第62回全日本吹奏楽コンクール 平成26年10月26日(日)/名古屋国際会議場センチュリーホール |
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高校・後半の部 |
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1 | 西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校 (指揮/奥章) ※2年連続23回目 |
1/歌劇「蝶々夫人」より(G.プッチーニ/宍倉晃) | |
今年も宍倉氏による委嘱編曲です。「蝶々夫人」はプッチーニの代表的な2幕もののオペラです。長崎を舞台に、没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇を描いた作品です。今年は戸倉中、白子中、埼玉栄高の3団体が演奏しますが、3団体ともに異なる編曲というのも興味深いです。これまで金賞17回、銀賞4回、銅賞1回を受賞しています。 | |
2 | 北海道 札幌地区 札幌日本大学高等学校 (指揮/木田恵介) ※3年連続3回目 |
5/レクイエムより (G.ヴェルディ/福田洋介) | |
1874年にミラノのサン・マルコ教会にて初演された作品で、正式には「マンゾーニの命日を記念するためのレクイエム」という名称で、カトリックのミサ曲の一つです。モーツァルト、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」と言われており、全7曲で構成された全てを演奏すると1時間半近くかかります。「怒りの日」が非常に有名ですね。全国大会では「レクイエム」は2010年(大阪桐蔭高)以来4年ぶりの登場です。これまで銀賞2回を受賞しています。 | |
3 | 関西 大阪府 明浄学院高等学校 (指揮/小野川昭博) ※3出休み明け11回目 |
2/紺碧の波濤 (長生淳) | |
「紺碧の波濤」は創価グロリア吹奏楽団による2005年の委嘱作品で、テーマは「悲劇の英雄」とのこと。作者の長生氏は、『「悲劇的な運命を前に、恨んだり悲嘆にくれるのではなく静かにそれを受け入れている」そのような人物像を思い浮かべた』とコメントを残しています。これまで金賞3回、銀賞6回、銅賞1回を受賞しています。 | |
4 | 西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校 (指揮/宇畑知樹) ※4年連続16回目 |
4/交響的舞曲より 第1・3楽章(S.ラフマニノフ/森田一浩) | |
今回も森田氏による委嘱編曲。交響的舞曲を演奏する団体の殆どが第3楽章のみを取り上げており、全国大会で第1楽章が演奏されるのは1984年(浜松市立積志中)以来30年ぶりです。ちなみに積志中は第1楽章のみを演奏しました。この作品はラフマニノフの最後の作品で1940年に作曲されました。元々はピアノ曲でしたが、翌年1941年に管弦楽版が完成しました。これまで金賞12回、銀賞2回、銅賞1回を受賞しています。 | |
5 | 北陸 富山県 富山県立高岡商業高等学校 (指揮/神田賢二) ※2年ぶり28回目 |
4/交響詩「ドン・ファン」 (R.シュトラウス/大橋晃一) | |
ばらの騎士(2012年・全国銅)、ツァラトゥストラはかく語りき(2013年・支部金)と3年連続でのR.シュトラウス作品を取り上げています。「ドン・ファン」は1888年に作曲された交響詩で自身の出世作と言われています。「サロメ」と違い、全国大会に初登場したのは2000年(伊奈学園総合高、常総学院高、洛南高)と新しめです。高岡商業は2000年を最後に金賞からは遠ざかっています。これまで金賞8回、銀賞13回、銅賞6回を受賞しています。 | |
6 | 九州 福岡県 精華女子高等学校 (指揮/藤重佳久) ※4年連続19回目 |
4/華麗なる舞曲 (C.T.スミス) | |
今年はデビューCDアルバム《熱血!ブラバン少女》が、2/24付オリコン週間総合ランキングで初登場25位、同日付のクラシック部門で初登場1位(5週連続1位)を獲得したことが話題となりました。12月には第2弾CD《挑戦!ブラバン少女》を発売するそうです。「華麗なる舞曲」は09年に続いて2回目の選曲。米空軍軍楽隊と当時の隊長ジェイムズ・M・バンクヘッド中佐の委嘱作品で1986年に作曲されました。05年からは3出休みを挟んで7回連続で金賞受賞しています。これまで金賞9回、銀賞9回を受賞しています。 | |
7 | 東北 福島県 福島県立平商業高等学校 (指揮/藤林二三夫) ※2年連続4回目 |
2/交響曲「画家マティス」より (P.ヒンデミット/篠崎卓美) | |
「画家マティス」は1934年に作曲され同年に初演されました。この交響曲は3楽章で構成されており、今年は作品発表80年周年にあたります。マティスは16世紀のドイツ人画家で、各楽章には「マティス」の代表作『イーゼンハイム祭祭壇画』にちなんで「1.天使の合奏」「2.埋葬」「3.聖アントニウスの誘惑」という表題がついています。これまで銀賞2回、銀賞1回を受賞しています。 | |
8 | 東関東 神奈川県 横浜創英中学・高等学校 (指揮/常光誠治) ※3年ぶり7回目 |
3/ルイ・ブージェワーの讃歌による変奏曲 (C.T.スミス) | |
3出制度が廃止され、東関東では御三家<習志野・柏・常総学院>に幕張総合、そして横浜創英の強豪が顔を揃えましたが、見事代表3枠に入り代表復活です。自由曲は米国海兵隊バンドと当時の隊長ジョン・ブージェワーの委嘱作品で1984年に作曲。「フェスティバル・ヴァリエーション」「華麗なる舞曲」と並ぶスミスの難曲です。創英はこれまで管弦楽作品を取り上げてきましたが、初の吹奏楽オリジナル作品となります。これまで銀賞4回、銅賞2回を受賞しています。 | |
9 | 東海 愛知県 安城学園高等学校 (指揮/三浦聖司) ※4年ぶり13回目 |
4/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/小澤俊朗) | |
指揮者の三浦先生は2011年より指導をされています。2012年の3出明けの代表を逃し、2年連続支部大会止まりでしたが、指導4年にして見事に代表に返り咲きました。三浦先生は前任の名古屋市立東港中で全国大会に1度出場されています。自由曲の定番曲「サロメ」ですが、高校部門での金賞は06年(片倉高)を最後に出ていません。これまで金賞4回、銀賞5回、銅賞3回を受賞しています。 | |
10 | 東北 福島県 福島県立磐城高等学校 (指揮/根本直人) ※2年連続15回目 |
4/ディオニソスの祭り (F.シュミット/根本直人) | |
ディオニソスは09年以来2回目の選曲です。フランスのギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のために作曲された作品で編成通りに演奏すると90人近い奏者を必要とする大曲です。近年、この曲の著作権保護期間が切れ、現代の標準的編成向けの編曲が公に可能となりました。著名な作曲家による編曲版も出版されたりしていますので、今後も演奏機会は増えるでしょう。磐城高は指揮者の根本先生自らによる編曲ですね。昨年は初の銅賞でしたが、雪辱を果たして復活金賞といけるでしょうか。これまで金賞5回、銀賞8回、銅賞1回を受賞しています。 | |
11 | 中国 岡山県 就実高等学校 (指揮/小林巧) ※10年ぶり15回目 |
1/スペイン狂詩曲より 祭り (M.ラヴェル/森田一浩) | |
1979年に全国初出場・金賞という鮮烈デビューを飾り、その後の中国代表の常連として君臨しました。10年ぶりの名門バンド復活ですが、09年に男女共学化したようですね。70年代後期〜80年代において、福岡・中村学園女子と共に女子高バンドの先駆けとして全国大会で活躍しました。「スペイン狂詩曲」は高校部門では09年(旭川商業)以来5年ぶりの登場、金賞は04年(淀川工)を最後に出ていません。これまで金賞3回、銀賞7回、銅賞4回を受賞しています。 | |
12 | 四国 高知県 高知県立高知西高等学校 (指揮/中山直之) ※2年連続6回目 |
1/奔馬を秘めて (長生淳) | |
日本管楽合奏指揮者会議(JWECC)による共同委嘱作品。今年3月に愛媛県で開催されたJWECCのコンサートにおいて高知西高が初演しました。"奔馬(ほんば)"の意味を調べてみると、『勢いよく走る馬。あばれ馬。転じて物事の勢いの盛んな例え』とあります。今年は北陸支部で3団体(北陸高、富山商業高、百萬石WO)と高知西の合計4団体が演奏し、高知西が全国に駒を進めました。全国大会初演となる作品ですが新たなブームを作れるでしょうか。これまで銅賞5回を受賞しています。 | |
13 | 関西 大阪府 大阪府立淀川工科高等学校 (指揮/丸谷明夫) ※4年連続35回目 |
4/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル/立田浩介) | |
高校吹奏楽界を代表する名門バンド。「ダフニスとクロエ」は今回で7回目の選曲。05年以降の自由曲は「大阪俗謡」と「ダフニス〜」を交互に選曲しています。淀工に自由曲の新曲開拓を望む声は多いと思うのですが残念ですね…。これまで金賞26回、銀賞7回、銅賞1回を受賞しています。金賞26回は全部門通じて、ヤマハの31回、ブリヂストンの30回に次いで3番目の受賞数を誇ります。 | |
14 | 東京 東京都 東京都立片倉高等学校 (指揮/馬場正英) ※2年連続11回目 |
5/時の跳ね馬 〜吹奏楽のための (中橋愛生) | |
「時の跳ね馬」は片倉高の第20回定期演奏会を記念した委嘱作品です。今年の5月の定期演奏会にて小澤俊朗氏の指揮にて本邦初演されました。片倉高がコンクールで吹奏楽オリジナル作品を取り上げるのは2000年の「この地球を神と崇める(フサ)」以来14年ぶりで、委嘱作品は今回が初。もちろん全国大会初演です。これまで金賞4回、銀賞3回、銅賞3回を受賞しています。 | |
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |