Car information & Car life plan
東海オートモービル企画/細野一紀
バンコク自動車事情 2004.3.24〜3.27
3月24日
2時間の時差と6時間の搭乗後、午後3時過ぎにバンコク国際空港に到着、蒸し暑い気候(36℃)に南国を感じつつタクシー乗り場へ直行。親切そうな現地人ドライバーが、私の荷物を運んで、車のトランクへ。何やらボール紙を出し、550バーツ(1B≒2.8円)と書いてある。相棒の森さん(今回同行のACCジャーナル編集長)何かダメダメと言っている。そう言えば、タイのタクシーは、メーター制と交渉制があり、必ずメーター制のタクシーに乗るようにガイドブックに書いてあったなぁ。慌ててトランクから荷物を降ろし、メーター制タクシーに乗り換え、350Bでホテルに到着。40分近く走って約980円は本当に安かった。今回のガイドはジミーさん、彼は「タイ・ドライバー」誌の編集者、彼の友人と2人の案内で、市内観光と夕食に出発。ところが彼らの喋る英語はさっぱり解りません。(とにかく早口で発音が聞き取れません。もっとも、ゆっくり喋っても解るかどうか、当方の英語能力が低いのが最大の原因なのですから)。彼の推薦のレストランで食事。メニューも分からず彼らにお任せのタイ料理。やっぱりマイルドな味に馴染んだ私には舌が火傷しそうなスパイシーな料理でした。勘定は我々で支払うと言ったのですが、案の定「貴方たちはゲストですから」の一言で、支払わせてくれません。仕方がないので?ご馳走になりました。宿泊先の高級ホテル「インペリアル クイーンズ パーク」の部屋は何故かツインベットの1人利用でした。(これって何か意味あり??)

3月25日
バンコク・モーターショー会場のBITEC(バンコク国際貿易展示場)での待ち合わせに、ホテルを8時30分過ぎにタクシーで出発。バンコク名物の激しい渋滞に遭い予定より30分遅れの10時過ぎに会場に到着。会場は大ホールと半地下式の小ホールを二つ繋ぎ合わせたような施設で、大ホールに12ブース、小ホールに14ブース(というよりコーナー)があり、東京モーターショーの半分程度の展示スペースである。日系メーカー(現地生産)が、トヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダ、ミツビシ、イスズ、スズキの7メーカー、外国勢はダイムラークライスラー、BMW、GM、フォード、ボルボ、ジャガー、ランドローバー、ベントレー、セアトなど。トヨタは、アジア戦略車種のヴィオス、カローラ、カムリ、ウィシュとハイラックスの展示、特にヴィオスターボ(1500CC、143hp)がタイの若者に受けているそうだが、私が見ても格好よかったね。また、アベンザ(AVENZA)と名付けられたコンパクト5ドアも初披露である。レクサスはLS、GS、RXでISシリーズは何故か無し、高級感が漂う展示である。ニッサンは商用車中心、2004年ダカールラリー出場のフロンティアがブースのメイン、乗用車はセフィーロとサニーが片隅で少し淋しいです。
次はホンダ、HSCコンセプトカーをはじめ、一応フルラインアップに近い品揃え。お〜ぉ、やっぱりありました、例の日本へ輸出しているシティ(日本名、フィット アリア)え〜と値段は?日本仕様と同じ1500cc ATが591,000B(約165万円)何と、20万円以上も日本の価格が現地価格より安いではないか。やっぱり世界のホンダは日本人の味方だ。や、やったぞー琢磨(丁度この記事を書いているときにバーレーンGPでBARホンダの佐藤琢磨が5位入賞のニュース、余談ですみません。)ミツビシもダカールラリー出場のストラーダを展示していたが、パジェロやピックアップ中心、ランエボ[(MRではない、250hp/6500rpmとなっていた)が唯一モーターショーらしい雰囲気を伝えていた。
ここタイで以外に古くから人気があるのイスズ。1966年の設立以来16万台/年の生産能力を持ち、日系メーカー最大の規模を誇っている。商用車では信頼・知名度も抜群で、Dマックの名前を持つピックアップは、バンコク市内で数多く走っており、なかなか格好良かった。
さて、欧州メーカーでは、ダイムラークライスラー、BMW、ボルボと英国車は頑張っているものの、ラテン系、特にイタリア車に至っては全く姿を見せず、イタ車ファンの私には寂しい限りである。やっと見つけたアルファロメオ156は、何と旧型の1台だけである。これって本当に国際モータショー?そのロメオ、2.0TSが1,888,000B(約530万円弱)、日本よりも140万円高い、これならGTAが買えますよ。フィアットは展示コーナーさえありません。これでは、マセラティやフェラーリは想像がつきますよ、公式ガイドブックには、展示写真が載っているのですがね。おゃまぁ〜、早くもバンコクに登場ですか、新型ジャガーXタイプのワゴン、いくらかな?何と87,000USドル(2000cc V6が930万円)ですぞ。ジャガーはここでは別格です。
おや?このブースは何だ。ザフィーラが沢山展示されているではないか。そうか、スバルのトラビックもタイ産の輸入車だったなぁー。GM車は全てシボレーブランドのルミナ、オプトラ、ザフィーラの3車種。ザフィーラはGMの世界戦略車なのでしょうか。その価格は、1800cc車が999,000B(約280万円)、かってオペルが日本で販売した時290万円ですから、トラビックが100万円も安いではありませんか。スバルが如何にバーゲン価格かと思ったら、急に欲しくなりました。値段について、現地生産のピックアップが意外に安いのです。殆どのメーカーで、40万Bから70万Bで購入可能です。例えばシボレー(シェビーピッアップ 3000cc)が612,000B(約170万円から)、貴方も一台いかがですか。プレスキットやカタログは質素ですが、美女軍団は健在でした。
そろそろ疲れが出始め、午後5時半頃ジミーさん達と別れホテルに帰る。夕食後ホテル近辺を散策しましたが、まだ蒸し暑い余韻とセミの鳴き声が、何とも不思議な風情でした。





3月26日
午前9時にホテルを出発。今日はジミーさんと彼のガールフレンドの案内で、午前中はディーラー巡りです。先ずはトヨタ店へ。ヴィオス、カローラ アルティス、カムリ、ウィッシュ、ハイラックスが所狭しと並ぶ店に入る。ジミーさん何やら女性セールスとタイ語で交渉。彼女は奥から各種カタログを持ってきて我々にサービス、私も日本から持参したカタログを進呈、主任と思しき人が、必死にカタコト英語で私に質問を浴びせてきた。どうやらウィッシュの搭載エンジンの(日本との)違いを聴きたがっているらしい。こちらも英単語をつないで何とか意見交換をする。これぞ日タイ親善交流でしょうね。
次はマツダ店です。ガラス張りの清潔なビルのショールーム、店内にはRX-8、MX-5(ロードスター)、323(旧型ファミリア)、トリビュートが展示、日本のショールームと何ら変わらない錯覚に陥る。頂いたRX-8のカタログは厚紙の4つ折れ、これでもご当地では貴重なものでしょう。
折角のバンコク、市内観光をしようと、昼食後ジミーさん達と別れ、気ままな行動を開始。タイ民族の95%が仏教徒、これら仏教関係の建築物を見学しながら、オリエンタルな雰囲気を感じる体験にさあー出発です。先ずは王宮周辺の散策に寄ったところ、何故か閉門中、うろうろしていると日本に居た事があるという自称警察官の怪しいおっさんが日本語で話しかけてくる。ここはダメだから、私が推薦するインドラ寺院へ是非見学に行けという。さらに、歩くには遠いから「トゥクトゥク」に乗れと言う。自らトゥクトゥクを止めて運ちゃんと値段交渉までしてくれたので、乗りました。オートバイに客席がついたタイ独特の庶民の三輪タクシー。暑さと騒音の中、排気ガスをまき散らして走るこの乗り物は、直接体に触れる風と振動にもかかわらず、結構爽快でした。(ジミーさんは危ないから乗るなと言っていたなぁー。確かに道路が渋滞していたら、反対車線や歩道を突っ走る。何かに衝突したら確実に車外に放り出されることだろう。)数キロの道中、途中で記念撮影のおまけ付、これで20B(50円ちょっと)。
インドラ寺院の「ワット・スタット」は、ラマ1世により創設された由緒ある寺院で、外壁の彫刻がとても美しい建物である。ここでまた、日本に居たと言う寺の管理人に内部を案内され、次にチットラダー宮殿付近で今日だけのバーゲンをやっているので、お土産を買いに是非行けと言う。
今度はメーター付のタクシーに乗る。ところが凄い渋滞、歩く覚悟で降車した。暑い中、汗をふきふき歩く2人の姿は、快適な観光とは程遠し、まるで現地人。(我々は何をしとるんやろ?)途中、道を尋ねつつ数キロのウオーキング。結局バテテ、またまたトゥクトゥクの1台を止めて、値段交渉の結果50B、先ほどの2倍以上だが、円に換算したら値切るほどの金額ではないので、お世話になる。
やっと辿り着いた店は、我々が探している店とは無関係、でも折角だからと店内を歩いていたら、またまた東京の池袋で働いていたことがある店のお兄さんの案内で土産を買う。
さあこれで、ようやくタクシーでホテルへ帰れると思いきや、森さん今度は鉄道に乗って帰ろうと言い出す始末。(このおっさん、何を考えてんのやろ?)近くの駅まで、またまた暑い中をテクテク歩く。駅では現地人の熱い視線を感じつつ(我々は唯一の外人でした)ホームへ線路を渡って切符買い。(線路へはどこからでも出入り自由で渡れます。)バンコク駅(ホアランボーン駅)まで一駅、料金は10Bと安い。乗る列車を待つ間、ホームの売店でコーラを飲む。森さん汗のTシャツを脱いで絞ったらジャーと汗が流れ出ていました。それ程暑かった。待つこと30分余り、やっと来ましたオンボロ客車数両が引かれた列車が到着。天井に扇風機、窓は全開の車内に座ると、またまた周囲の熱い視線に私はカバンを抱きしめ、ガッタンゴットンと走り出した。夕闇迫る車窓からは、点在するスラム街が線路脇にへばりついている。これが首都のバンコク?駅から、今度こそタクシーでホテルに直行。あ〜ぁ無事で良かったと思ったら疲れがドーン。今宵は奮発してホテルで豪華な日本料理、いよいよ明日は帰国だ。
3月27日
朝10時、ロビーでジミーさんの送別を受ける。おまけにタイ土産のお菓子まで頂く。24歳の若者に年寄り?2人がこんなに歓迎を受けて感謝、感謝。彼が来日したらゲストとしてもてなすことを約束し、我々は空港へのタクシーに乗り込んだ。「コップクン(ありがとう)」そして「ラーゴーン(さようなら)」通じたかな?

終わり。
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