彼女は即決した。





日本からフランスへ…

普通ならば、自分がこれから外国に長期間滞在し、命懸けの仕事をしなければならないと聞かされたら

何時間…いや、何日単位で悩む事だろう。



食事・言語等の環境の変化、家族とも遠く離れなくてはならない。

家族…きっと、家族はこの話を聞けば反対するに決まっている。


葵が軍に入隊する時も、月代家の”当主”とは、もめるだけもめて…

最後は、家出のような形になってしまった記憶がある。

入隊の許可は、ぶん獲る形になった

たまに帰省すれば、定番の小言として、毎度言われるようになってしまったくらいだ。

今回の話がもしも当主の耳に入れば、『ついに家を出るだけでは飽き足らず、国からも出るか』と呆れられるだろう。


・・・いや、縁を切られるかもしれない。



「そのお話、お受けいたします。」



だが、彼女、月代 葵(つきしろ あおい)は、話を聞かされてから数分単位で、即決した。




彼女の上司は、事務的に淡々と必要な書類を並べると


「…そうか、いや良い返事を貰えて、こちらも良かったよ。それが一番いいからな。」


と感情の無い声で言った。

まるで、それが当然とでも言うように。



「・・・いえ、こちらこそ、ありがとうございました。では、失礼いたします。」


葵も淡々と挨拶を交わし、左手で書類を持って部屋を出た。

まるで、それが当然とでも言うように。



ドアが閉まってから、上司は忌々しそうに小声で呟いた。


「・・・・・バケモノめ・・・。」












”あの事件”の事で、何か処分をされるとは、葵自身予想はしていた。

治療期間も含め、半年以上も経ってからの処分。



(・・・それにしても、巴里か・・・随分思い切った事を・・・。)



上司からの”提案”は、葵が想像していたものよりも、斜め上をいっていた。



その提案とは『巴里のとある特殊機関が、月代を欲しがっているらしいから、行ってくれ』というモノだった。



葵は思いがけない”転勤”に少しだけ驚いた。

ただし、葵が驚いたのは『まさか軍が、自分を辞めさせず、海外へ飛ばすとは…』という意味であるが。


単なる転勤ならば、断ろうと思っていた。

だが、上司が見せてくれた”特殊機関の資料”を見て、彼女は海外へ行く事を決めた。


部屋を出て、葵は廊下を歩きながら窓の外を横目で見ていた。



もうすぐ、春が来る。

桜の蕾は、赤く色づいており、来週には花弁が開きそうだった。

もっとも、桜の開花を見る前に自分は、海外へ行くのだが。


(…暑い…)


ふと、左手の指先で制服のボタンを外しかけている事に気付き、葵は苦笑いを噛み殺した。


(海外に行ったら、この癖もどうにかしなくちゃね…)


葵の癖とは、暑いと感じるとすぐに脱いでしまう、脱ぎ癖の事だ。

無意識に胸元をよく開けている事があり、周囲の人間にはよく誤解されたし

葵の家族や友人も、葵のこの癖を直そうと、よく注意してくれた。



(……よく、注意されたっけ…『はしたない』って、汐(うしお)姉様にも…舞子にも…)



「舞子」…この名前が、頭に浮かんだ瞬間・・・葵は、ハッとした。

眼鏡を指で押し上げ、一瞬緩んだ表情を、無表情に戻した。


…自分は、笑ってはいけない。


・・・なぜなら自分は・・・。



「・・・おい、紅姫。」


後ろから、そう呼ばれた。紅姫、とは…葵の事だった。



「・・・・・・。」


無言で葵は振り向いた。


その人物は、別小隊だったが、同期の男性少尉、峰岸だった。

体格は大きく、几帳面な性格の彼は、いつも通り軍服にきっちりと着ていた。

しかし、眼光はいつになく鋭く・・・葵を睨んでいた。



「大量殺人者の分際で、良いご身分だな。海外へ栄転…いや、国外逃亡か?」



「・・・・・・。」



葵はそれに対し、否定も肯定もしなかった。

ただ、黙って無表情で、言葉を受け続けた。


「…人を1人殺せばただの殺人者だが、戦争で1000人殺せば英雄だとは、よく言ったもんだ…。

…なあ…バケモンと人間、どっちを多く殺した?え?紅姫様よ。」


目の前のかつては自分にも優しかった同僚が変わってしまった理由も、言いたい事も、抱えている思いも、葵には解っていた。

だから、ここは何も言わずに立ち去るのが、得策だっただろう。


しかし、葵は口を開いた。



「・・・・・・早苗を救えなかった事は、私も後悔してる。だから」



葵の言葉を遮り、峰岸は更に詰め寄った。



「救えなかった?後悔?・・・ふざけるなッ!オマエが殺したんだろう!?

その赤い髪に、体に…赤い血を…俺の婚約者だけじゃない…仲間の血をべっとりとつけて殺したんだッ!!」


峰岸の右の拳が振り上げられるのを、葵は黙ってみていた。


「おい!やめろ!峰岸!」


しかし、峰岸の拳は他の同僚に止められた。



「離せ!こいつは…こいつこそ、バケモノなんだッ!チクショウ!

カグヤだか紅姫だか、なんだか知らねえが、なんでこんなヤツだけ生き残るんだッ!

なんで!コイツだけ…早苗がどうして、死ななくちゃならないんだ…ッ!!」


「峰岸!やめろ!気持ちは解るが、証拠が無いんだ!!月代が仲間を殺したって決定的な証拠が…!!」


「証拠なんか関係あるか!コイツが…コイツが生きている事自体が証拠だ!

コイツこそ…コイツこそ!死ねば良かったんだ…っ!!」


「峰岸…よせ!」



峰岸と呼ばれた男に向かって、葵は言った。



「・・・・・・本当ね・・・あの時、死ねれば、どんなにか良かった…。」



それは、葵の本心だった。

痛むのは、右腕でも、肩でも、背中でもない。



「……っ!?」


葵はそのまま無表情で、先程遮られた”だから”の台詞の続きを口にした。





「…だから、私は戦場で死にます。」




それは、あの事件以来、彼女が決めた事だった。


だが、それは聞く人物によっては”開き直り”にも聞こえる台詞だった。

彼女のせいで婚約者が死んだと思っている人間には、特に、だ。



「・・・・じゃあ今、死ねよ・・・。そうだ…今、ここで死ね!死ね!

 死ねぇ!死ねよッ!死ねないなら…俺が殺してやるッ!!」



峰岸は激高した。

普段の彼を知っている人物ならば、その変貌振りに誰もが驚くだろう。


葵に殴りかかろうとする峰岸を、傍にいた同僚が押さえ込んで、他の人間も騒ぎを聞きつけて集まってきた。



「つ、月代!これ以上、峰岸の感情を逆撫でするなッ!!さっさといけッ!」



葵は、深々と一礼すると、背を向けて歩き出した。

後ろからは、峰岸の悲鳴と怒号が入り混じった”死ね”という声が何度も聞こえた。


「いいか!月代!お前は…”焔”の面汚しだ!!」



葵は、無表情で歩き続けた。



陸軍の中でも、霊力保持者だけを集めた精鋭部隊・・・通称『焔』。

葵はかつて、そこに所属していた。

帝国華撃団が政府直属の秘密機関であることに対し、焔隊は軍直属の部隊である。



焔隊の夜間訓練中・・・謎の霊的災害生物に遭遇し、戦闘の末、全滅したのが、6ヶ月前。


そこでわかったのは、軍の新たな力となるべき、期待の焔隊は

霊的災害の脅威を示すバロメーター役にしかならなかった、という事。

もしくは・・・焔隊の実力そのものが、疑われてもおかしくなかった。


突然の出来事、そして賢人機関へのお披露目も目前だっただけに、軍の上層部も、さすがに落胆した。


そして、焔隊の追悼よりも先に、新たな”霊的災害”への対抗策を練らねばならなくなった。

しかし、あの日出現した霊的災害生物の正体は、何一つ掴めないまま、月日が流れた。

上層部は焦っていたし、新たな敵とはいえ、あっさりと全滅し、軍の醜態を晒した焔隊の事など

記憶の片隅にすら置きたくないといった具合だった。




「あ、月代だ…本当に生きてたんだな。」

「仲間が死んだってのに、よくもまあノコノコ顔を出せたもんだ…」


峰岸の声を聞きつけて、集まってきた他の人間は、葵を遠目から見ながら陰口を言った。


「あー…やっぱりな。退院した月代が来るって聞いていたから、薄々こうなるんじゃないかと思っていたよ。」

「可哀相だな…峰岸のヤツ…」

「そりゃそうだよ…結婚式を1ヶ月前に控えてたってのに…」


今までは、葵が廊下を歩くと、すれ違う人間の視線は彼女の特徴でもある”真っ赤な髪の毛”に

好奇心や嘲笑の眼差しが向けられていたが、今では、もっぱら侮蔑や憎しみが多く含まれていた。



「ねえ、あれ…紅姫よ…ほら”カグヤ事件”の生き残り。」

「生き残り?あたしは、事件の首謀者だって噂聞きましたよ。」



「…よく処分されないな。」

「上層部に”何か”したんじゃないか?実家は、金持ちらしいし。何より…女だし、な。」



「ああ、顔は良い方よね…でも、左頬にあんな傷まで出来ちゃあ…夜のゴマスリも出来ないわよね。」

「それにしても、相変わらず髪の毛真っ赤ね…派手過ぎ」




「同じ日本人とは、思えない・・・いや、あんな裏切り者、思いたくも無いわね。」








本部を後にした”紅姫”は、そのまま自室に戻ると、実家への連絡も何もしないまま、荷物をまとめた。


迷いは無かった。



書類に全て目を通し、必要な記入を済ませ、立ち上がった。

制服のボタンを外し、窓を開け放ち、肌を風に晒した。




 体が熱い。


 傷が疼く。




 ・・・左頬の傷が。






半年前の『カグヤ事件』で、自分一人だけが生き残ってしまった。


他の隊員は、全て死んだ。


その結果こそが、全て。




この先、自分は笑う資格もない。





月代 葵は、左頬の絆創膏を指でなぞった。




 あの日、心に決めた。





 (・・・今度こそ・・・。)






 ・・・私は 戦場で死ぬ。







  [ サクラ大戦 紅姫編 1話 ]








「「「「「・・・新しい隊長!?」」」」」






テアトル・シャノワールに驚愕・怒号・悲鳴…とにかく色々な感情が爆発したような声が5つ、綺麗に揃って響いた。


思わず、秘書役のメル・レゾンとシー・カプリスは、顔を見合わせてそうっと支配人室の会話を

2人揃って耳をぴったりとつけて、聞いた。





「・・・なんて声を出すんだい・・・アンタ達、仮にもシャノワールのトップスターだろうに。」


支配人室の主、グラン・マは膝の上の黒猫ナポレオンを撫でながらそう言った。



「納得できん!新人が来るのならば、納得も出来ようが…よりにもよって、何故!”隊長”なのだ!!」

一番に、声を張り上げたのは、グリシーヌだった。



「新人には違いないさ。ただ、新人の隊長ってだけさね。」



「…イチローじゃないの?」

コクリコは、寂しそうに言った。



「あたしも、慣れ親しんだムッシュが来てくれないのは、残念だよ。

だが、ムッシュは皆も知ってのとおり、帝都でも重要な位置にいる。」


グラン・マは、まるで始めから全てを見透かしたようにスパスパと、質問を打ち返していく。



「それは、そうですけど…随分と急な話では?」

花火は、戸惑いを素直に言葉に出した。


「それは、あちらも同じさ…だが、これは前々から考えていた事だよ。」



「…フン、その新顔が隊長になったとして…アタシらが素直にソイツのいう事を聞くと思ってんのかい?」

ロベリアは、腕を組んで、半ば脅すように言った。


「…聞きたくなけりゃ聞かなくてもいいさ。・・・ただ、損をするのは、あんただよ。ロベリア。」


目には目を…グラン・マは目で余裕の笑みを浮かべた。

ムッとしたロベリアが一歩前に踏み出そうとした時。







「・・・あの〜」


エリカが手を挙げた。


皆、さすがのエリカもこれには抵抗するだろうと思い、発言権を与えるつもりで、黙っていた。




「なんだい?エリカ。」



「あの、新しい隊長さんのお名前は、なんとおっしゃるんでしょう?

あ、そうだ…歳は?あと、血液型に…星座は?あと…宗派は?」




「「「「・・・・・・・。」」」」



グリシーヌ達は、がっくりと肩を落とした。




「エリカは、新しい隊長を歓迎してくれるんだね?」

「はい!どんな人か、楽しみです!ね?皆さん!」


エリカの明るい返答に、グラン・マは満足そうな笑みを浮かべた。


それとは反対に、エリカの問いに対して全員は(ダメだ・・・コイツ・・・)という表情を浮かべ、無言になった。


「では、隊長を出迎えるにあたって…」


グラン・マが話を次に進めようとしているので、グリシーヌが毅然とした態度で立ち向かう。


「ま、待て!私達は納得していないぞ!グラン・マ!反対だ!新しい隊長は、断固拒否するッ!!」



「・・・どうしてさ?」

グラン・マの問いに、愚問だといわんばかりにグリシーヌは胸を張って答えた。


「私達だけでも、巴里を守るには、十分だからだ!」


それを援護するように、ロベリアが言った。


「…グリシーヌの言うとおりさ。今更・・・しかも、新入りに仕切られちゃたまらないね。」


グリシーヌとロベリアの意見が珍しく合った。

しかし、それを聞いた途端、グラン・マの表情が厳しいものになった。



「…残念ながら…不十分の可能性もある。」



「なん、だと…!?」


すると、花火までもが前に出て、冷静に質問をした。


「グラン・マ…不十分な理由をおっしゃってください。私達に何か問題でもあるのなら…」




「・・・”新種”が出たんだよ。」



「しん、しゅ?」

コクリコが首をかしげて、周囲の様子を見る。

ロベリアと目が合ったが、ロベリアはコクリコに解りやすくするように、グラン・マにこう聞き直した。


「それは、新しい敵って、事かい?」


それを聞いたエリカとコクリコは顔を見合わせて”あーそういう事か”と頷きあった。

グリシーヌは、いよいよ不審感を露わにして、グラン・マに一歩近付いた。


「・・・聞いてないぞ・・・そのような話は・・・初耳だ。」


グラン・マは、立ち上がり、黒猫のナポレオンを撫でながら説明し始めた。


「あんた達に、この話をするのは初めてだからね。別に隠していた訳じゃないんだ。

実は、ずっと前から…”霊的災害生物の新種が出た”…なんて噂があってね。

”確証”がない状態で、話すのは避けていたんだが…」


「霊的災害生物って…なんですかー?」

エリカが手を挙げて発言した。

ナポレオンがゴロゴロと喉を鳴らし、欠伸をした。



「…まだ俗称はない。人間を襲う、大変凶悪な生物だが、今まで相手にしていた怪人とは種類が違う。

だから…現段階では、新種だと言っているんだよ。まぁ…今は、魔物みたいなモノと考えてくれたらいいだろう。」


まるで脅すような口調で話を続けるグラン・マの話をまどろこっしかったのか、ロベリアが要約した。


「…つまり、その新種が巴里に出たら、それにアタシらが勝てないだろうと踏んで

 新しい隊長を呼んだって訳かい?」


それを待っていたかのように、グラン・マは一段と低い声で話を続けた。


「…その通り。何しろ、約6ヶ月前、日本で”新種”が大暴れして、日本の陸軍特殊部隊がほぼ壊滅したらしい。」



「それは…痛ましい話ではあるが・・・それが、確証なのか・・・?」

「特殊部隊といったってピンキリだろ?…霊力も持ってない奴らじゃ、蒸気獣でも、どうにもならないだろ。」



「ところが、陸軍の中でもよりぬきの霊力保持者の集団だって言ったら?

 噂によると、かなりのモノだったらしい。それがいっぺんにやられたら…どう思う?」


その話を聞いても、グリシーヌもロベリアも半信半疑だった。

事実、自分の目で見てもいない敵の脅し話を聞かされても、恐れる事もできない。



「あの、皆さん・・・亡くなったんですか・・・?」


花火の問いに、グラン・マは低い声から、溜息混じりに言った


「・・・ほぼね。報告書を見ただけでも、相当ひどいものだったよ。」


その反応だけで、酷さの具合は、なんとなく伝わった。


「そんな…」

「・・・そういえば、帝国華撃団は何をしていたのだ?そのような賊が出たのならば…!」


その問いにも、答えは用意されていたのだろう。

すぐに答えが返ってきた。


「間に合わなかったそうだよ。事件の現場は、帝都からは、遠すぎたそうだし。

 何しろ…壊滅まで、15分程だったらしいからね。」



「15分…。」


エリカは、そう呟き、もう一度噛み締めるように言った。


「…15分…。」


15分という短時間に大勢の人間が死んだ。

その事実が、エリカの胸に重く重くのしかかる。


それがどんなに遠い地の出来事でも、エリカにとっては救えなかった事、知らなかった事すら悔やまれた。



「そう…その新種はその場から、逃亡・・・今も世界のどこかにいるってわけさ。

日本での目撃は、それが最後…今もわからない。

だから、ソイツが…巴里に来ない可能性は0%じゃないだろう?

そして、数を増やして、世界中に現れるかもしれない可能性も、同じだ。


さて、ここで問題になってくるのは…その新種に、うちはどう対抗しようか、という事。」



「…そ、そんなの…やってみないとわかんないんじゃない?」

「コクリコの言うとおりだ。私達には光武Fがある。対抗手段はいくらでも…」



「いざ戦ってみたら『敵いませんでした』・・・で、済む問題じゃないんだよ。グリシーヌ。

すでにあんな大規模な形で、死人が出ている以上…こちらも警戒せざるを得ない。」



「・・・あの。」


花火が、神妙な顔つきで手を挙げ、発言した。


「グラン・マは、どうして”隊長”にこだわるんですか?私達の中から、選んでも良いじゃありませんか。」


その発言に、皆は顔を上げた。『そういえば、そうだ』という顔で。

花火の鋭く、珍しいまでの攻めの発言に、グラン・マも流石に驚いた様子で目を丸くしたが

やがて、槍よりも鋭い言葉で切りかえした




「…じゃあ花火は、誰に指揮を取らせる気だい?」




「・・・え・・・。」



「「「「・・・・・・・・・。」」」」



その発言に、皆は一斉に花火を見た。『そういえば、そうだ』という顔で。

花火は、その切りかえしは想定外だった…という表情を作りつつも、必死に答えを探した。






 『Q この中から”隊長”を選ぶとしたら…?』









・・・・・・・・・。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







「・・・・・・・・・・えーと・・・・・・。」




 『A 選べない。』






「「「・・・・・(花火…。)」」」



全員が、心の中で舌打ちをしたのは言うまでも無い。






「まあ、あんた達の事だ…隊長を新しく入れると言ったら、そういう反応をするだろうと思っていたさ。

 ムッシュには、世話になったし、思い入れは、それぞれあるだろうからね。」



「だったら…!」



「・・・だから・・・アンタ達が『隊長を一から育てる』ってのはどうだい?」



「…育てる?」



「そうさ。あんた達が望む、理想の隊長像ってものがあるだろう?

 ムッシュがアンタ達を立派な隊員として育てたように、今度はアンタ達が隊長を育てあげるのさ。」



「隊長を、育てる…」

「理想の隊長…?」

「フン…なんだいそりゃ…そんな面倒くさ」


ロベリアが文句を言うより先に、エリカが両手を挙げた。



「はいはいはーい!!やりますっ!エリカ、育てたいですッ!理想の隊長さんッ!!」



「なっ・・・エリカ!?」


「エリカさん、意味わかっているんですか?向日葵とかヒヨコを育てるのとは違うんですよ?

 それは、新しい隊長さんを受け入れるという事なんですよ?」


花火の攻める問いに、エリカは首をかしげる。


「え?ダメですか?新しい隊長さん。」



「・・・ダメだ・・・コイツ、全っ然わかってないね。

 単なる新人の世話なら、お前に任せてやるけどな…隊長だぞ、隊長…。

 アタシらの、上司だぞ。いいのか?お前は、それで!」


ロベリアの問いにも、エリカは首をかしげる。


「…嫌ですか?だって、巴里華撃団の”隊長”は代理扱い…今まで、エリカ達の中で

 ”じゃんけん”で回してたじゃないですか。」


彼女達の元々の隊長、大神一郎は今、日本にいる。

その間”隊長代理”の椅子を巡り、彼女達は幾度も・・・モメた。

そして…

じゃあ、隊長はじゃんけんによる交代制度にしようという妥協案を、今まで彼女達は受け入れてやっていたのだった。


「・・・・あんた達、隊長の地位をそんなもんで決めてたのかい・・・しかも、交代制って・・・まるで、掃除当番じゃないか。

 いや・・・まあ、いいさ。それも今日限りだ。新しい隊長が来るんだからね。」


グラン・マは、丁度イイじゃないかとほくそ笑み、エリカ以外の全員が、余計な話題だった、と苦い顔をした。

一方、エリカはウキウキと嬉しそうだ。


「新しい隊長さんを、エリカ達が心を込めて育てる…イイ響きじゃないですか!!

 エリカは、まず…新しい隊長さんには、まず聖書を読み聞かせてあげてー…」


『絵本読み聞かせるのとは、訳が違うんだぞ、それじゃまるで宗教の勧誘だぞ』と全員が思った。

・・・が、面倒くさかったので誰も言わなかった。


しかし、コクリコだけは言わなければと、エリカの服をついついっと引っ張って言った。


「あのさーエリカ。ボクらの知らない人が、巴里に来て、いきなり”隊長”になるんだよ?いいの?」



「…ん〜………ダメですか?」


少し考えた挙句、あっさりとその答え。



「「「「ダメだ…こりゃ…。」」」」


全員が額に手をあてて、呆れた。




「まさか、とは思うが…エリカ…お前の理想の隊長とは『プリンを作ってくれる人』じゃあるまいな?」


グリシーヌの問いに、エリカの動きがピタッと止まった。


そして、一瞬の沈黙。




全員が悟った。


『あ、図星だ』・・・と。



もはや台詞を聞くまでも無く、全員はあきれ返った。


「「「(・・・エリカ・・・。)」」」




「・・・え、ど…どうしてそれをっ!?グリシーヌさん、心が読めるんですか!?」



「お前・・・!」


呆れはしたが、怒りが湧き出てきたグリシーヌは、エリカを睨んだが


「・・・なんちゃって♪冗談はここまで、です♪」


エリカはそう言って、ぱちんと手を叩いた。



「・・・冗談?」


「勿論です。今のは、エリカなりの冗談です。皆さん、新しい敵や新しい隊長さんにピロピロし過ぎです。」

とエリカは、腰に手をあててニッコリと笑った。


「…それを言うなら、ピリピリ、でしょ…。」

コクリコの突っ込みにもめげず、エリカは笑っている。


「エリカ・・・」



「だって、エリカ達、まだその人に会った事ありませんよ?

 見ず知らずの人を、会う前から、あーだこーだ言って、決め付けてはいけないと思いません?いい人かもしれないじゃないですか。

 それに、エリカ達が隊長さんを育てるんですよ?隊長に必要な事は、これから教えてあげればいいんです。」



「む・・・」

「それは、そうですが…」

「うーん・・・。」


エリカのマトモ過ぎる発言に、皆は黙った。


「・・・エリカ、何か変なモン喰ったか・・・?」

「?????何がです?ロベリアさん」




「・・・じゃ・・・決まりという事で。」


グラン・マがやれやれといった具合で、話を進めようとするので、ロベリアが


「・・・ちょいと、待った!」


とストップをかけた。



「…その新人隊長を巴里華撃団に入れたら、アタシらが苦戦すると思う”新種”とやらに

 …確実に勝てるとでもいうのかい?」


言葉の一つ一つに棘を付けながら、ロベリアが言う。

気に入らない事はたくさんある。だが、ロベリアにとって一番気に入らなかったのは”自分達が負ける”と言われた事だった。


ロベリアを援護するように、グリシーヌも質問を重ねた。


「…グラン・マ…その点は私も確認したい。その人物は、隊長に相応しい実力を兼ね備えておるのだろうな?」



「実力だけなら十分だ。何せ新種と2回交戦して、唯一生き残っている人間だしね。」




「・・・・(・・・2回?・・・唯一?)」

ロベリアは、グラン・マの言葉にひっかかりを覚えた。

しかし、ここで質問してもきっとマトモな答えは返ってこないだろうと思い、日を改めて聞く事に決めた。




「ねえ…それって、強いって事?」

コクリコの問いに、グラン・マは頷いた。


「…かなり、ね。疑うんなら、手合わせくらい申し込んでみたらいいさ。」

と、グラン・マは、挑発するようにロベリアとグリシーヌに目線を向けた。



その挑発的な視線に、ロベリアは”あえてのってやろう”と思い、こう言った。



「ほう・・・じゃあ、こうしようじゃないか。

 巴里華撃団 隊長 入団テスト。

 アタシらの内の誰かがソイツをぶっ飛ばせたら・・・今回の隊長の話は無し。どうだ?」


「・・・随分過激なテストだねぇ。」

ロベリアの提案に、グラン・マは慌てる事無くそう言った。


「・・・え゛ぇ゛ッ!?」

驚くエリカをよそに、グリシーヌもロベリアに賛同した。


「ほう・・・ふふふ・・・なるほど・・・ふふふ・・・。ならば話は早い。私が、その者の首をとろう。」


「首って…待ってください!グリシーヌさん!物騒です!」

「ちょ、ちょっと…グリシーヌ…!」


エリカと花火が、ノってきたグリシーヌを慌てて止めたが…


「別に問題はなかろう。エリカも花火も、新しい隊長が軟弱な腑抜けでは不安であろう?

 ただ話を聞いていても、会っただけでも、その者の実力はわからん。

 だから、この私がこの身をもって試す。」


「でも、首を獲るなんて、問題大有りよ、グリシーヌ!」

「そ、そうですよ!グラン・マが実力があるとおっしゃってますし、エリカはそれを信じます!」


これ以上、暴力沙汰はゴメンだ、と穏便に事を処理しようとする2人だったが・・・


…火属性のこの女には、通用はしない。


「信じる信じない…倒す倒さないは、個人の自由。

アタシはアタシのやり方で、ソイツを見極めさせてもらう。気に入らなければ…」


そう言って、ロベリアは、指をポキポキと鳴らした。


「…入団テストには、私も賛成だ。それに…力は、必須だからな…」

グリシーヌもいつになく、目つきが鋭い。臨戦態勢だ。



実力至上主義。

弱肉強食。



いつから、こんな物騒な華撃団になったのだろう。

これでは、まるで”過激団”だ。



「・・・いいよ、あんた達の隊長の育成方針には、あたしは口を出さない。好きにしたらいい。

ただ・・・陰湿なイジメはカッコ悪いよ、先輩方。」


最後にチクリと釘を刺すように、グラン・マはそう言った。


問題児はそっぽを向いた。


「・・・・フン。」


もう一人の問題児?は、正々堂々と宣言した。


「虐めではない。グラン・マ・・・これは、私達の正当な権利だ。

私達と共に戦うだけの力、私達を統率できるだけの実力があるかどうか、確かめさせてもらうだけだ。」


そこで、花火が再び口を開いた。


「・・・あの・・・隊長就任の件は、すぐに決めなくても…そのグリシーヌ達の言う通り…いえ…

実力以外の事でも…あの、人柄とか、よく吟味してからでも、宜しいんじゃありませんの?

隊長育成、以前の問題として、新種の件もありますし…これからの事を考えたら、やはりここは慎重に進めるべきですわ。」



「ほう、珍しいね・・・花火が、そこまで言うなんて。

花組の事をそこまで考えてくれているとは、あたしは嬉しいよ。」



「え・・・あ・・・あの・・・・・・・・・・・ぽっ。」

自分は思った事を口にしただけだったので、突然褒められた花火は、恥ずかしくなって、照れた。



「・・・ボクは・・・よくわかんないよ・・・新しい人より、新しい敵の事の方が気になる…。」

コクリコは不安一杯の表情。


「ですから!そこは、新しい隊長さんと、力を合わせて頑張りましょう!おー!」


エリカは前向き、ヤル気満々。

天井に向かって拳を突き上げ、おー!と叫ぶ。



・・・・・・・・・。



コクリコは、エリカから視線を逸らし、憂鬱そうに呟いた。


「せめて、イチローみたいな優しくて面白い人だったらいいな・・・。」



「フン、隊長なんてヤツは一人で十分だ。・・・今までも、これからもな。」


そう言って、背中を向けてロベリアは支配人室から出ようとするのをグラン・マは一応引き止めた。


「どこへ行くんだい?ロベリア、話はまだ…」


「点呼の時間だ。刑務所に戻る。…アタシ、こう見えても、模範囚だからさ。」


ロベリアは片手を挙げて、ニヤリと笑った。

グリシーヌはロベリアの方を向かないまま、呆れ顔で呟いた。


「どの口でそれを言うか…。」


一方、ロベリアの言葉にエリカは感動の涙を流していた。


「ロベリアさん・・・エリカの知らない間に、そんなにも更正していらしたんですね・・・

 エリカ、感動で、涙が出て…きばひは…!」


見かねたコクリコが、ハンカチを差し出す。


「…はい、エリカ…ハンカチ。」

「コクリコ、ありがと…」



   ”…ちぃーん!”



「・・・鼻水じゃん・・・。」


優しい心とハンカチを鼻水で汚した、シスターエリカ。

エリカはお礼を言ってハンカチを返そうとしたが、コクリコは遠い目で『それ、あげる』というしかなかった。





「そうそう…隊長候補に言っておけ、もし、アタシに会いたければ、お前が来いってな。


 ・・・じゃあな。」


なんともロベリアらしい台詞を残して、ロベリアは支配人室を出た。




『うわ、出た!』『あーびっくりしたー…』

『…何してんだ?馬鹿コンビ…燃やすぞ。』


『『ひいいい…!』』



ドアが閉まり、ドアの外からは、メルシーがドタバタする音とロベリアの脅迫が聞こえる。

が、グラン・マは無視した。



「…まあ、ロベリアが最後まで、話を聞くわけはないとは思ったが…いや、早かったねぇ…。

 ここからが本題なんだけどさ…」


ロベリアが話の途中で抜けるのも予想していたらしいグラン・マは、苦笑いを浮かべて、話を続けようとした。

新しい敵の出現、新しい隊長が来るという話が、本題では無かっただと知ったグリシーヌ達は驚いた。



「…なんだと?新しい隊長候補の他に、まさか…新しい司令まで来るのではないだろうな?」


グリシーヌの言葉に、エリカは即座に反応した。


「…ええ!?グラン・マ!引退ですか!?隠居生活ですか!?」



「だれか隠居だ。そんな歳じゃないよ。あたしはまだまだ…」



グラン・マの言葉に、全員は薄ら笑いを浮かべた。


「「「「・・・・・はいはい。若い若い。」」」」


満面の笑みを浮かべて、グラン・マも答える。



「返事は1回だよ♪小娘共♪今度言ったら、鼻にマロニエの種、詰め込むよ。」




「「「「・・・はーい。」」」」


少し遅れて、娘達は素直に答えた。




「・・・さて、その新しい隊長だが・・・実は今日・・・」


と言ったグラン・マは一旦言葉をそこで区切り…


時計に目をやり、「ああ、もうすぐ汽車が到着するね。」とサラリと言った。




「・・・何!?」

「・・・えッ!?」

「今日って…もうすぐって…汽車って…!」

「それって、もうその人、来てるって事じゃない!」


なんと、新たな隊長となるべき人物は、巴里に到着しようとしていた。

エリカ達は、グラン・マのことだから、2,3日後の事かと予想していた。


ところが…予想をはるかに超えて『本日到着』と告げられ、心の準備も何もあったもんじゃない。


グラン・マはグラン・マで…

「そうなんだよ。相手は初めての海外だし、何かと不慣れだろうから、あんた達に迎えに行ってもらおうと呼んだのさ。

それをあんた達はグダグダと…話を長くして…1話だってのに、全然進みゃしない。」

と愚痴り始める始末だった。



それは、本題までの前置きが長かった。

・・・もしくは。


「グラン・マの話が下手だからじゃ…」


…花火のこの一言に尽きる。


しかし、グリシーヌは即座に理解した。


「話は、わかった…隊長候補は、巴里北駅にいるのだな?」


「そう。迎えに行ってやっとくれ。あとは・・・自由。」


グラン・マの言う…あとは自由、とは…話をするなり、巴里を観光案内するなりして

隊長候補とコミュニケーションを取ればいいという意味だったが。


あとは自由、という言葉をどう受け取ったのか、グリシーヌは不敵な笑みを浮かべた。



「・・・・・・・・・良かろう。私自ら、行ってやろう・・・”見送り”にな・・・」



ヒロインらしからぬ表情と低い声を出す親友に、そっと花火が釘を刺す。


「・・・グリシーヌ・・・”お出迎え”よ。あくまでも。」



ところが。



「よーし!では、エリカが一番最初に会って、ヒロインの底力見せ付けて

 好感度バッシバシ上げまーす!じゃ、いってきまー…」


不吉な言葉を残して、エリカが駆け出した。

噂の人物が、本日到着と聞いて、テンションが200%以上もUPしてしまったらしい。

勢いに任せ過ぎて、台詞の語尾すら途切れる始末である。


その後ろをコクリコが慌てて追いかける。


「あっ!エリカ!エリカってば!待ってよ…!早っ!

いつもの3・5倍早い!・・・あ、そうでもないや。とにかく待って〜エリカー!」


コクリコが出て行った後、グリシーヌも駆け出した。


「むっ・・・先を越されたか…ゆくぞ!花火ッ!!」


しかもグリシーヌの目は、完全に”狩人”の目だ。



「え・・・あの・・・ま、待って!早まらないで…!

 あ、あの、グラン・マ!私達、その方のお名前も何も聞いてないんですが…!」


花火は冷静になりきれないまま、グラン・マに隊長候補の情報を聞き出した。

グラン・マは…シンプルかつ解りやすいヒントを与える事にした。




「・・・・・・巴里の北駅で ”赤い” 人間を探しな。」




「・・・赤?」


「…そう、その人物は”赤い”から、すぐにわかる。ま、最初は驚くかもしれないがね…」


それは、服の事だろうか…花火には解らない。

花火は名前を聞き出そうとしたが…



「花火!何をしている!エリカに先を越されるぞっ!」



花火を呼ぶ、グリシーヌの肩にチラリと見えたのは、ブルーメール家名物(?)の斧の一部。


(ヤベぇ・・・コイツ、本気で殺る気だ・・・!)と花火が思ったかどうかは定かでは無いが

花火は即座に一歩下がって、グラン・マに一礼した。


「あ、大変!…すみません!グラン・マ…では、失礼いたします・・・。」



花火は、やや急ぎ足で部屋を出ると、静かに扉を閉め、その後は駿馬のごとく駆け出した。






「・・・やれやれ・・・。」



と言いつつも、支配人室に残されたグラン・マは、椅子に座り、楽しそうに笑っていた。

ナポレオンは、というと。

静かになったので、ようやく安眠できるなとホッとした様に、マダムの膝の上に乗って瞼を閉じた。



事態は動き始めていた。


笑っていられるのも、今の内かもしれないね、とグラン・マはそう呟いて、ナポレオンの背中を優しく撫でた。










その頃。



巴里北駅では、ちょっとした騒動が起きていた。








  それは・・・2話へと続く。


― 1話 終わり ―


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 『 エリカさんと反省会 〜あとがき〜 』



お疲れ様でーす。



エリカ:「お疲れ様です♪やっと始まりますね、紅姫編の本編!誰も待ってないだろうけれど!

  …で、修正ってどこ修正したんですか〜?」


・・・いや、あんまり突っ込まないで・・・それから、なんか凄く傷つく・・・。


エリカ:「しかも、肝心の葵さんと出会うことも無いまま…2話って…!」


・・・うん、それも突っ込まないで・・・うん・・・。


エリカ:「あの〜エリカ思うんですけど、ホントに、これ大丈夫なんですか?百合展開できます?

 オリジナルの隊長って、名前変えられるわけじゃないし、やっぱり厳しいじゃないですか?」


・・・え・・・うーん・・・うーん・・・わかっててやってます・・・放っておいて(泣)


エリカ:「今回は、前半は葵さんパートでシリアス…カグヤ事件を引っ張ったまま、後半エリカ達のパートでしたね〜」


そうですね、カグヤ事件真相はまだ明かさないで、話引っ張りますけど…。


エリカ:「後半、結局は、支配人室の会話だけで終わっちゃいましたが、エリカはいつもより出番多くって楽しかったですよ♪」


・・・あ、そうですね、エリカさん…紅姫編だとギャグで、ボケしかやってないですもんね。


エリカ:「紅姫恋愛編だと、ヘタレかエロスしかありませんもんねぇ…あ、エロスってなんですか?」


・・・知らないで言ってるんですか・・・?・・・知ってて言ってるでしょ?ねえ?


エリカ:「次回は、いよいよ出会いですね!グリシーヌさんの手が血で染まるんですよね!」


・・・いや、そういう出会いじゃないです・・・出会いっていうか、それじゃ死別じゃないですか。

次回は、巴里華撃団と隊長がちゃんと出会う話です。


エリカ:「私の出番ありますか!?」


あります。というか、貴女がいないと次回の話回りません。


エリカ:「おお〜!やった〜!」


と言うわけで、次回も、一部の人に捧げます。


エリカ:「本家とは、全く別物ですから、ファンの方は怒らないで下さいね〜♪」


いや、それはわかってます。本当に、すいませんでした。


エリカ:「時に、作者さん・・・・ここのやり取りって要りますかね?」


・・・・・・・・・・・・・・あ。


   END