |
土蜘蛛: | あっはっはぁ! みじめだねえ! | |
火車: | うるさいですよ、土蜘蛛! あなたこそ「イ型軽」などという役に立たない部下を引き連れて、恥ずかしくないのですか! | |
土蜘蛛: | な、なんだってええ! | |
水狐: | ああ、あの異様に防御力の低い、ちゃっちいやつら? | |
金剛: | 華撃団のやつらに「こいつらボール紙製なんじゃねえの」って言われてたぜ。 | |
土蜘蛛: | ワ、ワタシだって好きで使ってるわけじゃないよ! | |
金剛: | あ、言っーてやろ言ってやろ! 軽ちゃんたち傷つくだろうなあ! | |
木喰: | うむ。そういう言い方はよくないのう。 | |
土蜘蛛: | なにしたり顔で言ってんだい! もとはと言えばあんたの作ったもんだろ木喰! | |
木喰: | わ、わしのせいか?! | |
水狐: | そうよ!諸悪の根元はあんたよ木喰! | |
金剛: | 言ってやれ水狐! | |
| ||
会場の外 | ||
鬼王: | ふうっ〜。すっかり遅くなってしまったな。ちぇっ、山崎とあやめくん、いちゃいちゃしやがってさ。 ……若菜、どうしてるかな……。 | |
(わいわいがやがやぎゃーぎゃー) | ||
鬼王: | おっ、なんか中は盛り上がってるな。こういう時はいっちょボケかまして場になじむに限る!よし! | |
バタン! ぽぽぽぽ、ぽん! | ||
鬼王: | ひとーつ、人の生き血をすすり、ふたーつ、不埒な… | |
金剛: | あっ、鬼王、てめちょっとこい! | |
鬼王: | いやまだ「みっつ」が…… | |
土蜘蛛: | いまワタシらそういうボケにつきあってる気分じゃないんだよ! | |
鬼王: | ど、どうしたのみんな? | |
火車: | 鬼王!あなた私たちの技、真似ていたらしいですね! | |
水狐: | あ、それ私も聞いた!自分が最後の一人だからって、いい気になってみんなの技真似してたって! | |
金剛: | な、なに!?じゃ、お前ウインクしてたのか?! | |
水狐: | ばか!そういうんじゃないわよ! | |
土蜘蛛: | 鬼王、あんただけ必殺技2つもあるってのはずるいんじゃないのかい!? | |
木喰: | そうじゃ、ひとりだけ「黒鬼会」って入れてもらうなんて、なんとうらやましい…… | |
金剛: | ちくしょう、特別扱いされやがって! | |
水狐: | 挙げ句のはてに最後は裏切るんですものね!あきれてものも言えないわ! | |
鬼王: | な、なんだよお、ちょっと遅れたくらいでみんなして……これでも私はお前らのとりまとめ役だぞ! | |
金剛: | なに言ってやがる、それなら俺だって五行衆筆頭だ!リーダーだぞ! | |
水狐: | え、あんたリーダーだったの? | |
木喰: | 初耳じゃな。 | |
火車: | あなたが自分でそう言ってるだけでしょう。 | |
土蜘蛛: | 誰もそんなこと認めちゃいないよ。 | |
金剛: | な、みんなそんな風に思ってたのか?!くそっ、京極様!俺リーダーですよね! | |
水狐: | そんなことありませんわよねぇ〜京極さま〜。 | |
土蜘蛛: | あ、あれ? | |
木喰: | い、いらっしゃらぬぞ。 | |
火車: | そういえば途中からお声をきかなくなったような……。 | |
水狐: | そ、そんなぁ。あーん、京極さま〜!どこ〜! | |
鬼王: | もう俺、対降魔部隊の方に戻る…… | |
| ||
京極: | あやつらを部下にしたこと、これが一番の反省点であった。 ……とりあえず黒之巣会のやつらでもスカウトに行こ。 | |
(それはあまり期待できんぞ京極……) |
さくら: | (コンコン)真宮寺さくらです。 |
かえで: | あ、さくら、入ってちょうだい。 |
さくら: | はい、失礼します。 |
米田: | おう、さくら、よく来てくれたな。ちょいとお前さんに聞きてぇことがあってな。 |
さくら: | あたしに? なんでしょうか? |
米田: | お前さん、「裏御三家」って知ってるよな。 |
さくら: | まかせてください。舟木一夫・西郷輝彦・橋幸夫ですよね。 |
かえで: | ちがうでしょ。 |
米田: | そうだぞ、そりゃ古い。郷ひろみ・西城秀樹・野口五郎だろうが。 |
さくら: | あっ、そっか、えへっ。 |
かえで: | ……なんの話よ、なんの。そうじゃなくて「破邪の血統」の話よさくら。 |
米田: | そうだったそうだった。 なあお前さん、一馬のやつから「裏御三家」について何か聞いちゃいねえかなあ。 |
さくら: | えーと「裏御三家」ですか? お父様、そういったことはまるで教えて下さらなかったので、あたしが知ってるのは長官とかえでさんに教えて頂いたことでほとんど全部です。 |
米田: | ううむ、やっぱりそうか。ったく一馬のやろうは…… |
さくら: | す、すいません。 |
かえで: | べつにあなたが謝ることじゃないわ。(長官!(どすっ)) |
米田: | ぐふっ。(か、かえでくん、ナイスひじてつ。横隔膜がめくれるようだぜい。) いや、すまねぇなさくら。 |
かえで: | おさらいするとね、「裏御三家」っていうのは「破邪の血統」を受け継ぎ、日本を影から守る古い血筋。もちろんあなたの真宮寺家がこのうちの一つよ。 |
さくら: | ええ。 |
米田: | あとの二つの家は相次ぐ戦いの中で絶えてしまったと言われているんだが、お前さん、この二つの家の名前は知ってるかい? |
さくら: | いえ、知りません。 |
かえで: | 「裏御三家」は、まずあなたの真宮寺家、そして花巻家、緒方家よ。 |
さくら: | へえー、「花巻家」と「緒方家」……あれ?「緒方」? 「緒方」って名前どこかで……。 |
米田: | おっ、気づいたか。さすが一馬のむす… |
さくら: | あっ、そうだ!大神さんがはじめて帝劇に来た時、すみれさんが間違えて大神さんを呼んだ名前だわ! |
米田: | (ずるっ)よ、よくそんなこと覚えてやがんな……。 |
かえで: | そのネタ、2からの私にはわからないわ……ってそうじゃなくて。 「緒方」といえば織姫のお父さま、星也さんの名字でしょう。 |
さくら: | ああ、そういえば! |
かえで: | (この娘、日に日に天然が激しくなるわね……) |
さくら: | あれ? ってことは織姫さんがあたしと同じ裏御三家の末裔ってことですか? |
米田: | いや、それがはっきりしねえもんでな、今ちょいとばかり加山のやつ使って調べてんだ。 |
さくら: | (へえー、そうかあ。織姫さんも「破邪の血統」だったのかあ。)(←すでに聞いていない) |
かえで: | さくらが何か緒方家の手がかりを持ってるんじゃないかと思って呼んだんだけど、その様子じゃなにも知らないようね。 |
さくら: | (あれれ? じゃあ魔神器の封魔の儀式、あたしじゃなくて織姫さんでもできたのかしら?) |
米田: | でもまあ、あれだけの霊力を持ってるやつあ、そうそういるもんじゃねえ。可能性は高えんじゃねえかな。 |
さくら: | (なーんだ、じゃ織姫さんにやってもらえばよかったのかあ……ってなんてこと考えてるのよさくら!それって織姫さんが死んじゃうってことじゃないの!) |
かえで: | ええ、そうですわね。花組の中で個別武装なしに戦えるのは織姫とアイリスだけ。でもアイリスの力は… |
さくら: | (そりゃ最初はこなまいきなとこもあったけど、いまじゃあんなになついてくれてるかわいい後輩じゃないのまったく。) |
米田: | ああ、そうだな。アイリスのは「破邪の力」というより、ヒーリング系の能力だからな。戦闘系の霊力の高さじゃ織姫は随一だ。 |
さくら: | (でもそうね、破邪の血統の末裔があたしひとりじゃないっていうのは気が楽になるわ。) |
かえで: | 星也さんには特に霊力は感じられなかったようですけれど…… |
さくら: | (そうよ!いままでは真宮寺の家を守らなきゃって思ってたけど、織姫さんが裏御三家の末裔なら無理してつがなくってもいいんだわ!) |
米田: | ま、霊力ってのは単純には遺伝しねえからな。織姫のはなんだ、ほら、「先祖がえり」ってやつだな。 |
さくら: | (大神さんと一緒に自由に生きてゆける!ああ、自由だわ!) |
かえで: | 「隔世遺伝」です。そんなこと言ってると織姫の「指ビーム」くらいますわよ。 |
さくら: | (真宮寺の家を捨て、大神さんと手に手をとってかけおち!ああ、なんてロマンチック!) |
米田: | そ、そいつはこえーな。内緒にしといてくれ。ま、とりあえず加山の報告待ちだな。 |
さくら: | (お父様、お母様、おばあ様、権爺、さくらをお許しください!さくらは大神さんと一緒に生きてゆきます!) |
かえで: | そうですわね。さくら、何か分かったらあなたにも教えてあげるわ。 ……さくら? さくら? |
さくら: | はい!あたし大神さんのもとに参ります!(ダダダダダダ!) |
米&か: | …………。 |
米田: | ……なんでここに大神が出てくんだ? |
かえで: | ……またなにか一人で暴走していたようですわね。 |