01. I SAW HER STANDING THERE
02. MISERY
03. ANNA(GO TO HIM)
04. CHAINS
05. BOYS
06. ASK ME WHY
07. PLEASE PLEASE ME
08. LOVE ME DO
09. P.S. I LOVE YOU
10. BABY IT'S YOU
11. DO YOU WANT TO KNOW A SECRET
12. A TASTE OF HONEY
13. THERE'S A PLACE
14. TWIST AND SHOUT
A 「The Velvet Underground」 (The Velvet Underground) 1969 (POCPー1843)
01. CANDY SAYS
02. WHAT GOES ON
03. SOME KINDA LOVE
04. PALE BLUE EYES
05. JESUS
06. BEGINNINNG TO SEE THE LIGHT
07. I'M SET FREE
08. THAT'S THE STORY OF MY LIFE
09. THE MURDER MYSTERY
10. AFTERHOURS
B 「in THe PReseNse OF GReaTNess」 (Velvet Crush) 1991 (COCY-9969)
01. WINDOW TO THE WORLD
02. DRIVE ME DOWN
03. ASH AND EARTH
04. WHITE SOUL
05. SUPERSTAR
06. BLIND FAITH
07. SPEEDWAY BABY
08. STOP
09. ASSHOLE
10. DIE A LITTLE EVERY DAY
(*bonus track)
11. ATMOSPHERE *
12. THE GENTLE BREEZE *
13. BUTTERFLY POSITION *
パワーポップもの第一弾。前身バンドChoo Choo Trainの楽曲群や2nd以降も好きだが、
やっぱり彼らの最高傑作は(言い切ってしまうとちょっと悲しいけれど)これであろう。しかし若いなあ
・・・写真。今考えるとこれがCREATIONから出ているのにはちょっと驚かされる。いい時代だったなあ'90初期。
恐いものなしの彼らの1st、Matthew Sweetプロデュース。なんと8track!その当時の勢いなど何もかも詰め
込まれてこその出来であろう。音は好みが分かれるところだとは思うが、全編にわたる甘く切ないメロディ、
疾走感あふれるサウンド、よい意味でラフな演奏・録音・・・・・・何をとっても間違いなく POWER POP の名盤と
呼べるであろう。名曲“Drive Me Down”には何度涙したことか。後にどんどんSPEED UPして発表されていく
これも名曲“ATMOSPHERE”などなど佳曲ぞろいである。「GIRLFRIEND」が大ヒットする前のMatthew Sweetがプロデュースなのも
興味深く、これまたいい仕事をしている。8trackを選択したのもおそらく彼であろうし、自分のレコード
を作るときとはやはり違う音の取り方だ。彼らはこんな作品群で'90初期の音楽界にこの手のバンドが
入り込む先陣を果たしたのだなあ。(ほんの一瞬だったが・・・。)しかし近今の POWER POP ブームに何らか
の手助けになっているのではないだろうか?、と私個人は思う。
何と言うか彼らの音からは音楽に対する愛情、「本当にただ音楽がRockが好きなんだ。」という思いが
伝わってくる。一見甘く切ない胸キュンPOP風ではあるが、彼らは無骨なで頑固でひたすらPOPが、Rockが
好きな青年達(今はもう中年か??)である。
アメリカン・パワーポップのツボとも言える存在、元SneakersのMitch Easter(REMのプロデュースの方が
有名かもしれない)を伴っての2nd発売直後の二度目の来日も懐かしい。すばらしいLiveだった。しかし
2ndは全く売れなかったらしく、CBS/SONY に拾われてレコードを作る中、あのPuffyの“SoloSolo”に
曲提供・演奏参加したことなどはご存知の方も多かろう。
彼らはは一部の熱心なファンによって1st Album のヒットから落ち込んだ後の救いの手に至るまで
支えられている非常に幸せなバンドであると思う。もちろん本人達は苦しい思いもしてきたろうし、また
今のままでいることに満足しきっていることもなかろう。しかし彼らを愛する人々は本当にただ音楽が
好きな人、Rockが好きな人…つまり彼らと同じような視点・感性をもった人々がほとんどではないかと
私は感じる。何か勝手な願いだが、彼らにはずーっとこのままいてほしい、マイペースを貫いてがんばって
ほしいなどと考えてしまう。
C 「GIRLFRIEND」 (Matthew Sweet) 1992 (BVCP-196)
01. DIVINE INTERVENTION
02. I'VE BEEN WAITING
03. GIRLFRIEND
04. LOOKING AT THE SUN
05. WINONA
06. EVANGELINE
07. DAY FOR NIGHT
08. THOUGHT I KNEW YOU
09. YOU DON'T LOVE ME
10. I WANTED TO TELL YOU
11. DON'T GO
12. YOUR SWEET VOICE
13. DOES SHE TALK?
14. HOLY WAR
15. NOTHING LASTS
(*bonus track)
16. GOOD FRIEND
17. SUPERDEFORMED
18. TEENAGE FEMALE
I spoke a man down at the tracks.
I asked him how he don't go mad.
He said,
"Look here junior, don't you be so happy.
And for Heaven's sake,Don't you be so sad."
E 「Pet Sounds」 (The Beach Boys) 1966 (TOCP-3081)
01. WOULDN'T BE NICE
02. YOU STILL BELIEVE IN ME
03. THEAT'S NOT ME
04. DON'T TALK (PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)
05. I'M WAITING FOR THE DAY
06. LET'S GO AWAY FOR AWHILE
07. SLOOP JOHN B
08. GOD ONLY KNOWS
09. I KNOW THERE'S AN ANSWER
10. HERE TODAY
11. I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES
12. PET SOUNDS
13. CAROLINE NO
(*bonus track)
14. UNRELEASED BACKGROUNDS
15. HANG ON TO YOUR EGO
16. TROMBONE DIXIE
泣ける。とにかく泣ける。……というか、その背後の狂気に身震いする。背筋が凍る。
神様はどうしてこんな作品を Brian Wilsonに作らせたのであろう?これを聞いていると極端に言うならすばらしく
うれしくなるか、気が狂いそうになるかのどちらかだ。あまりにも美しく、あまりにも切なく、あまりにも
すばらしい。私の昔の彼女の知り合いは言ったそうだ。「これは19までに聴いておくべきアルバムだ」
と。残念ながら私が初めて聴いたのは20すら越えていて、そのせいか初めて聴かされたときはそんなに
ピンと来なかった。(彼女にテープで聴かされたように記憶している)しかししかしこの作品はじわじわと
私の心を浸食した。
今でも間違えて気分の落ち込んでいるときにでもかけようものなら最後、その心の揺さぶり方は他の追随を
許さない。冗談抜きに涙が出そうになる。落ち着いて聴いているときもいちいち「すごい作品だなあ…」
と感じながら聴いている自分に気づく。とにかくこんな凄いテンションのアルバムはただ音楽をやっている
だけでは作れまい。間違いなく神がいると思う。そう思う。
こんなすごい作品がレコード会社や他のメンバーに酷評され、レコード会社に
いたっては同時にベスト盤を出して販売の迫害までするという、「何というアホどもだ?」という状況に
追い込まれ、それまでとにかくBeatlesを超えるような作品を作ろうと、ただでさえ張り詰めていた
Brian Wilson の精神は破綻していく。これも神のせいなのか?こんなすごい作品の報酬としては
あまりにむごすぎる。しかしまあそんなこと故にここまで支持される作品になっているのも事実で
あろうが・・・
何気なく聴いている限り普通の POP SONG であるが、楽曲の複雑さはこの手のアルバム
にしては例を見ない。何もベースがルート音からかけ離れているとかそういったつまらないことだけを言って
いるのではない。もう POP/ROCK の領域にはないような非凡な楽器構成、転調、転拍子…もうRockではない
と思える瞬間もしばしば。しかしメロディはいたってすばらしく、ただの奇異な音楽とは全く違う。
(これらの曲、アレンジ抜きでもいいから一曲書け、と言われたってそうは書けまい。それぐらい曲も
すばらしい。)しかし、何と言うか聴いた後“音楽”を聴いた感じがあまりしない。この感じはわかる
人にしかわからないのかもしれないが、私はこの作品を「いい」という人ならとりあえず信じるに足る要素
をもっているな、と判断できると思っている。
“God Only Knows”は私の永遠のLove Songのうちのひとつである。またこのアルバムは
私にとって音楽が音楽の形をもってそれ以上の何かを極めて極端に表現しているように感じられる数少ない
作品である。しかも「すごい」と思うだけではなく、とても好きである。故にここに述べさせていただいた。
興味を持たれたら(もし幸運にも19以下でこれを読んだ人は特に)是非聴いてみてください。
F 「#1 RECORD」 (Big Star) 1972 (MSIF 6127)
01. FEEL
02. THE BALLAD OF EL GOODO
03. IN THE STREET
04. THIRTEEN
05. DON'T LIE TO ME
06. THE INDIA SONG
07. WHEN MY BABY'S BESIDE ME
08. MY LIFE IS RIGHT
09. GIVE ME ANOTHER CHANCE
10. TRY AGAIN
11. WATCH THE SUNRISE
12. ST 100/6
時代と音楽産業の影にうずもれてしまった名盤。別格Beatlesのことを考えなければ私の
Favarite Artist & Album である。このあまりにガードの弱い巨大産業に吹き飛ばされそうなジャケット、
あまりにもあまりにもすばらしい楽曲群、Alex Ciltonの南部の怨霊がすべて肩に乗っているような神経を
逆なでる声、Alex の才能を支える Chris Bellの独特なPOPセンス、、、、Big Star が Big Star というバンド
足り得た奇跡の一枚。もちろん 2nd も 3rd もすばらしいのだけれど、“バンド”のパワーが力いっぱい注ぎ
こまれているという点でこの 1st が最高である。一部評論家からは大絶賛を受けた(そりゃそうだろう)この
作品を、有名なR&Bレーベルであるスタックスのインディ、アーデントレーベル(最近復興された)は全く売ることができなかった。
というか親会社スタックスと販売契約をしていたCBSコロンビアが全く興味を示さず、満足にプロモーションもしてもらえなかったらしい。確かにその当時の周り
のロックの喧騒ぶりからすれば、より過激に、より話題性のあるもの、(でなきゃシンガーソングライタ
ーか?・・・笑)がクラシックなものより優先されたりするのであろうが、それにしても・・・・・・・・・・・・これは
Big Star 〜 Alex Chiton 関連のライナー・ノーツで登場しそうなセリフではあるが、怒りを通り越して
悲しくさえなる事実である。いくらなんでもこれが全然売れなかったとは思えない。
それゆえ、私はこの当時の他の隆盛だった音楽(ハードなやつだのサイケだのプログレだのその他たくさん)
を逆恨みというか何か斜めに見てしまうようになったほどだ。(いやもちろん好きなものもたくさんある
が、「なんでこんなものが売れて Big Star が売れんのだ!」と思うものも多い。)
しかし、しかしだ。実はやっぱりこれでよかったのかもしれない。今やBig Star は
「Velvet Underground ほどまでは有名ではないものの、それに次ぐぐらいのカルトバンド」「VU がそうで
あるように、聴くとバンドを始めたくなるバンド」というような評価をされるに至っている。これはこの
ような不幸な経過を経なければありえないことであっただろう。しかしそういった経緯だけで彼らに
カルト人気があるのではない。彼らがカルト的人気を博している最大の理由はあたりまえながら
本当にすばらしい音楽を作ったことに他ならない。“少し”いい音楽、ではなく、本当にすばらしいものを
作り、かつ全く売れなかった、ということに起因するこういった人気というのでなければ私は彼らに出会うことも
できなかったかもしれない。だからよかったのだろう、少なくとも私にとっては。
BOX TOP のデビュー曲“The Letter”で
いきなり全米No.1を飛ばしてその後TOP40も飛ばしまくったが、豪腕プロデューサー Dann Pennによる
「“造られた”ブルーアイドソウルバンド」に決別し、自らやりたいことをこのレコードというすばらしい
仕事ではじめたのにも関わらず、それが商業的失敗に終わり、それからはバンドは解散するし、アル中にもなるし、契約もまとも
に続かないし、、、「私の手に入れたものは全て他の誰かが持っていってしまった」との Big Star崩壊直前の
彼の思いはソロ活動での頑固な姿勢に根付いている。彼はもう少なくとも作品に関して商業的に成功する
ようなものは決して作らないであろう。(自らそういったチャンスを破壊しようとする人だ。)しかしそれ
なのにソロ作品はどれも私の神経を逆なでる。もしBig Star が成功していて、来日は Studium とかで…(笑)
までいかずとも普通の音楽雑誌にたまに登場したり、、なんて全然想像したくないし、そうであったら仮に
どんなによい音楽を作っていようと、この当時の他のバンドと同じ程度の思い入れにしかならなかったで
あろう。この辺は「 John Lennon が死んでいなかったら」とかいうのとちょっと近い気がする。
傑作にして代表曲の“The Ballad Of El Goodo”“Thirteen”などが収録されていることは
もちろん、その他も捨て曲といった捨て曲がない、、、というのはまあ好みもあるであろうから言いすぎで
あろうが、とにかくアルバム全体の流れがいい。一曲目の“Feel” の頭の中を一気にもっていかれるような
イントロもすばらしいし、(前出Matthew Sweetの「GIRLFRIEND」はこの感じを意識しているような気がする
がどうだろうか?)もう何もかもすばらしい。断言しておくが、ことRock Music という枠の中でならこれは
間違いなく傑作だ。これに匹敵するものがどれだけあるか、あればどうぞ教えてほしい。
私のヒーロー、Alex がRockの分野で(この人はBOX TOPSを含め、いろいろなことをして
いる。JAZZ などの分野でご存知の方もいるかもしれない)作った最高傑作。3rdやソロのブチ切れ具合が
すばらしいと思う人も多いかもしれないが、私はやはりこのレコードが最高だと思っている。賛同してくれる
方も多かろう。
G 「ON FIRE」 (GARAXIE 500) 1989 (VACK-1120)
01. Blue Thunder
02. Tell Me
03. Snowstorm
04. Strange
05. When Will You Come Home
06. Decomposing Trees
07. Another Day
08. Leave The Planet
09. Plastic Bird
10. Isn't It A Pity
(*bonus track)
11. Victory Garden
12. Ceremony
13. Cold Night
これを初めて聴いたときの心の中というか感情を思い出すだけで今にも泣きそうになる。
VU直系、といって間違いないだろう。が、暗い。とにかく暗い。どう明るくサウンドをつくっても暗い。
世の中暗い音楽は Smith だの何だのたくさんあるが、とにかく暗い。音がどうこうとかいうんじゃなくて、
何か情念がこもっている。暗い。
曲は言ったとおりVU直系のつくりで、少ないコードで非常に印象的な曲を作っている。音は
フィードバックギターなどがまたVUっぽくはあるが、まあシンプルな作りである。演奏はこれまたVUと
いうか、へたうま、、、いやただのへたくそだ。なんてことないのにその声が、コーラスが、ギターの
音色ひとつが私の心を掻きむしる。掻きむしるったら掻きむしる。「なぜ彼らはこんな思いまでして音楽を
つくるのだろう?どうして?」私はいつもそんなことを考える。最後まで悲しい。ラストナンバーはBeatles
の George Harrison のソロ作品のカバー“Isn't It A Pity”……悲しすぎる……。
悲しいけれどすばらしいのだ、これが。悲しい作品はこの世にいくらでもあるが、うーむ・・・
神経系統がむき出しになっている音楽とでも言おうか、、、イメージそのままの弱々しさ・自己完結性。
こういった詩・・・というか精神世界は楽器などの音楽的なテクニック、知識をバック・ボーンに持たないゆえに
生まれ得た奇跡である。こういう音の魅力・必然性を理屈で語るのは非常にむずかしい。とにかく
すばらしい。
デビュー版「Today」に続く2nd、確かに弱々しいが、その弱さ・悲しさがものすごく
ストレートにぶつけられていて、逆の意味で力強くも感じられるかもしれない。(いや暗く、悲しいのは
間違いないのだが)@、A、、、ああもう思い出すだけで心が掻きむしられるこの感じ。Cなんて私
みたいな人間は正気じゃ聴けない。とにかくあまりにもすごい。単純な興奮とは明らかに違った意味で
息をつく暇もない。前述ラストナンバー George HarrisonのIIsn't It A Pityや、Bonus Track として収録
されている、JVictory Garden(レッド・クレイオラ<※スペルわからず>)、KCeremony(New Order)
などのカバーもルーツや目指すものを明確にしていて興味深いし、また当然すばらしい。
アルバム3枚で解散し、今 Dean Wareham は Luna で、Naomi Yang と Damon Krukowsuki
は Damon & Naomi で活動を続けている。
私は一昨年(1998)に渋谷 Club Quattoro で Damon & Naomi を見る機会があった。
無論会場は混んでいることなどなく、ゆったりとした雰囲気で、ふたりも痛切な感じはほとんど
見せずにとてもいい表情で淡々と曲が進んでいった。非常にいいライヴだった。本作品の@ もやっていた
が、それでこのアルバムのように感じることはなかった。むしろ心が非常に落ち着いた。あれがきっと何か
をくぐり抜けてきた人達の出すグルーヴなのだろう。
私は一生このアルバムを、Garaxie 500 を愛し続けるだろう。理由を説明するのは非常に
むずかしいが、そう思う。
H 「OK COMPUTER」 (RADIOHEAD) 1997(TOCP-50201)
01. AIRBAG
02. PARANOIDE ANDROID
03. SUBTERRANEAN HOMESICK ALIEN
04. EXIT MUSIC(FOR A FILM)
05. LET DOWN
06. KARMA POLICE
07. (filter, happier)
08. ELECTIONEERING
09. CLIMBING UP THE WALLS
10. NO SURPRISES
11. LUCKY
12. THE TOURIST
私はこの Radio Head がブレイクしたころ、このバンドがあまり好きではなかった。
何というか“わかる人は聴く”みたいな感じが私に反発感情を励起させたのだ。1st
は確か聴いた気がする。名曲“Creap”など収録のまあ支持されてしかるべき内容であるが、
そのことと当時の私の音楽趣味(というか趣味と呼べるような趣味が確立してすら
いなかったであろうか?)の問題もあり、そんなによく感じなかったのではなかったか?
ちょうどパワーポップの項で述べているジェリーフィッシュで感じた思いと少し似ている
かもしれない。
その後Album を出すたびに絶賛を受け、ますます聴くことをよしとしない私の天邪鬼体質
により、きちんと聴くことをしなかったが、何のきっかけだったか、このOK COMPUTERを聴くに
いたった。ただし発売してしばらくしてから。
何というかごちゃごちゃ説明が要らなかった。すばらしい。なんで聴いてこなかったん
だろう?なんて無粋なことは考えなかった。なぜならすばらしいから。すばらしいのに遅いも
早いもない。
全体のグルーヴがすごい。捨て曲がない。T. YORK のすばらしき作曲・表現力。あきれるほど
すばらしいアレンジ。あたりまえかもしれないが、初期の頃よりタイトに引き締まったサウンド。
これを名盤と言わずしてどうしようか?ずっと聴いてきた人の思い入れとかが入るとこれ以前の
作品がいい、とかいうかもしれないこともわかるしまあ支持もするが、でもこのアルバムは
すごい。自分の直感的にはきっとこれまでの最高傑作だと思う。(“直感”というのは実は
1st とこれしか持っていないのだ)いかがであろうか?
なんというか結局私の好きなものというのは皆おなじような因子を持っているのであろうが、
このRadio Head が持つ因子はなんだろうか?・・・声は好きである。曲の持つグルーヴも最高。
詩もすばらしい。けれど結局ここでも私が心を強く動かされるのは悲しさ・暗さだろう。
聴いていると非常に涙腺が緩むというか、「ぅわーー…」となる。この全体を包むグルーヴ、若者の
…っていう言い方するとやや語弊があるか?つまり…リスナーの代弁者だと歌詞の意味がわからずとも
思えてしまう音。「そうそう、この感じこの感じ…」というか。とにかく何も感じずに聴くということ
がない。(ここに紹介している Album はほとんどそうではあるが)
ある意味では私の持っているRock音楽ソースで最もすばらしいという表現も可能
かもしれない。それぐらい客観的にも出来がものすごくよい。私の思い入れとは関係なく、
Rockリスナーなら何も感じないということはないと思う。1990年代を代表する一枚と言えると思う。