マルキオン教七つの教会会議

    -The Seventh Ecclesiastical Council of Malkion-

copyright 1995, David Hall
翻訳・編集(c) 木村 圭祐/'たびのまどうし'しーちゃん ,1999. [1999.11.14].


  会議に関する情報は会議の記録と多くの個人インタビューによって収集されてきた。不幸なことに、神智者の時代以前の記録の大半は帝国の没落と共に破壊された。そのためこの間の記録は、二次資料とインビューに大きく依存している。


第1回教会会議 (ST.88年)

  第1回会議はフロウォルで、セシュネラ連合教会によって開かれた。当時会議は、イルリアムの子、"蛇王"ベルタラーの呼びかけによって開かれている。主に第2年にフレストルから教授されたことを明らかにし、さらに明文化することで、あらゆる無数の誤った理解を正すことを目的として議案が計画された。

  会議はセシュナとゾーリアの女祭が態度を翻して議題を認め、またフレストル自身の突然の出現もあって大きな成功を収めた。


第2回教会会議 (ST.228年)

  この会議はローフォルの新たな首都で、皇帝トラーゲンの呼びかけで開かれた。このときセシュネラの帝国は最盛期を迎えていた。大半の大学はこの会議を、基本的には皇帝の力と勝利を示すための口実であると考えていた。たとえそうであっても、さまざまな属領地での神学的相違の多くが、この会議で正され明文化された。


第3回教会会議 (ST.453年)

  この会議はグバージの死とアーカットが不在となった後に開かれた最初の教会会議である。セシュネラ王ガーランドとアケムの王ティロールが、両教会の差異を解決し、グバージとアーカットの異端的影響を識別しそれを一掃するためにこの会議に参加したといわれている。

  会議の主たる決議は見えざる神以上の真実など存在しない、というものであった。この決議には一部アーカットの信奉者や彼とともに帰還した兵士たちの間から反論があった。この時、残った異端者は東方へ、ラリオスへと追いやられた。

  ヴェイデル人自身の資料によれば、彼らもこの会議にオブザーバーとして参加していた。しかし彼らはマルキオンの預言者として受け入れることを拒否したので、完全な議決権をもつ会議の構成員とは認められなかった。


第4回教会会議 (ST.660年)

  この会議は王ブレトノスの呼びかけによって開かれた。先代の王ネプルの兄弟と係累によって引き裂かれてしまったブレトノスの王国を回復するためである。統一を示す場としては、会議は惨めな失敗に終わった。アケムからの参会者はわずか1人であり、ノミアからの代理人が会議に迎えられた。

  会議は王ブレタノスが演説中に暗殺されたことで散会し、王国は数年に渡って内戦と神学論争の泥沼にはまりこんだ。


第5回教会会議 (ST.821年)

  この会議は神智者の帝国の皇帝ミグロスの呼びかけによって開かれた。この会議は(ウェアタグ人の欠席は記録されているものの)ゾーリアの女祭とヴェイデル人のオブザーバーも含め、マルキオン教のあらゆる派閥から参加者があったことで知られている。

  現実の会議は、皇帝によって前もって記述された教条によって会議全体が統一されるという、信じられない成功を収めるであろうことが、会議の参加者全員に感じられた。しかしブリソスを攻めたミグロスの破滅的な失敗と彼の死によって、目前に感じられた統一にひびが入ったことが明らかとなった。

  《切開》行為とカーストに関して、彼らの発見した事象の報告に費やした努力から、第6回教会会議において分科委員会が設置されることが議決されたのも、この会議である。


第6回教会会議 (ST.1427年)

  この会議は"鎚王"ベイリフェスと彼の国の教主マルドロンの呼びかけにより、レプレインて開かれた。この会議はロスカルム、フロネラ、ラリオスの各地から会議に出席する代表を、さらにヒョルトランドからエイオル派の者をオブザーバーとして迎えたことで、非常に成功した冒険であったと考えられている。

  しかし実際の会議ではほとんど何の取り決めも行われず、重要な議論に関しては何の成果もなかった。《切開》行為とカーストに関する委員会は延期され、それ以外、近代マルキオン教における女性の本質と役割についての委員会が(マルドロンの圧力によって)設立された。


第7回教会会議 (ST.1625年)

  第7回教会会議は、"聖なる修道僧"ノツロールの呼びかけに基づき、すべての主要教派の名をもって召集される。この会議は1625年の「闇の季」、「調和の週」に、中立にして聖なる地ソグ・シティで開催される。参加を呼びかけるため会議のニュースは広域に広まり、またヴェィデル人のオブザーバーだけでなく、ゾーリア、ウェアタグ人からの代表者も参加が期待されている。


  本テキストはDavid Hall氏が作成した作品を、氏からの許可を得て木村 圭祐(しーちゃん)が翻訳したものです。
  原文作品の著作権は原著者に、翻訳作品の著作権は原著者と翻訳者に帰属します。営利目的、非合法な目的、反社会的な目的での利用でない場合にかぎり、自由に使用、複製を許可します。ただし複製に当たっては本テキスト冒頭の版権表示(原文および翻訳文)を必ず含めるようにしてください。他の媒体への流通には著作権者の許可が必要です。
  テキストは公式版ではありません。この文章を使用するにあたっては、各人の判断でご利用下さい。この文章の使用により何らかの損害があっても著者並びに翻訳者は一切関知致しません。

トップに戻る。 コンテンツに戻る。 翻訳ノートへ