【2002.02.28】最近の値下げ競争・・・。 マクドナルドの65円ハンバーガーにはじまった、熾烈な値下げ競争も そのマクドナルドが価格を改定したことで、少し沈静化の兆し、ですね。 この値下げ競争の中、私はなにか違うんだよなぁとずっと思っていました。 というのは、各社、値段さえ安ければ、とりあえず集客が見込めるという、 安易な考え方に走っているように思えたからです。 確かに安ければ、消費者としては助かるし、うれしいですよね。 でも、安くさえすればそれで良いのでしょうか? 商品の質はそのままに値段を下げるということは、それにかかるコストを きりつめますよね?・・・そこで例をひとつ。 あるファミリーレストランに行ったときのことです。 そのファミリーレストランは、他社に比べて全体的に価格が安くなっています。 それがセールスポイントでもあります。 夕食時、お店に入ると、スタッフがほとんど見あたりません。 よく見ると広い店内に、フロアスタッフは全部で3人。 しかも、うち1人はどうやら厨房のスタッフ。休む間もなく駆け回っています。 その店は、宅配のサービスまで行っているので、オーダーを受ければ 更にスタッフ数の少ない中で、ほぼ満席の店内をさばかなければならないのです。 そんな状態ですから、いくらスタッフが休む間もなく動いていても 当然不都合は出てきます。ドリンクバーの食器が足りなくなる、 ドリンクの中身がなくなる、スープバーのスープがない、 オーダーに時間がかかる、新しい食器に汚れが付着している、などなど・・・。 いくらスタッフが一生懸命に仕事をこなしても、カバーしきれるはずがないのです。 つまり、コストダウンのためにスタッフの人数を極力削った結果、 お客に不都合が出てきてしまう状態になってしまった=サービスの低下を招いた というわけです。これはお客に対してもマイナスなだけでなく、スタッフにとっても 負担が大きいわけですから、長い目で見るとあんまり良いことではありませんよね。 極端な値下げで集客を狙えば、その時は目新しさで売り上げも上がるかも しれません。しかし、それによって「質」が低下しては、後々自分の首を 絞めることになりかねないのです。 「あそこは安いけれど、しょせん質はその程度だ」とね。 この不況時に、ちょっと高めのレストランや嗜好品に人気があるのは、 相応の質がそこにあるからでしょう。 本当に求められているのは、ただ価格を安くするのではなくて、 消費者がその価格に相応と思える質とサービスを提供することだと思うのです。 だから私は値段云々よりも、サービスや商品の質やアイディアで勝負して もらいたい。その方がかえって長期的な利益につながるはずだからです。 (戦後の日本の急成長は、まさにこの方向で進んだからこそだったのでは?) ただ値段を下げさえすれば売れるというやり方は、よくよく考えれば この不況下において、諸刃の剣でしかないのです。 |