第48回全日本吹奏楽コンクール
平成12年9月30日(土)/普門館

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中学・後半の部
1
関西/和歌山県  和歌山市立楠見中学校 (西浦義文)  ※初出場
銅賞

1/舞踏組曲 (B.バルトーク/西浦義文

指揮の西浦先生は、93、94年に連続代表だった西和中の時の顧問だったのですね。やはり中学は指導者の力が大きいと感じました。分厚いサウンドですね。課題曲では各ソロが見事でした。特にオーボエ、サックスは良い音してました! バルトークは難しい曲ですがよく吹けていたと思います。トロンボーンも良かったです。初出場でプログラム1番は緊張されたでしょうね。来年も頑張ってくださいね。

2
東北/秋田県  秋田市立飯島中学校 (木内 恒)  ※2年ぶり3回目
銀賞

1/交響曲第2番「鐘」より 第1楽章 (A.ハチャトゥリャン/高野豊明) 

課題曲は明るくて歯切れの良い音で好演でした。自由曲はハチャトゥリャンの難曲をよく練習されましたね。どのセクションもそつが無く、合奏体としても好演でした。ちょっと大人びた演奏でした。

3
西関東/埼玉県  飯能市立加治中学校 (中川徳夫)  ※2年連続2回目
金賞

3/喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション (F.レハール/鈴木英史)

木管と金管のブレンドが素晴らしいと感じました。課題曲ではスムーズな音楽運びで、難しいこの曲を見事に演奏しきりました。圧巻だったのは自由曲。今年大流行の曲ですね。何しろ美しくて楽しくて聞いているほうを飽きさせませんでした。場面展開が非常にうまく、聴衆をとりこにしてしまったようです。ハープと鍵盤楽器のアンサンブルはそれはそれは美しく、普門館のホールが和やかな雰囲気に包まれました。2曲通して聞き手を飽きさせない見事な演奏でした。大拍手と歓声がホールに広がりましたが本当に名演・快演でした。金賞おめでとう!

4
中国/岡山県  津山市立津山西中学校 (稲生 健)  ※初出場
金賞

2/管弦楽組曲「第六の幸運をもたらす宿」より (M.アーノルド/瀬尾宗利)

前の加治中にあれだけ歓声が上がった後、ステージ袖で待っているほうはやりにくいだろうなぁ。。なんて余計な心配をしておりました。しかぁーし、、その心配は大きなお世話でしたね。(笑) 上手です。課題曲では冒頭のTrpがちょっと残念でしたが、あたたかいサウンドと素朴な表現が曲の魅力を引き出していました。 自由曲では木管の歌い方が秀逸であり、Tuttiも決して乱れない演奏でした。パーカッションがきびきびしていてバンド全体を引き締めていましたね。初出場で金賞受賞、おめでとうございます。

5
東関東/千葉県  船橋市立海神中学校 (高橋健一)  ※初出場
銀賞

3/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り (M.ラヴェル/佐藤正人)

冒頭のピッチが合いませんでした。ミュートTrpもテンポに乗り切れないまま曲が進んでしまいましたね。ソリの部分でのピッチが不安定だったのが残念です。 ダイナミクスレンジが狭く、ダフニスでは、「夜明け」はもっと怪しさ、ひそやかさを出してほしいと思いました。「全員の踊り」ではドライブ感もあってなかなかの好演だったと思います。

6
西関東/新潟県  長岡市立東北中学校 (菊地雅樹)  ※初出場
銅賞

4/プラハのための音楽1968より I, IV (K.フサ)

課題曲はほっとするようなサウンドでした。Trpソロは伴奏に隠れてしまい、聞こえなかったのが残念です。フルートが8人に対して、クラリネットが6人という編成でした。やはりクラリネット中心の音作りのほうが良いと思いますが、東北中はフルートがよく響きサウンドが華やかになっていました。プラハは難しい曲をよくぞここまで練習しましたね。カットがちょっと強引で、聞いていると「あれ?」という肩透かしをくらったような印象が残ってしまいました。

7
四国/愛媛県  松山市立南中学校 (柿並陽子)  ※2年連続2回目
銀賞

1/交響組曲「寄港地」より III.ヴァレンシア (J.イベール/P.デュポン)

丁寧な奏法で美しいサウンドでした。課題曲もまずまずの出来でしたが、ちょっと平凡すぎたかな。。 寄港地ではヴァレンシアの冒頭、フルートが丁寧で好感が持てました。色彩感溢れる演奏でしたが、パーカッションがところどころ出過ぎでバンドの響きをかき消してしまったことが残念です。

8
東海/長野県  長野市立三陽中学校 (遠藤義明)  ※初出場
銅賞

3/喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション (F.レハール/鈴木英史)

私が数えた限りでは34人という編成。しかし、この小人数の利点を活かした演奏でしたね。個々の技術がしっかりしており、クリアなサウンドになっていました。メリーウィドウも楽しい演奏でした。銅賞でしたが可能性を秘めた演奏で、来年が楽しみです。

9
東京/東京都  羽村市立羽村第一中学校 (平井 明)  ※初出場
銀賞

3/組曲「ハーリ=ヤーノシュ」より  (Z.コダーイ/G.C.バイナム)

さすが東京のバンド。普門館慣れしているというか、非常に伸び伸びとした演奏でパワーが感じられました。課題曲はリズムが甘く、ちょっと雑然とした印象を受けました。自由曲は楽しく聞かせてもらいました。トロンボーンが良かったですね。

10
東海/愛知県  名古屋市立萩山中学校 (楫野克彦)  ※2年ぶり2回目
金賞

3/組曲「ハーリ=ヤーノシュ」より  (Z.コダーイ/G.C.バイナム)

メリハリのある演奏で、音楽の場面場面における切り替えが上手なバンドでした。自由曲では各セクションのレベルの高さを示した演奏です。昨年の愛工大名電の演奏を彷彿とさせるような素晴らしいハーリ・ヤーノシュでしたよ。

11
中国/広島県  広島市立安西中学校 (香畠 譲)  ※お休みから復活6回目
銀賞

2/喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション (F.レハール/鈴木英史)

後半の部では最多6回の出場なんですね。案外Trpが失敗しがちな冒頭も無難にクリア。多少ピッチが甘いかなとも思いましたが、さすが常連バンドの風格です。課題曲も自由曲も大らかな音楽で、さわやかな歌い方が良かったです。特にクレッシェンド、デクレッシェンドがうまいバンドだなと思いました。

12
北海道/旭川  旭川市立北門中学校 (泉 修)  ※2年連続4回目
銀賞

2/クレデンティウム (J.V.ロースト)

Tuttiでの響きが安堵感さえ感じさせるようです。課題曲ではピッコロのソロが素晴らしかったです。多少アンサンブルが乱れるシーンもありましたが全体的には良かったです。自由曲は初めて聞かせてもらいましたが、とってもクールな感じの曲でした。テクニカルな部分もよく吹けているし、何よりもこの「クールさ」をちゃんと表現できていました。

13
九州/宮崎県  宮崎市立宮崎中学校 (末吉正生)  ※2年連続5回目
銀賞

4/管弦楽のための映像「イベリア」より (C.ドビュッシー/淀彰)

柔らかいサウンドで課題曲は好演でした。パーカッションがまとまっており、バンド全体を締めていました。自由曲はドビュッシーの中でも吹奏楽でやるには難しいと思われる曲ですが、とっても良い演奏だったと思います。 シンバルを担当していた男子生徒さん。とても上手でした!!

14
北陸/富山県  高岡市立芳野中学校 (神田賢二)  ※2年ぶり3回目
金賞

4/交響詩「ローマの噴水」より (O.レスピーギ/木村吉宏)

男子生徒は一人でしたね。ティンパニーだけだったと思います。豊かなサウンドでゴージャスな感じ。課題曲、自由曲ともに、強奏になるとバランスを崩してしまって残念でした。よく鳴るバンドですがダイナミクスレンジが狭いですね。噴水ではもっともっと弱奏部分を頑張って欲しかったです。初の金賞受賞おめでとうございます。


【後半の部を聞いて・・・】
金賞4、銀賞7、銅賞3という結果。金賞は加治(西関東)、津山西(中国)、萩山(東海)、芳野(北陸)。こちらも偏りなくばらけました。金賞バンドはサウンドの色彩感、場面展開の上手さ等が突出していたと思います。技術的レベルはどのバンドも素晴らしく、特にソロの部分などは安心してきくことができました。中でも加治の演奏は突出しており感銘度が非常に高かったと思います。 初出場が6団体あり、どこも好演でした。なかでも津山西は83年から続いている中国代表の連続金賞記録をしっかりと伸ばしました。お見事!
 
【全体を通して・・・】
久しぶりに中学の部を聞きましたが予想以上に聞き応えがあり楽しめました。中学生のレベルの高さに驚いています。金賞は、東北1、東関東1、西関東1、東海2、北陸2、関西1、中国1。こちらも高校の部と同様、各支部の実力が拮抗しているように思います。また、今更ながらですが男子の少なさに驚きです。女子だけというバンドもありましたし、男子がいてもほんの数名程度が殆どでしたね。全国出場バンドに限ったことではないと思いますが・・・。ちょっと寂しいですね。
 

※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。