YEAH!伊江島

1997年9月5日から7日まで伊江島へ行ってきました

伊江島って?
沖縄本島の西側に出っ張った本部半島に寄り添うように浮かぶ小島、伊江島。
平らな島に、プリンを乗せたようなその姿は、晴れた日なら、西海岸からも望むことができる。
プリンは、伊江城山(いえぐすくやま・標高127m)。
島内には、サトウキビ畑しかなく、パッとしない。
が、ダイバーの間では、その地形と生物の濃さで注目される穴場的スポットだ。
穴・トンネル・ドロップオフなど本格的な地形スポットの並ぶ北側と、白い砂地にサンゴの根が散在する穏やかな南側とのコントラストがこの島の魅力。
本格的に伊江島を潜るなら、島の南側にある伊江港周辺の宿と、DSを利用するが、本当に畑しかないので、退屈らしい。
そこで私は、本島にステイし、本部港から伊江島へボートダイブする方式を取った。
この方が、海も夜も宿も充実する。
名護周辺のDSは、伊江島まで足を伸ばすことが多い。
だから、スポット的にも、申し分ない(と思う)。
でも、ガンガン潜って、それ以外はのんびりしたい人には伊江島ステイの方がいいかも。
でも、ホント、畑しかない・・・(失礼!)

プールにはバーがある。
下痢しそうになるので、
我慢しているタロー

ニューオープン、カヌチャベイ・ホテル・アンド・ヴィラズの実力
今回のホテルは、7月にオープンしたばかりの「カヌチャベイ・ホテル・アンド・ヴィラズ」
ニューオープンで綺麗だったのはもちろん、それ以外にも敷地が広い、そのため客室が広い、施設が充実している、充分すぎるほどのアメニティ等の点から、沖縄本島一のリゾートホテルと評価したい。
しかし、立地は悪い。これは敷地が広いことの裏返しでもあるが、アクセスの悪さに加え、太平洋側に位置しているため、ビーチがいまいち。
サンゴが東シナ海側ほど発達しておらず、波が高い。
ま、シュノーケリングには不適だが、サーフィンや、ボディーボードには向いているかも。
また、オープンしたてということもあり、従業員の対応が気にかかった。
気にかかったというのは、悪かったというわけではない。
が、満足できたわけでもなかった。
あれだけ充実したリゾートだと、客の方が求めるサービスの水準が、異常に高くなってくる。
いわゆる、かゆい所に手が届くサービスを求めるようになる。
一方で、従業員の方たちは、まだまだ素人っぽい。
接客自体は悪くない、いや、標準以上の対応なのだが、客の方はそれ以上を求めてしまう、というわけだ。
こちらはまだまだ改善しうるので、今後が楽しみなリゾートだ。
しかし、9月とはいえ、まだまだシーズン中なのにガラガラだった。
5年後に存在していることを祈る。

右側がガイドの滝川さん。

HOW TO ダイビング
今回は、伊江島に行くことよりも、カヌチャに行くことが目的だったので、まず、ホテルを予約した。
その後、周辺のスポットを研究、どうやら伊江島が良さそうだということを知り、カヌチャのDSで「伊江島に行きたい」とゴネた所、ガイドの滝川さんが快諾してくれた。
しかし、カヌチャのDSではファンダイブの参加が4人だけだったので、名護にある某DSに便乗する形だった。
そこは、体験とかもやっていて、全部一緒に一つのボート。
だいじょうぶかな? と思ったが、あちらの人たちとはまったく別行動のダイビングだったので、特に不都合はなかった。
しいて言えば、こちらの滝川さんもかなり太ってたが、あちらの船長兼オーナーがすっげえデブ。
船ですれ違うことができないくらいの、デブ。
客には優しかったが、スタッフはめちゃくちゃコキ使われてた。
もし伊江島に行かなかったら、カヌチャのある大浦湾で潜ることになっていたらしい。
大浦湾は、Cカード講習に使うが、ファンダイブすると、あまり綺麗ではないので、非常に不評とのこと。
伊江島の海の良さを思えば、多少のデブくらいはがまんできる。
でも、凄かった。

滝川さんの見つけたパイプウニの棘を、パイプにして吸う。格別。

ダイビング・ログ
当日は、風がビュンビュン吹いて、海況が最悪。
本部半島から見る伊江島は、白い波とウネリの中にぽっかりと、ただただ頼りない。
こんなんで大丈夫?と心配しつつ、ひっくり返りそうな漁船でポイントへ。
びしょびしょ。
ぐっちょり。
ところが、島の北側はまったく予想外なことに凪。
リーフの中だし、しかも風裏だからなのか?
体験ダイビングの女の子達が吐きまくっているのを横目にエントリー。
1本目は、「ウツガマ」。
岸は断崖絶壁で恐いくらい。
が、水中は素晴らしいサンゴの棚が広がり、ドロップ・オフとなっている。
ここは、それほど潮の流れがなく、穏やか。
やっぱり沖縄のさんごしょーは凄い!
太陽に照らされると、浅い所の景観はガラっと変わる。
いかにも、南の島、というか、たいていのダイバーが憧れるあの景色。
タテキン、サザナミヤッコ、ハタタテダイ、ハタタテハゼ、クマノミ、ハマクマノミ・・・と、みんなお馴染みなんだけど、何分いても飽きない。
で、船の周りにベラとかブダイの仲間がやけに多いな、と思っていたら、体験ダイビングの子たちが自分の口から撒き餌を撒いてる。
かわいそうに。
2本目は、「カナン崎ドーム」。
先ほどと同様のドロップ・オフと、海底からそびえたつ岩の連なり。
地形派ダイバーなら、よだれが出そうなポイント。
壁面には、直径20bほどのドームがポッカリと口を開けている。
ここから、複雑に入り組んだトンネルが延びて、気分は海中探検隊。
ハタンポとかアカマツカサ、ミノカサゴが何するわけでもなくただポーっとしていて、ちょっと不気味。
とくに、ミノカサゴは、狭い穴の中に折り重なって群れている。
シーガルだったもんだから、肌に触れやしないかとヒヤヒヤもんだった。
地形自体は楽しめても、穴の中の魚って、みんな地味か、グロテスクだから、好きじゃない。
タテジマキンチャクダイ君が、穴の中を覗きながら、そう言ってた?
ここで、ガイド滝川さんが見つけたオタク系ネタ3連発!
その1。小さいエビ。すごく地味な、黒と、黄土色のウミシダをむしって、其の中から、黒光りしたザリガニ型のエビを取り出し、観察させてくれた。
気持ち悪かった。
その2。パイプウニの棘。4-5本見つけて、渡してくれたが、なんだか解らなかったので、遊んですぐ捨ててしまった。
「あれは持って帰ってもよかったのに」要らないって!
その3。ムチヤギと、ガラスハゼ。写真では見たことあったけど、まさかこんなに小さなものだったとは!
しきりに指でいじって、上に下に逃げるハゼ君を見てニヤついてた。
でも、滝川さんは、わがまま聞いてくれたし、お疲れのとこ運転してくれたし、とってもいい人でした。

アカマツカサは気持ち悪いが
私のような初心者でも、いい
被写体になる。

ダイビング業界のジレンマ
エグジットすると、船の上にはまだ青い顔して横になっている体験の子達。
多分彼女たちは、サンゴと、トロピカルフィッシュを夢見て来たんだと思う。
でも、もうダイビングなんてやらないんだろうなあ。
体験の人は、こういう日はむしろ、連れてこない方が、彼女たちにとっても、ダイビング業界にとっても、良かったのでは?
「沖縄行った時やろうとしたんだけど、海が荒れててできなかったんだよねえ」というほうが、「無理して行ってもらったんだけど、船に酔ってサイアク!」というよりは、良かったと思う。
ダイビングへの憧憬が高まるし、海の怖さも理解するし。
将来、僕がショップを開いたら(?)、そうしよう。
目先の小さな利益を求めて、将来の大きな利益を失わないように。
おっとコレは、自戒の念をこめて・・



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