九一式広軌牽引車

九一式広軌牽引車は鉄道部隊で警備などに使用された特殊車輌。自動貨車をベースに線路上を走れるようにしたものだが、自動貨車の変速機をそのまま使用しているため後進が低速なのが欠点だった。そのため、2輌を背中合わせに連結して後退しやすいようにしている。

無蓋貨車に兵士を乗せて線路の警備に当たる九一式広軌牽引車。治安の悪い大陸では線路を守るためにこのような警備が不可欠だった。

九一式広軌牽引車は車輪をタイヤに交換することによって、線路外でも走行可能だった。写真は装甲車として線路外での戦闘を支援する九一式広軌牽引車。

九一式広軌牽引車を正面上方より撮影した珍しい写真。正面の鎧扉が開いているので、ラジエターが見える。


ラジエター部分の拡大画像。陸軍の星章の上に、東京瓦斯電気工業の「ちよだ」のマークが取り付けられている。九一式広軌牽引車は石川島自動車製作所が開発したが、実際の生産は東京瓦斯電気工業が行った。

九一式広軌牽引車には装甲のないものも存在した。写真は千葉の鉄道連隊の演習における無装甲の九一式広軌牽引車。内地で使用するには装甲は必要なかった。

2014年10月14日 17:34