「 狙われた学校 」


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以下本文ですが、内容紹介のテキスト文なので、画像が正しい位置に入りません。PDFでご覧いただければ幸いです。

 2年生になった頃、わが校の生徒を狙って喝上げ事件が横行した。
 先生方から、一人で下校しないように言われた。
 親友の西村と下校途中、ふとわき道を見ると1年生が2人、数人の高校生らしきものに絡まれている。血気盛んに、行って話をつけようというと、西村が 「待て」と言う。「何で?」と思った。
 彼は、大通りで様子を見ながら、下校途中の他の生徒を呼び止めて、「みんなで見ていよう。」と言う。だんだん人数が増えてきた。 2・300人位になったろうか、ようやく喝上げ団も気がついて、「あっちへ行け。」と言う。
 更に構わずに見ていると、ばつの悪そうな顔をして「ちぇっしょうがねえな。今日は勘弁してやらぁ。」と凄んで帰っていった.その日以降、喝上げ事件はすっかり聞かれなくなった。
 もし、熊ちゃんのやり方で出て行ったら、何だかんだと言い逃れをして、関係ないのに口を出すのかとごまかされるであろう。暴力沙汰になったら、仮にその日は追っ払えたとしても、次回はもっと大人数或いは武器を持ってエスカレートし、雪達磨式に被害は増えたであろう。中学時代に知り尽くした手順だ。
 しかし、今日の遣り方は違っていた。
 頭でっかちの坊ちゃん学校と思われていた我々の団結力を見せ付けられて「こいつはかなわない。」と思わせた西村の手腕に驚いた。喧嘩などした事も無い坊ちゃん育ちの癖に、本当の肝っ玉の座っている奴だ。 こんな奴を親友って呼べる俺も幸せって事か。
 今や教育上のいじめ問題で、教師が「見て見ぬ振りをするから」と責任を押し付けられているが、いじめる側は法律を知った上での行い、「遊んでいただけ」などいくつもの言い訳を用意して、確信した上で行うこと。法律などぶち当たったことも無く、すんなり大学まで行ったお坊ちゃん達に対抗できる事ではないのに。
 悪いと承知で喝上げなどする連中は、暴力団の下っ端がその延長線上に顔を出し、法律的なことは極めて良くご存知で、「ここまで言ったら・遣ったら捕まるという」ギリギリの線でやるのだし、そんな世界に顔を突っ込んだことのない素人が解決できる問題ではないのだ。
 一方では、体罰を禁止し、証拠主義で指導に当たれと強制し、一方ではいじめの現状がありながら、放置したら厳罰に処すとは論外である。
 私も暴力教師といわれ公立中学を追われた身だが、証言以外の証拠は無く、いじめられた子供は、報復を恐れて絶対に証言しないのだから、素手で猛獣に挑んだ以上、助かる道などあるわけも無いのだ。
 汚職の現場を熊先生に見られた校長が率先して解決に当たったのだから、結果は見えていた。その校長が現在市の教育長をしているのだ。いじめなど法律をいじったくらいで無くなるわけが無いではないか。
 校長が最終人事権を持つ以上、縁故のない優秀な人材が登用されない実態に誰が手を下せるのか、総理大臣が****の立場に立って、二極分離を図るご時勢で、教育現場に血の嵐が吹き荒れねば良いがと思う。

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コンコンチュウチュウの似顔絵

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