Car information & Car life plan
東海オートモービル企画/細野一紀
ソウル自動車事情 2007.4.3〜4.6
4月3日(火) ソウル ミニカー事情
定刻どおり大韓航空KE724便は、関西空港を13時40分出発し、15時30分ソウル仁川空港に到着する。韓国は本当に近い、我家から東京に行くよりも時間的、金銭的にも。今回もまたACC森編集長と三木さんとの取材旅行である。キムさん夫妻の出迎えを受け、駐車場へ、うわぁ〜、新車のタクソン(Hyundai Tucson)ではないか!エンジンは2L ディーゼル、乗り込むと室内にはまだ保護用フィルムがあちこちに貼ってあり、新車の香りがぷ〜ん。本当に最新のディーゼルは静かです、知らされなければ判りません。市内中心部へ向け、片側4車線の高速道路はスムーズだ。道路と並行して仁川空港と金浦空港を結ぶ新幹線が走る。
今日の最初の取材?はミニカーショップだ。狭い路地を何度も曲がり、Dong-Dae-moon market(いわゆる問屋街)に到着。店主がカタコトの日本語を話す店に入る。ここはトイモデル(玩具)ばかり、ヒュンダイ、キア、サムスン等、当然韓国車の1:32、35スケールのプルバックばかり、標準(1/43)スケールはありません。値段は7,000ウォン程度(100w≒13円で900円)当然、交渉で20〜30%は安くなります。ソナタ、グレンジャー、タスカーニ、SM7などを購入、おぉーこれはキアエランではないか、車は走っていないが、ミニカーはまだ残っていました。(勿論、即買いました。)
車で次に向かったのは、Replica Model Gallary、ここは日本のミニカーショップとほとんど同じ店構え、えぇ〜と1/43は?、ありました京商、エブロにオートアート、イクソ・・・、値段は・・・?エブロが55,000w、何と7,150円、日本の2倍!! 京商は?56,000〜95,000w(7,200〜12,000円)、これも1.5〜2倍の高額。それではオートアートは?46,000〜56,000w、これも1.5倍もします。ブランドミニカーは韓国では高い!これが結論。でもねぇ〜あるんですよ、日本では既に絶版物が売れ残り割引価格で、ヤッター。
今晩はキムさんとクゥオン(韓国のモータージャーナリスト)さんに歓迎される。メニューを聞かれ、勿論、ビビンバと即答(同行の2人に、私はビビンバしか知らないと思われています。)前菜は「日本風雑炊とスープの混ざったもの」(淡白な味です)、野菜とイカのお好み焼?野菜サラダとキムチ、メインは石焼ビビンバ。少し辛いがやはり韓国のビビンバは最高です。

初日から荷物を抱えホテルへ向かう。ソウル駅近くのパレスホテルは韓国式オンドル(床暖房)の清潔な部屋、ほんのり暖かく、何とも気持ちが良い。久しぶりの布団で背中はぽかぽか、お休みなさい。
4月4日(水) 三星交通博物館とプロトモータースを訪ねる
昨日の疲れを癒し、朝はゆっくり起床。9時過ぎにタクシーでホテルを出、ソウルタワーに向かう。タワーふもとよりケーブルカーに乗ろうとするが10時が始発。朝食も兼ねて近くの店で韓国辛口インスタントラーメンを注文、3分待ってキムチ付1カップ2,000wなり、からぁ〜い。時間が来たのでキップ売り場へ、森さん老人割引はないのかと質問(そんなものあるかー)と、ところがありました、何と7,000wが5,500w、私は若者料金、先輩2人はご老人料金、韓国は老人に優しい国です、はい。ケーブル終着よりタワー展望台までは別料金、またまたここでも老人割引あり、海抜360mの眺望を楽しみ下山する。
昼食後、地下鉄に乗る。ソウルの地下鉄網は市内1号から8号線、郊外へ3路線あり結構便利、ソウル駅近くのミヨンドン駅から4号線を20分、午後2時に地下鉄サダン駅で待ち合わせる。今日はここからキムさんの奥様とその妹さんが車で案内、高速道路途中での渋滞もあり、約1時間をかけて三星交通博物館に到着する。
三星交通博物館(Samsung Transportation Museum)
この博物館は、韓国最初の自動車博物館として1998年に設立。ガラス張りの近代的な吹き抜け2階建ての立派な建物であり、敷地面積は約2万坪。スポーツカー、プレステージ、大衆車、韓国車、二輪車、レーシングカーの6セクションに分れ、館外では子どもの為の交通安全センターの役目も果たしている。自動車の他にも蒸気機関車や飛行機などが展示されている。
わぁ〜本当に綺麗な博物館です(あまり期待してなかっただけに)感激です。建物や展示車のレイアウトのセンスが良く、見易いのです。館内では中学生の社会見学?と重なり、映画で使われたデローリアン(バック ツー ザ フューチャー)は囲まれて、大人気。韓国車の歴史コーナーではトヨタのパブリカやマツダの三輪車がベースになり生産された、デゥーの「Shinjin Publica 1967y」やキアの「Master T-600 1973y」(当日はパネル展示)、最初の韓国製乗用車であるヒュンダイの「Pony 1976y(ジュジアーロデザイン)」、パンサーがモデルになったサンヨンの「Kallista 1993y」など、興味深いモデルが懐かしい。館外にはアーティスト、ナムジュン・パイク(世界的に有名らしいが筆者は知りませんでした)による「20世紀のための32台の自動車」が異様なシルバーの光沢を放っている。
次の目的地プロトモータースへ向かう。
プロトモータース(Proto Motors)
1997年韓国6番目のメーカーとして、漢哲社長と奥様が設立。あの話題をさらったガルウイングの「Spirra スピーラ」として有名である。
こんな所に?と思われるほど、予想外の場所にありました。田舎の大きな整備工場屋さんと言えば失礼だが、丁度そんな感じです。ショールームには白黒2台がガルウイングを広げ、我々を迎えてくれました。案内して頂いたキムさんは流暢な日本語、聞けばノバ エンジニアリングにいたとか。丁寧な説明やビデオ上映で詳しく会社案内、ここのエンジニアリング部門の他にも、プロトタイプ部門と本社があり韓国メーカー以外にも日本や中国のメーカーとも取引があるそうだ。(結構規模が大きいことが判りました。スタイリング/モデリング部門も是非見たいものである)
展示されていたスピーラは意外とコンパクト(2005年ソウルモーターショーではかなり大きく見えた)サイズは4,317/1,928/1,184mmである。2003年式黒色の初期型はヒュンダイ製2.7L スーパーチャージャーであつたが、白の2005年式は4.6L V8 DOHCのフォード製エンジンと6速ポルシェミッションを搭載、320hp/40.8kgのパワーとトルクを発生、280km/hの最高速度を誇る。でも意外にもこんな環境からユニークなくるまが生まれるのかなぁ〜と思いつつ、急な訪問にもかかわらず、親切な案内をしていただいた社員の皆さんに見送られ、有難うございました。
夕方は仕事を終えた韓国の友人達との歓迎会とか、市内料理店に案内され、韓国式のフルコースは当方初めて、少し辛いが美味しく、日本人の口にも良く合いました。ご馳走さまでした。
4月5日(木) 2007 ソウルモーターショー
6時起床、モーターショーの朝は早いのです。朝食を前日コンビニで買ったスナックで済ませ、6時30分タクシーで出発。郊外にある韓国国際展示場(KINTEX)へ高速道路を飛ばし、約30分で到着。ここの会場で2回目の開催になるが、新しく清潔な会場である。受付を済ませ、プレスセンターで韓国ジャーナリストのクゥオンさんと再会する。
さて、展示メーカーは、乗用車は韓国がヒュンダイ、キア、ルノーサムソン、サンヨン、GMデゥー。欧米のVW、MB、BMW/MINI、アウディ、ポルシェ、プジョー、ボルボ、サーブ、ジャガー、ランドローバー、ベントレー、フォード、キャデラック、クライスラー。日本がレクサス、ホンダ、インフィニティー。ラテン系と日本が(こんなに近くにあるのに)少ないのです。やはり、長年国産車育成に励んだ?所為ですかね。
それではコンセプトカーを紹介しましょう。
ヒュンダイからHND-3 Veloster、キアからKND-4 、KCD-3 KueとKED-3 exceed、サンヨンのWzです。

BMWが誇る水素実験車 Hydrogen 7、プジョーから20 Cup、シボレーのWTCC Ultra、ホンダからはスポーツ4とハイブリッドコンセプト。

韓国車の現行モデル。サンヨン/チャーマン、キア/オピラス、ルノーサムスン/SM7、GMデゥー/G2XとL4X(new)。

欧米各車。アウディ/R8とS8、VW/イオス、プジョー/207CC、ボルボ/C30、フォード/モンディオとマスタング、リンカーン/MkX、キャデラック/XLR、クライスラー/セブリング。


日本車。レクサス/LS460LとES350、インフィニティー/G37クーペとFX45、ホンダ/シビック ハイブリッドの各車。

あまりこのショーでの初公開は少ないと感じたが、それでもプレス資料によると、ワールドプレミアが5車種、アジアプレミアが14車種、韓国プレミアが10車種にも及ぶそうである。(もっと、真面目に取材しなさい。 ハイ反省します。)
4月6日(金) カーディーラー訪問
今日は韓国最終日、夕方の帰国まで時間は充分、ホテルからタクシーをチャーターし、ディーラー取材の予定である。あちこち探し、6時間と高速料金込の13万wで交渉成立。(日本語が話せるドライバーは本当に少ない、時間当たり2万w≒2,600円まで交渉すべし。)10時30分ホテル出発。
最初はレクサス店へ、特に、このショールームは豪華である。最新LS460L(やはり、韓国でもLタイプの販売は早い)を初め、ずらりと並ぶ、韓国でのラインアップはLS460/460L、GS350/430、ES350、IS250、RX350/400h、SC430の6車種である。えぇ〜と値段は?LS460Lは1億6,300万w(なんと〜2,120万円ですぞ! 460でも1,690万円)、GS430が950万、ES350が850万、SC430が1,440万、一番安いIS250でも590万円、もぉ〜めまいでくらくらでーす。綺麗な日本語(容姿も)を話すセールスレディに説明を受け、日本から持参したLS460の豪華カタログを進呈すと、皆が熱心にカタログを開き、何やら喋っていました。お返しに頂いたカタログは日本語版の勝ち。(ソフトカバーの普通のカタログでした)
次はルノーサムスン店へ、狭いが、清潔なショールームにはSM7、SM5、SM3の3車種が並ぶ、確かSM7/5は日産ティアナベースの車であるがエンジンは?SM7がNEO VQ35 V6エンジン、そうですティアナの最上級仕様350JMと全く同じ、SM5は直4 2L ティアナに2Lエンジンは無いし?、SM3は直4 1.6L ??外観はフロント、リアともSM5がティアナとそっくり、SM7はティアナの上級車といった感じです。
キャデラック、ミニのディーラーに立ち寄り、いよいよインフィニィティー店へ。2005年に丁度建設中であった、このソウル1号店の場所は交差点を挟み、MB、BMWがあり、まるで高級車店舗のにらみ合い。楽しみにしていました。ビル1階ショールーム受付で訪問を告げると、上に昇れと言う、2階へ、ひやぁ〜これは綺麗なショールーム、3階へ、これまたすごい、何と1階から3階まで全てショールームです! ラインアップはQ45(シーマ)、M45/35(フーガ)、G35セダン/クーペ(スカイライン)、FX45/35の4車種。それでは値段は? Q45が1億550万w(1,370万円)、M45が1,050万、G35が725万円ですぞ。(フーガ購入が1,050万円、考えられますか貴方?日本人は幸せです。)もう、値段の換算はバカバカしくなりました。
でも折角だから、次に韓国車ディーラーも1軒紹介しましょう。訪ねたのはキアのディーラーです。キアブランドは現在日本に正規輸入されていない為、あまり知られていないが、以前キア ビガート(韓国名キア エラン、ロータスエランの韓国版)として輸入された経緯をもつ。正面から入ると、ショールームには最高級車オピラス V6 3.8/3.3L、コンパクトなプライド 1.4〜1.6L、ミニバンのカーニバル 2.9Lが並ぶ。また値段の換算ですか?順に535万、164万、296万円、やはり国産車は妥当な値段ですね。



本日廻ったディーラーを写真で順に紹介しましょう。レクサス、ルノーサムスン、ミニ、インフィニティー、キアの各店舗。

出発の時間も近づき、仁川空港に向かう。空港で運転手のMr. Baekと記念撮影。お世話になった皆さんさようなら。

終わり。
戻る