マンガ本コーナー

今やニッポンの文化、マンガ

ここでは、個人的にレベルが高いと思うマンガを紹介します

これまた趣味色が強いですが…(^^;)

 

 

作者名のアイウエオ順に並んでます


 MASTER キートン  浦沢直樹 画  勝鹿北星 作  小学館(BIG COMICS) 全18巻

 考古学者であり、イギリスの特殊部隊SASの元隊員でもある平賀・キートン・タイチ。 学者として食べていけない彼は、アルバイトとして保険会社のオプをやっている。 保険のオプという仕事柄、数々のトラブルに巻き込まれるが、考古学の知識とSASで培ったサバイバル技術を生かして危険を切り抜けてゆく。 

 知ってる方も多いでしょう。 名作マンガです。 練りこまれたシナリオと、それを支えている膨大な知識には脱帽です。 考古学、軍事技術、世界情勢、宗教問題…ありとあらゆるネタが詰まってます。
 また、考古学への夢を叶えるため現実の中でもがく主人公キートン、気楽に生きているように見えて人生の表裏を知り尽くしているキートンの父、常に前向きに生きるしっかり者の娘など、キャラクターがいい味を出してます。
 大人も読むのにも耐えられる、傑作マンガです。 全18巻。 おすすめ度95%。


 MONSTER  浦沢直樹  小学館(BIG COMICS) 1〜14巻

 ドイツの病院に勤務する天才脳外科医、天馬賢三(テンマ)は、東ドイツから亡命してきた家族の双子の子供の一人、瀕死の少年、ヨハンを救うべく手術を行う。 直後に運び込まれた市長の手術を行うよう指示する院長の命令を無視して少年の手術を続行したテンマは院内での立場が危うくなるが、院長ら上層部の怪死により救われる。
 9年後、失踪していたヨハンがテンマの前に現われ、彼の患者を射殺し、院長らを殺したのも自分だと告げる。 立場の危うかったテンマを救うために殺したのだ、と。 自分が命を救った少年が犯罪者であることを知り、さらに射殺された患者と9年前の院長殺害の容疑を掛けられたテンマは、自らの手でヨハンを殺すべく追跡の旅に出る。
 人の心の闇を操るヨハンと、人の命と心を救うテンマ。 人間を操ることにかけては人間離れした能力を見せるヨハンとは一体何者なのか。 ヨハンの後を追うテンマの前に、旧東ドイツの闇が広がる。

 サイコホラー、でしょうか。 謎だらけのストーリーに、最初は戸惑うかもしれません。 ヨハンとは一体何者なのか。 ヨハンの過去に何があったのか。 その謎が少しずつ明かされていく過程は、読者を引きつけて離さない魅力を持ってます。
 伏線だらけのストーリー、あまりに複雑な人間関係、屈折したキャラクター達のため、気楽に読めるマンガではありません。 何度か読んでやっと理解できるマンガです。 読み応えのある話を読みたい方におすすめ。
 おすすめ度80%。 現在、14巻までが発売中です。


 遠藤浩輝短編集  遠藤浩輝  講談社(アフタヌーンKC) 1巻〜?

 新鋭漫画家、遠藤浩輝の初短編集。 第1巻のみ発売中。 「カラスと少女とヤクザ」「きっとかわいい女の子だから」「神様なんて信じていない僕らのために」の3篇を収録。

 遠藤浩輝を知っている人、普通いないだろうなあ… もし知っているとすれば、あなたはかなりマニアック。 大体、この短編集が出たのも1998年なんだから、結構最近のことだもん。 中身のあるマンガ…だと思う。 どんな中身かと問われても、答えられない。 そんなマンガです。(^^;) とにかく、この漫画家、なんか凄いような気がするんです。
 おすすめ度は、個人的には90%ぐらいなんだけど、一般的には70%かな。 


 EDEN  遠藤浩輝  講談社(アフタヌーンKC)  1〜5巻

 体を硬質化させる「クローサー・ウイルス」が猛威を振るう近未来。 絶滅したかに思われた人類は、免疫を持つ人間の存在や硬質化した体の一部を機械化する技術で生き残った。 しかし、社会の混乱により人種差別や経済的対立が激化し、ゲリラや私的軍隊が横行する事態になっていた。
 南米最大の麻薬カルテルのボス、エノアの息子エリヤは、カルテルと軍事組織・原父(プロパテール)との争いに巻き込まれ、単独で原父の支配域を突破する羽目になる。 途中、利害の一致した数人の傭兵と合流し、原父と戦闘するエリヤ達。 戦闘は女性や子供を巻き込みながら続く…

 不思議な印象のマンガ。 戦争マンガじゃないし、人間ドラマでもない。 お人良しでありながらちょっと醒めた目で世の中を見ているエリヤ。 女子供も容赦無く殺していく戦闘シーン。 目的がわからないエリヤの父・エノア。 現在5巻まで出てますが(2000年9月現在)、今だに敵味方の目的がわからない。 でも面白いんです。 不思議。 アフタヌーンって、不思議なマンガが多いなあ…
 おすすめ度80%。