近代史評論

自由と独立を求める人間理解の重要性:日米戦争について負ける戦争をなぜしたのか、という考えがある。倉沢氏もそのようだ。しかし人間は自由と独立を守るためには生命を犠牲する存在なのだ。ノモンハン事件の直後起こったフィンランド戦争では、一億七千万のソ連の領土割譲の強要に対して人口わずか350万のフィンランドは拒否して、戦ったのである。負けたけれども指導者は英雄として尊敬されている。日本も米国の強大さはよくわかっていた。しかし絶滅戦争を挑まれ日本の自由と独立を守るために女子供まで総力をあげて戦ったのである。だから戦争を損得で考えるのは、自由と独立を考えない奴隷の発想である。戦後の日本の近代史観は自由と独立を守る価値観がない寄生虫的奴隷史観なのだ。日本の青少年に奴隷史観を教えてはならない。
タコ壺史観からの脱却:最近倉沢愛子氏が近代史の本を出した。同氏の旧著は読んだが、相変わらずの日本だけの蛸壺史観である。当時の各国指導者の戦争動機の分析は皆無である。これでは合理的な解析はできない。本HPの閲覧者は、まず添付の「真の近現代観」を読んでいただきたい。大きく歴史の流れをつかんでから個別の事件を理解する。それが新しい歴史の手法である。
村山談話対策:
政府は村山談話史観を国民に強制する方針です。そこで私たちは対抗するために民族主義歴史観を早く身につけなければなりません。
出版界も政府の方針に従うので、愛国的な歴史図書の入手は難しくなる恐れがあります。いままでのようにノホホンとはしていられないのです。
そのための第一弾として西安事件の謎を解くを追加しました。これこそ盧溝橋事件、上海事変、独トラウトマン講和工作不調、支那事変の謎を解く近代日本史の最大事件です。ぜひお読みください。
民族主義歴史観:今度の選挙では民主党が勝ちましたが、左翼の統治は必ず失敗するので、今から受け皿を準備しておくことが必要です。それは自民党ではありません。民族主義政党です。私の新しい歴史観はその民族主義運動に役立つことになるでしょう。世界的に見ても、大東亜戦争の原因を独ソ戦と米国のシナ満州進出戦略に求める本書の歴史観以上の合理的な歴史観はないように思われます。スターリンの独ソ戦対応は、1941年に始まったわけではありません。1933年のヒトラーのドイツ首相就任から始まっているのです。また米国が日本に絶滅戦争を仕掛けてきた理由は日露戦争以来の満州進出欲でした。あの広大な国土がありながら白人の欲望はきりがなかったのです。
ノモンハン事件について:平成21年6月16日付の読売新聞に辻政信の遺書の記事がありノモンハン事件が取り上げられています。読売の記者はこの事件の背景に独ソのポーランド分割や蒋介石支援などがあることを知らず、日ソが衝突したと書いていますが重大な誤りです。戦争の開戦時には衝突はありません。この時もソ連はノモンハンの原野に二十万の大軍を用意して戦争を始めました。日本は支那事変の収集に困っておりソ連と戦争する気はありませんでした。本書はその因果関係を明らかにしています。
最新の歴史観:大東亜戦争を見直す動きが始まったのは良いことです。ただ日露戦争から説き起こすなど地域の歴史論になりがちなのは問題です。例えば東尋坊で身投げ事件があった場合、東尋坊の切り立った崖の地理学的生成の歴史を論じるのはピントはずれです。本人の個人的な事情を調べなければなりません。戦争も同じです。そこで第二次大戦直前の指導者の決断の理由とその因果関係を分析するのです。それこそが大東亜戦争の真の歴史観だからです。本書は大東亜戦争の原因はスターリンの独ソ戦の準備工作と見ています。この考え方は今日本人の間に広まりつつあります。支那事変は蒋介石の対日戦争開戦動機から見ると、満洲事変とはまったく関係がないことが分かります。
支那事変の気づき:先般刊行された「支那事変はドイツが起こした」という本は刺激的でした。著者の阿羅健一氏は南京事件の研究で有名です。この本は支那事変の始まりである上海事変の状況を明らかにしています。その要点は蒋介石軍は大軍であり、それが大量のドイツ製の武器を装備しドイツ国防軍の軍事顧問を抱えていたことです。このため居留民保護のために上陸した日本軍は大敗し、名古屋第三師団は一週間で壊滅しました。これは蒋介石が被害者ではなかったということです。支那事変の因果関係論は西安事件にさかのぼり、さらに独ソ戦を控えたスターリンの国際戦略にまで至らなければなりません。そのための第一歩という意味で本書は重要です。ただドイツと言ってもナチスドイツなのか、ドイツ国防軍なのか、ドイツ軍事顧問団なのか、を明らかにする必要があります。ヒトラーの極東政策は独ソ戦の準備だったので、ソ連の東部国境に反共勢力を作る事でした。そのために優秀な国防軍の将官を蒋介石に送り、事実1936年には共産軍を壊滅させました。立派に任務を果たしたのです。ただ派遣されたドイツ軍顧問団は蒋介石から高い給料を得ていたので、極東の紛争が長引くことを希望していました。相手が毛沢東だろうが日本軍だろうが関係なかったのです。そこで支那事変がはじまると雇い主の蒋介石の命令で対日攻撃に参加したのです。しかしヒトラーの意図は別で積極的に日本と蒋介石の講和を仲介しました。しかし蒋介石が関心を示さなかったので、ヒトラーは独顧問団を翌年の1938年帰国させました
コミンテルンの陰謀の真相:田母神空幕長が引用したコミンテルンの陰謀とは何でしょうか。コミンテルンとはもともと国際共産主義組織の略語でしたが、戦前には別名「スターリンの手袋」と言われたようにKGBの偽装工作に使われました。したがってコミンテルンの陰謀とはスターリンの国際工作にほかなりませんでした。ソ連の崩壊で機密資料が公開されその壮大な謀略の仕組みが明らかになってきました。これを見れば、コミンテルンの陰謀は、デマとか虚偽とかでは到底片づけられない重い史実であることがわかります。スターリンが世界の近代史を作ったのです。本書はまさにこのカラクリを総合的に解析した最初の歴史書です。
田母神空幕僚長論文事件:平成20年10月31日、田母神空幕長がアパグループの「真の近現代史観」懸賞論文に応募され最優秀賞となりました。しかし歴史観が政府の支持する左翼史観の村山談話と異なるということで辞任に追い込まれました。実は私も応募し、社会人部門で優秀賞に入選しました。論文内容は本書の内容をまとめたものです。論文は12月8日から他の入選作品とともにアパグループから「誇れる国、日本」と題して刊行され、全国のアパホテルで発売されます。皆様にはこの論文集と本書をお読みいただくと、近現代史の因果関係の理解と日本人はこれからどうすべきかという方針をつかむことができると思います。
日本人の歴史観は因果関係が欠落:
平成20年10月3日、米国スタンフォード大名誉教授ピーター・ドウス氏は、日本の歴史教科書は事実を解釈するストーリー性(=因果関係)が欠落し、単なる年代記になっていると批判しました。左翼は事件の因果関係を明らかにすると戦前の日本の正当性が明らかになるため隠蔽しているのです。日本の子供たちに誇りを持たせるために日本近代史の流れを因果関係で理解させる必要があります。支那事変も真珠湾も明らかに日本の反撃でした。
注:年代記=何年に何があったというだけの記述。因果関係なし。
麻生首相の遅れた歴史認識
平成20年10月麻生首相は村山談話を踏襲すると述べました。しかし社会主義者の村山談話はソ連崩壊後5年に出された古い左翼史観であり、翌1996年には米国から第二次大戦中のソ連スパイの通信解読文ベノナ文書が公開されています。これで戦後の日本非難は崩壊し近代史の歴史観は大転換しています。ということは麻生首相の歴史認識は時代遅れなのです。息子や娘が死刑になるのに自分で史実を調べようともしないというインド人の日本人批判が当たります。新しい歴史観の国民的普及が急がれます。
「石原慎太郎都知事の歴史の無知と国民啓蒙の必要性」
石原氏が平成20年9月8日付産経紙で靖国神社に昭和天皇の御裁可によりお祀りされている東条英機以下の英霊の廃祀を主張し多くの歴史研究者を驚かせました。というのは主張の非論理性に加えてその論拠が旧態然たる反日東京裁判史観のままであったからです。東京裁判史観の評価は1953年のスターリンの死による左翼史観の衰退と1991年のソ連の崩壊による米ソ新歴史資料の公開により革命的に一変し、現在では完全に否定されています。価値観、史実、論理から見てまったくの八百長裁判でした。しかしこれほど著名な人物が近代史にこれほど無知であるということは、私たちが大東亜戦争の新しい理解を国民に普及することがいかに重要であるかを示しているといえるでしょう。
「戦争は終わっていない」
平成20年9月4日付読売紙によれば、豪州のラッド首相は新たに「対日戦勝記念日」を制定しこのたび式典を開催しました。裏には親中のラッド首相を使った中共の日本包囲網工作が考えられます。日本人は戦争を遠い昔のことと思っていますが、戦争は国家の生存競争であり今も続いています。その意味で私たちが大東亜戦争と戦後の占領を正しく理解することは私たちの子供の将来のためにも必要不可欠なのです。
「価値観の倒錯から正立へ」:
戦後の日本社会の価値観は占領軍と左翼に強制されたもので、愛国心が悪いというような倒錯したものです。これを健全な正立に戻さなければなりません。それには日本人を一方的に悪と決め付け永遠に贖罪を要求する東京裁判史観から解放されなければなりません。そのために本書は役立ちます。