第56回全日本吹奏楽コンクール 平成20年10月25日(土) /大阪国際会議場 |
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大学の部 |
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1 | 北陸 石川県 金沢大学吹奏楽団 (指揮/三浦宏予) ※3年連続14回目 | |
3/交響曲第2番「キリストの受難」 (F.フェルラン) | ||
課題曲はピッコロとバスクラリネットのソロが息が合わないままスタート。全体的にも細かいミスが多く、決め所も決まらなかったのは残念。なんとなく歯車が合わないまま曲が終わってしまいました。チューニングが完全ではなく、サウンドにも安定感がなかったです。自由曲は、フルート、トランペットのソロは無難にクリアしました。バンド全体のサウンドも薄く、表現が平板でした。 | ||
2 | 東北 宮城県 東北福祉大学吹奏楽部 (指揮/松崎泰賢) ※2年連続6回目 | |
5/「優位な曲線」〜ヴァシリー・カンディンスキーに寄せて (八木澤教司) | ||
比較的早めのテンポ設定でした。クリアで輪郭のあるサウンドだったのでこの課題曲にはマッチしていたと思います。もっとうねるようなまとまり感があるともっと良かったかもしれません。自由曲ではいわゆる難解な現代曲でしたが、流暢に演奏していると思いました。断片的なフレーズの連続ですが崩壊することなくしっかりとまとめられているのは流石。後半からラストに向けては非常に美しい仕上がりで最後のコードは素晴らしかったです。 | ||
3 | 関西 京都府 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部 (指揮/若林義人) ※3年連続14回目 | |
5/藍色の谷 (酒井格) | ||
フルート、オーボエ、ファゴットがひな壇に、トランペット、トロンボーンが舞台上手側に斜めにセットするという非常に変わった配置。課題曲ではトランペットやトロンボーンは楽器の向きの関係でしょうか、強奏になってもバンドの中にしっかりブレンドされていたと思います。自由曲は、大変ロマンティックな曲を流暢に演奏していました。要所でのソロも秀逸で、場面転換も巧いです。ポップス的な部分も盛り込まれていて変化に富んだ曲ですが、バンドのサウンド・表情を切り替えることができるのは流石。昨年銀賞の雪辱を果たし、2年ぶり7回目の金賞です。 | ||
4 | 東京 東京都 駒澤大学吹奏楽部 (指揮/上埜 孝) ※3出休み明け20回目 | |
3/交響的断章 (V.ネリベル) | ||
重厚で主張のあるサウンドがこの課題曲にはピッタリと思いました。説得力のある演奏で流石に大学生だなと感心。自由曲でも変わらぬ安定感抜群のサウンドに加え、各楽器の発音の良さとキレの良さに脱帽しました。Tuttiでの音圧がすごいのですが決してうるさいというわけではなく、しっかりとまとまっているのは名門ならではでしょうか。特に今年のサウンドはネリベル作品には良く合っており、王者の風格さえ漂う演奏は満場一致の金賞でしょう。18回目の金賞受賞です。 | ||
5 | 西関東 埼玉県 文教大学吹奏楽部 (指揮/佐川聖二) ※3出休み明け17回目 | |
1/歌劇「トスカ」より (G.プッチーニ/瀬尾宗利) | ||
課題曲はトランペットの旋律が重く全体的なビートも弱かったのが残念。マーチの躍動感が影を潜めてしまったようでした。自由曲はホルンがよく吹いていましたが全体的にぼやけた感じになったのが残念。歌うところは流石に佐川節といった感じで素晴らしいものがあります。木管の艶のあるサウンドは随一でしょう。後半からメリハリに欠け、どこか退屈な演奏になってしまったように感じました。前回まで8回連続で金賞受賞していましたが、残念ながら96年以来12年ぶりの銀賞です。 | ||
6 | 東海 愛知県 愛知教育大学吹奏楽団 (指揮/河田智仁) ※42年ぶり2回目 | |
1/喜びの島 (C.ドビュッシー/真島俊夫) | ||
支部大会とは指揮者が変わりました。他団体に比べると技術的な部分で幼いようです。音の処理やチューニングなど基本的な部分で問題があるように思います。マーチはユニゾンが合わずドライブ感や躍動感のない演奏でした。自由曲は譜面をさらうのでいっぱいといった感じでアンサンブルにも魅力がありません。サウンドが貧弱で色彩感に欠けています。 | ||
7 | 九州 福岡県 福岡工業大学吹奏楽団 (指揮/柴田裕二) ※3年連続10回目 | |
4/アンティフォナーレ (V.ネリベル) | ||
課題曲では透明感のあるサウンドと重厚なサウンドを上手く使い分けています。細部で詰めの甘いところがありましたが、それでも立派な演奏だったと思います。自由曲はバンドの本領発揮。豪華でキレのあるサウンドがネリベル作品には良く合っていると思います。特にブラスセクションの技術とサウンドは大変高いものがあり、途中から立奏となった金管六重奏(Trp3、Trb3)は高いアンサンブルを聞かせてくれました。全体的にも感銘度の高い演奏で、管理人は金賞と思いましたが…。 | ||
8 | 東関東 千葉県 城西国際大学学友会吹奏楽団 (指揮/山口聖一) ※初出場 | |
2/トーチ・ダンス (J.バーンズ) | ||
唯一の初出場。基本的な部分で他団体に比べると追いついていないところが多々見受けられました。サウンドが痩せていて安定感に欠けました。丁寧に演奏していますが、躍動感やドライブ感のない寂しいマーチでした。自由曲は表現にも積極性が見られましたが、サウンドに色彩感がありませんでした。 | ||
9 | 九州 熊本県 熊本大学体育会吹奏楽部 (指揮/岡本憲昭) ※10年ぶり3回目 | |
3/交響組曲第7番「BR」より (天野正道) | ||
課題曲はよく考えられた演奏だったと思います。しっかりとしたサウンドを持っています。この課題曲は音が薄いところで各バンドの力量に差が見えますがよくまとまっていました。課題曲は非常に積極的な音楽に聞こえました。場面転換でのサウンドもうまく切り替えができていて、表情も豊かでメリハリの利いた演奏になっていました。九州大会で銀賞代表であった悔しさを全国大会でしっかりと吹き飛ばせたような爽快さがありました。 | ||
10 | 北海道 札幌地区 札幌大学吹奏楽団 (指揮/今井敏勝) ※3年連続7回目 | |
3/歌劇「雪娘」より (N.リムスキー=コルサコフ/木村吉宏) | ||
しっかりしたレベルのある奏者が揃っていると思いますが、サウンドに色がないように思います。Tuttiでの強奏ではバランスを欠くことがありました。課題曲では表情が乏しく、もう一つこの曲のメッセージが伝わってこなかったように聞こえました。自由曲では軽快な曲をよく練習されてましたが、課題曲同様にサウンドに色彩感が加わるともっと曲の魅力も引き出せるのではないかと思います。 | ||
11 | 中国 山口県 山口大学文化会吹奏楽部 (指揮/松田和寛) ※2年ぶり3回目 | |
5/交響曲「ガイア」 (J.オグレン) | ||
この課題曲を選曲するだけの自負がバンドには備わっているようで、音に主張が見られたと思います。ただ詰めの甘いところがあったのが惜しまれました。自由曲は譜面を追うだけにとどまっているようで、メッセージ性の強いこの曲で何かを伝えるまでには至っていないという印象を受けました。個々の奏者の基本的な技術は確実なものがあるようですが、バンドという集合体となったときのサウンドの色や表情が乏しいと感じました。 | ||
12 | 関西 大阪府 近畿大学吹奏楽部 (指揮/森下治郎) ※2年連続25回目 | |
5/シダス (T.ドス) | ||
キレのあるサウンドでこの日一番の課題曲5を聞かせてくれたと思います。よく楽曲を研究しているようで、隅々までどのように演奏するかを計算済みといった演奏でした。自由曲でも変わらず重厚で往年の近畿大学を彷彿とさせるような堂々たるサウンドは見事。素晴らしいコラールが印象的でした。2年連続18回目の金賞受賞とともに、関西代表は95年以来13年ぶりのW金賞となりました。 |