大神: | 幼少のレニを対象として実施された、人工的な知能促進計画。その結果、彼女の心は深く閉ざされてしまったという… |
さくら: | そもそもヴァクストゥームって、どういう意味なんでしょう、大神さん。 |
大神: | おそらく独逸語だろうな。ちょっと待ってくれ、ええと… Wachstum 〜s/ [中] (1)成長、増大、発展 (英:growth) だって。 |
紅蘭: | あれま、ほんなら『成長計画』かいな。これまた安直なネーミングやなー。 |
大神: | た、たしかに。しかしレニにとっては、おそらく耐え難い苦痛を伴う記憶のはずだ。まさか本人に直接聞くわけにもいかないしなあ。 |
アイリス: | ねーねー、織姫ってさぁ、ずーっとまえからレニとおともだちなんだよねー。レニのこと、なにかしらないのー? |
織姫: | たしかに、レニとは星組のころからのつきあいですけどー。でも過去のことなんて聞いたこともありませーん。レニはなんにもしゃべらないでーす。 |
大神: | やっぱりそうか… ところで、この問題を解く鍵が見つかればと思って、きょうは同じような境遇にあるゲストに来てもらってるんだ。お待たせしました、こちらへどうぞ。 |
レイ: | ・・・あなた誰。 |
紅蘭: | だああ何やあいきなりっこのお人ぉっ! |
大神: | 何やとは失礼な。このお人こそ等身大1/1フィギュア第一号、おたく人気度ナンバーワンの比類なきお方だ。きょうはわざわざ来てくれてどうもありがとう。 |
レイ: | そう。よかったわね。 |
大神: | ところで、人工的な知能促進計画についてだけど… 自分の体験と比較してみて、何か指摘できるところはあるかな? |
レイ: | わからない。私は三人目だから。 |
大神: | がく。 |
さくら: | お、大神さん。このひと、たしかに人造人間かもしれませんけど… 知能促進とかとは、あんまり関係がないような・・・ |
大神: | ぐ。そ、そういえば。 |
レイ: | さよなら。碇くんが呼んでる。 |
紅蘭: | あれま、帰ってもうたで。 |
織姫: | んもうっ何やってるですかー少尉さんっ! あんなカンジ悪ーい女、レニと全然関係ナッシングでーす! |
大神: | ご、ごめん…いいアイデアだと思ったんだけどなあ… |
織姫: | もー少尉さんなんかにまかせてられませーん! 仕方ありませんねー。このわたしとむかーし仲間だった、正真しょーめいの知能促進計画の被験者を、とっくべつに連れてきてあげまーす。はやくこっちくるでーす! |
ルリ: | どうしたんですか、ミナトさん。 |
紅蘭: | だああまた何か変なんが来たがなぁ… |
織姫: | えへん! この子はスカンジナビアにある研究所、「La Homaro Instituto」で英才教育を受けた、宇宙戦艦ナデーシコのオペレイターでーす。レニと比較するにはぴったりでーす! |
大神: | そして、等身大1/1フィギュア発売第二号… |
どげしっ! | |
紅蘭: | 関係あるかいっ!! |
ルリ: | ・・・バカばっか。こんなとこで油売ってていいんですかミナトさん。劇場版、おわっちゃいますよ。 |
織姫: | だっからそのミナトって誰ですかー関係ナッシングっ! そんなことより知能促進計画の詳細をはやく教えるでーす! |
ルリ: | たしかにあたしは知能促進実験の被験者だったらしいですけど。でも、あたし遺伝子を操作されてます。こんな古い時代にも遺伝子操作、できたんですか。 |
紅蘭: | 遺伝子? なんやそれ。 |
ルリ: | じゃあ関係ないですね。かえりますよミナトさん。ナデシコ、発進です。 |
織姫: | だっからミナトじゃナッシング! もーいいからあなた一人で帰るでーす!! |
さくら: | な、何だったんですか、今のふたりのひと… |
アイリス: | アイリス、わけわかんなーいっ!! |
大神: | ご、ごめん…ちょっと悪のりが過ぎたよな。では気を取り直して、今度こそ、アイリスに… |
織姫: | へ? なんでアイリスなんですかー少尉さん? |
大神: | だって、順番からいけばアイリスが等身大1/1フィギュア発売第三号… |
| |
どげどげしぃっ! | |
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紅蘭: | …ほな気ぃ取りなおしていこか、大神はん。 |
大神: | いでぇ… |
さくら: | ぷい、なによ、大神さんたら。あたしだってなってるもん、1/1フィギュア… |
紅蘭: | …そーゆー問題かい。 さて、まず手がかりになるもんゆうたら… かえではんが説明してくれはった内容と、あとそのときに出てきた画面くらいのもんやなー。 |
織姫: | レニの頭やら、首やらに電極みたいなのがたーくさんくっついてまーす。 |
大神: | これだね。最初は、レニの脳に何かの電気信号を送り込むリード線かとも思ったが… 1910年当時にまさかそんな医学技術はなかっただろうし、おそらく、レニの脳磁波とか心拍数とか、生理現象をモニタするためのものなんだろうな。 |
織姫: | レニがうけたのは、手術というよりもある種の精神改造、すなわち戦うマシーンとしてのつめたさを植え付けることにあると思うでーす。 |
大神: | おれも同感だな。人間が自然にもっている感情を極限まで封じ込めることにより、勝つためのみにひたすら論理的思考のもと戦闘行動を遂行する、冷徹なる戦闘機械を完成するための幼児教育… |
紅蘭: | 「戦いに私情を持ち込むとは、変わった敵だ」ってゆうとったもんなー、いつか。 |
大神: | だが、そんな戦闘効率のみを考えた精神改造ゆえに、レニ自身の心までが、深く閉ざされてしまった… |
アイリス: | レニ、そんなつめたいこころじゃないもんっ! じぶんのきもちをどうやって「ひょうげん」したらいいのか、しらないだけなんだよ、アイリスそうおもうもん。 |
大神: | そのとおりだよ、アイリス。レニが人間らしいゆたかな心を取り戻すために、ぜひおれたち花組が必要なんだ! おれ自身も、そのためには努力を惜しまない! |
紅蘭: | ほっほー。それでか。なんやいま見てみたら、レニはんの恋愛度、だんとつの一位になっとるやないか〜。 |
織姫: | んまーイヤラシイっ! レニの心を取り戻すなんていいわけしながらやってることはやってるなんて、やっぱりニッポンのオトコサイテーでーす! |
大神: | だーちがーう!! ずっと前から二周目はレニでクリアするって言ってたじゃないかっ。今たまたま二周目の第十話なんだっ。 |
アイリス: | いいわけもいいけどさあ、お兄ちゃん、こっち、どうにかしたほうがいいよー… |
さくら: | ぅぅぅぅぅぅぅ・・・・ お、大神さーんっ!!!!! |
大神: | う、うわー!! 待ってくれさくらくん、君はちゃんと一周目でヒロインとして華々しいクリアを…! |
紅蘭: | そんなことゆうてわかる相手とちゃうで〜、なんちゅーてもやきもちがさくらはんのトレードマークやさかいなー(にやにや) |
さくら: | 破邪剣征、破邪剣征、破邪剣征ーーーっ!!!(><)/+--- |
紅蘭: | ほいほい、織姫はんにアイリス、逃げよな、ほいほい。 |
大神: | だーーーみんなおいてかないでくれぇぇぇーーーっ! うわーーーっ!! |
大神: | ‥‥ということなんだけど、え〜と、これはどういうことかな? |
すみれ: | ムービーが終わってすぐのところですわ。 |
レニ: | ‥‥確認中。 |
さくら: | なるほど、確かに攻撃のモーションが同じですね。 |
アイリス: | ほんとだー、数がちがうだけだよー。 |
カンナ: | あの紅蘭にしちゃあ珍しいミスだな。 |
織姫: | きっとメモリーをケチったデース。 |
大神: | う〜ん、これは本人に聞いた方がはやいかもしれないな。お〜い、紅蘭。 |
紅蘭: | ああ、大神はんか、ちょうど今肉まん食べとったんやけど、大神はんもどう? |
大神: | い、いや、遠慮しとくよ。(さっきミミガー食べさせられたばっかなんだよな…) |
さくら: | それで紅蘭、かくかくしかじかというわけなんだけど‥‥。 |
紅蘭: | ああ、あれな、ホンマは始めから聖獣ロボ・改を出したかったんやけど、箱から出る前に爆発してもうてな、ほんでしゃあないから箱を塗って雀牌にしたってわけや。 |
大神: | そ、そうだったのか、全然気がつかなかった‥‥。 |
さくら: | ふふっ、紅蘭らしい発想ね。 |
すみれ: | しかし、よくそんな機転がききましたわね。 |
紅蘭: | いや〜、われながら名案やったわー。 (^^)ゞ |
大神: | あれ? ‥‥てことは 聖獣ロボも雀牌ロボも威力は同じってことか? |
織姫: | そーいうことになりますねー。 |
紅蘭: | うわー! な、なんてこと言うねん大神はん。雀牌ロボと聖獣ロボじゃ見た目の美しさからゆうて全然違うやろ? よりかっこよく、より迫力のあるメカの方が、科学者として戦いがいがあるっちゅうもんや。 |
大神: | そ‥‥そういうもんなのか? |
すみれ: | たしかに、戦いの中に美しさを求めるという点には賛成ですわ。 |
アイリス: | アイリスもキレイな方が好きだよー。 |
織姫: | でもどんなに努力しても、私にはかなわないデース。 |
カンナ: | どっちみちかわんねーんじゃねーの? 結局は爆発しちまうわけだしよー。 |
レニ: | ‥‥見かけは関係ない。武器は破壊力だから。 |
紅蘭: | なんやなんやー、みんなしてバカにしおってー! ほななにか? 破壊力さえあったらガラクタでもええっちゅーんか!? |
さくら: | そ、そんなことないですよ。ねえ、大神さん。 |
大神: | そ、そうだね。(紅蘭機自体、ガラクタみたいなもんだけどなー) |
紅蘭: | なんかゆーたか。 (-"-#) |
大神: | いや別に‥‥‥そうだ! この際みんなの必殺技を見直してみるっていうのはどうだろう。 |
織姫: | 賛成デース。花組のみなさんは頼りないデース。 |
すみれ: | 同感ですわ。もっとも、この私には必要ないことですけど。 |
さくら: | わーっ、なんだか面白そうですね。 |
アイリス: | アイリスもやるーっ! |
レニ: | 戦力アップにつながるなら。 |
紅蘭: | なんかゴマかされたみたいやけど、まあええわ。つきおうたるで。 |
カンナ: | よぉーし、そうと決まりゃーさっそく修行だーっ! |
| |
大神: | じゃあまずはアイリスだ。回復能力はありがたいんだけど、やっぱり攻撃系の技もないとね。 |
アイリス: | あれ?でもおにいちゃん、それなら「イリス・アディルト」があるよ。 |
大神: | あ、あれは合体技じゃないか、しかもセリフがちょっと‥‥。 (苦労して積み重ねてきた硬派イメージが、あれ一発でだいなしだもんなー。) |
アイリス: | ‥‥‥‥。 |
大神: | ア、アイリス? |
アイリス: | うぇーーん! おにいちゃん、アイリスのこと嫌いになったんだー!! ☆○(>o<)◯★ |
カンナ: | まずい! アイリスの力が! |
織姫: | うわー! またですかー! 今度は私のせいじゃないでーす! |
レニ: | かなり高レベルの霊力だ。 |
さくら: | 大神さん、なんとかしてください!! |
大神: | (このままじゃヤバい!)そ‥‥そんなことないよアイリス。誰もアイリスのことを嫌いになったりなんかしないよ。だからとりあえず落ち着こうね。 (^^; |
アイリス: | ほんと? |
大神: | ほんとだよ。(やれやれ、とりあえずアイリスは後回しだな。) |
すみれ: | まったく、これだからジャリンコは困りますわ。 |
大神: | それじゃすみれくんからにしよう。すみれくんといえば広範囲の必殺技だからザコ相手には便利なんだけど、やっぱりもうちょっと攻撃力を上げたいよね。 |
すみれ: | あら、私の攻撃力に問題はなくってよ。少尉が三下の相手ばかりさせるからそう見えるだけですわ。 |
大神: | そ、そうかなあ‥‥。まあ、逆にカンナはすみれくんの広範囲を見習ってほしいんだけど。 |
カンナ: | なに言ってんだい、隊長だって攻撃範囲はかわんねえじゃねえか。 |
大神: | う、それを言われるとつらい‥‥。 |
紅蘭: | ウチに言わせてもらえば、織姫はんの攻撃力、レニはんの攻撃範囲も改善の余地ありやな。 |
織姫: | 攻撃力だったら紅蘭だってモンダイありでーす。 |
レニ: | ‥‥弱点は戦略で補える。 |
さくら: | そのまえに、紅蘭も織姫さんも順番が遅くないですか? |
すみれ: | あら、さくらさんがでしゃばりすぎなだけですわ。 |
アイリス: | なんでアイリスしか回復できないのー? |
大神: | え〜い!みんな一度にしゃべるなーっ! |
織姫: | そーいう少尉さんはどーなんですかー? |
カンナ: | そうだ、隊長の意見を聞こうじゃねーか! |
大神: | ま、まあみんなとにかく落ち着こう。(自分たちで中断したくせに‥‥) |
さくら: | でも、このままじゃらちがあきませんよ。 |
大神: | ふふっ、こ〜んなこともあろうかと、実は既に新案ができてるんだ。 |
一同: | おおーっ! |
紅蘭: | ほ〜、それはまた用意のええことで。(ああっ、ウチのセリフをー!!) |
大神: | ははっ、まだかえでさんとかには内緒なんだけどね。それじゃ発表するぞ。まず カンナは空手技で「火中天津甘栗拳」、織姫くんはイバラのムチ「ローズウィップ」、レニは突進系 で「牙突零二式」、紅蘭は中国風なのを生かして「千裂脚・改」! すみれくんは戦闘服を赤い忍び装束にして「神崎風塵流・不知火の舞い」!! そしてさくらくんはやっぱり 「チェリー・コケティッシュ・ボンバー」だーーっ!!! |
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カチーン(一同、しばらく石化) | |
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さくら: | ‥‥‥‥はっ、お、大神さん?! |
カンナ: | おいおい正気か隊長?! |
すみれ: | いくら少尉でも、パクリはいただけませんわ。 |
レニ: | オリジナリティーに欠ける。 |
紅蘭: | まったくや、そんなんやったらアイリスかて思いつくで! |
アイリス: | ひっどーい! アイリスそんなにバカじゃないよー! |
織姫: | 少尉さん、センスなっしんぐ!! |
大神: | ‥‥う〜ん、なんでだろ、いいと思うんだけどな〜。 |
マリア: | 隊長、何をやってるんですか?! |
大神: | げっ!マ、マリア! |
マリア: | あれほどセンスの無さを指摘したにもかかわらず、また無茶なことを始めて‥‥。みんなもこんなくだらない事につきあってないで、早く寝なさい!(`´ ) |
大神: | く、くだらない事だなんて、徹夜で考えたのに、そんな〜! あんまりだ〜!! |
紅蘭: | ハハッ、大神はん、バチがあたったな。 |
カンナ: | さ〜て、寝よ寝よ。 |
レニ: | ‥‥‥自業自得。 |
由里: | 帝都全域に、緊急避難命令! |
米田: | さあ、いよいよ発進だぜ。みんな、準備はいいかっ! |
椿: | 制御信号は、すべて青! |
米田: | 発進は少々荒っぽいが仕方ねぇ。歯ぁ食いしばって耐えろよぉ〜っ! |
かすみ: | 空中戦艦ミカサ、発進!! |
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ドドドドドドドドッ!!! | |
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米田: | まずは補助ブースターによる垂直打ち上げだ! おおう、50Gはさすがにこたえらぁ…(体重50kgの人で、背もたれから2.5トンの圧迫) だが4秒間の辛抱だ、みんな耐えろぉっ! |
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グォン、グォン、グォン… | |
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米田: | 次は鉛直に静止するための減速! ぐはっ、マイナス50Gはさらにこたえらぁ…(体重50kgの人で、シートベルトから2.5トンの締め付け) だがこれも4秒間の辛抱だ、耐えろぉっ! |
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ガガガガガガガ… | |
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米田: | 最後に、艦を水平にするための回転運動! むぐぐ、30Gの遠心力も伊達じゃねぇな…(体重50kgの人で、シートベルトから斜め下方1.5トンの圧迫) 頭に血が上ってちょうどいいぜぇ! よぉし発進完了! 目指すは武蔵、全速前進フルアヘッド!! あれ? おい、みんなどうしたっ!? |
みんな: | きゅ〜・・・ ばた。(@@) |
大神: | 空中戦艦ミカサ艦上での戦いなのに、なんで地上最大の作戦なんですか、長官。 |
米田: | あ〜? まあ、細けえことは考えねえこった。 |
大神: | し、しかし、空中戦闘でありながら地上作戦というのはちょっと… |
米田: | ったくうるせぇなあ。空中だろうがなんだろうが、地面より上なことに変わりねぇだろう。だから地上でいいんだぁ。 |
大神: | はぁ… まてよ。わざわざ地上最大と銘打つからには、もしかしたら地下のどこかで、もっと巨大な作戦が密かに…! |
米田: | なぁ〜にを寝ぼけたこと言ってやがる。地下の大空洞では星龍計画に基づいたミカサ建造計画、 |
ガ-ゴイル: | ネオ・アトランティスによるレッドノア復活計画、愚かな人間どもには我々が必要なのだよ。 |
ナオコ: | ゲヒルンによる通称E計画、光の巨人のコピー、すなわち神より人の造りしもの、エヴァよ。 |
ゲンドウ: | などなど、秘密計画が目白押しだ。どうだ大神、我々とともに未来を造らないか? |
大神: | おまえら誰だーっ(><;) |