39.コピー品研究(5) 仮面ライダー ベストセレクション? |
気になっていた、HGライダーのクリア版。香港では彩色版も発見。すなわちコピー版なのですが、良く見てみると面白いことが判ります。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(右) オリジナルでは、耳の直上に樹脂の注入部がありますが、コピー版では別の個所に配されているため、耳のディテールが損なわれていません。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(右) オリジナルに存在するエジェクタピン痕が、コピー版ではありません。そのために、オリジナルで消えてしまっている肩部銀ラインの輪郭が、コピー版では完全に残っています。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) グローブ&ブーツの色が随分異なります。塗装省略はありません。大きさの違いに注目してみて下さい(以下同)。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) これだけ複雑な塗装に関わらず、省略が一切ないのに感心してしまいます。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) グローブ&ブーツの色が随分異なります。背中の羽の黄緑色が、塗装省略されています。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) ベルトの赤点、グローブの赤ラインが塗装省略されています。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) ベルトのタイフーン部分、サイドの白ライン、背中の羽の黄緑色が、塗装省略されています。 |
■オリジナル(左)、コピー彩色版(中央)、コピークリア版(右) ベルトのダブルタイフーン部分、マスクの覗き穴、腕と背中の赤ラインが、塗装省略されています。 |
この仮面ライダーベストセレクション?のラインナップは、PART2の旧1号・ストロンガーチャージアップ、PART4の桜島1号・スカイライダー、PART6の新2号・V3という妙な組み合せです。仮面ライダーを良く知らない人がセレクトしたのでしょうか…。 現在までに確認しているところでは、彩色版とクリア版が存在しています。彩色版は、私自身が5月に香港で購入したもので、クリア版はワンフェスにてハリアニさんに代理購入していただいたものです。彩色版の成型色は、レモンイエローです。 どちらも、同一のファクトリー、金型から製造されたものと考えられます。ロットマークは全て4穴で、メーカー名や版権情報もそのまま複製されています。全ての個体について、著しく収縮を帯びていて、オリジナルとの相違は一目で判ります。注目すべき特徴は、オリジナルに存在しているエジェクタピン穴が一切ないことで、これは『REPORT21』でも紹介しました、ウルトラマンベストセレクション2クリアにも共通しています。すなわち、原型段階の素体がコピー元として利用されているということです。 |
パーティングラインは、2本に枝分かれすることはありませんが、オリジナルと細部で異なります。例えば足の裏では、オリジナルが斜めに横切っているのに対し、コピー版ではつま先か踵に沿わせています。 あと面白いのは、オリジナルでは頭部が分割になっているのに、これらのコピー版では全て一体成型になっています。それから、分割部分については、クリア版では全て接着してありませんが、彩色版では腰部の分割部分以外は接着してあります。 コピーの対象となっている素体が、一体どういうものなのか、気になるところです。少なくとも、刻印はあり分割もされている、パーティングラインはまだ存在しないのか消されている状態、頭部は接合したままの状態である…、ということは言えます。 |