第56回全日本吹奏楽コンクール 平成20年10月18日(土)/東京・普門館 |
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中学・後半の部 |
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1 | 東海 愛知県 日進市立日進中学校 (指揮/清野雅子) ※初出場 | |
3/管弦楽のための「映像」第2番「イベリア」より 町の道といなかの道 (C.ドビュッシー/藤田玄播) | ||
午後の部だけあって音がよく出るようになりました。一つ間違うと音楽が停滞してしまう課題曲ですが、推進力があり初出場とは思えない積極性は素晴らしいと思います。自由曲ではソプラノサックスがよく音楽を引っ張っていましたし、木管の細かいパッセージもしっかり練習されていました。全体的にはサウンド(音色)に表情が乏しく、モノクロな絵を見ているようでした。色彩感がもっと豊かになるとこの曲の良さももっと出てくると思います。 | ||
2 | 九州 福岡県 中間市立中間東中学校 (指揮/掛橋賢議) ※8年ぶり5回目 | |
2/喜歌劇「ロシアの皇太子」セレクション (F.レハール/鈴木英史) | ||
大変クリアなサウンドで手馴れた演奏を聞かせてくれました。マーチは旋律が流れすぎで、もうちょっとビートが感じられると良かったですね。トリオからの後半は程よいドライブ感があり素晴らしかったです。自由曲では伸びやかで楽しい音楽となりました。サックスソロ、アンサンブルも秀逸です。木管・金管・打楽器のバランスがよく、Tuttiでも豊かなサウンドでこの楽しい曲を魅了しました。 | ||
3 | 関西 兵庫県 神戸市立本庄中学校 (指揮/永田隆博) ※初出場 | |
2/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカーニ/宍倉晃) | ||
躍動感の良く出たマーチだったと思います。やわらかいサウンドで雄大な音楽を聞かせてくれました。ピッチ・ハーモニーに若干の不安がありましたが、スケールの大きい演奏で、この曲をよく歌ってくれました。正直、銅賞というのは厳しいなと思いますが、十分に本庄中の音楽を聴衆にアピールできていたと思います。 | ||
4 | 中国 島根県 出雲市立第一中学校 (指揮/小西慶一) ※3年連続38回目 | |
3/「スペイン狂詩曲」より IV. 祭り (M.ラヴェル/森田一浩) | ||
大変安定感のある演奏だったと思います。サウンドも重厚でしっかりコントロールされた課題曲でした。出雲第一のサウンドがこのセリオーソには非常にマッチしていました。自由曲も手馴れた音楽運びで、各ソロも技術・表現ともに申し分ない出来だったと思います。どっしりとした演奏の中にも、秘めたエネルギーは十分に感じられましたが、どこか真面目すぎて色彩感に乏しい印象を受けました。これで中国支部の連続金賞記録は途絶えましたが、来年からの奮起に期待したいです。 | ||
5 | 四国 愛媛県 松山市立南中学校 (指揮/高岡英二) ※2年ぶり6回目 | |
2/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ/森田一浩) | ||
明るく豊かなサウンドでマーチにも大らかな歌心がみえました。強奏のとき音が開き気味になりサウンドが乱れることがあるのは残念。自由曲は骨太な演奏でしっかりと冒頭を歌いこみました。フルート、ピッコロのソロは伸びやかで秀逸です。全体を通してサウンドが発散してしまって纏まらない傾向があり、バンドの一体感がもう一つという印象です。 | ||
6 | 東関東 千葉県 松戸市立和名ヶ谷中学校 (指揮/上村二三子) ※2年連続4回目 | |
2/バレエ音楽「ガイーヌ」より 序奏、友情の踊り、アイシェの孤独、剣の舞、収穫祭 (A.ハチャトゥリアン/林紀人) | ||
とても美しくまとめられたサウンドです。課題曲はよく整理されていますし、各奏者も素直で伸びやかな歌い方で好感がもてました。自由曲は序奏が始まった時に、「これはやってくれそうだ!」と期待が大きく膨らみました。よく知られた曲を華やかに色彩豊かに表現してくれました。各曲での表情も多様で自由自在な音楽を聞かせてくれたと思います。2年連続2回目の金賞おめでとうございます。 | ||
7 | 東京 東京都 小平市立小平第三中学校 (指揮/中村睦郎) ※2年連続6回目 | |
4/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
40数名という編成で木管低音群が少なかったように思います。都大会ではどことなく危なげな演奏でしたが、そこをしっかり克服してきて安定感が増したように思います。サウンドも豊かで透明感もあってよく響いており、決して力任せではなく自然体な演奏でした。自由曲でも柔らかく豊かな音で雄大に歌い上げましたね。音楽の流れの良い非常に心地よい演奏で、2年連続5回目の金賞となりました。これで東京代表は小平バンドがW金賞です。 | ||
8 | 東北 秋田県 秋田市立山王中学校 (指揮/木内 恒) ※2年連続28回目 | |
1/ディオニソスの祭 (F.シュミット) | ||
目の覚めるようなゴージャスなサウンドでスタート。大変明るく音抜けの良いブラスセクションと厚い響きの木管セクション、明確な打楽器セクションがうまく融合した素晴らしいマーチでした。自由曲では久々に見事なディオニソスを聴いた気がしました。アルトホルンやサリュソホーンまで登場し、色彩も豊か。隅々まで研究、練習されているようで、細かな動きも非常に揃っています。説得力のある音楽は聴衆を魅了し、終曲後のホールは割れんばかりの大歓声に包まれました。素晴らしい演奏をありがとうございます。3年ぶり15回目の金賞おめでとうございます。 | ||
9 | 北海道 札幌地区 札幌市立北白石中学校 (指揮/齋藤 樹) ※初出場 | |
2/「アルジェリア組曲」より (C.サン=サーンス/小西龍也) |
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課題曲は強奏のときにバランスが崩れるときがありましたが、躍動感のあるマーチで好演でした。自由曲でのサックス、フルートのソロが自然な歌い方で印象的。全体的にも素朴な感じの優しい演奏です。特に木管セクションのアンサンブルが秀逸でまるで上質な室内楽を聴いているようでした。派手さはありませんでしたが、堅実な音楽作りには好感が持てました。銀賞でしたが後半の部では特に印象に残る演奏でした。 | ||
10 | 西関東 埼玉県 飯能市立飯能第一中学校 (指揮/落合 誠) ※初出場 | |
4/「交響曲第5番」より 第2・第4楽章 (M.アーノルド /瀬尾宗利) | ||
大変丁寧な演奏で個々の奏者のレベルも高いと思います。この課題曲はストーリー性のある曲ですが、どう表現したいかがよく伝わってきます。自由曲では第2楽章でみせた甘美なサウンドが秀逸。第4楽章では落ち着いたトランペットのファンファーレでスタート。ダイナミクスレンジがもっと広くなると良いと思います。息を呑むようなppがもっと聞きたかったです。ラストは原曲とおりに終わってほしかったですが…。 | ||
11 | 北陸 富山県 南砺市立福野中学校 (指揮/大坪 建) ※初出場 | |
1/三つの交響的素描「海」より III. 風と海との対話 (C.ドビュッシー/上埜孝) | ||
重厚なサウンドで素晴らしいオープニングでした。金管群の実力が高いです。ガツンと鳴らしていますが決してうるさくないキレのあるサウンドで見事。ドライブ感・躍動感のあるマーチでした。自由曲でも充実した金管群としなやかな木管群が良くブレンドされてます。オーボエ、トランペットのソロも堂々としていて立派です。全体的にスケールが大きく音楽がよく流れていましたし、集中力の高く高揚感も十分な終曲となりました。今大会、前半後半で14の初出場バンドがありましたが、その中で唯一の金賞受賞です。おめでとうございます。 | ||
12 | 東海 長野県 長野市立柳町中学校 (指揮/遠藤義明) ※2年ぶり15回目 | |
3/「スペイン狂詩曲」より IV. 祭り (M.ラヴェル/森田一浩) | ||
課題曲ではミステリアスな雰囲気をしっかり出せています。サウンドもどっしりと安定感がありますね。この課題曲は音の薄い部分がたくさんありますが、音楽も停滞することなく大河のように脈々と流れています。自由曲は、実に手馴れた流暢な音楽でした。ソロ群も安定していて聴き手側にも安心感を与えました。今回、この曲を取り上げた中学校全部に言えることなのですが、色彩感に乏しく音色の変化などがもっとあると良いと感じました。 | ||
13 | 九州 福岡県 宇美町立宇美東中学校 (指揮/南 光俊) ※初出場 | |
3/朝鮮民謡の主題による変奏曲 (J.B.チャンス) | ||
大変積極的な音楽作りをするバンドです。ちょっと力が入りすぎたでしょうか、ハーモニーが時々決まらない箇所があり、そのせいか強奏になるとTuttiのサウンドが濁って聞こえたのが残念です。自由曲では一転、非常に力の抜けた良い演奏でした。オーボエソロの部分はアルトサックスで演奏。美しいのですがもうちょっとソリスティックだと良かったですね。続くコルネットソロは素朴な雰囲気で大変美しかったです。その後、大胆なカットで終曲部へ向かってしまいましたが、よく知られたこの曲を聞いた後としては多少消化不良だったのが否めません。 | ||
14 | 関西 奈良県 生駒市立生駒中学校 (指揮/牧野耕也) ※3年連続9回目 | |
1/「ジャズ組曲第2番」より マーチ、ワルツ第2番、ダンス第1番、終曲 (D.ショスタコーヴィッチ/J.デ=メイ) | ||
「軽快」という言葉がピッタリの素晴らしい演奏でした。とにかく楽器の発音がクリアでとてもとても美しいのです。基礎がしっかりしている証拠ですね。美しさ、躍動感を兼ね備えた課題曲となりました。自由曲でも楽器の発音が秀逸で、非常に耳に心地よいサウンドとなりました。最後の最後で、こんなにも幸せな気分になれる音楽を聞けるとは思いませんでしたね。「ありがとう」と言いたくなる演奏でした。2年連続7回目の金賞です。 | ||
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |