陰陽という考え方

 
太極拳は,世界はすべて「陰」と「陽」の2つの要素からできており,それがバランスよく組み合わされているという前提(陰陽学)に立っています。「陰」も「陽」もどちらも必要だと捉えているのです。また,「陰」の中にも「陽」があり,「陽」の中にも「陰」があるとも考えます。それを端的に表したのが,左の太極図です。
 そしてそれは,太極拳の実技の中にも具現化されています。例えば,体を開いたなら次には合わせます。「開合」(カイホウ)と呼ばれます。2つの手は,決して止まることはありません。向かい合い,近づき,離れ,円を描きながら動き続けます。
 
さて,私たちはともすれば,「陽」のみを追い求めがちになるのではないでしょうか。例えば,教室では明るい子,活発な子。武術では,派手な決まり技,また,逆に目立たないこと,地味なことを何か粗末にしているようなことはないでしょうか。そんなことを考えさせられています。それまで,私は夜も寝ないで仕事するのがよいと思っていました。睡眠時間が短いのがちょっぴり自慢で もありました。しかし,がんばりすぎてダウンすることも多かったのです。「陰」(眠ること)を粗末にし,「陽」(活躍すること)だけを追い求めようとしていたからではと思います。太極拳と出会い,価値観が変わってきました。

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