第65回全日本吹奏楽コンクール 平成29年10月28日(土)/倉敷市民会館 |
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大学の部 |
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1 | 北陸 富山県 富山大学吹奏楽団(指揮/建部知弘) ※2年ぶり8回目 | |
2/風伯の乱舞(石毛里佳) | ||
非常によく鳴るバンドです。サウンドは重めですが、ドライブ感の感じられる爽快感のあるマーチでした。自由曲はフルートのソロが秀逸でした。オーボエ、サックスのアンサンブルも美しく、全体の構成が見事でした。Tuttiで歌い上げる部分はサウンドの色彩感と高揚感が増幅して、感動的な演奏だったと思います。 | ||
2 | 東京 東京都 立正大学吹奏楽部(指揮/佐藤正人) ※2年連続3回目 | |
3/竹取物語より(三善晃/天野正道) | ||
旋律、対旋律等のフレーズの受け渡しが大変流暢で、音楽の流れを損なうことのない演奏でした。メリハリもしっかりしており、非常に美しいサウンドで素晴らしい課題曲でした。自由曲では音楽に勢いがありました。ピッコロソロは秀逸でしたが、全体的に発音が不明瞭になる部分が多く、輪郭がぼやけた演奏になってしまったようです。 | ||
3 | 東海 静岡県 静岡大学吹奏楽団(指揮/三田村健) ※5年連続15回目 | |
5/オルガン交響曲第4番 ト短調 作品32(L.ヴィエルヌ/田村文生) | ||
複雑なアンサンブルも練習の成果が出ており、流暢な音楽でした。奏者自らが主体的・積極的にアンサンブルする姿勢が良く見え、まとまった演奏だったと思います。自由曲は管理人は初めて聞く作品でしたが、変化に富んだ色彩豊かな作品で楽しめました。奥行きのあるサウンドと、しなやかな表現が光りました。ラストの高揚感も素晴らしい秀演でした。 | ||
4 | 西関東 埼玉県 文教大学吹奏楽部(指揮/佐川聖二) ※6年連続25回目 | |
1/幽遠の譜(鈴木英史) | ||
シャープでキレのあるサウンドで、流暢な音楽運びの課題曲でした。このバンドらしからぬ細かいミスも散見されましたが、全体的には申し分ない仕上がりだったと思います。今大会、唯一の課題曲1での金賞を獲得です。自由曲では立体的で色彩溢れる洗練されたサウンドに魅了されました。不思議な響きのする作品ですが、うねるような一体感とい集中力が見事でした。17回目の金賞受賞です。 | ||
5 | 東関東 神奈川県 神奈川大学吹奏楽部(指揮/小澤俊朗) ※5年連続45回目 | |
5/ウインドオーケストラのためのマインドスケープ(高昌帥) | ||
この手の課題曲を演奏したら右にでる者はいないですね。実に細部まで気配りされた精巧なマシンのような演奏で、見事でした。緊張と緩和のコントラストが素晴らしく、キレキレの演奏でした。自由曲は冒頭の打楽器アンサンブルは全カットしてスタート。トランペットのG音がしっかり定まらず、全体のアンサンブルも乱れてしまったようですが、すぐに立て直したのは流石です。緩急のメリハリと色彩豊かなサウンドで、中間部から終曲までのまとまりが実に見事でした。5年連続29回目の金賞受賞です。 | ||
6 | 九州 福岡県 九州情報大学吹奏楽部(指揮/屋比久勲) ※2年連続2回目 | |
2/復興(保科洋) | ||
数えた限りでは47名の編成だったと思います。B♭CLが5名と少ない中、物理的なアンバランスを感じさせないクリアなサウンドは素晴らしかったです。課題曲は細かいタンギングが揃わず、リズムが滑ってしまう等、精彩を欠いていました。全体的にもドライブ感に欠けた平板な演奏になってしまったようです。自由曲でもサウンドが安定せず、全体的には雑然とした印象のまま終曲してしまいました。 | ||
7 | 東京 東京都 東海大学吹奏楽研究会(指揮/福本信太郎) ※7年連続10回目 | |
5/昴揚の漣(長生淳) | ||
課題曲は緻密に計算された演奏で、流麗な演奏だと思いました。演奏に余裕が感じられ、この難しい作品をそう感じさせないところがバンドの実力でしょうか。自由曲では長生サウンドに満ち溢れた作品でした。指揮者もバンドも長生作品へのアプローチが手慣れている感じで、実に流れの良い音楽だったと思います。初めて聞く作品でしたが、色彩鮮やかなサウンドと、息をつかせぬスピード感と集中力が融合した名演でした。本日の大学部門では出色の出来だったと思います。3年連続5回目の金賞受賞です。 | ||
8 | 四国 徳島県 四国大学吹奏楽部(指揮/益田郁夫) ※2年連続2回目 | |
4/ロード・タラモア(C.ヴィトロック) | ||
オープニングは安定したサウンドを聞かせましたが、第1マーチからの木管セクションのピッチが合わず残念でした。少ない人数でよく演奏しているのですが、全体を通じて、ピッチ、アーティキュレーション、アインザッツ等、基本的な部分に課題山積という演奏になってしまったのは残念です。自由曲は別のバンドかと思うほどサウンドが変わりました。全体的に木管楽器の音が乾いたサウンドであり、艶が欲しいと思います。 | ||
9 | 北海道 札幌地区 北海学園大学吹奏楽団(指揮/河井裕司) ※52年ぶり4回目 | |
5/吹奏楽のための協奏曲(高昌帥) | ||
重厚で安定感のあるサウンドでした。特に金管セクションの輝かしい響きが素晴らしかったです。全体的には譜面を追うだけのようで、踏み込んだ表現というよりも平板な演奏に終始してしまったように思いました。自由曲ではこちらも金管セクションが音楽をよく引っ張っていましたが、全体的に力任せな演奏で、強奏になるとバランスを欠いてしまうところが残念でした。 | ||
10 | 中国 山口県 山口大学文化会吹奏楽部(指揮/松田和寛) ※2年連続7回目 | |
3/交響詩「モンタニャールの詩」(J.ヴァン・デル・ロースト) | ||
豊かで柔らかいサウンドが耳に心地よかったです。旋律のラインが非常にクリアであり、音楽の流れも秀逸でした。中間部以降はトランペットがよく引っ張っており、美しいアンサンブルを聞かせました。自由曲は重厚なサウンドでシンフォニックな演奏が素晴らしかったです。しっかり構成されており、場面転換も鮮やかでメリハリがありました。課題曲と自由曲でサウンドの幅広さをしっかり出しており秀演でした。 | ||
11 | 東北 福島県 いわき明星大学吹奏楽団(指揮/根本直人) ※2年連続2回目 | |
4/幻想曲とフーガ ハ短調 BWV537(J.S.バッハ/E.エルガ−、根本直人) | ||
小さい編成でしたが、バランスの良いすっきりしたサウンドでした。一人一人の音のクオリティが高く、合奏体として美しい響きがしていました。マーチはツボを押さえており、躍動感のある演奏だったと思います。自由曲では小編成のメリットが十分に出ています。各声部がクリアでシャープなサウンドです。力強い色彩鮮やかなサウンドで好演だったと思います。 | ||
12 | 九州 福岡県 福岡工業大学吹奏楽団(指揮/柴田裕二) ※4年連続17回目 | |
5/交響曲第5番より 第4楽章(D.ショスタコーヴィチ/上埜孝) | ||
殆ど準備が出来ていないのにアナウンスが始まり、舞台照明も明るくしてしまう等、ステージマネージメントに不備があり心配しましたが、不安を吹き飛ばすような豊かで明るいサウンドが聞こえたのは安心。課題曲は打楽器が若干音量過多と感じましたが、全体的にはキレのあるエッジの効いた仕上がりでした。自由曲では金管セクションの輝かしいサウンドが素晴らしかったですが、ちょっとオーバーブロウ気味。ホルンソロをカットしていたのは若干興醒めでしたが、スピード感のある圧巻の演奏でした。2年連続5回目の金賞受賞です。 | ||
13 | 関西 大阪府 近畿大学吹奏楽部(指揮/森下治郎) ※2年ぶり32回目 | |
5/交響曲第6番「コッツウォルド交響曲」より 第1・5・6楽章(D.ブルジョワ) | ||
前団体同様、全然準備ができていないのにアナウンスを始めてしまう等、進行の悪さが気の毒です。何かステージ上が落ち着かないまま演奏を開始させられた感がありました。しかしそこは名門バンドでしょうか、非常に落ち着いた演奏を聞かせました。キレのあるシャープなサウンドで、非常に洗練された音楽だったと思います。自由曲では色彩鮮やかな響きに加え、卓越したアンサンブルが見事です。変化に富んだ作品でしたが、完成度・感銘度の高い仕上がりだったと思います。終曲へのバンドの一体感、高揚感が秀逸です。代表復活を21回目の金賞で飾りました。 | ||