ミニネタシリーズ 「上手だね」は止めよう 【全学年共通・絵画指導】 横藤雅人@日本基礎学習ゲーム研究会 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 子供の絵に対して,「上手だね」は,あまりにも一般的に使われる ほめ言葉だと思います。日本の子供たちは小さい頃からこの言葉で 評価されてきているので,絵というものは「上手・下手」という尺 度で第3者(主に大人)に認めてもらうための手段なのだと思いこ んでいるくらいです。 私は,つぶやきや文章と同じように,絵も子供が大人に向けて出す ラブレターなのだと思っています。ラブレターを「上手・下手」の 尺度で読まれたら,もう誰もラブレターなんて書く気になれません よね? ですから,子供の絵に対しても「上手だね」は言ってはいけない言 葉だと思っています。 では,何と言えばよいのでしょう。 例えば,次のように言えばよいのではないでしょうか。 ・おや,この絵は海の中だね。ああ,この魚たち気持ちよさそうだ ね。 ・これは,この手の力強さを出したかったんだね。実に力強く描け たね。見ていると何か熱い感じが胸に迫ってくるよ。 ・この色づかい,淡くてステキだね。こんな色の表紙のノートが欲 しいな。 ・この線,とても気持ちがいい。迷いがなくて,のびのび描けてい る。ああ,爽やかだ。 心には心で応える。これがポイントだと思うのです。 |