歴史を好きになる。それにはやっぱり小説です。
『蒼穹の昴』上・下 浅田次郎 講談社
清朝末期が舞台。あまりいい印象を持たれていない李鴻章ですが、この本を読むと好きになってしまいます。ジャーナリストを目指している人は、その想いが強まることでしょう。
読むなら、『蒼穹の昴』を読んでから。
敬語の美しさを教えてくれる本。この本の素晴らしさは、とても私なんかでは表現できません。
班超が主人公の『異域の人』が収録されてます。
『敦煌』 井上靖 新潮文庫
北宋。映画もありますね。
孫武と孫繽の二部構成。
表題作を含め、9作品も読めて幸せ。
明末の名将、秦良玉が主人公。彼女を主人公とした小説は世界初、らしいです。
言わずもがなの有名作。
光栄は、歴史ゲームで有名な現コーエー。歴史ifノベルズですが、さほどイフはしてないように思います。表紙カバーのそでにある「五丈原後の知られざる三国志の世界を見た!」という記述は・・・。
『銀河英雄伝説』1−10 田中芳樹 徳間文庫
私は、この小説を読んで歴史が好きになりました。このページでもちょこちょこ引用させてもらっています。アニメがこれまたおもしろい。
時代は南北朝。南朝梁の陳慶之が主人公。少女マンガになってもおかしくないようなストーリー、と思うのは私だけ?
南宋末期。「亡国の民」になったら、あなたはどうしますか。
隋末。ディズニー映画『ムーラン』で一躍有名になった花木蘭が主人公。ただ、この小説の方が先です。これは、少女マンガ(といっていいのかわかりませんが)になってます。
南宋。田中先生が大好きな岳飛が登場します。
表題作は、『奔流』後の話。いわゆる「侯景の乱」が舞台。三国志の時代が舞台の小説も収録されています。
唐。こうけつじょうきたん、と読みます。活劇モノで、中国史に興味がなくても楽しめます。
始皇帝の暗殺をもくろんだ荊軻や、戦国の四君が登場。
班超が主人公の『虎穴に入らずんば』が収録されています。
周から清まで、12人の短編が読める嬉しい本。宮城谷昌光、田中芳樹、司馬遼太郎と、豪華ラインナップもすごい。
淡々とテンポよくつづられた文章が読んでいて気持ちいいです。この人は、漢文に精通していたそうですが、漢文よろしく無駄な言葉がありません。『山月記』は、教科書で読んだ人が多いのでは。主人公が虎になってしまう話です。
前漢。悲劇のヒロインの代表のように言われる王昭君ですが、この本を読んでいると彼女の生き生きとした姿が目に浮かびます。『後宮小説』(酒見賢一。新潮文庫)の主人公、銀河が想起されました。
とにかく、読後の爽やかさがたまりません。短い小説です。
帯に書かれた「6つのミステリー、6つの恋物語」の言葉に、思わず買ってしまいました。
『侠骨記』 宮城谷昌光 講談社文庫
四作品収録。『布衣の人』の最後の一文を読んだとき、漢字文化圏に生まれてよかった、としみじみ思いました。
六編の小説。それぞれ主人公は、季布、廬綰、陸賈、劉肥、叔孫通。別々の主人公をたてながら、劉邦、項羽というつながりがある「短編連作集」としても楽しめる。いつものことながら、この人の本には感動させられる。