Car information & Car life plan
東海オートモービル企画/細野一紀
スーパーカーの聖地を満喫! 2010.10.25〜10.31
10月25日(月)
成田発AZ787便は定刻の12時5分に出発、12時間の長〜い飛行の後ミラノに午後5時(時差は7時間)に到着。雨と8℃の気温は寒く、思っていたより(暖かく乾燥)違う。
夕方空港よりバスでトリノへ向う、途中休憩したサービスエリアで、あ〜っ、アルファ159SWのパトカーだ! 何とカッコ良いことか・・・、これはもうイタリアンですよ?
2時間余りで「ル メリディアン リンゴット」ホテルに到着。
ここがあのフィアット本社工場跡地かぁ〜! そうですホテルの名前と同じく、トリノ市のリンゴット地区に本拠を置くこの古い建物は取り壊されずにホテルとして再利用、と言う事はあの有名な屋上のテストコースも在るらしいですよ。明朝の見学が楽しみだなぁ〜。
今日は長い1日で疲れもどっと、お休みなさぁ〜い。
10月26日(火)
朝7時起床、食事を済ませホテル屋上にあるテストコースに昇る。
昨日の雨も止み、天気は最高。素晴らしい眺めです!
ビ、ビルの屋上にテストコース? 本当なんですよ、ちゃんとコーナーにはバンクもついて・・・呆れました、ハイ。
バスで本日の目的地カロッツェリアへ出発です。
1時間弱でまずピニンファリーナへ。郊外の外れにある静かな広い別荘地を思い出す、自然に溶け込んだ清潔な佇まい。
玄関?に入るとフェラーリ458イタリアとマセラティグランカブリオ(のモックアップ)が出迎えてオーォー。
早速、スタジオでデザイナーのカルロ パラッツィオーニさんが、アルファロメオ デュエットオッタンタと458イタリア(2台ともこのイケメンの彼がデザインにかかわった)を初期のスケッチ画から出来上がっていく過程を説明。本当にカッコえぇなぁ〜(車も彼も)。
そうそう、敷地内にあるゲストハウスでの昼食会、美食と話題(何の?ミネラルウォーターとワインボトルのデザインもピニンファリーナデザイン)に花が咲き、ご馳走様。
別棟にはE.V(電気自動車)も展示され、環境技術への取り組みも熱心でしたよ。
代表的な作品を紹介します。
Ferrari Modulo 1970
Ferrari Mythos 1989
Maserati Birdcage 2005
Pininfarina Sintesi 2008
A.R. Duettottanta 2010
Metro Cubu E.V
バスに乗り、次はベルトーネだ。さらに郊外へ、着いた所が山中の別邸といった感じ、入口も狭く、これが・・・本当に・・・??
でも、中に入れば、わーっ、やっぱりこれですよね。ミウラにカウンタックにアルファはベルトーネの定番!
さらに、地下1階の展示場(と言うより倉庫)に行くと、これまた素晴らしい作品群の数々で溢れかえっていますよ。
各国メーカーからの依頼や提案した作品の多さはピニンファリーナより多様な感じ。
まるでモーターショーのOB会の様相で〜す。
ここでもデザイナーのマイク ロビンソンさんによるお気に入りの車種説明があり、彼の最新作品バンディオンのお土産ポスターと共にハイ、パチリ。(勿論、サインも入れて頂きましたよ。)
あっと言う間に予定の2時間は過ぎ、ホテルへ戻る。
ホテルでは往年のカロッツエアで活躍したデザイナーをゲストに迎えての夕食会。
往年のザガート、ピニンファリーナ、デトマゾ等で活躍した著名人に集まって頂き、ご老体(失礼!)らしからぬ熱い視線で当時を語る姿は、本当に魅力的だ。有難うございました。
今日でトリノとお別れ、明日からはいよいよボローニャへ行くぞ!
懐かしい作品を思い出してください。
Lamborghini Marzal 1967
Autobianchi Runabout'69
Lancia Stratos 0 1970
Lamborghini Bravo 1974
Ferrari Rainbow 1976
Lamborghini Athon 1980
Lotus Emotion 1991
Bertone Bliz 1992
BMW Pickster 1998
Alfa Romeo Bella 1999
Aston Martin Jet2 2004
Bertone Mantide 2009
10月27日(水)
今日はトリノから約300km離れたボローニャ県サンターガタを目指す。
高速道路(A1)はトラックが結構多いが、スムーズに流れる。制限速度(トラック80km、バス100km、乗用車130km/h)は守られている。
あ〜っフェラーリだ! とバスの誰かが騒いだ時には、既に前方で点になっていましたよ。
2時間運転して20分休憩の運転規則(ただ単に運転手がカプチーノを飲みたいだけ?)に従い途中のオートグリル(サービスエリア)で昼食、バイキング方式のメニューは盛り沢山、普段貧食の私にはご馳走ばかりで〜す。
国外に通じる幹線道路だけに、休憩中のトラック軍団は圧巻だ。
高速を下りバスは田舎道をガタガタ、農村風景を楽しみながら・・・田舎やなぁ〜。
今日のガイドはフェルッチオ ランボルギーニの甥っ子さん。 ずばり、ランボルギーニ広場と名付けられた場所で待ち合わせ、説明後フェルッチオの生家へ。
着きましたよ、エッーここで、と思う農道?で降ろされ(バスが通れません)、田んぼ道(畑道)を徒歩でテクテク・・・。
あ〜っ、あれかぁー! 辺り一面何もない農家の一軒家、何も知らなければただの広い農家と納屋、フェルッチオはここで生まれ、30年位(青年期までと老後を)を暮らしたとか。
納屋の一部を改造した事務所と言うよりガレージに納まる古る〜ぃトラクターが印象的でした。
バスまで戻り、近くの墓地にあるランボルギーニ家のお墓へ。この墓地の雰囲気、まさしくイタリアン、壁面を写真や花や言葉で美しく飾り、暗〜い気持ちが吹き飛びました、ホント。
次に向ったのが、ムゼオ フェルッチオ ランボルギーニ(フェルッチオ ランボルギーニ博物館)。
当地には2つのランボルギーニ博物館があり、これから行くランボルギーニ家の博物館と明日行くランボルギーニ社の博物館、ややこしい?
少しこじんまりした博物館に到着。玄関にはトラクターとミウラをモチーフにした看板、中に入ると、ワォー、フェルッチオが財を成したトラクターから改造車まで、う〜ん、ネオクラシック!
館内の片隅に何やらお土産品が?? ランボルギーニのワイン。フェルッチオが引退後ワイン造りに精力を注いだあの名品だ。
真っ黒なボトルに赤いミウラの文字、それにフェルッチオのサインとくれば、飲めない私もつい買ってしまいました、ハイ。
これから本家のランボルギーニを紹介しましょう。
Prototipo 1949
Miura P400SV 1966
400GT 1966
400GT Espada 1967
Countach 1971
P250 Urraco 1972
礎を造ったトラクターと改造車? 何とヘリコプターの試作機も。
午後5時頃、分れを告げて夕食会場へ。
ここでもランボルギーニに縁のあるエンジニアやテストドライバー、明日訪問予定の博物館館長さんや営業担当(誰か車買うの?)までお集まり頂き、ランボ狂の皆さんは尖がった話題に話が弾みます。
さすがに有名なバレンティーノさん(ランボの伝説的テストドライバー、最近彼の名を冠したガヤルドLP550-2バレンティーノ・バルボーニが限定発売されている。)は引っ張りだこ。私もサインと記念撮影でニンマリ(誰かに言われました、細野さん緊張して顔が歪んでましたよ。だって)。格好良いケーキも美味しかったです。
懇談は延々と夜の10時まで。やっとお開きになり、バスでマラネロのホテルへ着いたのは夜中でした。お休みなさ〜い。
10月28日(木)
今日はランボルギーニの工場へ。
バスは快適に走ると、ところが道中で警察によるバスの検問が・・・? 警官がバスに乗り込み、運転手さんを取り調べ・・・?
後から聞くと、前日から12時間の連続運転を超えていないかタコグラフでチェック、車検書類の検査等々(イタリアにしては珍しく早朝から仕事熱心な警官ですね。と誰かがつぶやいてましたよ。)
無事終えたが、もし違反すれば1,800ユーロの罰金(文句を言えば2倍になるとか??)
でも予定どおり10時に到着。
うゎ〜、綺麗な近代的な建物だなぁ〜。
玄関では最新のムルシェラゴとガヤルドがお出迎え。
でも現代のランボの黒って凄いですよね、「男は黙って苦味の黒、甘い赤は引っ込んでろ。」て感じ。(チョコレートの宣伝ではないが、敵対心むきむきですよね。)
まず、ムゼオ ランボルギーニ(ランボルギーニ博物館)へどーぞ。
ワォー、最新のレヴェントンやガヤルド、それにクライスラー時代のF1からディアブロまで、何とミニカーでしか見たことのないガヤルドのポリスカーまで・・・う〜ん。
前夜見えた館長さんに案内され詳しく(詳しすぎるぐらい)説明。よ〜く解りました、ハイ。
それでは比較的新しい時代の車達を中心に紹介します。
LM002 1986-92
Lola-Larousse LC89 F1
Minardi F1 M191/L 1992
P140 1988
P147 Zagato 1997
P147 Gandini 1997
Diablo GT2 1998
Murclelago R-GT 2004
Gallardo Polizia 2004
Concept S 2005
Miura Concept 2006
Reventon 2007
おなかも空き食事時間です。 そ〜っと扉を開けるとそこはランボルギーニの社員食堂、ここで食事ができま〜す、感激!
黒のつなぎを着た従業員の皆さんに圧倒されながら(こちらも熱い視線を感じましたよ)、食堂の一角を間仕切りしたコーナーで美味しく頂きました。(でも、何を食べたのか忘れました?)バレンティーノさんも同席、またまた厚かましく、持ち込んだガヤルドのミニカーにサインもバッチリで〜す。
さらに、ガヤルドの生産ラインの視察も許可されて、すばらし〜い。(撮影は禁止です。)
工場内はどうかな、あれあれ?? ラインの隅から音楽が流れ楽しそうな仕事ぶり、3人が1台のガヤルドを取り囲み組み付けの研修中。
相当ゆっくりなラインの流れです、流れては止まり、また流れる。勿論、日本のラインの様なロボットはいませんが。
でも、説明者によるとトヨタの「カンバン方式」も取り入れられ、ボンネットの先端には生産指示票?が貼られていました。右ハンドル仕様も流れていましたが、日本向けは何故左ハンドル仕様ばかりなのか不思議がっていたなぁ〜(そうでしょうね・・・)
視察も終り、カプチーノで一服。
時間が来たので、分れを惜しみつつランボルギーニ社をあとにしました。さようなら。
さぁー夕方から明日にかけてはいよいよフェラーリ最終章。
フェラーリの聖地、モデナ県マラネロに戻りましょう。
マラネロはまさしくフェラーリ城下町。宿泊した「プラネットホテル」は、道を挟み前がフェラーリ正門、周りにフェラーリショップやレストラン、ホテルはまさにフェラーリご用達のビジネスホテルかなぁ〜。
ショップの前にはさり気なくフェラーリが停めてあったり、フェラーリの時間貸しレンタカー屋さんがあったりと全てが赤ですぞー。
ホテルに入ると、いたる所にフェラーリの絵や写真が飾られ、部屋の窓から外を覗けばフェラー工場が見え、さらにバスルームに置かれた石鹸、シャワーキャップ、靴磨き(のスポンジ)に至るまでフェラーリの写真入り、これはもう街中がフェラーリ様々で、フェラーリ信者のみが生き長らえる有様ですぞー。
とどめは、近くにあるフィオラノサーキットとくれば、もう言う事なし。
午後6時過ぎ、ホテルから歩いてガレリア フェラーリ(フェラーリミュージアム)へ。ミュージアムを貸切して(一般者の見学が終了した後)、エクスクルシブ見学の始まりです。
さすがに美しい、車もレイアウトも。
フェラーリのレース初勝利を祝う1947年の125Sから始まるレース(特にF1)での数々の勝利は、これぞF1の歴史そのものだ。「レースをする資金を稼ぐ為に市販車を造った」と言われる所以が納得。
うわ〜−−っ、F1マシンが洪水のように押し寄せ、スクリーンに映し出される音と映像は! 何だこの部屋は。そうです、ミハエル シューマッハによる5連勝(F2000-2004)をディスプレーする特別室。
この迫力はとても言葉や写真では表せませ〜ん、めまいがしそうでーす、参りました。
夕食会はこの会場で立食パーティー、実物のF1を横で見ながらの食事は贅沢三昧!!
ではご案内。
125S 1947 First Win.
166F2 1951
500F2 1951
Ferrari-LanciaD50 1955
246F1 1958
156F1 1963
312T4 1979
126C 1981
F1-87 1987
F1-89 1989
F1-90 1990
512M 1971
ご存知、ミハエル シューマッハの5連勝とキミ ライコネンの活躍したF1。
F1-2000
F1-2001
F1-2002
F1-2003
F1-2004
F2007
これも説明不要の車達。
275GTB4 1966
Dino 246GT 1970
F40 1987
F50 1995
Enzo Ferrari 2002
599XX 2009
10月29日(金)
朝、何処からか聞こえる騒音(いや失礼、フェラーリサウンド)がモーニングコール。
今日は工場の視察で〜す。 9時にホテルを出て、徒歩で昨日のミュージアムに集合。ドリンクを飲みながら案内嬢(フェラーリのつなぎがとても格好良かったですよ)の説明にうなづく。
工場内にはバスで行きますよ。わぉー、バスもフェラーリ(カラー)だ。乗り込むと早速、各自のカメラを回収されました。何処の工場でも撮影は禁止、でもフェラーリは特に厳しいらしいですね。
ここから先、工場内は撮影禁止でございまぁ〜す。
まず最初に着いた所がエンジン棟。中に入ると、わぁー、白くて清潔だなぁ〜。そうなんです、工場内の機械・ロボット類は汚れがわかり易いように、全部白色です。
この棟では24時間体制でエンジン70基/日産、内訳はフェラーリ30基とマセラティ40基。内製率も高そうです。
ロボット(結構多い)がエンジンヘッドにバルブ(台座)を注入する姿が印象的でしたね。
あれっ〜、これはアルファ(8C)のエンジンでは・・・? 片隅に置いてありましたよ。もしかして、ここで・・・?(否定はしてましたけどね。)
続いて、バスで組み立てライン棟へ。
現在、全従業員は約3,000人、内2,000人が工場、200人がカロッツエリアへ、残りはF1関係等々。
おぉー、かなり現代的。このライン棟では、1階が8気筒車(458とカリフォルニア)、2階が12気筒車(612と599GT)。我々は今1階にいま〜す。と案内嬢の説明。
ラインは流れては止まり、流れては止まりを50箇所で繰り返し、完成します。完成車は9人のテストドライバーが一般公道も含め、全車50〜150kmの実走行テスト。
このラインは458とカリフォルニア(6:4位か)の混成ライン、日産24台(8気筒)と6台(12気筒)、昨年度は6,250台が生産されたそうですよ。
皆さぁ〜ん、車体は何色がどれ位の割合でしょうか? ハイ、正解は赤が75%で〜す。
これで貴方もフェラーリ豆博士ですぞ。
お昼はフェラーリご用達のレストラン モンタナ、生垣に模したフェラーリF1とレーシングコースが庭に飾りつけ。
店内にはお決まりのグッズ類、ドライバーのスナップ写真やサインが所狭しと派手ですねぇ〜。
見学と美味しく頂いた食事で身も心も満足、満腹。これでマラネロともお別れです。
バスで一路ミラノへ。
途中、高速道路のインター付近で大渋滞。原因はショッピングセンターへの買出しとか?
週末(と言っても金曜日)になると、休みに出かける為の買い物に午後から出かけるそうですよ(仕事はどうなの?)。周辺の道路は臨時駐車場に早代わり、生活楽しんでるなぁ〜。
ほんのチョッピリ観光もして下さいとばかりに、ミラノに到着後、ドゥオモに向う。
夕闇に浮かぶゴシック建築の大聖堂は何と素晴らしい! 広場では鳩が群がり、観光客でとてもにぎやか。
付近をウロウロするが、あーっ、アルファのパトカーだと、車にばかり眼がいきますよ。ホントに困った事です。
それと、意外だったのが、プリウスのタクシーが本当に多いんですよ、ミラノは。
昨日から今日にかけて、フェラーリを堪能し、夕食後、明日の帰国への準備と疲れで早めに床につきました。
この旅行中、こんな車も見かけましたよ。 それにしても古い車は少ないですね。
Lancia Delta
Honda Civic Hybrid
Toyota Aygo
Nissan Qashqai(Dualis)
Fiat 500
やっと見つけた! Ape
10月30日(土)−10月31日(日)
いよいよ帰国です。早朝5時のモーニングコール、ホテルを6時15分に出発。まだ眠いで〜す。
ミラノ発9時の国内便でローマへ。ローマで乗り継いでアリタリアAZ782便で日本に向う、また長〜い12時間です。本当に充実した1週間、お疲れ様でした。
最後になりましたが、今回の旅行を企画・実施して頂いた関係各位に深く御礼申し上げます。
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