「・・・いつものオーフェンだよね・・・。」
 一瞬、彼女が何を言っているのかわからなかった。
「・・・夢を見たの。オーフェンが泣いてる夢。だからどうやって元気づけようかなって思ったの。」
 何も答えることが出来ず、ただ彼女の瞳を見返すしかなかった。
「夢なのにね。どうしてそんな事思ったんだろう。」
 クスリと笑いながら首を傾げる彼女を、思わず抱きしめたい衝動に駆られた。

 
俺を見てくれる者。
 俺の傍にいてくれる者。
 そして・・・。



「・・・そろそろ戻るか。昼飯も出来てる頃だろう。」
 見上げた空はどこまでも高くて青かった。
 無限のように感じられるそれに、全てが吸い込まれてしまいそうな、そんな気さえする。
「こんな日は外で食べたい気分よね。」
「そうだな。」
 こちらを見上げる彼女の髪が薫風に揺れる。
 さらさらと流れるその香りに浸りながら、彼は目を閉じた。


 今まで抱いていた彼女のイメージが、日毎に変化していることに気づいていた。
 彼女は思っていたより弱くて、思っていたより強くて、思い掛けず女で――。


「まぁまかせといてよ。これからもしっかりばっちりパートナーとしての役目を果たすから!」
 いつものように唐突に調子を上げて話し始める彼女を見て、思わず溜め息が出る。
「・・・ったく、分からねぇ奴。」
 だが、無性に知りたいと思う自分がいた。


 俺を見てくれる者。
 俺の傍にいてくれる者。
 そして、俺が見ていたいと思う者。
 俺が傍にいたいと思う者。


 求めていたのは互いに想い合える相手。

あとがき : ニャンキチさま
えと、こんにちは。ニャンキチです。
また性懲りもなくこんな駄文を書いてしまいました。
載せて下さったゆかなか実月様、読んで下さった皆様、ありがとうございます。

ちょっとへこんだオーフェンってのを書こうかと思ったら、こんなものが出来上がってしまいました。
またしてもありきたりネタだし、ちょっとドリーマーなオーフェンとクリーオウがいまいち気にいらない部分などもあったりしますが、暇つぶしにでもして頂けたら満足です。

最後の「想いあえる相手」の「相手」の上には密かに「パートナー」っつーフリガナをつけてしまいたかったりします。でもそんなに変わらないし結構どーでもいいかもしれません。

題は竜が雲によりかかるように男女が仲睦まじいこと、らしいのですが、あんまり内容に関係ないかもしれません。いずれはそんな自然な関係になってほしいという私の希望なだけです。すみません。

そんなわけで(どんなわけかわかりませんが)、ゆかなか様、皆様、ありがとうございました。
ニャンキチさま、ありがとうございました!