時刻は15時42分。場所は、巴里北駅。


ちょっとした騒動が起きていた。




「きゃー!!」



まず、女性特有の高い悲鳴が上がった。


続いて、男性の特有の野太い声。




「だ、誰かー!ど、泥棒だー!ソイツを捕まえてくれ!泥棒だー!」








「・・・んお?」


エリカは、ペンキの刷毛を持つ手を止めた。

それを覗き込んでいたコクリコは、エリカの服を引っ張った。


「今の声・・・泥棒だって!エリカ!」


正義の血が騒ぐ、とはまさにこの事。

泥棒、と聞いて、エリカとコクリコは騒動の方向に顔を向け、自然と足を踏み出していた。


「人のモノを盗むなんて…許せません!捕まえましょう!」

「あっ!エリカ・・・せめて、看板置いていこうよ!」


元々は、新しい隊長候補を迎えに、いち早く到着していたエリカとコクリコだったが

肝心のその人物の特徴を何も聞いていなかった為

日本語で書いた看板を持って立とうとしていたところだった。


即席で作った看板には、赤いペンキで・・・



 『おつにそ!しやのねあるへ!』



と書かれていた。そして、右下のニャンニャンはコクリコが書き加えたものだ。


・・・どうやら彼女達は『ようこそ!しゃのわーるへ!』と書きたかったらしいのだが…


以前、帝国華撃団の歓迎会の時も多少の間違いはしていたが…

記憶があやふやになって、間違いは余計酷くなっていたようだ。



それはともかく。




巴里北駅は、ちょっとした騒動に沸いた。

訳がわからず逃げるもの、とりあえず見に行こうとする野次馬で、騒ぎは大きくなっていった。


「待てー!!」「誰かー!警察を呼べー!!」



遠くからその声が聞こえた矢先、エリカ達の目の前を赤いバッグを持った男が通り過ぎた。


「どけっ!」

「うわっ!?」


乱暴な男に突き飛ばされたエリカにコクリコが大丈夫?と声を掛ける。


「アイツだ!あの赤いバッグを持った男だー!!」

「宝石泥棒だぞー!赤いバッグを持って走っているヤツは泥棒だー!!」


なんと説明的で、親切な野次馬の叫びだろうか。

エリカはスクッと立ち上がり、コクリコと顔を見合わせた。


「……赤いバッグ…聞きましたね?コクリコ!」

「うん!あの人だ!!」



エリカは看板を持ったまま、コクリコはその後ろから犯人を追いかけた。



「こらー!止まりなさーい!人のモノを盗むなんて、神様の罰があたりますよー!!」



しかし、赤いバッグを持った男は止まらず、人ごみに紛れようとしている。


「・・・”止まれ”で、止まってくれる人なら、モノなんか盗まないよねー・・・。」


思わずコクリコは、以前ロベリアが言っていた台詞を呟いた。


「こらー!ばかちーん!止まりなさーい!今ならまだ、お尻ペンペンで間に合いますよー!!」



エリカの説得(?)空しく、男は北駅の中に入り込んで、人ごみをかき分けて、奥に入っていく。

このままでは見失ってしまう。




「どーろーぼー!待ちなさーい!!」





丁度、到着した汽車から降りた人々は、その騒ぎに驚いた。

赤いバッグを持った男・赤い服のシスター・幼女の順番で、次々と目の前を駆け抜けていくのだから。


ある人物は驚き、ある夫人は悲鳴を上げ、子供は泣き出し、巴里北駅は騒然とした。



そして、その騒ぎにその人物も思わず、振り返った。


少し大きめの陸軍のコートに身を包み、白い手袋をしたその人物は

僅かに聞こえた、とあるフランス語の単語に反応した。



「・・・・・泥、棒・・・?」



「どけどけー!!」「待てー!」「エリカー看板置いてー!人に…人に当たってるからー!」


その瞬間、赤いバッグを持った男・赤い服のシスター・妙にしっかりした幼女

・・・の順番で、次々と自分の目の前を駆け抜けられた。



「ん?・・・あれ、日本語だ・・・。」



ふと、二番目に通り過ぎた赤い服のシスターが持っていた看板に書かれていた謎の日本語が気になり、目で追った。






 『おつにそ!しやのねあるへ!』





「な、何アレ…?」



ごもっともな感想だ。


彼女は、反芻するように、看板に書かれていた謎の日本語を2〜3回頭の中で繰り返した。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか・・・!)



彼女は特別、勘の鋭い方ではなかったが、外国の人が日本語を書いたら、ああなるかもしれない、と思った。


・・・なんとも柔軟な発想の持ち主である。


いや、それよりも、目の前で起きた犯罪を放っておく事は出来なかった。

傍にいた駅員に声を掛けると、自分の荷物を預かって欲しいと頼んだ。


「あの…ど、どうするつもりです?」


駅員が尋ねると…当然の事のように、その人物は答えた。


「勿論、捕まえるんですよ。」


そう言うと、大きめの軍服のコートを身にまとった彼女は、『ヨロシクお願いします』と日本人らしく一礼した。

そして、騒ぎの発生元へと走り出した。









[ サクラ大戦 紅姫編 第2話 ]








「…まったく…グラン・マも人が悪い…。」

グリシーヌは、本日3回目のその台詞を吐いた。



新しい敵の出現情報。

・・・そして、新しい隊長候補がいる事。


この二つは、前々からグラン・マだけが知っていて、巴里華撃団の隊員には一切知らされていなかった。



そして、本日・・・その2つを聞かされた挙句。


その隊長候補が、いきなりご到着と聞かされ、エリカは出迎えに、コクリコはエリカの付き添いに

グリシーヌは、隊長候補の人物の首を獲るべく、花火は自分だけがその人物の情報を持っているため

それぞれが、それぞれの理由で巴里北駅に向かっていた。

花火は、とっくにシャノワールから出て行ってしまったエリカとコクリコに追いつくのは、もはや不可だとグリシーヌを説得した。

これで少しでも、いつもの冷静な彼女に戻ってくれたらと、花火は願うばかりだった。



「ねえ・・・グリシーヌ・・・本気なの?」


馬車の中、花火がグリシーヌの横で、静かに質問した。


「何がだ?」


グリシーヌは静かに腕組みをして、目を閉じて聞き返した。

落ち着きを取り戻したように見えたので、花火は再び説得を試みた。


「・・・その・・・来たばかりの隊長候補の方と・・・戦うって・・・。

 エリカさんの言うとおり、会ってすぐ決闘なんて…やっぱりいけない事だと思うの。」


それは、争いを好まない花火らしい意見だった。

花火も”新しい隊長”にはどちらかといえば、反対だ。

だが、グリシーヌやロベリアのように、戦って隊長の実力を試すとは、いささか乱暴過ぎる、と思っていた。


それに、エリカの『会ってもいない人をどうこう言って決め付けるのはいかがなものか…(花火訳)』には

少し、共感できるものがあったのだ。


だから、会ってみて、自分の目で確かめたかった。



「…実力が無い者を隊長と認めるわけには、いかんだろう。

 花火…この巴里を守る事は、私達の使命なのだぞ…足手まといは必要ない。」


キッパリとグリシーヌは言い切ったが、花火はグリシーヌの顔を見ずに聞き返した。





「…本当に、それだけ?」



「…どういう…意味だ?」




花火の静かな問いに、グリシーヌは少し動揺した。




「もしかして……いえ、違ったらごめんなさいね?

 …あの…大神さん以外の人だから、嫌なんじゃないかなって。」


花火のその言葉に、グリシーヌは眉をぴくっと動かしたが、目を閉じて言った。


「……それは誤解だ、花火。違うぞ。

 その……私達を統率出来ていたのは、確かにあの男だった。

 だが、別にいなくとも、今の私達はちゃんと統率されているし、隊長だって交代で確実にこなしている。

 だから必要ない、と言っている。

 それはお前もわかっているだろう?花火…」


「……素直じゃないんだから…」


花火も、その気持ちは、理解しているつもりだった。



自分も、グリシーヌも具体的な言葉にはしないが


巴里が平和になると共に、彼・・・大神一郎がいなくなって、どことなく寂しさを感じていた。


今まで、”隊長代理”にしていたのも…隊長を決めてしまえば、彼の居場所がなくなってしまう気がしていたからだった。


隊長という役職を、じゃんけんでたらい回しのように扱っていたのも、そのせいだ。

皆・・・ 誰が一番隊長に相応しいのかを、知っているから。




そこに大神以外の新参者が、隊長として来るなんて、納得できる筈も無い。




「と、とにかくだ…私達の誰かが、その者に勝てば、この隊長云々の話は、無かった事に出来る!

 会ってすぐに、私が決闘を申し込む、そして・・・首・・・いや、勝つ。」



グラン・マが嫌に自信たっぷりに『隊長候補の実力を疑うのならば、手合わせすればいい』などと

言い放ったのが気になっていたグリシーヌは、こういう面倒事は早く済ませておいて損は無いと思った。


「・・・会ってすぐに、決闘申し込まれたら、その人・・・さぞかし驚くでしょうね・・・(首が飛ぶほど)」


「それも仕方あるまい。」


「・・・・・・・。(ダメだわ・・・グリシーヌ、殺る気満々だわ・・・)」


花火は、困ったものだ、と表情に浮かべて溜息をついた。

馬車は、巴里北駅に到着した。


「さて…その”赤い人間”とやらを探すか。」

「そうね…グラン・マは…見れば解る、と言っていたのだから…」


「・・・エリカのような服を着ている、のだろうか・・・」

「だとしたら・・・見つけやすいわね。意外と派手だから。」


「ふむ・・・エリカのように、そそっかしい部分まで似ていなければ良いがな。」

「・・・・・・・・・ええ。」


花火は思った。


もしそうだったら、自分も新隊長には全力で反対しようと。



「む?なんだか、騒がしいな…エリカのヤツ、何かしでかしたか?」

「グリシーヌ…騒ぎといえば、エリカさんみたいな、言い方はどうかとおも…」





「大変だ!赤いシスターがーッ!!」

「警察は、まだかーっ!!」



2人は無表情になり、言葉を失った。



「「・・・・・・・。」」



2人の気持ちは、同じだった。



((・・・冗談で言ったのに・・・。))




力なく、2人は言葉を交わした。


「・・・ごめんなさい、グリシーヌ・・・。」

「・・・いや、気にするな・・・友よ。」


しかし、駅の中からは情報が錯綜しているのか、訳のわからない情報ばかりが聞こえてくる。



「ど、泥棒だー!」

「看板で顔を打った夫人がいるぞー!早く手を貸してくれー!」

「暴力シスターだー!」

「軍人らしきヤツが追いかけてるぞー!」

「赤いバックの男だ!早く捕まえてくれーっ!!」






「「・・・!!」」



情報は錯綜しているが、2人はとある単語に反応した。



「グリシーヌ…今…!」

「うむ…”赤い”バッグの男…なにやら、しでかしたようだ。

 …その者に会わねばならんな…巴里華撃団の名を汚される前に…。」


いや、まだその人が隊長候補かはわからないじゃない、と花火は言いかけたが

グリシーヌは人ごみをかき分け、ずんずん前進していった。


その後を追いかけようとしている花火は、人にぶつかった。


「待って!グリシーヌ…あ、ごめんなさい…待って…あ!ご、ごめんなさ…」


謝るたびに、花火が人ごみに飲まれそうになっている事に気付いたグリシーヌは、花火の手を掴んだ。


「…すまない、花火。私としたことが…はぐれてしまっては、意味が無いな。」


手を掴まれた花火は、ホッとすると


「…グリシーヌ…子供の頃以来ね?手を繋ぐの。」

そう言って微笑んだ。



するとグリシーヌは頬を染め、ばつが悪そうに言った。


「……そ、そんな事を言っている場合か!ゆくぞ!花火!赤いバッグの男だ!!」


「え、ええ…。(ちょっと、痛い…。)」







花火が、グリシーヌに引き摺られている一方その頃・・・







「こーらー!止まりなさーい!エリカが、エリカが…


 エリカが、ランナーズパイを起こす前に…とま…う・・・ウフフフフフ!」


「エリカー!しっかりしてー!ランナーズハイだよー!看板下ろしてー!」



「しつけえー!!」




赤いバッグを奪った男の逃走劇は、まだ続いていた。

男は常習犯らしく、逃げ足が速かった。

しかし、エリカの執念深い追跡に男はかつてない焦りを感じていた。



エリカ達が男を追い回していた御蔭で、すっかり巴里北駅はパニック状態になっていた。


パニックになればなるほど彼にとっては好都合。

今までそうやって、騒ぎに乗じて逃げきってきた彼だが…



「ウフフフフ…まぁ〜て〜!」


今回の追跡者は…今までの”それ”とは違っていた。


「ひ、ひいい…!?(…人間じゃねえ!あのシスター!)」



赤い暴走シスターが、謎の文字の描かれた看板を持って、笑いながら追いかけてくる。

泥棒でなくとも、恐怖を感じ、逃げざるを得ない。




「オラっ!どけぇッ!」


男はついに、線路の上に降り、逃げ始めた。


「逃がしませんよー!…うふふ…」


続いて、ランナーズハイ状態のエリカも華麗に線路の上に降り、追いかける。

線路を辿れば、泥棒は駅から外に逃げられてしまう。



「え、エリカー!危ないよッ!」

コクリコは降りようとしたが、線路の上に降りるのを躊躇い、エリカに注意するだけにとどまった。



「大丈夫でーす!コクリコはそこにいてくださーい!!」




それを見守る人々は、皆、心のどこかで不安を感じ始めた。

それは、追跡者がエリカだから、ではない。






『・・・もしも・・・今、列車が、来たら・・・!』






現在泥棒とエリカが走っているのは、本来汽車の走る場所だ。


「駅員は、何やってるんだッ!」

「オイ!あの2人…線路に入り込んじまったぞ!」

「警察はまだなのッ!?」


周囲の大人たちの大声の中から、とんでもない声が響いた。


「タイヘンだ!!汽車が…汽車が来るぞー!!」



「・・・え!?」



コクリコが線路の向こうに目をやると・・・

遠いので、小さくみえるが・・・紛れも無く、轟音を響かせて汽車がこちらにやって来るのが見えた。


コクリコはホームの縁を走り始めた。


「エリカー!エリカー!大変だよ!汽車が、汽車がこっち向かってるって!!」


宝石泥棒とエリカは、よりにもよって、その汽車に立ち向かうような形で線路を辿って走っている。

コクリコは、エリカに知らせようと走りながら叫んだ。



「・・・えっ!?…そんな、待って下さーい!泥棒さーん!!このままだと、危ないですよー!!」


さすがのエリカも、迫る危険には気が付いた。

線路の上を走りながら、自分の前を走る男に忠告をするのだが…



「待てといわれて誰が待つかー!!大体、オマエがアブナイんじゃー!!」


男は、危険を承知で逃げる事を最優先に選んだ。

ホームには人が溢れており、もはや線路上を走るしか彼には逃走経路がなかったのだ。


汽車が轟音を立てて、駅に近付いてくる。

駅員が慌てて緊急停車のサインを出すが、減速は間に合うかどうかもわからない。



しかし、早く汽車を止めるか、2人をホームに上げないと、2人とも轢死してしまう。




「・・・エリカー!線路から上がってー!もう、汽車が…ッ!」


危険を察知したコクリコの声は、周囲の声や汽車の轟音にかき消される。


「・・・こうなったら・・・ボクが・・・!」


意を決して、線路に降りようとするコクリコの肩を、白い手袋をつけた手が引き止めた。



「待って!」

「・・・!?」



やや大きめのコートに身を包んだ、異国の軍人らしき小柄な人物。



「危ないから、君は下がっていて!私が行くから…!」



帽子を被っていて、顔は見えなかったが、コクリコは、自分の肩に触れるその手から

ある種の”力”を感じ取った。




「・・・あ・・・(…この感じ・・・この人・・・!)」



「お願いします、これ…持ってて下さい…。」



「あ、ちょ、ちょっと…ッ!!」



コクリコが声を掛ける前に、その人物はコートをコクリコへ預けると、線路に降りて駆け出した。







「ま、待ってくださーい!それ以上行ったら・・・死んじゃいますよー!!!」


エリカは懸命に追いかける。

彼女は悪人を更生はさせたいが、殺すつもりはないからだ。

しかし、男は止まらない。エリカの言葉すらも聞こうとせず、線路の上を逃げ続けている。


男には、とある策があった。



「(ギリギリまでひきつけて・・・ホームの上に飛び乗ってやる・・・!

 後ろのシスターには悪いが、轢かれてパニックになった所を逃げさせてもらうぜ)」


男は、エリカを犠牲にして、まだ逃げようとしていた。

うっすら邪悪な笑みを浮かべて男は更に逃げる。



汽車の運転手が駅員のサインに気付き、急停車を始めたが、それでも尚、止まる事はなかった。


「このままでは…あの泥棒さんが死んでしまいます!

 …神様ッ…!…今こそ、エリカの脚力にお力を…ッ!!」


エリカは必死に手を伸ばす。

自分が追いかけなければ、こんな事にならなかったかもしれないと頭の片隅で考えながらも

今は只…手を伸ばす。




すると、男がエリカの方を振り向いて、ニヤリと笑った。




「・・・ッ!?」





「…エリカー!!」







「お、オイ!何してんだーッ!!」

「もうダメだ!汽車がー!!」


人々は数秒後に起こるだろう惨劇を覚悟して、目を瞑った。



線路の上に降り立った人物は、走りながら白い手袋をつけた両手を、2人に向けた。

ただ目の前の事を処理する…その一点に集中した。





「(・・・お願い・・・上手く、掴ませて・・・)」




初めての海外で、しかも、久々に使う”それ”が、上手くいくかどうか自信が無かった彼女は

”力”を使う事を戸惑った。


しかし、状況は今、自分がやらねば…2人の人間が自分の目の前で死ぬ事になる。



彼女・・・月代葵は…半年振りに、その力を解放した。





「・・・・・『風来』ッ!!」






 ――― 次の瞬間 ・・・風が起こった。










「・・・っ!?」

「・・・グリシーヌ・・・今の・・・!」



グリシーヌと花火は、それを感じて、思わず立ち止まった。




「…ああ、私も感じた。間違いない。霊力だ…それも、かなり…」

「・・・噴き出して溢れて、こっちに流れてくる感じ・・・まるで、風のよう・・・」



花火の台詞を遮るように、突風が巴里北駅構内全域を駆け巡った。



「きゃー!!」

「ぅわっ!な、なんだぁ!?」



人々の間を吹き抜ける風。




「「―!!」」



2人は、その風に霊力が混じっている事に気付いた。



「グリシーヌ、今の風は・・・まさか・・・」

「…霊力を感じる…もしや、例の隊長候補なのか、も・・・・・・ん?」


途中まで台詞を言いかけたグリシーヌが、ふと上を見上げた。

花火もそれにつられて、上を見上げた。



・・・何かが、こちらに真っ直ぐ、落ちてくる。



「何かしら・・・?」

「…うーむ…」


天井のガラスから差し込む光に2人は、目を細めその場から3歩ほど、後ろに下がってみた。




その途端!!




「・・・・・・・ぅう〜わ〜・・・へブッ!!」




べしゃっと、音を立ててグリシーヌと花火の目の前に、男が落下してきた。

・・・赤いバッグを抱えた男が。



「・・・なっ!?」「まあ・・・!」



「…う…うう・・・・・」


腕を押さえ、苦しそうに呻く男に、花火は驚きながらも駆け寄った。


「ど、どうして…この人、空から落ちてきたのかしら…いえ、とりあえず…怪我を治療しなくちゃ…」


花火が、運ぶから手を貸してとグリシーヌに言おうと振り向いた時…

グリシーヌの視線が、男の腕に抱えられた赤いバッグに集中している事に気付いた。


(まさか…)と思う花火の前で、グリシーヌは決断した。



「・・・・・花火、とりあえず・・・私は私のすべき事を優先する。」

「・・・え?(・・・やっぱり・・・!)」





「・・・”赤い”人物に該当する人物は、即効・・・駆逐だ。」

冷静なグリシーヌの目に力が入る。

「ちょ、ちょっと…グリシーヌ?」



男が苦しそうに、助けを求めた。


「あ・・・あぁ・・・も、もう悪事はいたしませ・・・お、お願い・・・た、助け・・・・」

涙目で懇願する男に、花火は可哀相と同情した。


「………なんと軟弱かつ不甲斐無い…これが、隊長候補か…」

グリシーヌは呆れて、吐き捨てるように言った。


「あ、あの…グリシーヌ、この人怪我をしているし、多分…ちが」


花火は、男から霊力の欠片も感じない事に気付いて、斧をどこからかスルスルと用意し始めた親友に話しかけた。


「…そいつ、宝石泥棒だぞ!!」

「捕まえろ!」「早く!警察に突き出せ!!」

「この悪党め!」「アンタのせいで、怪我人も出たのよ!」



いつの間にか、周囲には人だかり。

あろう事か、グリシーヌを焚き付けるような言葉をガンガン吐いている。


「な、なんだよぅ…俺、怪我してんだぞぉ…許してくれよぅ…こ、これ…折れてる、絶対骨折れてるよぉ…」


泥棒男は、とうとう泣き出した。


深い深い溜息をついて、グリシーヌは言った。


「…………重ね重ね…何という事だ…もうこの者、見るに耐えん。花火、下がれ…。」

そして、花火の肩に手を置いて、男と距離を取らせた。


「ぐ、グリシーヌ…!」



グリシーヌは、斧を振り上げた。



「・・・やはり、隊長は必要なかった。…さらばだ、隊長候補ーッ!!」




「ナッ…ナンノコトデスカー!?!?」




   ”・・・・・・コン。”


グリシーヌは、斧の柄の部分で男の額を殴り倒した。

男は口をぽかんと開けたまま気を失い、グリシーヌはそれを見下ろし、こう言い放った。



「・・・貴様は首を落とす価値もない。・・・誰か!この者を警察に突き出しておけ!」


「グリシーヌ…」


花火は、ホッと胸を撫で下ろした。



「おー!貴族様が退治されたぞー!」


巻き起こる拍手と歓声。

勝ち誇った貴族の笑い声と人々の歓声で、巴里北駅にかつてない賑わいに包まれた。





「さて・・・花火、これからどうする?エリカと合流でもするか?」


そう聞いてきたグリシーヌは、少しスッキリしたような顔をしていた。

花火も気を取り直して、という感じで、到着した汽車の方を向いて言った。


「…そうね…とりあえず……気になる事もあるし、奥へ行ってみない?」

「・・・先程の”風”か。」


花火の視線もグリシーヌの視線も、先程の風の発生源を探していた。


「ええ…あっちから、吹いてきているような気がするわ…。」

「ふむ…では、行ってみるか………まだ、少し…感じるな。」


不思議な風を、2人は探し始めた。








一方。





(あー…やっちゃいました…いつか、こうなるんじゃないかな〜とか思ってましたけど…

 汽車に轢かれても、こんなにふわふわしてるし、痛みも無いし…本当に、エリカ…死んじゃったんですね…


 ああ、神様のいる所に行けるのなら、怖くは無いんですけどー…

 やり残した事があると言うか…こんな事なら、プリンとメロンを昨日にドカ食いしておくんでしたね…

 天国にもあるんでしょうか…プリンとメロン……天国ですもの、ありますよね♪


 ・・・あ、そうだ。エリカの日記も処分してないです…色々書いちゃったから、恥ずかしいなぁ…)



エリカは、今までの人生を振り返っていた(?)。

軽過ぎるが、彼女は彼女なりに”真剣に”自分の人生を振り返っている。



(そういえば…新しい隊長さんに会う前に、エリカ死んじゃいましたね…

 せめて、一目見たかったなぁ…グリシーヌさん達と仲良くやってくれるかどうか心配です…)



エリカは、自分は死んだのに、妙な開放感だなと思っていた。

頬を撫でる柔らかい風の気持ち良さに、エリカは目を閉じたまま、このまま眠れそうだとのん気に考えていた。





「・・・あの、大丈夫ですか?」



声が聞こえた。



「・・・え?」



その声に、エリカが目を開け、声の方向へ顔を向けた。

すると太陽の光で目が眩み、エリカは目を細めた。




「だ・・・誰・・・?」




顔がよく見えない。

エリカはその人物に抱きかかえられていた。

俗に言う…お姫様抱っこだ。





その瞬間、エリカはハッとした。


私、死んでない!とも気付いた。




エリカは、生きたまま、空にいた。



下を見下ろすと、巴里北駅らしきものが見える。

エリカは、先程自分が死んだと思われる場所より、更に高い場所に舞い上がっていた。

しかし、彼女の体は落ちる事もなく、尚もゆっくり上昇しているようにも思われた。


「わ、わわーッ!」

その高さに、思わず自分を抱えてくれている人物の首元にしがみついたが

「わー!?誰ですか!?」

まるで見覚えの無い人物に、二度驚く。



「う・・・浮いてる・・・空を、飛んで、る・・・?・・・エリカ・・・空飛んでいるんですか・・・?」



”落ち着きなさい”とでも言いたいのを堪えて、その人物はゆっくりと言った。



「まあ、みたいなものです。…大丈夫ですよ、今、ゆっくり降りてますから」




自分と一緒に空にいる人物のたどたどしいフランス語の説明に、エリカは口をぽかんと開けていた。


今、空を飛んでいることにも驚いてはいるが、何よりもエリカの目を驚かせたのは・・・。




「・・・赤い、髪・・・。」




エリカを抱きかかえたその人物は、長く赤い髪をしていた。


白いYシャツとやや大きめのズボン。なんとも女性らしくない格好の人物だった。

左頬には絆創膏が張られているが、何と言っても目を引くのは、後にも先にも赤い髪の毛だ。



太陽の光で照らされた赤い髪の毛を、エリカは珍しいと思う前に、心の底から綺麗だと思った。



「……あの…すっごく、赤いですね…綺麗です。」



正直すぎるエリカの感想に、赤い髪の女性は瞬きして思わず、笑ってしまった。


「……これでも、地毛なんです。…どうやら…帽子、どこかに飛ばされてしまったらしくて。」


髪をかきあげて、彼女は”まいったなぁ”と呟いた。

どうして彼女が笑ったのか、エリカには解らなかったが、彼女の柔らかい微笑みに思わず見とれた。

しかし、彼女の微笑みはすぐに消え、下をしきりに気にしていた。



「・・・あのぉ・・・聞いても良いですか?赤毛さん。」

「・・・はい?(赤毛って…)」



「どうして、エリカと貴女は…空にいるんでしょう?」


エリカの問いに、彼女は考えを巡らせた。

一から説明して、この赤い修道服のシスターに解るだろうか?と考え、ここは無難に済ませようとこう言った。


「…貴女が、無茶をするからです。」


「え・・・?」


「線路の上に降りて、泥棒を追いかけて…危うく汽車に轢かれる所だったんです。」

「えぇ〜と・・・それはうっすら覚えてます。でも・・・そこから、覚えてないんです。

 エリカは、それからどうやって、空に…?」


…空に浮いている、という状況にも関わらず、エリカが冷静であることに女性は内心驚いた。


「まあ…普通は、信じられないですよね…夢だと思って、忘れて下さい。」

そう言って誤魔化してはみたものの、エリカにそれは通用しない。


「そんな!信心深さならエリカ、負けません!それに現在進行形で、起きてます!」


そういう意味じゃないんだけどな、と呟きながらも、赤い髪の女性は、渋々説明した。


「風で貴女を舞い上げて、泥棒は、ホームの上によじ登って逃げようとしたので、風で吹き飛ばしまして…

 その後、貴女が落下しないように空中でキャッチして……」


女性はそこまで説明して、気まずそうにチラリと横目でエリカをみた。

エリカは、目線を上に向けて、状況の整理を始めた。


「ふむふむ、つまりー…………赤毛さんはエリカの命の恩人で…

 えーと・・・”風使いさん”なのですね!」


状況の整理は、エリカなりに済んだようだ。

エリカの無邪気な笑顔の前で、赤い髪の女性は、少し考えて”その表現は一理あるな”と納得した。


「・・・あ、まあ・・・そうですね。ええ。風使いです。」


「ありがとうございます♪赤毛の風使いさん♪」


・・・勝手にあだ名をつけられた彼女は、思い出したようにエリカに尋ねた。

元々、それが気になっていたから、彼女を追ってきたのもあるのだし。


「そうだ、エリカさん…お尋ねして良いですか?」


「・・・ど、どうしてエリカの名前がエリカだと知ってらっしゃるんですか!?

 確かにエリカはエリカ=フォンティーヌです!すごいです!赤い髪の風使いさん!!」


「いや、さっきから貴女が自分で連呼してるから、解っただけですよ。

 あの、それより…さっき貴女が持ってた『日本語の看板』の事なんですけど…あの場所って…」


「あ…読めました?日本語なんですよ、アレ!

 エリカは、フランス人なんですけど〜日本語は得意なんですっ♪

 あ、あれが読めたって事は、もしかして…赤い髪の風使いさんは、日本の方ですか?」


看板の話をしただけなのに、嬉しそうにエリカは女性の首につかまったまま、足をブラブラさせて、ニコニコと笑顔で喋り始めた。

エリカの無邪気な人懐っこさに、赤い髪の女性は少々面食らってはいたが…

その明るさに、つられて自分も笑顔になりそうになるのを抑えた。


「…ええ。髪のせいで、何人か解らないってよく言われますけど。」


「へえ〜日本から来たんですかー…巴里には何をしに?観光ですかー?」



「ああ、それは・・・」


とそこまで言いかけて、赤い髪の女性は口を閉じた。

このシスターと話していると、なんだか知らない間に何もかも話してしまいそうだと、自省するように頭を振った。

そして、自分が尋ねようとしてる事が、いつの間にか、どっかにすっ飛んでしまっている事にも今、気付いた。



「・・・そろそろ、地上に降ります。すみません、駅から少し遠ざかりましたが、人目につくと何かと面倒ですから。」


彼女は、すでに帽子も無くしてしまっている。


このまま駅の真ん中に降り立ってしまったら

派手な赤い髪の女が、派手な赤いシスターを抱えて空から降りてきた…なんて言われる…かも。

面倒な出来事に巻き込まれて、新しい職場への到着が遅れるのは避けたかった。



「あぁ、いえいえ。貴女は命の恩人ですし。

 それに…エリカもちょっと解りますよ…こういう力って人前で使うのやっぱり…」


そこまで言いかけると、エリカはまた笑った。



「え・・・?こういう力って・・・」


少々驚いたような表情で、エリカの顔を見る女性。

エリカはエリカで「どうしました?」という表情で、赤い髪の女性を見ていた。

不思議な距離と雰囲気で見つめあう中、2人は地上に着地した。

地上、と言っても、駅のそばの小屋の屋根の上だった。


幸い、巴里北駅の中の騒動に人々の目が向いていた為、誰も空から人が降りてきている事になと気が付いていなかった。

駅員に発見、怒られないうちに、そそくさと2人は小屋の上から降りて、巴里北駅の玄関へと向かった。

















同時刻、巴里北駅前では、コクリコ・花火・グリシーヌの3人が複雑な表情で立ちつくしていた。


「…事情は大体解った。

 …それで…エリカが線路上から”消えた”というのは、どういう事だ?今、どこにいるのだ?」


3人が合流出来た、までは良かった。

しかし、彼女達の抱える問題は、1つから3つに増えた。



隊長候補は来ない。

謎の風も謎のまま。

そして、エリカがいなくなった。



「…ボクもわかんない。汽車に轢かれる!…って所までは皆、見てたんだけど…本当に、パッと消えちゃって…

 ・・・ボク、マジックやってるのに・・・あんな一瞬で消えるなんて・・・

 それで、残ったのは、これだけ。」


コクリコは、駅に落ちていたエリカの手作りの看板を持ちながら、溜息をついた。



「・・・案外、汽車の下に引っかかってるとか、汽車に張り付いてるとか

 そこら辺に落ちているではないのか?よく探したのか?」


「駅員のオジサンと一緒に、ゴミ箱の中まで、よく探したもん。プリンあるよ〜って呼びかけにも反応無かったし。」


2人の真剣な表情でかわされる、あんまりな内容の会話に、花火はそっと言った。


「…2人共、エリカさんが聞いたら泣くわよ…

 …それにしても、コクリコ…そのコート、どなたのですの?」


「ん?あ、これ?・・・白い手袋した知らない女の人に、預かってほしいって…

 そう言えば…その人も線路の上にいたんだけど、エリカと一緒にいなくなっちゃって…。」


そう言って、コクリコはコートを花火に見せた。

花火は、コートをコクリコから預かると、広げてみた。

大柄な女性なのか…女性物とは思えない大きさだった。


グリシーヌは、はあっと深い溜息を吐いた。


「・・・はぁ・・・やはり”赤い”だけでは、人を探すには情報不足過ぎるな。」

「もうシャノワールに着いちゃってるかもしれないし、ボクはエリカの事が心配だよ。」



「…………あ。」


コートを広げて見ていた花火が、声を漏らした。


「どうした?」


花火の指差す方向から、聞き覚えのある元気な声が聞こえてきた。







「みーなーさぁ〜…へぶんっ!!」




エリカが、両手を振りながら元気よく駆けてきて、一回転んだ。


「あぁ…間違いないよ、エリカだぁ…安心した。」


エリカのいつもの姿を見て、コクリコ達は心底ホッとした。


「やはり、生きていたか・・・まったく・・・心配かけて・・・。」


苦笑するグリシーヌの隣で、花火は目を見開いていた。


「グリシーヌ…落ち着いて、よく見てみて…」


しかし、花火が指をさしたのは、エリカではなかった。


「ん?どうした、花火…」

「今、転んだエリカさんに手を貸している人…。」



グリシーヌは、花火に言われた通りにエリカの後ろに視線を移した。



「・・・大丈夫ですか?エリカさん。」

「あ、ありがとうございます〜赤い髪の風使いさん♪」



長く赤い髪を風に揺らし、エリカの腕を掴む白い手袋をつけた女性。

大きな旅行カバン一つを片手に持って、エリカと一緒にこちらに歩いてくる。



「・・・花火・・・今・・・」

「ええ、全部言ったわね。私達が求めてる全てのキーワード…あっさりと。」


まさか、と思い始めた花火とグリシーヌの目の前に、エリカと赤い髪の女性は歩いてきた。


「もう、エリカ!どうしたんだよ!ボク、心配したんだからね!」



「いや〜エリカもさすがに死んだかと思いました♪

 あ、こちらの方がエリカを汽車から助けて下さったんですよ♪

 ココだけの話ですけど…この方は風使いなんですよッ!エリカ、風で空飛んだんですよ〜♪ばあっと♪」


「え・・・そうなの?」


エリカは興奮した様子で、嬉しそうに話し

コクリコは珍しそうに女性の髪と顔を交互に見た。


赤い髪の女性は、あんまり喋らないで欲しいとハラハラした表情でエリカとコクリコを交互に見ていた。


エリカとコクリコは空を飛んだ話に花を咲かせ始めた。




「「・・・・・。」」


グリシーヌと花火は、赤い髪をジッと凝視しつつ、考えていた。



エリカは見つかった。

謎の風の発生源も解った。


そして・・・一目見れば”赤い”と解る人物も目の前にいる。



「「・・・・・・。」」





赤い髪の女性は、ふと花火が手にしているコートを見て、白い手袋をした手を差し出しながら言った。



「・・・すみません、私のコートです。」


花火は素直にコートを手渡しながら、話を切り出した。


「あの、失礼ですが…貴女は…もしや、テアトル・シャノワールへ行く予定はありませんか?」



花火にそう聞かれると、赤い髪の女性は、まだたどたどしいフランス語で答えた。



「・・・ええ、そうです。エリカさんの看板を見て、知ってるならば、後で場所を聞こうと思ってました。」





『もしかして・・・』が確信に変わった。




「・・・では、貴女が・・・!」

「私達の新しい隊長、候補…か!?」




「「・・・え?隊長!?」」



コクリコとエリカは、空を飛んだ話を止め、ついでにピタリと動きも止めて、赤い髪の女性を見た。



赤い髪の女性は、静まり返った空気に少し驚きつつ

動きが止まったままの4人の乙女達の顔を見ながら、とりあえずこう言った。





「・・・あ、あの・・・申し遅れました。私、月代 葵と申します。

 えと・・・上司にテアトル・シャノワールへ行くように言われております・・・。」



赤い髪の風使いさん、こと・・・月代 葵は、顔を引きつらせながら一応、無難な挨拶をした。

外国人(花火は日本人だと一目で解った)に囲まれ、凝視されるのは…生まれて初めての経験だったが

まさか目の前の彼女達が、自分の仕事先の部下になろうとは、頭の隅にもなかった。


エリカ達も、同様・・・赤い髪の女性が、自分達の隊長候補になるのだとは頭の隅にもなかった。


しかし…グラン・マの話と照らし合わせて考えると…紛れもなく…

目の前にいる月代葵という人物は…新隊長候補であるという結論に達してしまう。



しばらく葵を観察していた4人だが、沈黙を破り、口を開いた。



「「「「え・・・ええええええええええええええええ!?」」」」



「ひいぃっ!?」




4人の奇声と1人の叫びは・・・巴里の夕暮れの空に、それはもう・・・迷惑なくらい響き渡った。













― 2話 終わり ―


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『 エリカさんと反省会 〜あとがき〜 』







お疲れ様です〜


エリカ:「いやぁ、や〜っと!出会えましたね♪」


はい、やっとこさですね…


エリカ:「…で、次回どうしましょう!?」


・・・今、その話しますか・・・。


エリカ:「エリカ、まだ・・・名物のマシンガン乱射もやっていませんしー。」


やらないでって、一応ツッコんだ方がいいですかね?そこ。

次回は・・・色々戦う予定です。



エリカ:「はいはいは〜い!あの〜このサイトの主軸であり、肝心の百合展開は?」


・・・・・・・・・そ、それなりに・・・。



エリカ:「・・・・・・嘘はいけませんよ?」


・・・・・・・・・・う。


・・・と言うわけで、次回も、一部の人に捧げます!


エリカ:「あ、ごまかした!」


はいはいはいはい!では〜次〜回〜!



エリカ:「本家とは、全く別物ですから、ファンの方は怒らないで下さいね〜♪」


本当に、すいませんでした。




END