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■ ■【週刊・野球小僧の部屋】              99/05/30
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■ ■           野球を愛する全ての人に捧げます 第4号
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 ◎今週は前回予告したとおり『江川氏を糾弾する』です。

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■目次
 1 プロ野球   今週のA級戦犯
 2 江川 卓氏を糾弾する
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1 プロ野球  今週のA級戦犯

 ◎山本 隆造(パリーグ審判員)

  今月23日のファイターズ対バファローズ戦で上田監督は退場処分を受けまし
 た。上田監督が退場処分を受けたのが始めてと聞いて驚きましたが(あの日本
 シリーズスワローズ戦での猛抗議などが記憶にあるため)もっと驚いたのが当
 日の1塁審判員を務めた山本氏の判定です。
  あの判定ではウエさんが怒るのも当然です。もちろん暴力を働いたことは非
 難されて然るべきだし、28日に傷害事件として告訴することも決まりましたが
 それもまた必然でしょう。グランド上では神にも近い絶対的な存在であるべき
 審判に手を上げることは許される事ではありません。しかし絶対的な存在であ
 るためには前提条件も重要です。
  それは審判員としての技量です。この人にはその一番大事なものがそなわっ
 ていません。上田監督を告訴する事を決めたこの日、ホークス岸谷代表から
 『1軍レベルではない』と降格させるようパリーグ事務局に要請がありまし
 た。27日のマリーンズ戦で、判定が遅れ混乱を招いたためです。早い話が実力
 不足。一球一球に生活を賭け勝負しているプロ野球の世界をさばいていく能力
 が欠けています。危ない国だったら命すら狙いかねないのですから。
  
  もっともこの問題は本人だけの責任ではありません。以前から指摘されてい
 るように審判員がそれぞれのリーグ所属という身分の問題です。野村、星野両
 監督も指摘しているように何故コミッショナー直轄にできないのか?何故審判
 学校を設立しないのか?この問題に関しては(これだけではなくいろいろな問題
 が有るのに、コミッショナーが力を発揮したことがこの国のプロ野球にはあり
 ませんが)全然進展がありません。ジャイアンツ以外のセリーグの監督は審判
 のジャイアンツ贔屓を指摘しますが、考えてみればこれは当たり前の事です。
  ご存知のように日本のプロ野球はジャイアンツが中心です。パリーグは成り
 ち立ちが違いますが、セリーグは読売新聞が作ったモノそのものです。審判員
 がセリーグ所属ならジャイアンツに悪いようには出来ないでしょう。どこの世
 界に自分の雇い主に逆らう人がいますか。いやならやめろ。それで終りです。
 要するに読売さんは審判に関しては現状維持が望ましい。それだけの事です。

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 2 江川氏を糾弾する 前編

  審判の話が長くなってしまいましたので、江川氏の話は今週と来週2回に分
 けてお送りします。
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  良くわからない話ですが、最近江川氏が、好感度bPキャスターに輝いたら
 しいですな。こういった話を聞くと本当に日本人って忘れっぽい民族だなあと
 感じます。あの『空白の1日』をみんなきれいさっぱり忘れてしまったので
 しょうか?もっとももう20年も前の事ですからね(^^ゞ
 
 当時、江川7つの大罪というマスコミの見出しに

 1 スポーツに政治を介入させたる罪
 2 野球協約を悪用したる罪
 3 少年ファンの心を傷つけたる罪
 4 田中角栄的金権思想を流布したる罪
 5 長嶋は上部に信用されていないことを知らしめたる罪
 6 悪者 ジャイアンツのイメージを浸透させたる罪
 7 読売新聞に猛反発をもたらしたる罪

 なんて書いてあったりしたんですがね〜 みんな忘れたかな?
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 もう読まれた方も多いかと思いますが、
  コミックビンゴ 文藝春秋社から本宮ひろ志著で
  『実録 たかされ』1〜3巻が発売されています。
  江川氏の高校時代からプロ野球での初登板までを描いたほぼノンフィクショ
 ンのものがたりです。非常に面白い話ですのでぜひ読んでみてください。

  この話を読むとどうしてあのような事件が起こったのか良くわかります。要
 するにまだ一人の世間知らずの少年にすぎなかった『江川 卓』のケタはずれ
 の才能に廻りの大人達が振り回されてしまったという事でしょう。私個人が強
 く感じたのは『父 二美夫』の存在です。この人がこの才能に1番溺れてしま
 ったような気がします。親の存在はやはり大きいです。この事はまた次回に。

 どれほど凄かったのか高校時代の記録を少々書いておきます。
 
 登板 44  完投 31    33勝6敗  完封 20
 
 ノーヒットノーラン12回  うち完全試合2
 
 354イニング  103被安打  被本塁打0 531奪三振
 
 防御率 0.41   失点20   自責点16

 2年夏県予選   2回戦から始まり3回戦、準々決勝、準決勝の
          9回までノーヒットに抑えるも延長で敗れる

 2年秋県大会   4試合で被安打6
   関東大会   3試合で被安打6 110イニング無失点
 
 3年選抜甲子園  無失点記録を139イニングまで伸ばし
          60奪三振 (大会記録)
          準決勝で達川カープ現監督のいた広島商業に敗れる
 
 3年夏県予選   5試合で被安打2 140イニング無失点     
 
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  江川投手と実際に対戦した人の話では、やはり2年の夏から3年の春までは
 本当に凄かったと口をそろえて言っているみたいですね。私も実際にテレビで
 見た選抜の北陽戦は身震いしました。何しろバットにかすりもしなかった。優
 勝候補の強豪といわれる北陽打線が。途中から手抜きしたにもかかわらず19
 奪三振の完封ショー。衝撃の1日でした。

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 ◎あとがき

  次回は江川氏についての後編です。
  高校時代こんなに凄かった江川氏がどうして手抜きのオッサン100球肩に
  なっていったのか?現在までをお送りします。

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【週刊・野球小僧の部屋】
編集・発行人: 野球小僧探検隊
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