バルザック・アシモフ |
連合防衛軍少佐、後に中佐に昇進。 孤児だった彼は、幼い頃は同じ境遇のマルローとつるんで盗みを働いていたが、見張り役の少年メイラーの裏切りによって、逮捕されるが、その才能と度胸を見込まれ、軍で特殊訓練を受け、軍人となる。 スペースナイツに送り込む密偵としてコルベット准将にその能力を買われ、従軍記者としてスペースナイツに赴き、テッカマンブレードのデータを持ち帰る。 防衛軍復帰後は、そのデータをもとに開発された地球製テッカマンのパイロットに志願、その完成に尽力した。そして、完成したソルテッカマン一号機で実戦に参加、ラダム獣を相手にその能力を遺憾なく発揮する。開発者のマルローともどもその功績が認められ、中佐に昇進。軍主導のラダム反攻作戦、“オペレーションヘブン”に参加するが、圧倒的な力の差でテッカマンエビルに敗退する。 命からがらオービタルリングを脱出した後、さまよい歩いているところをリルルという少女に助けられ、彼女と彼女の弟ディックと共に生活を営むようになる。この時のリルル姉弟との生活が彼の人生の大きな転機となる。 合流してからは大幅な改造を施したソルテッカマン一号機を駆り、ノアルの2号機と共にテッカマンブレードを援護する重要な戦力となる。最終決戦においてはノアルと共にブルーアース号で出撃、対ラダム用最終兵器干渉スペクトル砲を持ってラダム月基地に向かうが、来襲するテッカマンソードを衛星軌道上で迎撃、その際の戦闘においてソードと相討ちになり、大気圏で燃え尽きた。 余談だが、彼がテッカマン以外でテッカマンを倒した最初の人物である(相討ちを倒したとみなすならばだが)。そして、戦死した時点でも、連合防衛軍所属であったこともあって、後に再建された連合防衛軍の発言権を増大させる結果となったようだ。そのことは、軍にソルテッカマン部隊と共に、バルザック勲章が設けられたことからも容易に想像が出来る。しかし、組織の枠を越えて人類のために戦ったバルザックにとって、このような形でその死を利用されることは極めて不本意であろう。 孤児の時の体験のためか、人一倍功名を求めており、そのためには平気で味方を見捨てたりした。彼にとって唯一心を許せる親友のマルローがラダム獣に殺されてからは、その傾向がいっそう強くなった。 しかし、エビルに破れた後に、自分を助けたリルルを愛するようになり、共に農業を営むようになってからは価値観を一変させ、愛するリルルとディックを守ることを誓う。しかし、心の中では親友マルローの仇であるラダムを倒したいという相反する思いを抱くようになる。そして、アックス打倒に向かうDボゥイ達と再会、リルルの助言もあり、彼女たちを安心して暮らせるようにするためにDボゥイに協力を申し出る。 普段は明るく、よく軽口を叩き、ふざけているように見えるが、実は計算高く、冷静沈着である。 「戦いたい! 戦ってラダムを倒したいんだ!! お前を殺しちまったラダムを!!」 |
マルロー |
バルザックの幼なじみ。少年時代は、共に孤児だったバルザックとつるんで強盗をしていた。頭が良かったので、強盗計画の立案を担当しており、実行者のバルザックの有能さもあって、その成功率は非常に高く、軍の諜報部からも目を付けられるほどだった。しかし、仲間に裏切られ、バルザックともども捕まる。だが、その有能さ故に軍に連行され、テストされる。その結果、IQの高かった彼は英才教育を受け、軍の科学者となった。 主に新兵器の開発に従事していたらしく、バルザックが入手したブレードのデータを開発中のパワードスーツと組み合わせ、ソルテッカマンを開発した。ブレードのボルテッカを参考にして開発されたフェルミオン砲を装備したソルテッカマンは十分ラダム獣に対抗できる性能を有しており、その功は高く評価された。 ソルテッカマンの開発成功によって彼の前途には、科学省長官への道が開けつつあった。だが、精製したフェルミオンの輸送途中をラダム獣に襲われ、フェルミオンを守って死亡する。 狡猾で野心のたくましい男だったが、幼少から同じ境遇であったバルザックにだけは心を開いており、共に権力を手中にすることを望んでいた。 「これで二階級特進だ、長官だぜ……。私の分まで、権力と名誉を……」 |
コルベット准将 |
連合防衛軍の将軍。まともな人材のいない防衛軍の上層部の中で比較的有能な人物。だが、名誉欲と権力欲が強く、軍という組織レベルでしか物事を見ることが出来なかった。 いち早くテッカマンブレードの能力に着目し、再三、軍へのブレードの引き渡しをフリーマンに迫る。だが、その都度フリーマンの巧みな処置によって妨害されてしまう。が、それでめげる訳でもなく、何かと小細工を弄して、スペースナイツを出し抜こうとしていた。バルザック少佐を新聞記者と偽ってスペースナイツに送り込み、テッカマンについて内偵させたのも彼の指示である。 だからといって、ラダムに対して手を拱いていたわけではなく、厄介な任務を全てスペースナイツに回し、軍なりにラダムへの反攻作戦を計画、準備していた。ラダムへの反攻作戦の第一弾とも言える“オペレーションサンセット”では、ラダム獣養成のエネルギー源となっているオービタル・リングの動力炉の破壊に成功し、ラダムに大きな損害を与えた。 さらに、バルザック少佐が入手したテッカマンのデータを元に、地球製テッカマン“ソルテッカマン”の開発に成功する。バルザックの駆るソルテッカマンの性能に自信を持った准将は先の戦闘で敵の策にはまり、暴走して軍に大損害を与えたテッカマンブレードことDボゥイを逮捕、拘禁し、軍主導の軌道エレベーター奪回作戦“オペレーションヘブン”を発動する。だが、この作戦はソルテッカマンがテッカマンエビルに敗北したことによって失敗、逆に軍本部がラダムの攻撃を受けることになる。この時、連合軍の危機を救ったのは、スペースナイツの一人、ノアルの操るソルテッカマン2号機と軍が拘禁したテッカマンブレードだった。 軍の命運を懸けた作戦の失敗をスペースナイツによって救われるという大失態によって面目を失った准将は起死回生の策として、新開発のフェルミオンミサイルによってオービタル・リング内のラダム獣を一掃する作戦を発動する。だが、この作戦はオービタル・リング内のラダム獣を一掃することは出来るものの、反物質が充満することによりオービタル・リングが崩壊、赤道上に落下し、数億もの人間が犠牲になると予想されていた。だが、既に正気を失っていた准将は反対意見には取り合わず、作戦を強行しようとした。説得不能と見たフリーマンはテッカマンブレードを連合防衛軍本部に派遣し、実力によってフェルミオンミサイルの発射を阻止したが、フェルミオンミサイルの爆発の余波で軍本部は壊滅、准将も死亡した。 「わしが地球を救うのだ、このわしが地球上で最も偉大な英雄となるのだ。どうだ、羨ましいか? ブレード。ハハハ、ハーハッハッハ」 |
バーナード・オトゥール |
連合防衛軍の第4特殊部隊の軍曹。叩き上げのベテランで、カル博士の事件で軍を毛嫌いするDボゥイに、軍人も人間であることと戦場での心得をその行動で教える。 後にテッカマンアックスとの決戦の時に再登場。ブレードの勝機を作る。その後、戦えなくなったDボゥイを護衛、無事にアラスカ基地に送り届ける。Dボゥイがブラスター化する際にも命を懸けてテッカマンランスを阻み、ブレードのブラスター化を成功させた。 性格は豪放磊落、そのうえ極度の酒好きで、いつも酒瓶を手にしていた。銘柄はウイスキーが好きらしい。また歌も好きでよく歌い、ペガスに歌を教えたりもした。死んだ部下を弔うため(他にも理由はあるが)作戦を強行したり、Dボゥイを守って死ぬなど、情け深い面もあり、多くの部下に慕われていた。また、アンジェラという妻(?)がいた。 「坊や、これから戦場で生きて行くつもりなら、これだけは言っておく。お偉いさんが何と言おうと、戦場で戦うのは俺達兵士だ。死んじまったら元も子もねえ。まず生き残る事、生きて帰って仲間の命を守り続ける事、それが戦場の掟だ。軍人として、いや、しがねえ古参兵からのアドバイスだ」 |