第十話其の四

宴会... その弐

Chapter 10 (Section 4)


大神:ふうむ、なるほどぉ。俺たちが知らない間にも君たちはこうやって密かに猛訓練を続けていたわけだな。...うーん、訓練というか、なんかいつも通りはしゃいでるだけっつーか...
椿:や、やだなあ、誤解しないで下さいよ大神さんっ! たしかにあのお話じゃあ誤解されても仕方ないですけど...(作者のばかぁっ!)あのあと何度も何度も演習があって、いっしょうけんめい訓練して、みんな頑張ったんですからねっ!
大神:ご、ごめんごめん、いまのは冗談だよ... しかし君たちもすごいなあ、普段の本来の仕事の上に連日の演習だというのに、おれたちには疲れたようなそぶりも見せずに任務をこなしていたわけだからな。君はいつも変わらずの元気印だったし、由里くんは相変わらずピーチクパーチクしゃべりっぱなしだったし...
由里:誰ぁ〜れが、ピーチクパーチクしゃべりっぱなしですってっ?
大神:ゆ、由里くん、い、いつの間にっ!
かすみ:大神さん、はやくから場所とりご苦労様です。
由里:なにがご苦労様よっ! かよわい女の子にこんな大きな荷物持ってこさせて!(がらがらがら)ふーっ、もー重かったんだからぁこれーっ!
 
手押し車にはグリルに金網に、木炭一式。
 
大神:な、何なんだい、これ。
かすみ:今日はお天気もいいですし、何か変わったことやろうってことで、一度「ばーべきゅう」をやってみようってことになったんです。お肉とお野菜も下ごしらえして持ってきました。
大神:ば、バーベキュー? そ、それって、普通海辺とか河原とか、そーいうところでやるもんじゃないの、花見でバーベキューは聞いたことないなぁ...
由里:いーの、こまかいことは気にしないっ! おいしくって楽しければ何でもおーけーっ!
大神:はあ... あれ、そういえば、ふたりとも受付の方はもういいの?
かすみ:ええ、舞台はさきほど終わったところです。花組の皆さんは後かたづけにもうしばらく時間がかかるそうなので、私たちだけ先に準備に来ることにしたんです。
椿:で、どうでした、舞台のほうはっ?
由里:も〜う大成功っ! お客さんもみんなすっごい拍手で、なかには「ようやく花組が戻ってきてくれた」って泣き出しちゃうお客さんもいて...
大神:そうかあ... やっぱり、みんなに夢を与える仕事ってのは、いいもんだよなあ...
由里:そうだっ、みんな来る前にはやめに炭火おこしとかなくちゃ。はいっ。(どん)
大神:な、なんだい、はいって。
由里:決まってるじゃない、火おこしよ、火おこし。えーっと、マッチ、マッチ...(しゅっ)...よし火ついた。はい、うちわ。
大神:え〜っ、おれがやるの、これ?
由里:当然でしょっ、こういうのは男の仕事っ。ほうら、ちょっとはたくましいところ見せてみなさいよぉ、もうじき花組のみんなも来るし、さくらさん、たのもしい男の人が好きだって、いってたなぁ...
大神:さ、さくらくん... よーし、おれに任せろーっ! うおー、ぱたぱたぱたっ!
椿:わ、わかりやすい人ですね、大神さんって...
かすみ:は、はははは...
由里:そうそう、で、肝心のお話のほうはどこまで進んでるの、椿?
椿:そ、それが、なんだか寄り道が多くって... まだミカサができ上がったところまでしか...
由里:たーいへん、そりゃ急がなきゃ。じゃ、大神さんが火おこしてる間にさっそく第十話の本編に入りましょうっ!
椿:はいっ。では、えーっと、えへん、敵、葵叉丹はついにその本性をあらわし、いにしえの封印された大地、「大和」を復活させてしまいました。
由里:聖魔城より放たれた邪悪なる力は、帝都に未曾有の大崩壊をもたらしたわ。市民はただひたすら恐怖におびえ...
椿:われらが帝国華撃団花組も強敵を前にして打つ手なし、作戦会議も重苦しく...
由里:しかあしっ! 花組団員はその不屈の闘志でいかなる困難にも立ち向かう決心を固めぇっ!
椿:帝都を魔の手から救うべく、翔鯨丸で果敢に出撃してゆくのでありましたあっ!
由里:さあて、我らが花組の活躍やいかにぃ、ゆけ帝国華撃団、帝都に正義を取り戻せぇっ!
大神:ち、ちょっと待ってくれよぉっ! 二人でそんなにトントン拍子で話進めないでくれぇ、おいてけぼりくらっちゃうよおっ!
由里:ほうらサボらないのっ! ほら炭火が消えちゃうでしょっ、そんなことじゃさくらさんに嫌われちゃうわよ!
大神:ちぇ、なんかうまくのせられてるような気がするんだよなあ、ぱたぱた。
由里:あれ、いまごろ気づいた?
かすみ:ま、まあ、大神さんも、休み休みお話に加わってください、はははは...
椿:でもすごいですよね、絶望の中にあっても決して望みを捨てず、帝都のために、そして正義のために自らの命を懸けて立ち向かう...あたし、やっぱり尊敬しちゃいますぅ。
大神:そりゃ俺だって怖かったさ...正直なところ、俺たちは一体何のために戦ってるのか、俺たちは翔鯨丸に乗って一体何をしようとしてるのか、って...迷っていた...自信をなくし、自分が分からなくなってしまっていた...しかし、そんなふがいない俺をさくらくんが励ましてくれたんだ、自分のこと情けないなんて言っちゃだめだ、帝都を守るんでしょう、一緒に戦ってください、って...
由里:あ〜っ、それって翔鯨丸の中ででしょ? 大神さんの手を自分の胸におしあてて、「わたしの心臓...こんなにどきどきしてるの」なんて... きゃーっ、さくらさんも隅におけないわねーっ!!
大神:げっ! な、なんでそんなとこまで知ってるんだぁ由里くんっ!!
椿:なんたって、帝劇井戸端放送局ですもんねー、にやにや。
由里:で、どーでした、さくらさんの感触はっ?
大神:うん、ふっくらして、あったかくて、とっても... はっ!!
由里:きゃーっ、大神さんのエッチぃっ!
椿:や、やだあーっ!!
大神:し、しまったあーっ!! ち、違う、誤解だ誤解っ、ふっくらと心暖まるさくらくんの優しさがだな...
かすみ:大神さん...ふけつ。
大神:あうう〜っ! わかりました、もう、おとなしく、火おこししてます...ぱた、ぱた...
由里:あら、いじけちゃった。

椿:あ、あの...それで、次のお話は、どんな感じになるんですか、かすみさん?
かすみ:ええ、帝國華撃団花組はついに聖魔城への攻撃を開始、空中戦艦ミカサもいよいよ出撃の時を迎えます。次回はちょっぴりシリアス調な大艦巨砲スチームパンク戦記「最後の戦いへ...」をお送りする予定です。
由里:な、何それぇ...
椿:...それって単に作者の趣味じゃないんですかあ? 読者の皆さんには迷惑なはなしですよね。
かすみ:...だそうですけど、どうします、作者さん?
筆者:...もう8割がた書いてるの...やらせて...


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