COOL + POP



AS A WORSHIPPER


大友良英

ターンテーブル奏者/ギタリスト/作曲家等々。初めて聴いたのはground-zeroだから、もう10年位前です。つっても当時は「何か凄い」という漠然とした印象で、最近ようやく少しずつ理解出来てきた感じ。既存の"楽曲"という概念を飛び越えて"音そのもの"とか"演奏という行為"を真摯に追求する一方で、物凄く綺麗な曲を書いたりもする。onjoとかanodeのライヴは本当に凄かったし、素晴らしい音源も沢山。ここ数年で一番注目しているミュージシャンですね。

菊地成孔

基本的にはjazzのsax吹き。だと思ってたのに。tipographicaやground-zero、大友良英絡みのユニット等で結構音には触れてたんですね。ナマで観たのも何回か。ところが、ココ数年の動きが凄い。d.c.p.r.g.主幹としてのアクションと並行して、東京ザヴィヌルバッハでアブストラクト電気ジャズを。更にspank happyで最新型80's日本語エレポップを。御自身のカルテットもあるはず。もちろん大友良英ユニットでも。しかも、全部クオリティがかなり高い。d.c.p.r.g.の曲とライヴのcd-j+key+指揮は圧巻だし、ザヴィヌルバッハもコンセプトから突拍子もない。そしてスパンクスでは歌ったり踊ったりまで。こんな人いるか他に。神経の病があろうと無かろうと、またたとえその病が創作と活動の原動力の一翼を担っているとしても、今のこの人の動きを見逃さない方が良いと思います。ちなみに文章も相当面白い。

芳垣安洋

最近ではrovoとかd.c.p.r.g.とかで知られてるかも。ある意味で日本を代表するドラマーではないかと。まぼろしの世界周辺人脈の、jazz寄りのアヴァンロック(つーか)が多いんですが、表現力と発想の柔軟さは凄まじいものがあります。とにかくセッティングからフレージング、根幹にあるグルーヴの緩急加減とか、なんでこの人はこうも凄いんだろうか。名前も音もけっこう前から知ってるのに、未だに全貌が掴みきれないし。ナマで観たのは数える程しかないんですが、圧倒されましたね。釘付けと言うか。今、このあたりの人が日本で一番カッコ良いものを作ってるような気がします。

椹木野衣

おそらく現代日本を代表する美術評論家。かの「日本ゼロ年」キュレーターとしても個人的にはリスペクト。ことモダンアートに対する姿勢と読み方はカッコ良いまでの鋭さがあります。『シミュレーショニズム』という本が1991年に出版され、1994年に文庫化されたんですね。で、先日増補を加えて文庫が再発になりました。これが、内容が全然古くなってない。猛烈なパワーで様々なジャンルのアートを評論しています。文脈は分かりやすいのに気が付いたらとんでもない所に着陸しているという、批評の醍醐味みたいなものを感じる本ですね。それにしても知識量と咀嚼力が半端無い。音楽に関してもしかり。物凄い人だよう。この人がキュレーターの展覧会があったら、なんとしてでも行くべきではないかと。つうか興味ある人、本読んでみて下さい。ウロコ落ちまくるよ。

えのきどいちろう

コラムニスト。大昔に『dime』で連載やってて、その頃からずっと「面白い文章書く人だなあ」と思ってたんですよ。テーマは身近な事柄が多くて一見力が抜けてるんですが、手は全然抜いてないって感じで。当たり前か。コラム/エッセイ集は全部持ってるんじゃないかなあ多分。書店行く度に新刊探してますよ。雑誌をあまり読む方ではないので連載やってるかどうかも知らないんですが、見かけたら読んでみてほしいものです。

じゃがたら

伝説の、日本一のアフロファンク軍団。メンバーや編成は結構変わってるんですが、うねりまくる演奏に強烈なヴォーカルが絡んで突き刺さります。大学に入ったら絶対観に行こうと思ってた矢先に江戸アケミ逝去。その後もメンバーが2人相次いで亡くなってしまい、悲しかったです。が、cdやヴィデオでも伝わってくる力強さ。踊れるし、考えさせられる。本当に、重要なバンドだと思います。cd再発されてるんで、気になった人はベスト盤でもライヴ盤でも聴いてみて下さい。アケミの様な人は、他に知らない。ナマで観れなかった僕が語るのもおこがましいんですが。

cirque du soleil

世界最高のエンターテイメント集団と断言しちゃおうかしら。数年に一度来日してます。「ファシナシオン」「サルティンバンコ」「アレグリア」と公演をやってきてます。基本的にはサーカスなんですが、動物芸はナシ。徹頭徹尾人間の技を見せるのです。力強かったり優雅だったり。しかも、照明・音楽の演出が抜群で、舞台も綺麗。写真で見てさえ圧倒されます。またバンドがカッコいいんだ、ホントに。思い出してもゾクゾクする。で、この秋冬にまた来日だって!絶対に行く!皆様も是非!

the lounge lizards

john lurie率いる、本人曰く"fake jazz"の方々。初めて観たのはlive in berlinの映画でしたが、1音目からタイコの重低音に度胆を抜かれた。で、曲も演奏もスムースな所といびつな所が絶妙のバランスで、惚れ込んでしまったのでした。その時はcelloやperc.を含む9人編成でしたが、ひたすらスタイリッシュで音もcool。肩の力が抜けてるんですが、どこかpunkに通じる精神が見えかくれ。生で観たこと無いんだよなあ。観たいなあ。

the pop group

もう大昔のバンドですが、いまだに新鮮でちょくちょく聴いてます。色々なスタイルの音楽を噛み砕き、怒りのエネルギーで吐き出したアヴァンギャルドな演奏。当時まだ10代だったのに(あるいは10代だったから)各メンバーが非常に革新的な音を出してます。レーベルのゴタゴタやメンバーの方向性の違い(便利な言葉ね、コレ)により、実質的な活動期間はほんの1〜2年。bruce smith(dr.)とgareth sager(g.)は後にrip rig & panicを結成。こちらも必聴。

stomp

cmでもたまに見かけますが、これほど誰でも楽しめるパーカッション集団がいるでしょうか。通常の楽器はほとんど使わず、モップや新聞紙からドラム缶まで。ジッポーの着火音まで使われた時は驚きました。しかも眼で見て楽しい。ダンスに通ずるものもあり、ずいぶん前に来日した時は大喝采。グローブ座に二日観に行ったらほぼ同内容だったのはまあしょうがないという感じですが。音源は"tank girl"のサントラくらいしか思い浮かばないのですが、実は×し録×のd×tが…

空山基

リアリズムの鬼。ずいぶん昔に銀座の伊東屋(だったかな)で画集に遭遇したのが最初でした。今思い起こせばsexy robotだったような気が。雑誌のイラストやcm・映画のキャラクターデザイン等、どこかしらで皆さん目にしてると思います。機会と人間が融合してる絵が大好きなんですが、それ以外にも実に様々な作品があります。固いテーマから柔らかいテーマまで。最近は本人言う所の「スケベ絵」を見る事が多いです。昨年「1964-1999全作品集」が出版されて、大きさは小さめだし紙質も画集らしからぬ造りですが、資料的にはオススメ。そういう訳で僕の部屋にはポスターが一枚あるんですが、見てひいちゃう奴がいるんですわ。困った事に。

唐沢なをき

そもそも僕はとり・みきのマンガが大好きで、その流れでこの人を知りました。アイディアと表現の仕方が結構好みだなあと思ってたんですが、先日遅ればせながら『カスミ伝(全)』を読み、悶絶。大実験大会だったのです。しかも読みやすい。絵柄は可愛い感じなんですが、たまに完全に他人の絵柄をもってきたり異様に緻密な絵になったりして、全くあなどれません。兄弟ユニットの「唐沢商会」でも『ガラダマ天国』という名著がありますが、『カスミ伝』ほどやりたい放題にはなってないです。そういうわけで『カスミ伝(s)』捜索中。

仙波清彦

はじめて観たのは「はにわオールスターズ」でした。なんか面白そうだと思って全く予備知識ないままに行ったんですが、もう驚いた驚いた。なにせ4ドラム3ベースにシンセやらヴァイオリンやら笛琴三味線+大量のパーカッション他。ゲストヴォーカルにデーモン小暮・戸川純・奥田民生などなどの、総勢53人の集団だったのですよ。その首謀者でのほほんとした感じの人がこの人だったわけですが、途中の子供ドラムソロとかが人間ワザじゃなかったのです。最近はエイジアン・ファンタジーその他で御活躍。邦楽の家元さんなのにフットワークが軽くて素晴らしい。"semba"というパーカッションオンリーのアルバムがあるんですが、すごく楽しい音だらけになってます。聴くべし。

佐藤孝信 (arrston volaju)

好きな服のブランドを聞かれた時「アニエスとアーストン。次点でゴルチェ」と答えることが多いんですが、とりわけ反応が少ないのがアーストンボラージュdesigned by kohshin satoh。なにしろcoolだし、同デザインで生地違いが色々あるのも面白い。昔show観に行ったらどうにもモデルには見えないモデルがいて、後からよくよく考えたらsugizoだったということが。でも、ヴィジュアル御用達にするのはもったいないな。マイルスやウォーホルのお気に入りだったとか逸話は色々ですが、気になったらとにかく店へ行け。そして選んで買って着て歩け。

筒井康隆

説明不要かとも思いますが。やっぱり凄いですよ、この人は。初めて読んだのは『ホンキイ・トンク』かなんかで、小学生のアタマには今一つピンと来ませんでした。が、成長するにつれてだんだん分かるように。で、いまだに「スゲエ」と思うわけです。やっぱり表現する人間は守りに入ってはいかんなあ、と。

la la la human steps

モントリオールのsuper coolなダンスグループ。ビデオも出てます。けっこう日本にも来ます。鋭い動きと色気、そして「横っ跳び」。圧倒。

monty python

本当に時代を感じさせない、スマートでブラックな、知的集団。何で日本でマイナーなんでしょ。ビデオも全巻再発されるらしいし、少しでも興味ある方は是非!

クラフト・エヴィング商會

もっともっと評価されるべき方々です。非常に独特な世界観を分かりやすく作品にしていて、読むとぼんやりと幸せに。『cloud collector』・『すぐそこの遠い場所』・『どこかにいってしまったものたち』どれも上手く表現できませんが。読んで。

erte (romain de tirtoff)

ずいぶん昔に青山の画廊で見て、惚れました。日本ではディーラー絡みの展覧会ばかりだったのが残念です。ブームで終わってしまった感もありますが、整理された退廃という雰囲気が大好きです。

evelyn glennie

「耳の聞こえない女性パーカッショニスト」として有名になってますが、そういう所を差しおいても素晴らしいパーカッショニストです。微音が荒いという評もありますが。伝統的な曲からモロ現代曲まで、颯爽と演奏する姿はカッコいいです。当然技術一流。しかも新しい事をどんどんやってくれるのが嬉しいです。

the eccentric opera

初めてラジオで聴いた時にはよくわかんなかったんですが、いざCD聴いたらとんでもない方々でした。日本人とは思わなかったですもん、最初。原曲知ってればより圧倒されますが、オリジナルとして聴いても凄いクオリティですよ。なかなか生で見る機会が無いのが残念です。

keith haring

「アートとはなんぞや」と人が思う隙を与えずに動き続けてとっとと逝ってしまいました。昔Gパンに絵を描いてもらいました。(ゴメン、自慢だ)pop!

terry bozzio

今はもうあちらの世界一歩手前の人ですが、世界最高の我が道ドラマーでしょう。誰も後を継ぐものが無く孤高の道をひた走り…。ただ、普通の8ビートとかでも独特のグルーヴがあってかっこいいんだ、やっぱり。

三瓶真弓 (and der zibet)

何せ僕がタイコに手を染めるきっかけになった人であり、いまだに大好きなバンドです。全員高度な音楽性と異様なアクの強さ、一丸となって疾走しつつも何か癖のある演奏。早すぎたバンドだったんでしょうかね。ドラマーとしても、発想の柔軟さには学ぶ所多しです。

prince/the artist formerly known as prince

20世紀最高のポップスターでしょう。異様に凝ったアレンジとキャッチーなメロディ。リズムも相当な事やってます。しかもめちゃくちゃにポジティヴ。こんなに愛とか神とか真顔で歌ってサマになる人も珍しいのでは。

frank zappa

天才作曲家と言っても、類い稀なるエンターテイナーと言ってもいいんじゃないでしょうか。日本ではカルト人気にとどまってるみたいですが、素晴らしい存在ですよ。あらゆるジャンルを跨ぎ越してなおザッパ印が燦然と輝く楽曲の数々。