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東海大学菅生高等学校吹奏楽部 (55人) 1/エクストーム・メイク・オーバー 〜チャイコフスキーの主題による変容 (J.デ=メイ) | 銀賞 |
朝一番の出演は大変ですね。緞帳が下りた状態でステージでスタンバイしていて、演奏直前に緞帳が上がるというのはステージ上の空気も一気に冷え切ったことでしょう。 課題曲は音が客席に飛んでこず、ステージ上でこじんまりとしてしまったのが残念。自由曲は熱演で、曲の中でいろいろな表情が見え、楽しく聞くことができました。朝イチということで力が入りすぎという印象でした。 |
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東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部 (55人) 4/バレエ音楽「ロミオとジュリエット」より (S.プロコフィエフ/鈴木英史) | 金賞 |
明るいサウンドは良かったですが、課題曲は全体的に急ぎすぎでどこか落ち着かないマーチという印象でした。全体的に力で押し切るような演奏でしたが、要所要所はしっかり押さえるというコンクール巧者の演奏だった思います。「ロメオ〜」は冒頭部分で事故もありましたが、バンド全体が動揺することなく進行しているのは流石です。よく練習されており、木管の早いパッセージも金管のスタミナも万全。難を言えば全体的に音楽が直線的で、平板な演奏に終始してしまったように感じました。 |
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堀越高等学校吹奏楽団 (49人) 4/「サグラダファミリアの鐘」 −ガウディの継がれゆく意志 (八木澤教司) | 銅賞 |
今年の都大会、堀越高に限ったことではないのですが、課題曲4の冒頭のTrpのF音を殆どの学校が失敗していました。これは致命的だと思います。全体的に躍動感に乏しいマーチとなってしまい、残念でした。自由曲は初めて聞く曲でしたが、題名から受ける曲の世界観をよく出せている演奏だったと思います。 |
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錦城高等学校吹奏楽部 (51人) 4/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ/森田一浩) | 銅賞 |
課題曲の冒頭が決まらず、全体的にも躍動感に乏しいマーチとなりました。自由曲も全体的に精彩を欠いた印象がありました。音楽に推進力がなく消化不良のまま終曲してしまったのが残念でした。サウンドが分散気味でしたので、まとまりのある密度の濃い音がほしいと思います。 |
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都立杉並高等学校吹奏楽部 (55人) 4/交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」 (A.ハチャトゥリャン/小林久二郎) | 金賞 |
実力のある杉並高も課題曲冒頭は決まりませんでしたね。残念。ただ、全体的には安定感のあるサウンドと、堅実な音楽作りに好感が持てました。シンフォニーポエムは曲のもつ力強さ、華やかさをよく出せており、実力発揮という印象。金管群の明るい音色は秀逸。木管群の重厚なサウンドは本当に素晴らしかったです。特にパイプオルガンのフレーズをしっかりと吹ききった木管群は見事。クラリネット、フルートのソロも安定感がありました。 |
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江戸川女子高等学校吹奏楽部 (52人) 5/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカーニ/宍倉晃) | 銀賞 |
本日最初の課題曲5。難しい曲ではありますが、大変安定感のある演奏でした。自由曲も非常に艶のあるサウンドで、素晴らしかったと思います。多少大味な部分もありましたが、自在なアゴーギクが意外と耳に心地よかったです。出場団体の中でも金管セクションの音の良さと安定感は上位にあると思いました。 |
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都立小山台高等学校ブラスバンド班 (55人) 4/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/仲田守) | 銅賞 |
全体的に若さと勢いのあるサウンドでしたが、ところどころで集中力に欠ける印象を受けました。個々のプレーヤーは良く吹けていると思いましたが、バンド全体の合奏力に安定感が欲しいと思いました。自由曲は難曲に挑戦。よく練習してありましたが、この曲の世界観を表現するには至りませんでした。ところどころ不安定な箇所もあり、譜面を追うのにいっぱいのように聞こえたのが残念です。 |
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修徳高等学校吹奏楽部 (55人) 5/交響詩「ローマの祭り」より チルチェンセス、主顕祭 (O.レスピーギ/磯崎敦博) | 銀賞 |
課題曲はクールにさらっと演奏してしまいましたね。どこか力をセーブしているような印象を受けましたが、この難曲をよく消化していたと思います。自由曲ではバンドの本領発揮。チルチェンセスのトランペットバンダも、多少キズはあるものの堂々たる演奏。主顕祭でも華やかなサウンドが素晴らしく、躍動感や色彩感のある演奏で好演でした。勝手な好みを言わせていただければ、ラストの3発はそのままのテンポで勢い良く終わってほしかった…。 |
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都立片倉高等学校吹奏楽部 (55人) 3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/小澤俊朗) |
金賞 代表 |
課題曲でのサウンドの素晴らしさは群を抜いています。Tuttiでの安定感はもちろん、音が薄い部分でも音楽が良く流れていて見事。バルトークは音楽に勢いがあり、こちらも非常に完成度が高かったと思います。トロンボーンのSoliは危うかったので、全国大会までの課題でしょうか。全体的には奏者1人1人の自信が音に表れており、片倉の独自の世界をしっかり表現しており、金賞・代表は確実と感じさせる好演でした。 |
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明治大学附属明治高等学校吹奏楽班 (55人) 2/「GR」より シンフォニック・セレクション (天野正道) | 銅賞 |
高校では唯一の課題曲2。やはりこのマーチは難しいですね。冒頭からはバンドのサウンドが安定するのにちょっと時間がかかったように思います。トリオはとても美しかったです。GRでは重厚なサウンドでしたが、全体的に平板な演奏になってしまったのが残念。場面転換にバンドが素早く対応できずに、バタバタ感が見え隠れしてしまったようです。セレクションの中の繋ぎがぎこちなく、音楽の流れにブレーキをかけてしまったようです。 |
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八王子高等学校吹奏楽部 (55人) 5/バレエ音楽「火の鳥」より (I.ストラヴィンスキー/R.アールズ、F.フェネル) | 銀賞 |
課題曲5を演奏した団体の中では一番安定感があり、音楽の流れが良かったと思います。ただ、あまりにも流暢すぎて、聞かせどころが曖昧になってしまったのが残念です。自由曲は短い時間の中に、ロンド、カスチェイ、ララバイ、終曲を無理やり押し込めたカットになっていました。聞き手としては「そこでカット?」と頭を傾げる箇所が多々あり、落ち着いて聞けませんでしたね。各曲の繋ぎもスムーズでなく全体的な流れが良くなかったと思います。実力は十分なのですが、細かいミスが多くて集中力に欠けた演奏だったのが残念です。 |
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駒澤大学高等学校吹奏楽部 (55人) 4/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ/森田一浩) |
金賞 代表 |
課題曲で、スネア、シンバル、バスドラムを舞台上手側(チューバの後方)に配置したのは、正解だったと思います。冒頭のファンファーレも若干安定感にかけましたが、まずまずの出だし。全体的には流れの良い演奏でした。「くじゃく」は非常にスケールの大きい演奏で音楽が生き生きしています。ソロ群も安定感があり秀逸。全体的に派手さはないものの堅実でした。例年は骨太なサウンドという印象を持っていたのですが、今年は上品で柔らかく艶のあるサウンドが素晴らしいと思いました。久々の全国大会、頑張ってください!! |