オーストラリアで史上最大の渇水

(Mar. 21 ,2007)

 オーストラリアで、史上最大の渇水が発生していて、雨不足が原因で自殺者まで出ているそうです。

 オーストラリアのホテルのバスルームに、水を大切に、っていう紙が貼ってあったことがありましたし、今まで私が滞在した日では、雨の日はなかったし、これは問題かもしれませんね。オーストラリアは台風やハリケーンの進路にもなっていないようですしね。

 私はオーストラリアが好きです。英語が通じて時差がない国というのは海外旅行の目的地としては最適ですし、オーストラリアの人たちは親日的ですしね。町を歩いていて小学生のグループととすれ違うと、「こんにちは!」と声をかけられることがあります。日本はオーストラリアの農産物をたくさん輸入してオーストラリアにとって日本は貿易黒字国ですし、逆にニセコのスキー場はオーストラリアの人がたくさん訪れているようですね。

 で、渇水対策としては、節水(節水に気を付けるという以外にも、水道の蛇口に節水コマを付けるとか、節水のために流れる水量を減らしたトイレを設置するとか)、とか、雨水の今まで以上の利用(例えばトイレの水とか庭とかの散水のためには雨水をタンクに貯めて利用する。博多ドームや福岡の地下鉄のトイレで流すための水は、水道水ではなく雨水をためたものだったと思います。)とかの方法もあると思いますが、一番効果があるのは、海水淡水化です。海水は無限ですからね。これが淡水化されれば、あっという間に渇水問題は解決します。

 でもまだコスト的に無理なのかな。

 ちょっとネットで調べてみたら、海水淡水化のコストは、水1立方メートルあたり日本円で85円とか。これでは生活用水とか工業用水であればまかなえるのかもしれませんが、農業用水としては無理ですね。しかも内陸部に水を運ぶには、パイプラインを建設しなければいけないし。

 海水淡水化というのは、オイルマネーで潤沢な中東とか、比較的狭い地域に多数の人口が集中している博多やシンガポールとかでしか実用化していないようですね。

 でもまあ、人口が集中している、シドニー、メルボルン、パース、ケアンズ、ゴールドコーストの5箇所だけでも淡水化プラントを作ればずいぶん違うかなと思います。あれだけ大きな国(オーストラリアは、単一国家で唯一、オーストラリア大陸、と呼ばれますね)で、人口が2000万人ぐらいしかいませんから、農業や畜産業で大量の水が必要かもしれませんが、それでも必要な水量のかなりの部分は都市部に集中しているのではないかと思います。少なくとも、ニューサウスウェールズ州(シドニーが州都だったと思います)が一番の渇水ということのようなので、シドニー一箇所だけでも淡水化プラントを設置すればかなり違うのかなと思います。