Car information & Car life plan
東海オートモービル企画/細野一紀
プサンとソウルの漫遊記 2005.4.25〜4.30
4月25日(月)関西国際空港出発 

今回の取材旅行も「竹島問題」で揺れる反日感情の最中となりました。森編集長との取材旅行は、いつも時の話題に事欠かない時期にぶつかります。関西空港から1時間半で釜山(BUSAN)の金海国際空港に11時30分到着。韓国でのタクシー初乗りとなる。韓国のタクシーには、一般と模範(デラックス)タクシーの2種類があり、我々は黒塗りに金色のストライプが入った模範タクシーに乗車する。クルマはヒュンダイのダイナスティで、なかなか豪華で快適でした。約1時間弱でホテルに到着、料金は15,000wウォン(約1,500円)とかなり安かった。ホテルは、釜山市の高台にあって、韓国の伝統的な建物を思わせる外観を持つコモドア・ホテルで、豪華なロビーの内装は李王朝時代の貴族の館を思わせる。
我々はホテルから早速市内の散策に出かけた。竜頭公園にある釜山タワーと国際市場が目的である。丁度神戸市内を思わせる町並みで、アップダウン連続の道は結構きつかった。タワー展望台からの市内や海岸線のパノラマは本当に素晴しい。竜頭公園で李将軍(秀吉の朝鮮出兵のおり、日本水軍に打撃を与えた救国の英雄)の銅像を見つつ国際市場へ、ここでの目的はミニカーのお土産である。道中道が分からなくなり、偶然通りかかった若いカップルに尋ねると、日本語で喋ってきたので、「日本人ですか?」と言ってしまいました。しかし、彼は韓国人で、日本の大学に留学しているとかで、我々は大いに助かりました。
市場でミニカーを売っている店を探しましたが、なかなか見つかりません。それでは、路上の屋台で立ち食いのぜんざい(1,500w)だ。周りの地元の人達に奇異な目で見られながら食べるが、結構うまかった。
歩き疲れ、喫茶店へ、森さん曰く「昔の韓国のコーヒーは非常に不味かった、それが最近劇的に美味くなったので嬉しい」と、この人どこに行っても飲食物に対する興味は、クルマ以上に強いね。
少し早いが夕食に、えーぇーと韓国と言えば勿論「石焼ビビンバ」小奇麗な韓国料理店に飛び込み、注文。本場の味は?文句なしに美味かった、安かった。韓国では何を注文しても、数品のキムチや惣菜の小皿が付いてくる。これはホテル内の高級レストランから庶民向けの小さな店まで共通であった。これで7,000w(露店では3,000w)と安い。ホテルへの帰り道、偶然見つけたGM大宇のディーラーに立ち寄り、マティス談議に花が咲き、訪韓最初の取材となりました。ホテル近くのコンビニに寄ったら、日本でよく見かける包装のスナック類、無論表示はハングル語。コーラとカッパえびせんとクラッカーを買い込んで2,200wとこれまた安い。得した気分で無事1日目が終える。
4月26日(火)終日カーディーラー巡り
今日は朝10時にホテル出発。ホテル前でタクシーと料金交渉、時間15,000wで交渉成立。ドライバーの朴さんは、少し日本語が出来るので助かる。今度結婚10周年に福岡に行く予定とか、彼のヒュンダイ・ソナタで出発。先ずは釜山で1店舗しかないレクサス店を訪問。店舗は高級感に溢れ、美しく清潔な店内に入る、な、なんと、新型GS430/300が展示されているではありませんか。日本では今年の夏まで見られません。V8 4.3L 283ps と表示されていました。早速綺麗なお嬢さんとツーショット、カタログを頂き有難うございました。次はぐっと庶民的なキア・ディーラーへ。リーガル、オプティマの中型車、プライドとモーニングの小型車など日本では見られない車種ばかりが展示されている。でも、過去マツダと提携のフェスティバやボンゴ(店内には今でもボンゴVの名前の付いたトラックがありました)を思い起こせば、自然と懐かしさが湧いてきます。そう言えば、90年代の終わり頃、日本でもキアビガート(韓国名キア・エラン)と言う名前で韓国版エランが売っていたなぁ〜。
続いて三星(サムソン)の店舗だ。三星自動車は2000年に倒産後、ルノーに買収され現在はルノー・サムソンの名前でSMシリーズを販売している。全て日産車ベースだが、何故かここでは豪華な感じがして、格好良く見えたな。
今日最後のディーラーは現代(ヒュンダイ)。現代自動車は今やキアを傘下に治め、韓国自動車生産の過半数を占めている。現代は日本でも販売している、XGやトスカーニ(ヒュンダイクーぺ)、TB、エラントラ、JM等、街中でもトラジェットやサンタフェが多く走っていました。我々が乗ったソナタ・タクシーは快調に走り、東部方面へ。途中巨大なクアンアルリ(広安里)大橋を眺めながらヘゥンデ(海雲台)で焼肉カルビの昼食、その後、韓国最大水族館などを見学し、ホテルに戻る。
ホテルで一服後、夜は近くの庶民食堂の「うどん」の看板に引き寄せられ、何故かきつねとたぬきが混ざった不思議なうどん(ここでもキムチと惣菜の小皿付)で済ます。
4月27日(水)KTXに乗りソウルへ
9時にホテルを出発し、釜山駅に到着。午後1時まで時間待ち。駅前を散策していたら、地下街で多くの若者たちがラーメンをすすっている、森さんがあれを食べようと言う、勿論私も挑戦。ラーメンと白菜キムチ、大根キムチ、たくあんが付いて1,500wとこれまた格安。かなり辛かったが、まあ美味しかった。駅から離れたところに昨日訪ねたサムソンのディーラーがあり、休憩がてらに再訪問した。対応に出たセールスマンは東京の日本語学校卒業で、日本語はペラペラ。嬉しくなって情報交換。
韓国の場合、自動車税は1,500ccまで25万w/年、2,000ccまで50万w、車検は新車4年間、その後2年毎、車庫証明は必要なし。ガソリンは現在1,400w/Lと、これは日本の方が安い。駅前のファーストフード店でホットドッグとコーラで3,000w、本当によく食べますよ。
いよいよ韓国が誇る新幹線KTXの乗り場に行く。でも日本のようにすぐホームには入れません、15分前になってようやく改札口が開き、ロビーで待っていた乗客がゾロゾロとホームに向かいます。外国人は我々と数人の白人でした。KTXは釜山からソウルまで約400kmを3時間弱で走る。途中在来線上を運行するので、全て専用線が完成すれば1時間半程度で着くそうである。普通料金44,800wに我々はデラックス車両(新幹線のグリーン車相当、横2×1人掛)料金17,900w、合計で日本円で約6,300円程度、後で調べたら、日本だと東京-新大阪間が普通で13,750円、グリーンだと18,390円、うわぁ〜高い。
広いシートで寛いでいたら、女性の客室乗務員が来て、飲み物の無料サービスを始めた。私はオレンジジュースを注文、反対座席の韓国人がミネラルウォーターを注文するのを見て、私もすぐに同じものを注文する。その韓国人はソウルに着くまでに5回ほど色々な飲み物を注文していました。(よく有るんですよ無料となるとこんな人が、私はぐっと抑えて2回までにしました)車内には飛行機みたいに天井からテレビがぶら下がり、イヤホーンで映画が見れました。画面の隅に列車の速度が表示され、最高は305kmまで出てました。15時50分ソウル着。駅前でタクシーに乗るが、デモ?の影響で大渋滞、約1時間もかかり、本日宿泊の豊田ホテルに到着。夕方、食を求めてホテル近辺を散策。偶然見つけた安くて美味しい店(と紹介した日本の女性週刊誌が壁に貼ってある)に入る。メニューは何かって?もちろん石焼ビビンバ、噂どおり、なかなか美味しかった。
4月29日(金)戦争記念館とカーディーラー巡り
昨日の疲れから、今日は8時までぐっすり。フロントに日本語が通じるデラックス・タクシーを呼んでもらう。ゆっくり朝食後、11時ホテル出発。歴史勉強のため、ソウルの戦争博物館へ向かう。反日デモが頻発しているこの時期、こんな場所で日本人と判ったら石でも投げられるのではと心配するが、社会見学の小学生がギャーギャー騒いでいる。すると、鉛筆と紙を持った二人の小学生が私に近づき、韓国語で何か言ってくる。私は優しく、少し焦りながら「ジャパニーズ」と返事をすると彼らは離れて行った。私のサインが欲しかったのかなぁ〜。
館内の展示内容は、主に南北戦争に関する物ばかりである。小さい時から、この様な歴史教育について、我日本の教育との違いを垣間見た気がした。館内の公園で休んでいると、若き韓国女性(と思えた)が急に話しかけてくるではないか、焦って「アイアム ァ ジャパニーズ」と言うと、彼女は慌てて立ち去った。何故か、今日は(有名な)韓国人に間違われている?どうせなら「ペ・ヨンジュン」とまでは言わないが、「パク・ヨンハ」にでも間違われれば嬉しいのにね。(すみません、私は冬ソナ ファンな者ですので)
戦争博物館の後は、韓国ドラマのロケ地に行かずに、カーディーラー巡りをする所が我々の本分。最初はレクサス店へ。店内に入り、セルシオやソアラの日本での素晴らしさを吹聴しつつ、レクサスのカタログを頂戴する。森さんに冷やかされつつ、セールスウーマンとツーショットでパチリと一枚。LS430(セルシオ)は何と1億2千万wですよ!(約1,200万円)。
続いてBMW店へ、ニュー3シリーズが展示される店内でセールスマン氏と談笑(したつもり)。私はBMWが好きで、E30を10年以上乗っていると告げると、韓国高級車市場での1番人気はBMW、2番がレクサス、3番がMBと言っていました。ホントかしら??)韓国ではセダンが人気のため、BMWも3・5シリーズのツーリング(ワゴン)は輸入していないそうです。
次はホンダ、韓国ホンダは現在、アコード(日本のインスパイアー)とCR-Vの販売、日本から持参したNSXとS2000のカタログを進呈したら大変喜び、カタログを肴に国際交流、お茶のサービスを受け◎印。
アコードV6 3.0Lの値段は3,890万w、CR-Vは3,390万wと高級でした。帰りがけ主任と思しき人からキーホルダーをプレゼントされ、ハッピー。
タクシーで江南地区の中心部セントラルシティーに行く、昼食に多少ニンニク臭が強いスパゲティを食べ、ウインドウショッピングを楽しむ。
ホテルに戻り、休憩後、韓国最後の夕食はまたまた石焼ビビンバとカルビ焼肉の豪華版、あぁ〜美味しかったー。
4月30日(土)鉄道博物館
事前に約束していたキム君がホテルまでお出迎え、何と学生の身分で可愛い奥様が同伴。今日はご年配の要望を尊重して「鉄道博物館」へ向かう。1,300wの地下鉄から途中国鉄に乗り換えて、ソウル市郊外の駅で下車。日本の田舎町風の佇まいを歩く、途中日本のラブホテルと思しき建物があり、キムさんに「ラブホテル?」と尋ねたらキョトンとする。あ、そうだラブホテルは和製英語だと思い出し「セックスホテル?」と言い直したら、にっこり「イエス」との返事。
博物館前に来たら、森さん俄然元気になり、「あれは昔満州で走っていた蒸機だ」とか何とか喋りだし、写真撮影に余念がありません。博物館は立派な建物で、館内には歴史を紹介するコーナー、模型パノラマ、地上施設のコーナーなどがある。
屋外では蒸機や気動車、ナロー客車等を森さんから説明してもらうが、当方さっぱり分かりません。韓国鉄道の歴史をあますことなく感じることが出来る展示車両たちで、保存状態もすこぶる良いとの事でした。(森さん談話)館内では、館長と思しき人と懇意になり、我々に雑誌、ポストカード、切符などを紙袋にどっさり包んでくれました。(多分レールファンには価値が有るのでしょうが、私には?です)恐らくここには一般の外国人観光客は来ないだろうなぁ〜。(案内パンフレットはハングル文字だけのものでした)
空港への出発予定も有り、午後2時にホテルへ戻り、キム夫妻と別れ空港行きのタクシーに乗る。このタクシーは高速道路で飛ばす飛ばす、何と最高は180kmも出てました。車はソナタでしたが、なかなか安定した走りっぷり。仁川(インチョン)国際空港でうどんを食べ、早気持ちは日本へ。韓国車と石焼ビビンバを堪能した6日間でした。
Seoul Motor Show 2005 4月28日(木) KINTEX国際展示場
モーターショー会場のKINTEX国際展示場は、北朝鮮との国境まで20kmほどの場所にあり、ソウルの人口増加に伴って2000年頃から開発が急ピッチで進められた。丁度、幕張メッセと同じような環境にあり、まだオープンしたばかりであった。
展示ブースは国内メーカーのヒュンダイ、キア、Gデゥー、サンヤン、ルノーサムソンの5社とプロト。海外メーカーとして、欧州系ではVW、BMW、AUDI、MBとクライスラー、プジョー、GMとフォード系列、TATA、日本車はレクサス、インフィニティ、ホンダそれに光岡が出展。今回は上海モーターショーと日程が重なり、フェラーリ、ポルシェ、それにBMWが誇る水素車、コンセプトカーが出品できなくなり、輸入車にとっては淋しいショーとなりました。
本当にスポーツカーの展示が無い中で、唯一韓国のカロッエリアであるプロトが出品したスーパーカーSPIRRA(4.6L V8)がコーナーの一角で輝いていました。
韓国での日系メーカーは、富裕層を狙っているのが一目瞭然。トヨタがレクサス、ニッサンがインフィニティの各プレミアムブランドで進出、レクサスは発売後間もないGSがメインに、RX(ハリアー)のハイブリッドのカットモデルも出展。7月に最初の店舗がオープンするインフィニティはM45(フーガ)、G35(スカイライン)とクーペ、Q45、FX45の5車種が初めて揃う場になった。ホンダもコンセプトカーと新型レジェンドを公開、また(意外にも?)光岡自動車がガリューUとヌエラを出品していた。




 
終わり。
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