太極拳との出会い

 実は,私は中学生のころから空手をたしなんできました。高校で初段,大学で2段となり,レンガやブロックなら2枚を重ねて割り,一升瓶を蹴り割り,飛び上がればバスケットのゴールネットを蹴るほどまでになりました。しかし,無理な練習がたたったのでしょうか,新卒の時に腰を痛めて,リタイヤしました。我流で100kg以上のバーベルに挑戦したのがきっかけで,気が付いたら椎間板が変形してしまったのです。
 その後,太極拳に出会うまで毎年のようにぎっくり腰に苦しみ,札幌市内のあらゆる整骨院,治療院を巡って歩きました。30代も後半になり,太極拳で腰痛を克服したという話を聞き,運動不足の解消と腰痛体操を覚えるほどのつもりで教室に足を運んだのが,太極拳との出会いです。
 それまで,太極拳といえば,「昔武術,今はすっかり美容体操」くらいにしか思っていませんでした。しかし,練習初日にして,普通に立っている姿勢から直され,その夜には私の太ももは筋肉痛に見舞われることになります。「やっぱり武術なんだ!」とうれしくなったのは,やはり空手をやっていたせいでしょう。その後,ユックリ動くということの意味,手のひらを開いて攻防することの意味,呼吸と動作と意識を統一することの難しさなどを次々と知り,すっかりのめり込んでしまいました。そして,気が付くと10年以上も苦しんだ腰痛とさっぱりサヨナラしていたのです。
 入門して,その年の秋には北海道の交流大会に出場し,3年目には全国大会に出場させていただくなど,健康法から競技としての太極拳の世界にも足を踏み入れました。また,指導員の資格も取り,いろいろな場で様々な年代,地域の方と心を通わせることもできるようになり,狭い教師の世界から外に飛び出すきっかけとなっています。

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