アタシの名は、火鳥。

下の名前?・・・その質問は、必要かしら?


あなたとアタシの間に、それ以上の関係が生まれるなんて事ないでしょうし、苗字だけで十分でしょう?

アタシは、無駄な時間と人間は嫌いなの。

事は、手短に済ませましょうよ。



現在、アタシは…信じたくないんだけど、呪われてるらしいのよね。


・・・フッ・・・今時呪いって・・・言われた時、どうかしてると思ったわ。


…でも、まあ…アタシが呪われているのを認めざるを得なかったのは、事実よ。



今日は、それを話してあげる。

二度は言わないわ。



それから。



・・・誰にも、言っちゃダメよ?わかったわよね?



馬鹿になりたくない、でしょ?







  [ 火鳥さんは、暗躍中。 〜 もう一人の女難の女 その1〜 ]









この世の中、馬鹿ばっかり。

教育が悪いとか、そんな問題じゃないわ。


・・・大体、馬鹿は”考えない”のよ。


もしくは、頭を使うという事を”知らない”とも言うのかしらね。





「火鳥さん…これ、どうしましょう?私じゃ処理できないの。」


外出先から帰って来た私に、同じフロアで働いている女が、話しかけてくる。



アタシは、ここで・・・まあ、俗に言う、インターネット関連のお仕事をしている。

ネット関連と言っても、何でも屋に近い。

あれもコレも、と、どんどん仕事の量も質も膨らんでくる。


高学歴のおかげで、就職は苦ではなかったし、仕事も特に苦労はしてない。


そう・・・・・仕事”だけ”は、ね。




女からコレと渡された資料に、一応目を通す。


・・・30分程度で処理できそうな仕事だ。



「…わかったわ…ワタシが、やっておく。」


・・・アンタに任せると、2時間掛かりそうだからね。


「…ああ、助かるわ…火鳥さん。ありがとう。」


ホッとした様に笑う女に、私は首をかしげて忠告する。


「・・・どうでもいいけど、この程度の事、少しは、一人で処理できるようになってくれない?」


30分でもアタシの手を煩わせる事に、少しは反省をして欲しいものだわ。


「・・・あ、そ、そうね…ごめんなさい。」


「謝るより、やってみせて頂戴。」



使えない馬鹿ね…だから腰掛けって言われるのよ。



口だけなら、何とでも言えるのだ。




アタシが欲しいのは、言葉じゃない。結果だ。目に見える、確かな結果が欲しいのだ。


それが、どうしてこの馬鹿達には伝わらないんだろう。



「いやいや、女の陰口も怖いけど、それ以上に怖いねぇ…火鳥嬢は…」

「あんな言い方しなくってもねぇ…」「いつもの事じゃない。」

「仕事できる事、鼻にかけてるのよ。ワタシ、エリートですって態度丸出しじゃない。」

「実際、エリートじゃないか。俺らより、仕事は出来るかわりに…」

「性格も悪い、と。」


「「ふふふ…」」「「ははは…」」





「・・・・・・・・・。」




自分から考えず、動かないクセに、馬鹿は、誰かが引っ張ってくれるだろうなんて、安易に思って

考える事と動く事をしない。自分達を導いてくれるリーダーを待ち続ける。


考えないで済むし、動き方を教えてくれるリーダーを待っているのだ。失敗したら、リーダーの責任にすればいい。

リーダーが気に入らないと、アイツはダメだとこき下ろせばいい。


馬鹿にとっては、自分が楽できればいいのだ。



馬鹿は群れを作る割に、群れを大事にしない。

馬鹿は群れを作る割に、まとまりもクソもあったもんじゃない。

馬鹿は群れを作る割に、群れの中で争うときたものだ。





・・・じゃあ、何のために群れてるの?あんたたちは。





「……随分、丁寧に褒めてくれるじゃないの。」



「「「「「…!!」」」」」


普段、アタシが反応しないから、調子に乗って

多少聞こえても問題ないと思っていた馬鹿達は、アタシの言葉に固まった。




世の中、馬鹿ばっかり。

どうして、己の力で考えて、動けないのかしら?

どうして、垂れ流される情報に、ただ流されて生きられるの?

そんなの、どうかしてるわ。



世の中、誰かの作り上げた偽善と嘘ばかりじゃないの。



アタシは、そんなあんた達の感覚に、ついていこうとは思わないし、自分の感覚についてきて欲しいとも思わない。



「ところで、皆さん…自分の不出来を嘆くより、せめて下っ端なりの仕事してくれないかしら?

 ・・・あと”騒音”も撒き散らさないでくださる?耳障りなの。」



瞬きせずに、そう言うと、馬鹿達は目を逸らし、黙った。


すると。




「ねえ・・・・どうして、仲間にそんな言い方できるの?火鳥さん。」



馬鹿の中の一人が、そう言った。

正直驚いた。


「・・・”仲間”?」


・・・その使い古された単語に、アタシが加わっていた事に、だ。


「…そうだよ、同じ会社で働く、仲間でしょ?そりゃ、あんたの方が…仕事、出来るかもしれないけどさ

 アンタのせいで、オフィスの雰囲気が悪くなってるの、わかんないの?

 言われる方にも、問題ってあると思わない?だから、皆、アンタの事を、そんな風にしかみないのよ?」



・・・雰囲気ねぇ・・・笑わせるわ。


逆に言えば、その雰囲気をぶち壊すヤツは、敵って訳ね?

コミュニケーションをとれない、とらない、とりづらいヤツは・・・そんな風に見られて当然、と?



・・・馬鹿馬鹿しい。



「…じゃあ…”仲間”と”雰囲気”で…仕事してるわけ?アナタは。

 あんまり言いたくないけど、あなたの今言った事って…


 イジメられてる子に対して、イジメられる方にも問題あるって言ってるようなモンよ。


 自分は、そこで一緒に喋っていた、単なる”傍観者”だったクセに、ね。

 だったら最初から陰口叩くより、ちゃんとワタシに言えばいいじゃない?

 ・・・ワタシが納得できるように、論理的にね。」



まあ、アタシはいじめられっ子なんて柄じゃないし、いじめられて黙ってるような事はしないけどね…。

・・・陰口、聞こえていないとでも思ってたのかしらね?それとも、アタシが噛み付くとも思ってなかったのかしら?


貴女の考え方は『文句言われたくなければ、大人しく仲間ごっこに加わっておけ』という事でしょ?


それに従ったアタシに、何のメリットがあるの?


大体、アタシは、ココに仕事しに来てるのであって、アンタ達馬鹿と遊びになんか来てないのよ。

アンタ達とは、違うのよ。



「い、いや、私が言いたいのは…そんな事じゃ…!」


焦る傍観者Aをアタシは鼻で笑った。

周囲のヒンシュクを買う事は、慣れている。

陰口だって、言われているうちが華だと思っているし、アタシは自ら馬鹿に関わろうなんて真似はしない。

程よく距離を取り、仕方なく関わってやっているだけだ。

だから、勝手にこっちの領域に入ってきた馬鹿に一言言ってるだけ。



アタシは何も悪くない。



「…ここにいる人間が、無駄口叩くの止めて、キーボード叩いたら、仕事は進むわ。

 仲間と下らない事喋ってる時間が、無駄だと思わないの?

 まさか、これがコミュニケーションだなんて、いわないわよね?

 ああ、そうか…ワタシの陰口で、あなた達は、仲間として結束できて、仕事が進むのね?

 じゃあ、好きに言えばいいわ。だけど、そんな暇あるなら、最低限の仕事はして頂戴。」



・・・静まり返ったオフィスにたたずむ連中に、アタシはわかりやすいように、区切って言った。




「アタシ、何か、間違った事、言ってる?」



”仲間”という単語を発した女は、言葉を失っていた。


「…あ、アンタって女は…!」


呆れているのだろうか?いや、呆れているのはアタシの方だ。


「女だろうとなんだろうと・・・そんな事はいいから・・・仕事、してくれる?社会人でしょ?」


そう言って、アタシは、自分の個室へとゆったり歩いていった。



アタシは、悪くない。やるべき事をやっている。

誰にも文句は言われる筋合いはない。

言わせない。


なぜなら、アタシは、あんた達と違って、馬鹿じゃないから。



馬鹿達は、アタシの駒でしかない。



アタシは、群れのリーダーなんかじゃない。アタシはアタシだ。


馬鹿は楽がしたければ、黙って、アタシの駒として動けばいい。


どうせ、何も出来ない。

どうせ、誰かの非を責めるだけしか出来ない。

どうせ、自分の事しか考える事しか出来ない。


だから、アタシは、アタシの為に生きる。


誰も必要なんかしていない。



アタシ専用の部屋で、アタシはPCを起動させて、メールチェックをする。

机の引き出しの鍵を開けて、引き出しを引くと、ジェリービーンズの入ったビンがある。

蓋を開けて、無造作に掴んで、それを口に運ぶ。


噛めば、甘ったるさが、心地良く舌の上に残る。

甘ったるくなった舌で、唇をぺろりと舐める。


仕事は順調だ。・・・楽しいとかそんなもの、ないけれど。

アタシは、今の人生に一応満足はしていた。



ところが。


”コンコン”


ノックの音に、アタシは引き出しを閉めた。

※注 火鳥さんはキャラに合わないジェリービーンズを仕事中に食べている事を、周囲に隠している。



「・・・はい、どうぞ。」


入ってきたのは、関口 雪(せきぐち ゆき)だった。

・・・彼女は、オフィスでも目立たない存在だったし、アタシと口もきいた事すらない。

いかにも何も知らず、田舎から上京してきました、という雰囲気丸出しの小娘だった。


「・・・あの、今よろしいですか?」


関口は、ドアから顔を出して、気色の悪い苦笑いを浮かべていた。


「…用件があるなら、手短に。」


アタシは、PCのキーボードを叩きながら、そう言った。


「あ、はい……あの、ですね…あの…」


「・・・・・・・。」


「こんな事、私なんかが言っていいのかって思うんですけど…その…」


用があるなら、前置きはいらないから、とっとと先に進んで欲しい。

大体、アタシの部屋に人がいるだけでも少し、イライラするのに。


「用件があるなら、手短にって言った筈よ?なんなの?」


「あッ!ハイッ!あの…私を、火鳥さんの専属の秘書にして下さい!」



個室で扱われているアタシのような仕事が出来る社員は、特別に秘書を一人つけることが出来る。

秘書と言っても、重役のような付きっきりというワケではない。

外出中に入った電話や、アポイントメントの受付、処理に

アタシが雑用を言いつければ、通常の仕事より優先してやってくれる程度だ。


・・・だけど、アタシはそれをしない。



「・・・・・・別に、いいわ。」


素っ気無くそう言うと、関口は首をかしげた。


「それは・・・あの、ど、どっちのイイですか?」


ニュアンスでわからないのかしら?とアタシは、少し呆れた。


「・・・遠慮する、の”いい”よ。自分のスケジュールくらい、自分で出来るわ。」


・・・自分の予定を誰かに預けるなんて、自殺行為に近い事、どうして出来ようか。


「…あの、私、火鳥さんに憧れてて…ずっと、傍でお仕事したいなって思ってたんですっ!」


断ったばかりだというのに、関口は食い下がった。


あたしはキーボードを打つ手をピタリと止めて、ジロリと関口を睨んだ。

田舎娘、お得意の純粋な瞳は、腹が立つ程、キラキラとこちらに向けられていた。


憧れている、という事は、アタシの何に対してだろう。

少なからずこの小娘、アタシに対して”ロクでもない幻想を抱いている”と言っていいだろう。


・・・この”憧れ”という感情は厄介だわ・・・。

勝手な理想を生み出して、こっちサイドに勝手に押し付けるのだ。

学生時代にありがちなもので、同性に対する憧れなんて一時的なものでしかない。

社会人にそんなもん必要ないわ。


・・・そんな夢見がちな田舎娘には、現実はままならない事をハッキリと突きつけてやらないとダメだ。


「悪いけど、ワタシ、貴女のような人に自分の予定を預けたくないの。」


アタシは、キッパリとそう言い切って、再びキーボードを叩いた。

ところが、関口はまだ引き下がらなかった。


「……あ、あの、私…なんでもします!!」



”ピクッ”

・・・突然、左瞼が痙攣し、チクリとこめかみの奥が痛んだ。


(・・・何?この、なんとも言えない・・・嫌な感じは・・・)


再びアタシの手が止まった。

予感なんて、信じる性質ではなかったが、なんとなく…言いようも無い不快感があった。


「・・・・・・”なんでも”?」


アタシがそう聞き返すと、関口はコクコクと首を縦に振った。


「はい!なんでもします!・・・あの、私、火鳥さんが・・・」


アタシは、それ以上聞く必要は無いと判断した。



”ピクッ”


・・・まただ。

左瞼が痙攣し、チクリとこめかみの奥が痛む。



「…軽々しく”なんでも”なんて言わないで頂戴。出てって。邪魔よ。」


頭痛に、アタシはますます嫌な気分に陥った。



ところが。



「……いや、です……」


「・・・・・は?」


関口は、アタシの目をまっすぐ見て言った。


「嫌です、私…火鳥さんの…秘書にしてもらうまで…動きません。」


その真っ直ぐの視線には、特別な意味合いが含まれている事は、みてとれた。

肩・手がわずかに震えていて、目が少し潤んでいる。

・・・・無理している証拠だ。許容範囲以上の事をしようとするからだ。



「…あ、そう……なんでもしてくれるのね?…じゃあ、秘書になる事諦めて、今すぐ出てって頂戴。」


アタシは関口の目を見て、ドアを指さした。


・・・女に好かれたのは初めてじゃない。学生時代からこうだった。

でも、男だろうと女だろうと、アタシはそれを受け入れる事は一生無い。



「…じゃあ…あの…火鳥さんの事、これからも、好きでいて…イイですか?」


「・・・・・・・・・・はあ?」


「・・・あの、好きなんです、火鳥さんの事。」





”カチャ・カタッ・ピ―――――ッ!”





PCが悲鳴をあげた。

・・・悲鳴をあげたいのは、アタシの方だ。



「・・・・ちょっと、人の事、からかってるの?」


今、アタシ・・・仕事をしてるのよ?

仕事場に恋愛感情持ち込むなんて…そんな面倒事にアタシを巻き込まないで欲しいわね。

勝手にスコスコやってなさいよ、アタシの居ない場所で。


「わ、私…し、真剣なんです!!」


…溜息一つ。

真剣かどうかが問題じゃない。


「・・・はいはい、どうも。本当に出てって頂戴。仕事中だから。」


今のアタシは、仕事中。


「はい…申し訳ありません…でも…」


”でも”と言葉を続けようとする関口をアタシはギロリと睨んだ。

それに、関口は体をビクリとさせたが、意を決したような顔をして、口を開いた。


「か、火鳥さん…秘書の件、考えて置いて下さい…私、本当に、なんでも、しますから…」


関口はそう言って、ドアノブに手を掛け、こちらの返事を待っていた。



「・・・・はいはい、ゆっくり考えておくわ。」

(・・・・永久に結果は出さないけど。)


アタシが、そう返事をすると、やっと関口は部屋から出て行った。



・・・今、考えたら・・・関口の仰天発言からが、この負の連鎖の発端だったのかもと思う。



自分の仕事を終えたら、サッサと帰るに限る。

関口が、チラチラとこちらを見ていたが、無視を決め込んでアタシはさっさとオフィスを出た。


エレベーターに乗り込み、端っこに腕を組んで、寄りかかった。


”ピンポーン”


途中でエレベーターが停止して、女性が乗り込んできた。


「あ・・・!」


エレベーターのドアが閉まったと同時に、乗り込んできた女性がアタシを見て声を上げた。


「・・・?」


・・・声を出されて、顔を見たが、見覚えのない顔だった。

乗り込んできた女性の顔は見覚えが全く無い。

セミロングの茶髪を揺らし、安物のスーツに身を包んで…安物なりに、とりあえず服のセンスは良い方だろう

そして、何が楽しいのかえくぼを作って嬉しそうにヘラヘラ笑っている。


「火鳥さん、お久しぶりです。」

「…あぁ、どうも…。」


…どうやら、アタシには無くても、あっちには面識があるようだ。

ま、どうでもいいけど。


「…嬉しいな、火鳥さん…同じ会社にいても、なかなか会えないから。」


そうかしら?

同じオフィスにいる連中なんか、同じフロアにもいたくないってほざいていたけど。


「…あの、火鳥さん…私の事、覚えて…ませんよね?」

「ええ。」


アタシは隠す事無く、キッパリとそう言った


「あはっ…やっぱりかぁ…」

と、女性はまた笑った。



「あのですね、私、以前…火鳥さんと同じフロアでお仕事してたんです。

 もっとも、皆の足を引っ張ってばかりでしたけど…」


・・・入社した頃くらいかしら・・・・・・やっぱり覚えてないわ。


「…火鳥さんによく怒られましたよね…”貴女は腰掛けよ”って言われた時

 すごく悔しかったですけど…今は、それに対して反論する気はないんです。


 あの頃の私…自分に変に自信持ってました…でも、実力は無かったんです。

 心のどこかで自覚もしていたんです。


 実力のある火鳥さんに、言われたから、余計悔しくて…でもそれが結果的に今の私を…」



彼女はスラスラとアタシとの思い出を語り始めるが、肝心のアタシは、というと。


「・・・・・・・。」


(・・・あ、もしかして・・・・・・いや、アレは違うわね・・・・・・ダメだわ、全然、覚えてない。)


アタシは、全くと言っていいほど、彼女の存在を忘れていた。

そのうち、面倒になって思い出すのもやめた。


「あ、それで、ですね…火鳥さん。」


「・・・え?」


”ピクッ”


・・・またしても、左瞼が痙攣し、チクリとこめかみの奥が痛む。


「……良かったら、飲みに行きませんか?おしゃれで静かなバーがあるんです。」


名も顔も覚えてない女性社員に、飲みに誘われても、困る。

それに、瞼の痙攣とこめかみの痛みの方が気になる。


・・・いや、なんだか、嫌な不快感がアタシを包んでいた。


「用事があるんで。」


素っ気無く言って、アタシは、エレベーターが早く地下に着いてくれないかと思っていた。

カウントダウンするエレベーターの数字をただ眺めていようと、目線を彼女から外した



すると。



「……あのっ」


アタシのスーツの袖をついっと、女性がひっぱった。


自分の体や、モノ、服に触られるのが嫌いなアタシは、名も覚えていない女を睨んだ。



「・・・何?」




「…あの、このまま別れたくないというか……私…」



「・・・・は?」


いや…もう、最後まで聞かずともわかる。その目と態度でね。

関口といい、コイツといい・・・なんなの、今日は。


・・・ああ、そうか・・・嫌がらせか何か、かもしれない。

他のフロアの社員まで巻き込んで、アタシに嫌がらせしようって事かしらね?

でも、目の前の女優は素人にしては、いやに迫真の演技ね…


・・・・まあ、いいわ。


「アタシは、別れたいわ。早く帰って、熱いシャワー浴びて、下らない事忘れて、眠りたいの。」



”ピンポーン”



アタシは、その後呼び止める声を無視して、エレベータを降りた。

鍵をチャラチャラ回しながら、地下駐車場…自分の愛車である赤いフェラーリへと向かっていた。


車に乗り込んで、発進させる。


この瞬間が一番好き。

車内という空間でアタシは、やっと一人の時間を持つ事ができる。

スピードを出せば、何もかもを振り切り、追い越せる気がする。


しかし。

スピードは出るどころか、ぷすんとマヌケな音を立てて、停車した。

キーを回すが、一向にエンジンはかからない。


「・・・ちょっと、カンベンしてよ・・・」


思わずハンドルに突っ伏してから、アタシは溜息をつく。

今日は本当に、ついていない…いや、運ごときに翻弄されるなんて、アタシらしくないわ。


アタシは携帯を取り出し、すぐに専門の業者を呼んだ。


20分ほどで、業者は来た。

そして10分も経たぬうちに、アタシの車はレッカーで運ばれた。


業者曰く、『原因不明です…詳しくみないと、これはダメですね。』という体たらく。


・・・・・そして。


アタシは、素直に街を歩いていた。


家は、別に都心から離れているわけではないし、歩こうと思えば歩ける距離だ。

愛車が連れ去れたのは、痛かったが…直らなかったら…新しいのを買う事にしよう。




「ちょいと…お嬢さん」

「・・・・ん?」


目線の先には、占い師がいた。

小さい椅子に座り、テーブルの上で、肘をつく、やる気のなさそうな女の占い師。

街の中で、異質な存在なのに、誰一人気付かない、不思議な存在感だった。

紫色の着物をまとい、ニヤリと口の端を曲げて笑っていた。



「…お嬢さん、呪われてるよ。」


…第一声がそれだった。

アタシは、再び足を進めようとしたが、占い師のババアは、また口を開いた。



「…ややこしい女に好かれやすい、女難の相が出てるよ。

 これから、どんどんそれは増えていくよ…呪いの対策、聞いていかないかい?」



その一言に、アタシは足を止めて、ババアをジッと見た。

普段なら、気にもとめないが…たかが、占い師のいう事にしては、具体的に当たり過ぎている。


・・・会社の奴らの嫌がらせだと思っていた、今日の出来事が・・・・・・呪いのせい、ですって?


ああ、なるほど、そういう事ね。


「・・・・ふ・・・ふふ・・・あっはっははは!」


アタシは髪をかき上げながら、噴出して、笑った。



「どいつも、コイツも・・・本当に暇人の馬鹿ばかりだわ。

 ・・・で?アナタ、誰に頼まれたの?どうせ、会社の連中が仕込んだんでしょ?

 いくら貰ったの?アタシがその倍、払うから、もうやめたら?」


そうだ。やはり、仕組まれた出来事だったのだ。

会社の奴らは、社内の人間だけじゃなく、こうしてエキストラまで、呼んでアタシをはめようとしてるワケだ。



アタシに構っている時間より、自分の馬鹿を治せばいいのに。


馬鹿は、自分の愚かさを他人と関わる事によって、処理しようとする。

原因も結果も、全て自分の中にあるというのに。


・・・よりにもよって、呪われてるなんて、馬鹿にするにも程がある。


誰かは知らないが、燻り出して、徹底的にこらしめてやる。


しかし、占い師のババアは、まだニヤニヤしている。


「まあ、アンタは信じないだろうとは思っていたよ。

 ・・・そう、3週間後くらいかね、またココへおいで。


 今度は、全部説明してやるし、聞く気も出てくるだろうさ。」



「別に…今でもいいわよ。”誰に頼まれたのか”さえ、吐いてくれたらいいわ。」



アタシは負けじとニヤッと笑い、威圧したが、ババアは余裕綽々の顔でニヤニヤしていた。



「…そうさね、頼まれたら、も〜っと上手くやってるさぁ。

 それに、そんな事を、他人に頼むなんて手間かけるほどの人間じゃないだろう?あんたは。

 自惚れてんじゃないよ。」



・・・このクソババア・・・!


「フン…まあ、それならそれで良いわ。

 素人にしては…いい演技だったわよ。ババア特有のくたびれた感出てて。

 もう二度と会わないでしょうけど、せいぜい頑張って生きて頂戴。」


アタシは、ババアをギッと睨んで、立ち去った。

ババアは、相変わらずニヤッと嫌な笑いを浮かべていた。



・・・そして・・・。





認めたくないけど…その後…アタシの周りでババアのいう事は現実に起きた。






とまあ…最初はこんな感じだったワケ。

・・・回想するだけでも、精神力ごっそり奪われるわ。


ハッキリ言って、アタシのような人間嫌いには、地獄よ?

人に迫られる、その3週間は…。



関口は秘書にしてくれと、毎日部屋にやってくるし

未だに名前思い出せない女とは毎日エレベーターで鉢合わせるし


仕事で他の会社行ったら受付嬢に逆ナンされるし…


お昼でランチ取ろうとしたら、店員に妙に大盛りにされたり

ナプキンの上にそっと電話番号のメモ置かれるし(速攻破棄。)


エステに行けば、ハアハア息荒くして、過剰なサービスされるし…



女が・・・女を、愛するのは別にどうとも、思わない。

別に、そんなの非生産的だとか、少子化がどうのなんていわないし、関わる気も無い。

他人なんか、どうだっていいんだもの。



だけどね・・・アタシは巻き込むな。



アタシは、アタシ以外の人間・・・馬鹿と関わりたくないの。

馬鹿じゃなくても、自分の領域に入ってほしくないの。




で。


一番、困ったのが・・・・・・あれは、接待の時だったわね・・・。



「いや、火鳥君…女性の君には、こんな場所はつまらないかね?

 前に”城沢”の企画課の女課長とも来たンだけどさ、イマイチな反応でねぇ」


連れて来られたのは、キャバクラだった。

薄暗いのに、華やかというか、けばけばしいくらいの明かりと音楽。

酒とタバコ、女達の香水、中年男の加齢臭…様々なにおいが、交じり合った、さながら豚小屋のよう。

アタシは、酒には強い方だから、どんな飲み屋に連れて行かれても、潰れる事はなかった。


…狸ジジイと1対1で勝負するには、それなりにリスクがある。

一癖も二癖もあるこの狸ジジイには、城沢グループの女課長も、さぞ扱いに困った事だろう。

まあ、アタシは・・・交渉が上手くいけば、それでいい。相手がどんな馬鹿でも。


「いいえ、ワタシはそういう事は特別気にしません。楽しいお酒が飲めれば良いんです。

 英雄、色を好むと言いますし、ワタシは男性のそういう部分はあってイイと思っております」


「ほお!なるほど、君は物分りがいいなぁ!うん、じゃあ飲もう!ピンドン入れてくれ!」


「は〜い!」「コウ君〜、こっちのテーブル、ピンドンね〜」

「じゃんじゃん飲んでくださいね〜」


アタシは、あくまでも仕事の交渉をしに来ているのだが、こればかりは仕方が無い。

相手の機嫌をとるのは、得意ではないが、それはキャバクラ嬢に頑張ってもらうしかない。

アタシは、相槌を適度に打とう。狸ジジイの好みは、アタシではないらしいので、ココなら安心して、交渉に持ち込めそうだ。


「・・・少し、失礼します。」


アタシは、頭を軽く下げて、その場を離れた。

キャバクラなんて仕事、アタシなら絶対に出来ない。

客をもてなす、とか…人の満足の為に働くなんて、考えたくも無い。


「…ちょっと、香里ー…大丈夫?

 あ、大丈夫じゃないわ、コレ…帰りなよ、もう今日、無理だわ。」


通路で、グデグデになっているキャバ嬢と、それを介抱する先輩キャバ嬢がいた。


「うう…圭ちゃんの馬鹿ぁー…」

「別れちゃえばいいじゃないのよー…ロクな噂きかないわよー?」

「…だって、カオがいないと、死ぬって言うんだもん…」

「…死ねば良いじゃない。」



「やだッ!生きるッ!」



「・・・いや、あんたじゃなくて、圭ちゃんよ。」



(・・・・やっぱ、キャバ嬢には、生まれ変わってもなりたくないわね。)


そう思いながら、化粧室に入り、化粧を直していると。


”ガチャ”


「こんばんは、大変ですね?」



さっきまで、狸を囲んでいたキャバ嬢の一人が入ってきた。


名前は・・・・忘れたわ。

白いドレスと、アップにされた髪の毛、特に、大きな目が印象的なキャバ嬢だった。

それなりに売れっ子らしく、仕草も、言葉遣いも、計算し尽くされていて、頭は悪くは無い女。

…顔はどちらかというと、年齢に似合わず幼い印象を受けた。


「・・・いいえ。プロの貴女達に、あの場は任せるから。」


「…ええ、上手くやります。あ、火鳥さん…」

「…ん?」

キャバ嬢は、急にアタシの顎をクイッと、自分の方へ向けた。


「リップの塗り方、こうすると、もっと良いんですよ。瑠奈(るな)が塗ってあげます。」


そう言って、アタシの手からリップとリップブラシを取り上げ、塗りだした。


「こうして、まず、輪郭をなぞって…後はグロス…ホラ、セクシーになるでしょ?」


そう言って、鏡越しに笑った。

確かに、自分でやるよりは、良くなったかもしれない。


「ふうん…さすがね。」

(・・・こうして、男共は化粧に騙されていく、と。)


アタシは、瑠奈と名乗ったキャバ嬢を一応、褒めた。


・・・しかし・・・


”ピクッ”

瞼の痙攣…こめかみに、痛みを感じた。


(なんなのかしら…コレ…)


病院に行っても、特に異常は見つからず…心療内科を勧められたくらいだ。


(それに・・・この瞼の痙攣の後って、決まってトラブルが・・・)




「あの、火鳥さんって…彼氏とかいるんですか?」


瑠奈は、アタシにそう世間話をふってきたので、適当に答えた。


「…え、あ…あぁ…いないわ、作らない主義なの。そういうの。」


すると、瑠奈が突然アタシに抱きついてきた。

勿論、アタシは驚いた。



「・・・ちょ、ちょっとっ!?あ、アンタ、なんなのよっ!?」


鏡越しに、瑠奈は小悪魔のように笑っていた。


「…火鳥さんの、ファン…かな?…熱狂的な。」



面倒な事になった、と思った。


「…火鳥さん、一目惚れって信じる?」


笑わせるな…いや、もう、ここまできたら、笑えないわ


「・・・ちょ、ちょっと…そんなサービス必要ないから。」


と慌てて、瑠奈を引き剥がし、席に戻ったが。


瑠奈は、アタシの隣でずっとべったりしていた。


更に、瑠奈が狸ジジイのお気に入りだったので、お気に入りを取られたと、すっかり狸はへそを曲げた。



・・・もちろん、交渉は、いつも以上に苦労する事は目に見えた。



瑠奈に何度ジジイの元へ行くように言ったが、聞いてくれず…


アタシの耳元で『アフター付き合ってくれたら、行くよ』と脅迫する始末だった。


仕方なく。アタシは、瑠奈と食事をするという条件をのんだ。


そして、なんとか狸ジジイの機嫌を直した。

慣れたもんだと、瑠奈は狸ジジイの頬にキスをして、また小悪魔のような笑顔でアタシに笑いかけた。



(・・・あのアマ・・・油断ならないわね・・・)


・・・今この場では、敵にしたく無いタイプの女だった。



瑠奈とは、その後・・・渋々、焼肉を食べに行った。アタシは、夜は肉しか食べないからだ。


個室に入るなり、瑠奈は向かい側に座らず、アタシの隣で、ひたすらアタシの指をさすった。


「・・・ちょっと、やめてくれる?

 交渉が上手くいったのは、感謝したいけど、こじれそうになった原因は、アンタにもあるんだからね。」


アタシは、瑠奈の手を振り払って、そう言った。

肉を食ってサッサと帰ろうと思っていた。



「…火鳥さんって仕事人間なんだ。」


小悪魔女は、関係ないコメントを発した。


「…人の話、聞けるわよね?」


「だって、火鳥さん…こうでもしないと、瑠奈の方見てくれなかったじゃない。」


「・・・・・・気を引くために、ワザとやったって言うの?」


沸々と怒りがこみ上げてくる。

アタシは、自分以外の馬鹿に振り回されるのが、嫌いなのだ。


「怒らないでよ、瑠奈は…火鳥さんの”味方”♪」


「・・・味方、ねえ・・・」


アタシは、鼻で笑いながら、特上カルビを網の上においた。


「…ホントよ。だから、火鳥さんの仕事の交渉は、今度からウチの店でやってよ。

 瑠奈、絶対に成功させてみせるから。」


そう言って、お留守になったアタシの左腕を自分の胸に押し付けた。


アタシは、横目で瑠奈を見ながら

「ふっ・・・じゃあ、アタシの代わりに、取引先の男と寝てくれるワケ?」

と笑って皮肉を言った。


それを聞くと、瑠奈は一瞬止まったが、すぐに笑った。


「じゃあ、まず火鳥さんが、瑠奈と寝てくれたらね?」


小悪魔の微笑みは、どこか少し動揺しているようにも見えた。

アタシの腕を胸に押し付ける手は、少し力が入っていて、強張っているようにも感じた。


本気が半分、と言ったところだろう。

どうやら、アタシに普通以上の感情を抱いている事は間違いなく

その好意の下に、アタシの為に、ある程度協力はしてくれるようだ。



・・・まあ、取引先の男と寝てくれるかは、確実視は出来ない。




・・・関口といい、瑠奈といい・・・


どうして、こいつ等は、自分の許容範囲を超える事を無理にしようとするのだろう。





・・・アタシの為になんでもする?

・・・アタシの為に身体を投げ出す?


・・・そんな事、出来っこないわ。



赤の他人の為に、そんな事出来っこないもの。




「・・・・・考えておくわ。」


(どこまで、本気なんだか解らないけど…まあ、使えそうな女ね。)



瑠奈の小悪魔の鎧の繋ぎ目が解ったアタシには、もう先程の焦りは無かった。

鎧の隙間がわかった以上は、アタシはいつだって、コイツを突き殺せる。


接待の交渉は、相手に合わせるとしても…なるべく瑠奈の店を使おう。


アタシは、ニヤッと笑って、カルビを口に運んだ。

瑠奈は、それをみて、悲しそうな顔をした。


「…考えるだけじゃ嫌。今が、いい。」



「アフターは食事だけ、って約束じゃなかった?」

(…そうやって、何人の男にバッグ買わせたのかしらね…)


・・・ナメないでよね。アタシは、アンタと同じ女よ。

キャバクラで、常用している手は、同性には通用なんかしないわ。



「…だって…火鳥さん、悪い人だもの…きっと、約束なんかしてくれないでしょ?」


「…フフッ…まあね。アタシと約束したいなら、証文でも書かせるのね。」


「証文書いても、きっと守ってくれないわ。」


「そうね、違約金払って終りね。」



「やっぱり、今夜しか無いんじゃない…」


少し、揺さぶりすぎたのか、瑠奈は落胆したような声を出した。

そして、アタシを引きとめようとしたのか、携帯を取り出した。


「あ、もしもし…○○ホテルですか?部屋、空いてますか?」

「・・・・ホテル!?」


ホテルの予約をしようとする瑠奈に、アタシはさすがに危機感を覚えた。

・・・コイツ、本気でアタシと寝ようとしてる・・・!


すぐさま、携帯を取り上げて、瑠奈を睨んだ。


「いい加減にして。」


そう言うと、瑠奈の瞳からは、涙が零れた。



「だって・・・あたし……火鳥さん…好きなんだも……」


・・・マスカラが汚く落ちて、夜の蝶が、単なる蛾になる。


「・・・・・・。」

(・・・嘘泣き。)


アタシは、冷静に瑠奈を見ていた。

泣くのをこらえようとしても、涙が止まらない・・・ようには”一応”見える。

瑠奈の涙が演技かどうかよりも、アタシは、瑠奈が掴んだスーツの皺を気にしていた。


(ややこしい女ね・・・)



そして、やっと頭に…前に会ったあの占い師のババアの言葉が、蘇ったのだ。




『…ややこしい女に好かれやすい、女難の相が出てるよ。これから、どんどんそれは増えていくよ…』



・・・・アタシ、呪われて、る・・・?


(そんな、馬鹿な・・・。)


もし、関口や瑠奈、今までの女達が、そのババアの言うとおり、呪いの一部なのだとしたら……


これからも、こんな事が続くという・・・事に・・・


いや、まさか。そんな筈は無い。呪いなんて…馬鹿げてる。


落ち着け…アタシは…馬鹿じゃない。

考えて…行動すれば、大丈夫だ。


「…瑠奈」


瑠奈の名を呼び、肩を抱き、唇に軽くキスをしてやった。

グロスが重なり、ベタベタした感触がなんとも、気持ち悪かった。



だが・・・使える”手駒”は、大切にしなくてはいけない。



「明日は早いし、アタシは…人見知り激しいの。もっと深く知り合ったら、可能性が無いわけじゃあないわ。」



アタシは、この手駒に希望という餌を与えて、一時、飼い慣らすことにした。



使えなくなったら、切ればいい。



「火鳥さん…」


「…それから…瑠奈、酔うと貴女可愛いわよ。」


なんて、歯の浮くようなクソ台詞をその後、吐きまくって、瑠奈をその気にさせた。

こんなやり取り、キャバ嬢の瑠奈にとっては、慣れているようなものだろうけど

アタシの言葉に瑠奈は面白いほどホイホイと乗ってきた。


アタシは肉を口に運び、瑠奈には酒をガンガン飲ませて、グデングデンに酔わせて・・・



店を出てすぐに、タクシーに瑠奈を強引に放り込み、事なきを得た。





「・・・一丁上がり。・・・ああ、疲れた・・・」





・・・ハッキリ言おう。


アタシは、その気はないし、アタシ以外の人間なんかどうだっていい。

仕事は自分の為にしてるし、その為の苦労はある程度受け入れる。


だが・・・これじゃあ、本末転倒もいいとこだ。

ここの所、アタシは他人に振り回されてばかりいる。



とにもかくにも。


それから、前にも増して、ややこしい女が、常につきまとう毎日が続いた。








「・・・・あぁ・・・!仕事になりゃーしないッ!!!!!」






叫ぶアタシを、嘲笑うかのように、女難は続いた。


そして。


ついに、決定的な事件が、起きたのだ。






 ー 火鳥さんは、暗躍中。 〜 もう一人の女難の女 その1〜 ENDー


 → その2に進む。







あとがき



好き嫌いが分かれるであろう、女難の女、火鳥さんです。

本当に好き嫌いがわかれました。好きな人は好きで、嫌いな人は嫌い!と言い切られました。(笑)

水島さんとは、出会う前どんな女難に遭っていたのかを、サクッとご紹介しましたが…暗躍して無いじゃん!とツッコまれる前に。

言っておきましょう・・・次回から、暗躍になります♪(ごまかし笑い)

水島さんと対照的に、なおかつ女難の呪いを利用するといってましたが・・・・それも次回のお話です。


ある意味、これからの水島さんシリーズの本編でも、彼女の存在は必要なので、ちょいちょい出ます。


『冷たい炎の黒乳首』・・・をスローガンにして頑張ります。(なんだよソレ)


自分の利益優先!自分の為なら、結構大胆な事もしちゃう彼女。

・・・水島さんには出来ない事も、彼女ならやってくれるでしょう。多分。


どうでも良いけど、伊達さん、課長さんもちょいちょい出てますね…。

・・・使いやすいといっては、なんなんですけど・・・(苦笑)

あと、このお話、結構続きま〜す。