フレンドの記録(2000年7月)

天気 メモ
1 晴れ フレンドの散歩中,智のクラスのお母さんが幼稚園に子供を送った帰りにあった。以前は,犬が苦手で我が家に来るときは,「ハウスに入っている?」と確認してからでないと玄関から足を踏み入れられなかった方なのだが,今日はご自分から「可愛いから,なでてもいい?」。母さんは,びっくりして,感動。フレンドは,人の気持ちを開く不思議な力を持っているようだ。
2 晴れ 27℃,湿度80%蒸し暑い1日だった。智と上野幌公園,白樺公園へ散歩する。智は補助輪無しで自転車に乗れるようになって遠くまで行けるようになったが,智の方が速い。フレンドは走りたがり,飛びつこうとする。公園で智はターザンロープに乗ったが,フレンドはロープに飛びつこうとしていた。遊びたいのかな?でもブランコやすべり台には上らず,座り込んでしまう。公園のベンチには上って座った。よしよしとほめる。高いところもなれてきたようだ。
3 曇りのち雨 子供たちが2階に行き,母さんがゴミ出しに行くとフレンドが吠えている声が聞こえた。窓を開けているので,低い声が聞こえる。吠えるので不合格になるのではと思う。朝散歩で,区役所まで行く。つないで10分くらいで戻ってきたがおとなしく待っていたようだ。お利口とほめる。走っている猫を見ると追いかける。油断していると引きずられそうな勢いだ。家では暑くてだらだらしているが外では元気なフレンドである。
4 晴れ 智の友達が5人来宅。初めての子が,フレンドのしっぽをさわろうとした。その子のお母さんが思わず「しっぽをさわらないほうがいいよ!」と声をかけたが,すでにその子はパタパタと振られているしっぽにさわっていた。でも,フレンドはさわられてもまったく平気。家で,さんざんさわられ,ときには踏んづけられても怒らないように鍛えているから(?)。先日フレンドが小春ちゃんの家の庭に入ったことがあったが,その時のことを後日陽がきちんと小春ちゃんの家の方に謝っていたらしい。周りの方数人からそのことを聞いた母さんは,大喜び。父さんももちろん大喜び。
5 晴れ フィラリアの薬の日。家での投薬もこれで終わりかとちょっと感慨が深い。母さんが「ハッピー」というテレビドラマを見た。すると,登場していたイエローラブがとてもフレンドに似ていたので,思わずフレンドに向かって「フレンドも,ああなるんだよ。」と語りかけながら,目をうるうるさせて見ていたのだった。
6 晴れ 優が登校時間が遅いので8時半位から散歩に行く。フレンドはみんなの様子から散歩に行く人がわかるようだ。優の後をついていた。母さんが洗濯物を干したり,靴下をはいたりするとフレンドはうろうろ落ち着かない。夜ご飯の前に庭にリードなしでシーシーさせた。猫がそばを通りかかり,フレンドも気になってちょっとそわそわ。おいでの声でようやく戻って来る。ご飯前で良かったとほっとする。犬はだいぶ無視できるが猫は気になる存在で,「あっ。猫だ。」の声にもフレンドは反応するのであった。
7 晴れ 体重29.5キロ。抱きかかえて測るのも一苦労だ。我が家に来たときは7キロ、4倍以上大きくなる。フーちゃんのお母さんからメールが届く。熱中症の処置の仕方が載せてあった。濡らしたタオルを敷き上にもかける。水よりイオン飲料をのませるといいそうだ。夕方5時のチャイムが聞こえるとフンフンと散歩の催促するようになく。陽の帰りを待っているかのように玄関をうろうろするフレンドであった。
8 曇りのち雨 陽の誕生会を繰り上げて行うため,両方のおばあちゃんに来てもらう。フレンドは,はじめのうちちょっと興奮して吠えてしまった。そこで,ハウスへ。30分位して落ち着いた頃を見計らって出してやると,もうまとわりついたりはしなかった。それを見たおばあちゃんが「大人になったねえ。」とびっくりしていた。帰り際も,玄関まで見送るフレンドにおばあちゃんは「またね。」と,頭をなでていた。こんなふうに自然にふれ合うことができるようになるとは思わなかった。
9 晴れ 久しぶりに休日の父さんと外に出た。フレンドは,張り切ってぐいぐいと引っぱるので,父さんは何度かセーブしなくてはならなかった。それでも,しっぽを振ってフレンドはいそいそと歩いていく。かわいい。帰宅すると,玄関フードのベンチの上に,さっと乗った。エサが欲しいのだろう。思わず少し多めにサービスしてしまった。でも,ちょっと下痢気味。ベンベンからタオル地が出てきた。ハウスの敷物をかじってしまった模様。
10 晴れ 暑い日。青葉中央公園でアスレチックで遊ぶ。すべり台に引きずりながら滑る。2回目からは抱きかかえるようにして合計3回滑った。昼からたらいに水を入れじょうろで水をかけたり,足でじゃばじゃばして遊ぶ。去年は水をいやがっていたのに楽しそうだ。夕方陽が友達と散歩して,学校のグランドを7周したそうだ。
11 晴れ 31℃になるというので,7時半から散歩。午前中マリンちゃんが来る。マリンちゃんのお母さんに本を貸すため一緒にうちに入る。フレンドはマリンちゃんの上に乗っかっていた。昼,たらいに入れて水あそび,カーポートの上で乾かす。
12 雨のち晴れ 肛門のまわりに湿疹ができてしきりになめている。散歩していると「もう少しだね。」「寂しいね。」等と言われる。正直に言うと責任を果たしほっとする部分も大きい。特に今回は1か月後1度戻ってくる(犬が多いため7月と9月2回に分けて評価するため)ので,合格しても2か月ほどいられる。そう思うのでお利口になって帰ってくるかななんて楽天的になる。盲導犬になってももちろんうれしいし,戻ってきてもうれしい。でもせっかく盲導犬になるよう生まれてきたのだからなったくれた方がいいのだが,どうだろうか?父さんはなると断言しているが…。
13 雨のち晴れ 雨が降らないうちにと7時半から散歩。9時に吉川先生が唾液摂取にいらっしゃる。フレンドは階段を上がる音で2回吠える。唾液摂取は落ち着いてできるようになった。成長したなと思う。16日には,先生も協会にいらっしゃるそう。午前中1時間半,午後も参観懇談のため3時間留守にした。午後は長いため最後のガムを与えたが少し残していた。
14 晴れ 暑い日。父さんは太極拳の全国大会で東京へ。智は幼稚園のお泊まり会。午後から登園のため午前中智と運動公園まで散歩。フレンドも智の歩調に合わせているように思う。(親バカかな?)昼智とたらいで水遊び。じょうろで水をかけてやる。フーちゃんのお母さんからメール。「フーの我が家でのボランテアももうすぐ終わりです」の言葉にうけた。我が家も本当にフレンドに育てられたと思う。貴重な経験をさせてもらった。引き上げに備えて,シャワー,爪切り,耳掃除。ちょっと寂しい気持ち。
15 曇り 朝5時頃,母さんが居間で新聞を読んでいると,「フ〜,ネムネムネムネムネム…。」と,聞いたこともない声。びっくりしたが,なんとフレンドの寝言だった。優もびっくりして起きて,何事かと思って下りてきた。今までも,「ヒッ,ヒッ,ヒッ。」と寝言(寝笑い?)をしたことがあったが,今回のは初めてで,驚くやらおかしいやら。夜,東京から帰ってきた父さんも,それを聞いて大笑いだった。
16 曇り いよいよ引き上げの日。フレンドは,いつもと同じように見えるが,心なしか寂しそうにも見える。陽がフレンドの腹ばっている横に同じように腹ばいになって,「今日で最後かあ。たっぷり散歩してやろう。」とつぶやいていた。9時過ぎに,盲導犬協会に出発。優は部活があるので4人で。フレンドは,みんながお出かけの支度をしているのを見て,自分も連れて行ってもらおうと大慌てで,玄関と居間を行ったり来たり。最後まで笑わせてくれる。盲導犬協会では,E3,F3,G3体の18頭が来ていた。他に,スー号をはじめとして繁殖犬が3頭。佐々木会長さんの挨拶,長崎先生の説明の後,PW一人一人の感想発表。泣いている方も多かった。その後,外で記念撮影。吉川先生が1頭1頭のPWにお手紙をくださった。そのあと,犬舎へとフレンドは入っていった。協会の方は,今日からは犬舎の通路に寝泊まりするのだという。本当に,ご苦労さまなことだ。夜寝る前に,智が「あ〜,寝る前にフレンドお休みって抱きつけないんだ。」と言っていた。今回は,一旦戻ってくるとのことで,子供たちもそんなに悲しまなかったが,それでもハウスのあった場所がガランとしているのを見ると,皆寂しがった。フレンドのいない生活に慣れるまで,しばらく時間がかかりそうだ。

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