ラヤンラヤン


2000年3月、マレーシア・ラヤンラヤン島へ



マレーシアといえば・・・・リゾーターならペナンやランカウイ、ダイバーならシパダンやマブールを連想することでしょう。
ダイビング雑誌で、単独ではあまり特集されてないけれど、「アジアリゾート」 特集や、「ボルネオ」特集、そして某マレーシア方面に強い旅行社の広告でちょこっとだけ紹介されているだけの「ラヤンラヤン島」。
インチキ情報の坩堝?であるインターネットにさえ情報が少ないだけに、かなり秘境の趣があったけど、なかなかどうして立派なリゾートじゃないですか!
しかも、ダイビング的には、サイコーの場所でした。
何がサイコーだったかって?
それにはまず、ラヤンラヤンのロケーションからお話せねばなりますまい。

ラヤンラヤンはこんなところにあります。



絶海の孤島

ボルネオ島コタキナバルから北西に約300`、南シナ海は南沙諸島の南端。
この不っ便な所にあるラヤンラヤンは実は人工の島なんです。
もともとは火山性の、盛り上がってできた環礁で、渡り鳥達が休むくらいの浅瀬しかなかった。
位置的にはベトナムとフィリピンとの国境で、各国の領土問題が絡んでくるのですが、そこは賢い(?)マレーシア政府、この環礁の一部を埋め立て、領土を主張してしまったのです。
おまけに海軍基地を作って哨戒艇でパトロールさせて、既成事実を作ってるとこなんかこれまた賢い!
そういえば「ラヤンラヤン」ってのはマレーシア語で「ツバメ」とか「渡り鳥」って意味だから日本で言えば南鳥島って感じかなー。
ロケーション的にも名前的にも、共通点が多いです。
領土問題っていやぁ、韓国にとっては竹島で、ロシアにとっては択捉、色丹・・・とか書いてくるとやけにキナ臭い場所って感じがします。
でもあんな絶海の孤島にあれだけ豪華な設備があるっていうのもおかしなハナシなんだよなー。
外国人の方もたくさん、マレーシアの入国審査を通ってあの島へ滞在してます、ここは間違いなく我が国の領土です、っていうのはスッゲー説得力だもんなー。
どこかの国(失敬)みたいに勝手に軍艦とかマスコミ船うろうろさせるだけじゃないもんなー。
と、話は(かなりイヤな方へ)それましたが、そういうロケーションだから海はめちゃくちゃに良い!
本当に良い!
だって絶海の孤島ですよ、モノホンの!
詳細は後述するとして、でもそんなロケーションじゃアクセスも大変?・・・いえ、そうじゃないんです。
コタキナバルからチャーター便で約1時間、寒くてうるさくて恐いのをちょっと我慢するだけで、行けてしまう。
しかも飛行機を降りたらそこはリゾートの玄関!っていう手軽さ。
シパダンよりも簡単でしょう?
(コタキナバルまで直行便が使えればいいのだが、今回我々はペナンにいって、クアラルンプールにいって、コタキナバルにいって、1泊した。土曜日関空発は危険だ…。)

コタキナバルでカジキを目撃!



で、肝心のリゾートの居心地は悪くない、どころか大満足!
ホテルについてすぐチェックイン。
はじめは日本人女性が日本語で説明してくれて、これは何かと便利だなーと思っていると、妙にそわそわしてる。
「ばたばたしてすいませんねー」を連発して、あっちいったり、こっちいったり・・・
忙しいヒトだなーと考えるまもなく、彼女は我々の乗ってきた飛行機で「ショートバカンス」へいってしまいました。
彼女に次に会ったのは何の因縁か、我々が帰る飛行機・・・
で、滞在中日本人は我々だけだったが、何の不便も無かった。
それは私がバリバリ英語ができるという訳ではなく(というか、できないほうの部類)、リゾートの従業員も客のイタリア人もドイツ人も思い思いのコトバでしゃべっていて、なんだかんだいって伝えたいことは伝わってしまうから。
でも、もっと英語できたらもっと楽しめたんじゃないか、といつも思う。
海外へ遊びに行く度にいつも、そう思うのだけど、現実に帰ると忙しさにかまけてそうはいかないんだなー、これが。

人工島というロケーションから、広いビーチは島のどこにもないけど、代わりに真水のプールがリゾートの真ん中に。
これを囲むようにフロント、レストラン、バーがあり、客室棟が平行に続く。
すべてこげ茶色の木造・平屋建てで整然と植えられた南国の植物が人工色を醸し出している。
部屋はバルコニーがついていて、かなり広くて清潔、なによりも綺麗だった。
効きすぎるくらいのエアコン、ビデオ端子からつなげると白黒でしか映らないテレビ、外線のできない電話、小型冷蔵庫が標準装備。
時間制限があってしかも設定が難しいが温水&真水のシャワーもあって、快適そのもの。
トイレの水が若干黄色くて、流しても流しても、流してないみたいな状態だったのは愛敬か。
まあ、辛口に書いてるけど、ホントに快適だった。
でも、となりの部屋とのしきりは板1枚だったので、いびきまで良く聞こえた。
夜は寝酒で泥酔すべし!

レストランは室内席とテラス席があった。
ゲストが少なかったせいもあるんだけど全員テラスにいた。
不思議なことに、大抵お決まりの席になってくる。
海に一番近い席は、空いてると思って座ると意外な風の強さに悩まされる。
初めて食事をする時、我々もこの罠にはまった。
で、海から二つくらいはなれたところが指定席に。
食事は朝・昼・夜すべてブュッフェ方式。
マレーシア料理・中華っぽいの・イタリアン風サラダなど結構イケた。
これ以外に早朝のトーストやおやつのスコーン(バナナフライもでるらしい)などが用意され、常になんか食べられるシステム。
コーヒー、紅茶もいつでも飲み放題だけど、ちょっとしょっぱい。
ラヤンラヤンでは海水を真水に変換して使っているんだけど、完璧ではないのだと思う・・・
しかしこれも帰りの飛行機のコーヒーで何か物足りないと思ってしまうくらいなんだから、慣れと言うのは恐い。

バーにはバドワイザー、カールスバーグ、タイガー、コロナの各ビールが冷えている。
トロピカルカクテルからワイン、スコッチまで揃えてあり、夜も大満足。
マレーシアでは宗教上、アルコール(に対する税金)は高いけど、それでもビールは日本円換算で350mlの缶ビールくらいの値段。
全然オッケーでしょ?
しつこいようだけど、ロケーションからいうとサイコーに快適なんだよねー!

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つづく