第49回全日本吹奏楽コンクール
平成13年10月21日(日) /アクトシティ浜松

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職場の部

1
東関東/神奈川県  NEC玉川吹奏楽団 (稲垣征夫)  ※3年連続24回目
銅賞

4/百済伝説による交響組曲「神門物語」より
   氷上郷の山々と祭り、百済王一族を守る戦い、おさらば〜平和への賛歌 (真島俊夫)

課題曲は力み過ぎたでしょうか。力で押し捲る印象を受けました。金管群のタンギングが若干キツく、破裂音になってしまったのが残念です。自由曲は各場面における表情のつけ方などいろいろ工夫が感じられて良かったと思います。弱奏部分では美しいサウンドを聞かせていても、強奏になると課題曲同様「力で押す」音楽となりバランスが崩れ気味でした。


2
九州/福岡県  ブリヂストン吹奏楽団久留米  (小野照三) ※2年連続32回目
金賞

4/ブラスオーケストラのための「行列幻想」より (團伊球磨/時松敏康)

個々のセクションが平均してきっちり響いてくるクリアなサウンドです。強奏になっても乱れないところは流石といったところでしょうか。自由曲は今年逝去された團氏がブリヂストンのために書いた曲ですが、アナウンスのときには曲名の後に≪團伊球磨メモリアル≫と紹介されていました。今回は各楽章からのハイライト版といった構成。「追悼の念」も入ってか、高い集中力と説得力のある音楽作りで非常に秀逸だったと思います。特に中間部の木管を中心としたアンサンブルは美しかったですね。23回目の金賞受賞おめでとうございます。


3
中国/広島県  NTT西日本中国吹奏楽クラブ  (金田康孝)  ※2年連続37回目
金賞

2/セント・アンソニー・ヴァリエーション (W.ヒル)

物理的に木管奏者が少ないバンドでしたが、バランスがよく考慮された演奏でした。課題曲もアツクなり過ぎず、落ちついたHrn&Saxセクションが好演。自由曲は逆に最近では珍しい選曲ともいえますが、あらためて「良い曲だなぁ」と感じさせる演奏です。ObやA.Saxの名手が実に美しい音でサウンドの核となっており、最初のコラールや各ソロも秀逸でした。ラストの金管群によるコラールは割りとアッサリしていましたが、個人的にはもうちょっと引っ張ってもイイかなとも…。打楽器がツボを押さえ演奏をひきたてていたのが印象に残っています。6年ぶり4回目の金賞受賞です。


4
東京/東京都  ソニー吹奏楽団 (川本統脩)  ※37年ぶり3回目
銅賞

4/「エニグマ変奏曲」より  (E.エルガー/E.スローカム)

比較的落ちついたテンポのマーチ。ミスなくソツなく演奏されているのですが、もっと軽快さや躍動感がほしいと思いました。自由曲では木管セクションの室内楽のようなサウンドが印象に残っています。しかしTuttiになると金管群にかき消されてバランスを崩してしまったのが残念です。聞かせどころが明確になっておらず、エルガーの魅力を伝えるには今一歩といった感じの演奏でした。


5
関西/大阪府  阪急百貨店吹奏楽団  (秦 和夫)  ※お休み明け35回目
銀賞

1/地上の冒険  (J.ウィリアムズ/亀井光太郎)

鈴木先生の体調不良ということで、今年は秦氏の指揮。前奏はかなりアッサリした感じにしていましたね。マーチ部はリズムが重く旋律の動きが不鮮明でした。 自由曲では一転した明るいサウンドで楽しい演奏。映画「E.T」のシーンが思い浮かぶようです。 課題曲に比べるとずいぶん伸び伸びした演奏でしたが、もっともっと面白く底抜けにハジケてみてもいいのに…と思いました。2曲通しても、ちょっと消化不良気味という感じに終わってしまったのが残念です。


6
北海道/札幌地区  高橋水産吹奏楽団 (大島清之) ※2年連続12回目
銀賞

1/「ア・ウォータイム・スケッチブック」より (W.ウォルトン/木村吉宏)

前奏は期待通り豊かなサウンドで好演でしたが、マーチに入ってからはトランペットが頑張り過ぎでせっかくのバランスを崩してしまい残念でした。自由曲は各曲のメリハリが効いていて良い演奏だったと思いますが、ここでも強奏時のトランペットがバランスを崩し気味。各セクションとも非常に安定した演奏で、特にClaのコンサートマスターがバンドをよくリードしていたのが印象に残っています。


7
四国/香川県  高松市役所吹奏楽団 (臼井 隆) ※2年連続15回目
銅賞

1/斑鳩の空 (櫛田朕之扶)

前奏の出だし、オーボエのピッチが決まりませんでしたね。この前奏部、曲を印象付ける場所なので残念でした。Tuttiのサウンドは悪くないと思いますが、トランペットにもっと安定感がほしい気がしました。自由曲はもっとメリハリがほしいですね。聞かせどころが不明確だったと思います。金管セクションが安定しないのが気になりました。


8
東海/愛知県  新日鐵名古屋吹奏楽団 (平田惣一) ※28年ぶり2回目
銀賞

3/「交響曲第2番」より 第3楽章「フィナーレ」 (J.バーンズ)

丁寧な演奏なのですが、若干ですが音が停滞気味で、マーチらしい躍動感がもっとほしいところです。自由曲では各セクションがよく吹けています。楽器の鳴りも良いしTuttiは多少荒めではありますが、まとまりがありました。もう少し交通整理さえできていれば金賞も遠くないと思いました。東海というとヤマハ浜松が常連ですが、こういった実力のあるバンドが出てくるのも3出制度の功績の一つなのかもしれません。


9
西関東/群馬県  沖電気高崎吹奏楽団 (小田原朝雄) ※2年連続6回目
銅賞

2/コンヴァージェンツ (F.チェザリーニ)

まずチューニングをしっかりしてこないと、せっかくの全国大会のステージがもったいないです。また、安定しない打楽器セクションが非常に気になりました。楽譜の指定通り演奏できていないですね。練習時間が上手くとれなくて大変でしょうが、マーチの要である打楽器群の力不足が露呈してしまいました。自由曲になると、ピッチも合うようになってきて音楽に安定感がでてきました。


10
東北/宮城県  JR東日本東北吹奏楽団  (川村浩一) ※2年連続9回目
銅賞

4/「カルミナ・ブラーナ」より 第3部 愛の誘い 3, 7, 10, 11, 12, 13 (C.オルフ/J.クランス)

セッティング時、弦バス奏者が「弦バス回し」の練習をしていましたが、それはカモフラージュで本番では弦バスは回りませんでした。(寸止めはありましたけど…。) 実際は、弦バス奏者がリズムにノッて跳ねながら演奏し、曲の「ここぞ!」という場面では垂直に『ジャーンプ!』になったのす。カルミナでは2人のタンバリン奏者がWinkさながら(あ、古い?^^;;)、鏡に写すように左右対称で演奏してました。2人が見詰め合いアイコンタクトをとって左右対称の振付です。もちろんカルミナのラストも弦バス奏者は『ジャーンプ!』。カルミナにこのパフォーマンスはかなり無理がありましたね。演奏そのものは昨年に比べると上達していたと思いますが、同じパフォーマンスをするなら、それに合う自由曲選曲をしたほうが魅力倍増だと思います。ミュージカル系とかポップス系の選曲なんかどうでしょう?

金賞2、銀賞3、銅賞4。かなりレベル差の激しい部門になりました。今年は銀賞と銅賞バンドの間にかなり開きが感じられました。NEC玉川が3年連続出場で来年お休みになります。


※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。

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