大神: | (見回り中) ふーっ、それにしてもクリスマス公演の主役を選べだなんて… かえでさんも無茶を言うなあ。さくらくんも、すみれくんも、アイリスに織姫くん(私の初プレイ時の選抜メンバー^^)もみんな真剣だからなぁ。できる事なら全員選んであげたいものだけど… あれ? でもなんでこの4人なんだろう? みんな女優としての実力は申し分ないんだから、全員主役候補に選ばれてもおかしくはないと思うんだけど… (と言いつつ倉庫へ入る) |
ボロロン・・・ | |
大神: | ・・・このギターの音は… |
加山: | いよう、大神、見回りはいいなぁ。(と言いつつ、木箱の中から出現) |
大神: | お、お前、ずっとそこに隠れていたのか… |
加山: | ここで、こうしてお前に見つけてもらえるなんて、俺は、幸せだなあ… |
大神: | で、今日は何の用なんだ? |
加山: | うむ。お前の疑問に答えてやろうと思ってな。 |
大神: | え? |
加山: | クリスマス公演の主役候補があの4人に選ばれた理由だ。 |
大神: | 知ってるのか? |
加山: | 知ってるも何も、俺たち月組の調査の賜物さ。 |
大神: | 月組が? |
加山: | うむ。月組隊長としての俺の役目は3つ。戦場における花組のサポート、影山サキの調査、そして、大神、お前達の恋愛度チェックだったのだ。 |
大神: | そ、そうだったのか。 |
加山: | そうだ。本来これは事務の由里君の仕事だったのだが(サクラ大百科3巻)、彼女は今回完全に噂話要員になってしまったので、この俺にお鉢が回ってきたと言う訳だ。今年の4月にお前が復帰して以来この8ヶ月、お前の言動を逐一藤枝副司令にご報告して、副司令はそれを元に恋愛度ランキングを作成していた、と言う訳さ。 |
大神: | そうか、それで俺の行く先々に… ん? 俺の言動を逐一ってことは… |
加山: | そう、「混浴だといいな」(1話)、「俺も、泳ごうかな」(4話)、「いや、快感だったよ」(7話) …などなど、全て報告してある。 |
大神: | (呆然)・・・・ |
加山: | ハッハッハ、大神ぃ、古人曰く「口は災いのもと」とはよく言ったものだな。とりあえず、早く立ち直れよ! では、さらばだ。アディオース! |
大神: | ・・・・・(真っ白) |
加山: | ところで、大神発言の定例報告ですが… |
かえで: | あ、それね、うふふっ。(手帳取り出す) |
大神: | なぁ、紅蘭。俺が必殺技の三刃成虎をキメている時に、後ろで軍艦が斜めになって今にも沈みそうになっているのが気になってしょうがないんだけど… あれ、何とかならないかい? |
紅蘭: | 何ゆうとるん、大神はん。あれは軍艦が沈むくらいに威力があるっちゅうことを表現しとるだけなんや。大神はん、海軍兵学校主席で卒業したんやろ? それくらいわかってーな。 |
米田: | 何だぁ? こんなところで二人して… 何の話だ? |
紅蘭: | あ、米田はん。大神はんが本当に海軍兵学校主席で卒業したんかどーかって話をしとるんや。 |
大神: | 違うだろ紅蘭! |
米田: | そーいや〜大神。俺はおまえが海軍の制帽をかぶっているの一度も見たことがねえぞ。それに、春に再会したときにあの屋形船でのおまえの敬礼の仕方、ありゃ〜どう見ても海軍式の敬礼じゃねえ。 |
マリア: | どうしたのです? みんな集まって。 |
紅蘭: | 大神はんが本当に海軍の少尉はんかどうかって話しとんのや。 |
大神: | だから違うっていってるだろ、紅蘭! |
米田: | いいや、大神。今はその話だ。おまえの敬礼はおかしい。 |
マリア: | そう言えば、花小路伯爵も隊長がここへ赴任するとき変な敬礼をしていたと言っていました。あれは陸軍式だと…。 |
さくら: | あら、皆さん。何を話しているんですか? |
米田: | お、さくらぁ、いいところに来た。おめぇも大神が本当に海軍の士官だと思うか? |
さくら: | え、何ですか? 大神さんは海軍の少尉さんじゃないですか…。 |
マリア: | ええ、それが今、隊長の敬礼の仕方で疑惑が発生しているの。 |
さくら: | そういえば…。 |
大神: | 何だよ、さくらくんまで… |
さくら: | 大神さんが巴里へ留学するときに、私たち花組みんなで見送ったことがありましたね? |
大神: | ああ。 |
紅蘭: | そや。あったなぁ〜。 |
さくら: | そのときに敬礼しましたよね? 一寸やってみてもらえませんか? |
大神: | ああ。こうかい? |
米田: | 大神。やっぱりおまえは陸軍の人間だったのか…
。 |
大神: | 違います、支配人。自分は… |
米田: | いいや、大神。海軍の敬礼は │○ └┼ │ のはずだ。 そして陸軍の敬礼は /○ ─┼ │ だ。この図ではわかりにくいと思うが、陸軍と海軍では腕の角度が違うのだ。 |
大神: | し、しまったぁ…。 |
さくら: | それじゃ、大神さん。海軍の軍歌を歌ってみたらどうですか? |
紅蘭: | なるほど、そりゃええ考えやわ。 |
大神: | そうか…。それでは、歌うぞ… 太正11年に作られた兵学校の校歌だ。 澎湃寄する海原の〜大波くだけ散るところ〜常磐の松のみどり濃き〜秀麗の國あきつしま〜♪ |
米田: | おい、大神。それは正式には校歌として制定されていねぇ〜ぞ。校歌募集で当選しただけだ。 |
紅蘭: | あちゃ〜大神はん。墓穴掘ってしも〜たなぁ〜。 |
マリア: | あ、支配人。あそこに薔薇組の連中が…。 |
米田: | お〜い、おめ〜達もこっちに来い〜。 |
琴音: | 皆さん、何か楽しそうにお話をされていましたね。 |
紅蘭: | そうなんや。大神はんは海軍の軍人やないんやて。 |
大神: | 嘘だ〜濡れ衣だぁ〜。 |
琴音: | それでは愛と美の化身、この薔薇組がこの疑惑を解決しましょう。 |
大神: | え? |
斧彦: | 解決したらちゅ〜してね・・・。 |
大神: | キスは遠慮しておきます。 |
琴音: | ともかく皆さん、衣装部屋へ。 |
衣装部屋へ移動 | |
琴音: | それでは皆さん、大神少尉を誰が見ても海軍の軍人に見えるようにしましょう。 |
菊之丞: | 花組の皆さんや支配人は外で待っていてください。 |
大神: | 何かいやな予感が・・・。 |
バタン(戸が閉まる) | |
琴音: | 大神少尉。この上着をお付けになって。 |
大神: | なるほど。階級はともかくこれなら間違いなく海軍だ。だけどこれならいつもの七つ釦でも同じでは… |
琴音: | いいえ、ここからが薔薇組の腕の見せどころよ。斧彦。大神少尉を動けないように押さえて! |
斧彦: | わかったわ〜。一郎ちゃ〜ん。ちょっとの間辛抱しててね〜。 |
大神: | やめろ〜! いったい何が始まるんだ〜。 |
琴音: | あとはこれとこの鬘を付ければ、大神少尉も完璧よ。 |
大神: | や、やめろ〜。それだけは勘弁してくれ〜。 |
琴音: | さあ、これで大神少尉も私たちの仲間よ。思ったとおり、よく似合っているわ。 |
菊之丞: | 大神少尉・・・すてきです・・・。 |
斧彦: | 一郎ちゃ〜ん。すってき〜。惚れなおしちゃうわ〜。 |
琴音: | 皆さん。入ってきてもいいわよ。 |
どやどや(入ってくる) | |
紅蘭: | アハハハ・・・。大神はん、お似合いやで。間違いなく海軍やわ〜。 |
米田: | まったくだ。大神よぉ、おめぇその格好でモギリやるか? ハハハ・・・。 |
マリア: | セーラー服とは考えましたね。でもこの鬘にスカート。海軍と言うよりは女学生と言った方が正解ですね。 |
さくら: | でも、やっぱり大神さんですね。何を着ても似合っています。 |
大神: | そんな。さくらくんまで・・・。そうだ!加山がいた。あいつはどこだ? |
加山: | (ぽろろ〜ん)いや〜大神ぃ。海はいいなぁ〜。 |
大神: | そんなことはどうでもいい。俺の疑惑を晴らしてくれ〜。 |
加山: | 兵学校時代の同期生に女装癖のある者はいない。私は忙しいのでこれで失礼する。アディオ〜ス! |
紅蘭: | ちゅうことは女装している大神はんは加山はんと同期生やないっちゅうことやな。 |
大神: | そんなぁ・・・。 |
加山: | とおっ!(と例によって窓から登場) どうした大神、おまえにしては珍しくさえない顔だな。 |
大神: | いや… いくら少女歌劇団を隠れみのにしているとはいえ、いやしくも一戦闘部隊の責任ある隊長として、おれはそれなりの威厳とカリスマを持ってなければならないと思ってる。なのに、海軍出身が疑われるわ、あげくにはセーラー服着せられるわ(;;) こんなことでおれはほんとに隊長としてやっていけるのだろうか… |
加山: | はっはっは! 何を弱音を吐いている大神ぃ。江田島の兵学校の頃を思い出せ、首席卒業を果たした己の力量を思い出せ。 |
大神: | 江田島… |
加山: | そうだ。お前は並み居るライバルを抑えて首席の栄光に輝いた男なのだぞ。その誇りを忘れるな、お前は首席だ! |
大神: | そ…そうか。ありがとう加山。そうだ、あの頃の気概を忘れずにいればきっと道は拓ける。そうだ、おれは首席だ、兵学校首席なんだ〜っ!!! |
加山: | ・・・と。これでいいのかな、真宮寺さくらくん。 |
さくら: | は、はい、ありがとうございました、変なお願いをしてしまって。大神さん、あたし、悲しいです… |
大神: | へ? |
紅蘭: | 説明しまひょ。まるやまさんっちゅう方からの情報があってな。海軍兵学校では「主席」と違うて「トップ」やったんとちゃうか、ちゅう話なんや。 |
さくら: | 席次は「ハンモックナンバー」と通称されていて、基本的には英語で呼称したはずとのことなんです。 |
紅蘭: | そやけど、大神はんは兵学校の首席、やろ? でもよう考えたら大神はんが自分で首席ってゆうてるわけやないし… |
加山: | そこでおれが一役買ってでたわけだ。大神、兵学校のころはトップと言っていたではないか。なぜいま首席と言った。きさま、大神ではないな。何者だっ! |
大神: | ち、ちょっと待ってくれっ! おまえが首席首席って言うからおれも合わせただけなんだっ! おれたち二人の間ではいつもトップって言ってるのに今日はおかしいなあ、と思ってたんだっ。 |
さくら: | やっぱりにせものだったんですね大神さんっ! おかしいと思ってました、あたしの知ってる大神さんは、浮気なんかせずにずっと、あたしの大神さんでいてくれて… |
紅蘭: | …ちゃうって。そやけど、にせものはぜったい許さへんでっ! サキはんに続いて黒鬼会のまわしもんやーっ、みんな出合えーっ、出合えーっ! |
加山: | 月組の任務はここまでだ。花組の諸君、戦闘行動は任せた。それではアディオース、とおっ!! |
大神: | お、おいちょっとまて加山! ち、違う、ちがうんだーっ、う、うわーーーっ!! |
ピンポンパンポン | |
かすみ: | 大神中尉、米田長官がお呼びです。至急司令室に来て下さい |
大神: | ワ〜!支配人だろ〜。しかも司令室ってばれるじゃないか! ...今日は休演日だった。と、いうことは...軍事作戦! 近頃さくらくんに悩まされていたからな。久しぶりに腕が鳴るな。 |
すたすたすた トントン | |
米田: | 誰だ! |
大神: | はい! 大神です。 |
米田: | Please Come In. |
大神: | ガク! 支配人、一体なんでしょうか。 |
米田: | ちょっとからかっただけだ。でも呼んだのはれっきとした軍事行動のためだ。敬礼ぐらいしろい。 |
大神: | は! ビシ! |
さくら: | やっぱり。 |
大神: | さくらくん? なんでこんなところに。それにマリアも。 |
米田: | 俺はミカサに埋ってて気付かなかったが、おめぇの敬礼がおかしいという話を聞いて昨日、海軍式敬礼を覚えたところだ。それにしてもおめぇの敬礼はおかしいぞ。 |
マリア: | 隊長の敬礼は、陸軍式でも海軍式でもありません。 |
さくら: | 聖魔城でミカエルを送るときの敬礼でさえもおかしいですよ。 |
大神: | (いつかはばれると思っていたがやはり...) |
米田: | 大神、海軍士官学校で習わなかったのか? |
大神: | は、習いましたであります。 ビシ! |
米田: | 違うな〜 |
大神: | それでは。 ビシ! |
米田: | それは陸軍だ。 |
マリア: | 敬礼一つもしっかり出来ないなんて隊長失格ですよ。 |
さくら: | 大神さん、それでも海軍主席だったんですか? |
米田: | また一から教え直さんと行けないようだな。 |
マリア: | 隊長、一緒に来てください。 |
射撃場 | |
マリア: | こう! |
大神: | ビシ! |
マリア: | 体と腕は45°! |
大神: | (腕が疲れたな〜) ビシ! |
マリア: | 次、肘を45°! |
大神: | ビシ! |
マリア: | もう一度! |
大神: | ビシ! |
マリア: | まあまあですね、明日また射撃場に来てくださいね。 |
大神: | はぁ〜。ここ一年間敬礼らしい敬礼をしてなかったらからな。腕が痛くてしょうがない。 ブツブツ... |
さくら: | (米田長官がおっしゃったことだし、仕方ないか...)大神さん! |
大神: | ん? なんだ、さくらくんか。どうしたんだい? |
さくら: | あの、剣の稽古に付き合っていただけます? |
大神: | (この腕が痛い時に何でこんな絶好のチャンスが...)ごめん、さくらくん、ちょっと腕が痛くて...。 |
さくら: | マリアさんとは付き合っていられて私とは付き合っていられないんですか? |
大神: | (まずい、妬いてる)いやそんなことないよ、行こう。 |
一時間後 | |
大神: | 痛〜。もう誰にも誘われないうちにさっさと部屋に戻ろ。 すたすたすた |
次の日 | |
大神: | アタタタタ...完全に筋肉痛だこりゃ。 |
トントン | |
マリア: | マリアです。隊長、射撃場へどうぞ。 |
大神: | またかいな... |
昼ごろ | |
大神: | もう痛くてたまらん!医療室に行こ、なんか薬があるかもしれない。 |
ギ〜 | |
大神: | こんにちは〜。筋肉痛に...。 |
椿: | あ!大神さん。丁度良かった。私用事があるからレシートの整理やっておいてくれます? |
大神: | もちろん。(しまった〜、いつもの癖で引き受けてしまった。でも由里君もいるし、断って泣かせでもしたらたちまち帝劇中のうわさになってしまうしな...) |
かすみ、由里: それと書類整理もお願いします。 | |
大神: | うん、引き受けるよ。 |
椿、かすみ、由里: ありがとうございます。 | |
スタタタタ... | |
大神: | ふう、運が悪いな・・・ |
夕方 | |
大神: | う...腕が...箸も持てない。 |
アイリス: | あれ? お兄ちゃんどうしたの? |
大神: | う、うん。ちょっとね。 |
カンナ: | そう言えばさっきからほとんど食ってないじゃないか。どうしちまったんだよ。 |
すみれ: | あーら、御飯3杯平らげるあなたのほうが変じゃありませんこと? |
カンナ: | な、なにを〜。 |
大神: | 平気だって...ご馳走さま。 |
スタスタスタ... | |
織姫: | 気にしなくていーんじゃありませんか? |
さくら: | 実はね...大神さんの敬礼があやふやなのはみんなも知っているでしょ。 |
一同(レニ抜き): うん。 | |
さくら: | それで米田長官が、訓練だとかいって大神さんをひどい目にあわせているらしいんです。 |
レニ: | 敬礼は軍事行動における基本的な行為。軍事行動は敬礼を知っているものと仮定し、成り立っている。 |
カンナ: | 敬礼ってそんなに重大なのか〜? |
マリア: | 私達は秘密部隊だからそこまで強いられていないけど、隊長は海軍将校なので重大です。 |
カンナ: | そんなもんかな〜。 |
ピンポンパンポン | |
かすみ: | 大神中尉、米田長官がお呼びです。至急司令室に来て下さい |
大神: | またか〜。 |
大神: | 大神中尉、入ります。 ギィ |
大神: | ビシ! 大神中尉、ただいま到着致しました。 |
米田: | む。敬礼が出来るようになればよろしい。本来ならおめぇの上官にぶん殴ってもらっているところだがそれではここ帝劇にいる娘たちに申し訳ないんでな。俺の指図でみんなに知られないように協力してもらった。 |
大神: | それで今日はこんなに・・・。イテテテテ。 |
さくら: | 大神さん。 |
大神: | さくらくん! |
マリア: | 隊長、よく頑張りましたね。 |
大神: | こんなことになるんだったら毎回もうちょっと敬礼の練習をするんだった。トホホホホ... |
コメント:一応大神は、海軍にいるという設定を変えてはいけないので、大神に猛訓練をしていただきました。(ばく) でもこれで大神も立派な海軍将校です。(ばくばく) 某海上自衛隊幕僚長幹部、海軍少佐に尋ねてみた所、敬礼は腹から腕は45°、肘も45°に曲げるそうです。これは、自衛隊に入る時に銃の操作と並び殴ってでも教えこむのだそうです。それを忘れた大神はもう海軍将校というよりも、帝劇で女の子と遊んでいる"遊び人"という格付けがされても文句を言えないそうです。サクラ1のエンディングで出てきた敬礼は正しいとされていましたが、腹と腕の角度が90°な為海軍式ではありません。では何かというのそもそもあれは敬礼になっていないそうです。