私の名前は水島。

悪いが、下の名前は聞かないで欲しい。



性別は女、年齢25歳。

ごく普通の、出世願望も、結婚願望もない、本当に普通のOL。

週休二日制の良き会社に就職し、親には温泉旅行をプレゼントし、普通に事務課で働いていただけだ。


・・・なのに。


現在。


私は、呪われて女難に遭い続けている女となっている。

そして、なんだか知らんが、私は他人との人間関係なんかに関わりたくもないのに、人の人間関係を切ったり、結んだりも出来るし、人を繋ぐ『縁の紐』も見えるのだ。


要するに、人間関係の繋がりという面倒臭いものが目に見えてしまい、私は条件とやる気さえあれば、その繋がりを断つ事が出来るし、逆も出来るのだ。


街中に出たら気を付けなければ、うっかり紐を切ってしまいそうになる。

やたら、片側の人間だけ太くて、片側が細い縁の紐があったりするし、社内恋愛のアレコレも丸見えだったして、色々見えなくてもいいものまで見える。


本当に。

こんな力が身について、一体何の役に立つのか。



『人との縁は、人の運命を変える。』


・・・そんな大それた事、私なんかに出来るのか?



『貴女は、人の運命を変えすぎなんです。ハッキリ言って、迷惑です。』



私は、ただの人間だ。ただ・・・呪われてるだけの、ただの水島だ。

自分のしたいように生きてきただけで、人の運命を変えるなんて、そんな大それた事をした覚えなんか無い。



『貴女に降りかかる災難の数々・・・いわゆる女難の原因の全ては、縁の祟り神がかけた呪いのせいなのよ。』



神様の存在・神様の正体・・・そして、ストーカーの言葉を信じるか否か。

今の私に、それら全てを肯定する事は出来ない。



しかし、これだけは言える。



私の呪われているという現状は全く変わっていない、という事。


私は・・・まだ、確実に呪われている。










「・・・はぁ・・・。」




私は溜息をつきながら、自分の部屋のソファにどさりと座って、片手でバッグからタバコを探った。

女難で疲れきってしまったのではない。確かに、アレに遭遇すると疲れはするが、新しい女難の縁は断ち切れば良い。




――― その人が、これ以上、私に関わらないように。





それが、私と他人・・・お互いの為だと思うから。





「今日は、どうしました?水島さん。」



診察室に入るなり、白衣に身を包んだ忍さんが私の方をチラリと見て、カルテに視線を戻してそう言った。

気まずくて、私は顔を上げられないまま、診察室に入り、そして顔を上げられないまま口を開いた。


「あ・・・ええと、打ち身、です。受け身取り損ねて・・・。」


私は、それっぽい口実を口にした。

本当は、自分の部屋で自分で打ったのだ。・・・地味に痛かったが、他に怪我のしようが無かった。

手足の負傷は、女難に遭った際、私が本当に困るので避けた。


「そうですか。では、ちょっと見せてください。」

「はい・・・」


私は、スーツとYシャツを脱ぎ、打った肩を見せた。

肩を上下に動かして、痛みがないかを調べると忍さんは、カルテに記入しながら言った。


「・・・・・・これくらいなら、湿布出しておきましょう。不安であれば、レントゲン撮りますか?」


医者っぽい口調。

いや、当たり前だ。彼女は医者だ。

私は、別の突破口を開くべく、会話を切り出した。


「あ、いえ、今日はいいです。・・・その・・・・・・あの、忍さん。」

「・・・はい?」


彼女との目線が始めて合う。

いつも見せる、あの子供のような笑顔ではない。

あくまでも、今の忍さんは医者として仕事をしていて、私はその患者なのだ。

だけど、私が逃げ出す前の忍さんなら、職務中でも態度は変わらなかったはずだ・・・。


私は立ち上がり、深く頭を下げた。


「あの、この間は・・・すみませんでした!」


私の言葉を聞いて傍にいた看護師さんが少し驚いて、診察室の奥に引っ込んだ。

しばしの沈黙の後。



「・・・・・・ああ、はい。構いませんよ。・・・で、他には?」



私の言葉は、まるでファミリーレストランの注文の一部のように通され・・・そのまま、流された。

忍さんの表情は変わらない。


”医者”のまま。


「え・・・・・?」

「他に”怪我”はしてますか?」


忍さんの表情は、私が以前見ていた、私が知っていた忍さんとは、違っていた。


「え・・・あの・・・えと・・・。」


言葉に詰まる私を忍さんは黙ったまま”医者”として見ていた。


他には・・・何も無い。

私は、先日逃げ出した自分の事をただ謝りたかっただけだ。用件は以上だ。何もない。


・・・何も・・・無い。


だけど・・・。


「では、診察は以上です。」

「あ・・・。」


あれ?忍さんって、こんな人だったっけ・・・!?


もしかして、忍さん・・・私に、全く・・・興味が無い、から?


「・・・はい・・・ありがとう、ございました・・・。」



私は、何も言えないまま、診察室を出た。



・・・な、なんというか・・・。


すごいショック・・・!

他人に興味持たれないってだけの事が、こんなにショックって・・・!


・・・『無関心』って、こんなにも人の心をえぐるものなのか・・・!?


ていうか・・・

私も、他人に対してこういう態度・・・いや、もっと酷い態度で接してたのかも・・・。




「・・・はあ・・・。」



病院から帰ってきて、湿布を開封する事無く、私はタバコに火をつけた。

テーブルの上の灰皿を自分の方へ引き寄せ、静かに煙を吸う。



(私が・・・縁を切ったせいかな・・・)



忍さんの態度があからさまに今までのものと違うのは、多分、そのせいだ。彼女の性格上、それ以外の理由は無いだろう。

彼女は、患者としてしか、私を見ていなかった・・・。

縁の紐が切れた今、私はただの水島。つまり、忍さんから見たら、私はただの患者。それ以外の何者でもない。



「ふー・・・。」


煙を吐いて、落ち着いて考えを巡らせる。

彼女は大切な人間関係の一つだった。


だけど、これ以上、呪われた私の人生にその大切な人間である彼女を関わらせるのはいかがなものか、と。



――― その人が、これ以上、私に関わらないように。



私は考えを改めた。

これは、これで良いのかもしれない、と。



だが、一方で『このままでいいのか?』と自問する自分もいる。



(結局、私、何も出来なかった・・・。)



あんなのが彼女への謝罪になっているのかすら、自分でも疑問に思えてくる体たらくだ。


しんと静まり返った部屋で、私は咥えタバコのままTVのリモコンを取り上げ、電源を入れた。




『お黙りなさい!下郎め!!あなたは、まな板の上の鯉よ!』


「お・・・?」

聞き覚えのある名台詞に私の視線はTVに釘付けになった。


『名探偵・大学教授 辻向井 貴子シリーズ29  〜償いのオニオングラタンスープは殺意の味。〜 は、CMの後すぐ!!』


「すっかり忘れてた・・・今日は、辻向井の日じゃないか!!」


下がった私のテンションが一気に上がって沸騰した。


画面に映っているのは、女優・村山 葉月(むらやま はづき)だ。

日本女性特有の美貌と上品な仕草。目力は時に凛々しく、時に力強く・・・年を重ねても衰えない美貌と進化する演技力。

京都出身の彼女は博識で、言葉遣いも服装も上品で人気も高い。

そして、サスペンスには欠かす事の出来ない、サスペンスの女帝とまで呼ばれる名女優で、スタントも自分でやるほどの実力派女優である。


特に『大学教授シリーズ』は私が子供の頃から見ていた。一回も見逃した事は無い。これは名作だ。


村山が演じる大学教授の辻向井と助手でドジな榊が、取材の度に連続殺人事件に巻き込まれ、華麗な推理で事件を解決するのだ。

推理モノでシリーズ化しているものは、大抵マンネリ化が叫ばれる所だが、このシリーズは違う。

脚本家は4人いるらしく、このシリーズを見ていた私にとってハズレがあった事がない。

しかもオープニングは何故か、助手の榊とふくよかな学生の室井さんのショートコントもどきのドラマから始まる斬新な手法で視聴者を魅了するので、一秒たりとも見逃せない。

今回は、カースタントがあるとか。・・・しかし、副題のオニオングラタンスープは一体どこで出てくるんだろうか・・・。


何より、半年振りに村山 葉月の『お黙りなさい!下郎め!!』が聞けるんだから、嬉しいったら無い。


一週間前から録画セットは完璧に済ませてあったんだ。

とりあえず・・・正座して見よう。


CMが終わり、ドラマが始まる。いつもなら榊と室井さんのショートコントドラマが・・・。



『特報!!〜辻向井が遂にスクリーンに登場!!〜』

『飛び交う弾丸!日本で限界ギリギリの火薬量に挑戦!!』

『辻向井が空を舞う!!!』


「なん・・・だと・・・!?」


『・・・詳しくは、番組の最後に!』



「辻向井・・・!やってくれるぜ・・・っ!!」

 ※注 水島さんはこのシリーズが好きすぎて感覚が麻痺しています。ご了承下さい。



TVを見ている一般人の私は、この時、まさかTVの中の村山葉月に、とんでもない形で会う事になろうとは夢にも思わなかったのである。





[ 水島さんは観覧中。 ]






『アイドル達の〜夜の大運動会!!』



『アイドルバトルー!』



『『『『『『『『BAN☆BAN!!』』』』』』』』


『この番組は・・・人と人とを繋ぐ破天荒企業・・・”城沢グループ”の提供でお送りします。』


『・・・さ〜あ!!今週も始まりました!アイドル達が身体を張って自分の曲を宣伝!まさに現代のコロシアム!

アイドルバトルBAN☆BAN、略して”アイBAN”のお時間が、やって参りましたっ!司会は私、緑山と解説はアイドル大好き荻野目さんです!』


『アイドルは現代の女神ぃッ!!・・・本日も宜しくお願いします。』

『・・・はい。さあて、本日出場のアイドルはー・・・こいつらだーっ!!』


『黄土色☆スペードGTですッ!』

『津軽海峡渡り隊で〜すッ!』


『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』』』』』



”ぷち。”



事務課に不釣合いな黄色いアイドルの声と、それを覆うようなファンの野郎共の咆哮がTVモニターに映し出されていたが、それはすぐに消された。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



残されたのは、事務課の静まり返った気まずい沈黙だけだ。

近藤係長が咳払いをして、喋り始めた。


隣の社員からは、紙の束が回ってくるので、私はその紙を一部取って、隣の社員に回した。

どうやら、TVで映し出された番組の趣旨やロケに関する書類のようである。


(なるほど、さっきの番組が、スポンサーの我が社にロケにしに来るわけか・・・。)


ご丁寧な事に、我が社の休日に先程の番組『アイBAN』がアイドルを引き連れて、ロケにやって来るらしい。

会社としては、城沢の社員は全員、休日出勤扱いで出社し、ロケに協力するように、という御達しだ。



「ごほんっ・・・と、いう訳で、この”アンパン”とやらが、我が城沢本社にロケにやって来る事になったんだけど・・・。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



係長、それを言うなら”アイBAN”です・・・と私は無表情のまま、心の中でツッコミを入れる。ていうか、係長、ワザとボケてるな・・・。

あれは、ツッコミ待ちだ。だが、絶対ツッコミを入れない方が良い。こっちまで怪我をする。

事務課の女子社員一同は配られた書類に目を通すふりをし、冷ややかな態度で、係長のボケを無視する。誰も彼を見ていない。


「見学は、あくまで自由。我が事務課は、通常業務体制をとる。ま、アンパンに出るアイドルが、ここに来る事は無いと思うけど。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



係長が二度目の同じボケをかまし始めた・・・ツッコまないぞ・・・私はツッコまないぞ・・・ていうか、巻き込まれたくないし。

ていうか、本当に誰も聞いてないな・・・係長の話・・・。



「アン・・・○ニバンに出場するアイドルにサインをねだるのは、仕事が終わってから!!いいねッ!みんな!」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


最低だーッ!!最低のボケ出したーッ!!よりにもよって、ぺ○バンって!!

 ※注 知らない方は、どうか、そのままのピュアなあなたでいて下さい。

誰も聞いてないし、ツッコミ無いから、とうとう、セクハラボケ始めたよ!!ホント、訴えられても知らないからな!!

ああ・・・それでも誰も聞いちゃいねえ!哀れだわ!ここまでくれば哀れだわ!!


「・・・・・・・じゃ、仕事を始めようかッ!」


係長のヤケクソ気味な言葉に、女子社員は無の表情で各々の席につき、静かに仕事を始めた。

私は、というと、TVのロケの書類を見ながらPCの電源を入れた。


この番組は、アイドル達が自分達の曲や写真集など、宣伝権をかけて、身体を張った対決を売りにしているバラエティ番組らしい。

今回のバトルの内容は「常識クイズ対決」・「借り人競争対決」・「落ちたら粉まみれ!ソフト棒で落とし合い対決」の三種目が行われるらしい。

社員に通達されているのは、見学は自由だが声援は控えめに、ロケの撮影現場の撮影・録音・写メールの禁止・借り人競争の際にご協力を宜しくお願いします。


・・・というような内容だった。


私は何気なく、下の項目・・・出演者の欄を見て、目を見開いた。



そこには・・・アイドルの名前の上に『特別ゲスト:村山 葉月』の名前があったからだ・・・!


何故だ!?


・・・そういえば・・・辻向井シリーズが、映画になるとかTVで言ってたもんな・・・おそらく、その宣伝で出演といった所だろう。

しかし、いくら身体を張った演技で有名な女優・村山 葉月でも、こんなバラエティ番組にまで身体を張らなくても良いんじゃないのか!?



だが・・・見たい・・・!!無茶苦茶見たい!!村山 葉月をこの目で見たい!!!



たった一目でいい・・・あの”村山 葉月”をこの目で、生で見たい!・・・出来れば、サインも欲しい・・・握手もしたい・・・!!



ロケの日時・場所を私はしっかりと頭に叩き込んだ。係長は確かに言った。見学は自由だと!

ならば、私は仕事を一早く片付け、見学に行ってやろうではないか!!

例え、その間にプレゼントが私の机の上に何個置かれようとも、私は生・村山 葉月を見られたら大満足だッ!!

というか、あの名女優と同じ空間にいられるなんて・・・夢のようではないか!



さて・・・ここで、人嫌いも芸能人のファンになるのか?という疑問を抱く方もいるだろう。



あくまで、私はただのファンである。彼女は女優であり、画面の向こう側の世界の方。幻想の生き物、ペガサスのようなものである。

そして、私は女優 村山 葉月の演技力と女優としてのプロ意識を尊敬し、彼女の出演しているドラマが大好きなだけなのだ。

いつも顔を合わせる他人やら、煩わしい人間関係など、彼女とは無縁なのだ。


こんな楽しい休日出勤も・・・悪くないかもしれない・・・。


私は、机の上のカレンダーのロケの日に、赤いペンで花丸印を書き込んだ。




そして、ほぼ同日・・・ロケに向けて、美術スタッフさん達が、会社のロビーに特設ステージを組み上げ始めた。

どうやら、今度のロケはスペシャル番組らしく、看板には派手にでかでかと50回記念という、中途半端な記念が刻み込まれていた。


しかし、その看板の威力は絶大だった。


会社の男性社員達の話題は、もはや”アイBAN”一色だった。

アイドルの誰が好きかで盛り上がる昼休み。思わずバレてしまう自分の好みのタイプのアイドル。・・・話題は尽きなかった。


一方、女子社員の興味は全くと言っていいほど無かったようだ。

しかし、どのアイドルが勝つか?という話題から、賭けが行われているらしい事を私は耳にした程度だ。




私の興味を引き付けたのは”村山 葉月”だった。それしか、休日出勤する楽しみは無かった。

アイドルだけではなく、村山葉月の控え室手配兼お弁当の注文を担当しているという秘書課が、初めて羨ましいとさえ思った。



そして、ロケ当日を迎えた。


私は、事務課にて通常業務をある程度こなした所で、事務課を出た。

全ては・・・村山葉月をこの目で見る為に・・・!!


「うわ・・・もう、すごい人・・・!」


ロビーに設置されたステージを見る為に、会社の人間で廊下や階段を埋め尽くしていた。

ほとんどは男性社員で、熱気に満ちていた。

私は、人だかりをかき分けるように進み、なんとかステージを見下ろせる場所に着く事が出来た。

思ったより、設置されたステージは大きかった。うちの会社のロビーは広い事で有名だが、それをめいっぱい使っている。

ここなら、少し遠目ではあるが、ステージ中央のカーテンから出てくるであろう、村山葉月がハッキリと見えるだろう。


だが、狭い・・・男臭い・・・!!だけど・・・村山葉月が見たい・・・!!


だだっ広いステージの中央では、ADらしき若い人が注意事項を話していた。


『・・・という訳で、只今から撮影を開始します!ご協力お願いしまーす!!』


も、もう、始まるのか・・・!


ステージの端に設置されている机の席には、男が二人着席し、リングアナのような格好した男が声高々に叫んだ。


『アイドル達の〜夜の大運動会!!』


続いて、リングアナの隣にいる女性アナウンサーが叫ぶ。


『アイドルバトルー!!』


そして、会社の男達が一斉に声を出す。




『『『『『『『『BAN☆BAN!スペシャルゥー!!!』』』』』』』』


「うわ・・・!?」


会社のロビーがビリビリと響くような、男達の合いの手。

私は思わず、耳を塞いだ。


『この番組は・・・人と人とを繋ぐ破天荒企業・・・”城沢グループ”の提供でお送りします。』


女性アナウンサーの提供を告げる声の後、ステージの端の席に座っていた男が喋り始めた。


『・・・さ〜あ!!今週も始まりました!アイドル達が身体を張って自分達を宣伝!まさに現代のコロシアム!

アイドルバトルBAN☆BAN、略して”アイBAN”のお時間が、やって参りましたっ!

本日は放送50回記念スペシャルと題しまして、スタジオの外に飛び出し、スポンサーさんの会社、城沢グループさんからお送りしております!

司会は私、緑山と解説は、アイドル大好き荻野目さんです!』


あ・・・これ、先日事務課のTVで見たOPだ・・・。

司会の緑山さんの隣に座っている・・・眼鏡の男が・・・荻野目さんか・・・。


『アイドルはぁ!現代の女神ぃッ!!・・・本日も宜しくお願いします。』


荻野目さん・・・生で見ると、ちょっとイタイ人だな・・・。


『・・・はい。今日も荻野目さんのキモ・・・いえ、高いテンションは健在です。さあて、本日出場のアイドルはー・・・こいつらだーっ!!』


その瞬間、ステージのカーテンの前でプシュー!という音を立ててものすごい勢いで煙が上がった。

その煙の中から、女の子達が次々・・・次々・・・出てくる・・・!


その数・・・一体、何人出てくるんだッ!?



『せーの・・・TDFK47でぇす!!』



「「「「「うおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


アイドル達の登場にいよいよ男達は沸き立った。

しかし、私の目から見ると誰が誰だかわからない!見分けがつかない・・・髪型で見分け・・・られない!!


『壮観です。一言で言うと壮観です。47人、勢揃いです!!遂に来ました、只今、急成長中かつ人気沸騰中のアイドル!!

厳選なるオーディションにより各都道府県より一人ずつ選出されたアイドルグループ!”TDFK(都道府県)47”!!

ハッキリ言って、そんなにいる意味あるの?と疑問を投げかけたくなるほどの人数の多さに定評のあるアイドル!!”TDFK47”登場ですッ!!』


そうだったのか・・・知らなかった・・・そんなアイドルがいたなんて・・・。

確かに、CMとかで見たり、コンビニの雑誌でよく特集されてたような気がする・・・。


『宜しくお願いしまーす!!!』


「「「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」」」


『早くも熱苦しいファンの歓声が上がっております!!とにかく、可愛い!可愛いぞ!!

さて・・・先日は、CDジャケットのセンターを決める為に、ねぎでしばき合うという熱戦を繰り広げたアイドルとして話題を集めたTDFK47ですが・・・

いかがですか?荻野目さん!』


ねぎでしばき合うって、どんな武道派アイドルだよ・・・!!


『そうですね・・・”あれ?手を伸ばせば俺でも届くんじゃねえか?”という錯覚をファンに覚えさせる程の素朴で庶民的な魅力!!

しかし、各都道府県から一人ずつ選出された美少女達だけあって、ルックスは抜群!一クラスに一人はいるだろうマドンナ的な美少女をかき集めた結果・・・それが彼女達です!

自分の故郷から選出されたメンバーを見て、自分の故郷を思い出し感涙するファンもいます。地方CMにもバンバン出てますしね!

そして、アイドルとしてのプロ意識・パフォーマンス・握手会などのファンサービス、TVに映るがっつき具合が高い事で彼女達は有名です!彼女達こそ、まさに現代の女神でしょう!』


・・・へ・・・へえ〜・・・。としか言いようが無いな・・・荻野目さんのコメントは・・・。

だが、周囲の男達は感心する者、そうそうと同意する者ばかりだ・・・。

完全に私は浮いている・・・!


『なるほど!これは、バトルにも期待できそうですね!続いてのアイドルはー・・・なんと!海外からの刺客だーッ!!』


その瞬間、またステージのカーテンの前でプシュー!という音を立ててものすごい勢いで煙が上がった。

続いて出てきたのは、7人の女の子達だった。


『日本の皆さん、コンニチハー!SORA時代でーす。』


 ※注 作者のK−POP知識は全て作者の母親から聞いたモノです。あやふやな点はご了承下さい。そして、この物語はフィクションです。


「「「「「うおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


『こちらも凄い声援です!!K−POP界の人気アイドル7人組が遂に日本上陸!こっちも、可愛い!可愛いぞ!!

話題となったセクシーなニワトリダンスは、男性は勿論、日本の幼稚園児や小中学生にも大好評との事です!忘年会の演目でも披露された方もいるんじゃないでしょうか?

ここは、J−POPアイドルとの熱い戦いに期待したいですね!!

いかがですか?荻野目さん!』


そうだったのか・・・ニワトリダンスが流行っていたのは知っていたが、踊っていたアイドルがこの人達だったとは知らなかったな・・・。


『そうですね・・・CDの売り上げは日本のアイドルにもひけを取りません。”出稼ぎアイドル”の名は伊達ではありませんね!!

彼女達は、K−POP界のアイドルの中でもトップクラスの実力者です!

ニワトリダンスも勿論有名ですが、先日のコンビニ限定・特製キムチ付きCDが即日完売したのは、あまりにも有名ですね!僕は5枚予約して買いました!

ルックス・ダンス・歌唱力・海外アイドルならではの日本語ボケで笑いも取れる万能アイドル!!彼女達こそ、まさに現代の女神でしょう!』

 ※注 繰り返しますが、作者のK−POP知識は全て作者の母親から聞いたモノです。あやふやな点はご了承下さい。そして、この物語はフィクションです。


キムチ付きCDって・・・どんな商戦だよ・・・!そして荻野目さん買い過ぎだろ!


『なるほど!・・・荻野目さんの中で、女神は一体何人量産されていくんでしょうか!?そしてッ!!

なんと、今回この”アイBANスペシャル”にふさわしい・・・いや、信じられない”スペシャルゲスト”が来ておりますッ!!』


来た・・・!?

来るか・・・!?来るよな・・・!やっぱ、葉月さんは、最後だよね!!


リングアナの男性が声高々に叫ぶ。


『お呼びしましょう・・・日本を代表する、サスペンスの女帝!女優の村山 葉月さんですッ!!!』



来たあああああああああああああああああああああああああ!!!!



その瞬間、またステージのカーテンの前でプシュー!という音を立ててものすごい勢いで煙が上がった。

煙の中から静かに、ゆっくりと女性が出てきて、一礼した。




『・・・宜しくお願いいたします。』




ほ・・・・・・・。

ほ、ほ、本物だああああああああああああああああ!!生の村山葉月だああああああ!!!

白い女優さん専用ライトに照らされて、村山葉月が静かに歩いてくる。



「「「「「おおおおおおおおおおお!!!」」」」」

「葉ッ月さあああああああああああああん!!!」←水島の叫び。


私は無意識に身体を前に出し、ステージに向かって思い切り手を振っていた。・・・無意識に、だから恐ろしい。

すると、村山葉月が私の方を見て、ニコッと笑いながら、手を軽く振ってくれた。


『おおっと、男性に混じって、熱烈な女性ファンもいるようですね!村山さん、清らかな笑顔で声援にこたえています!』


「・・・あ・・・!!」


は、葉月さんが・・・葉月さんが、こっち向いて・・・手、手、手を・・・振ってくれた・・・ッ!!

・・・嘘・・・嘘・・・いや、嘘じゃないッ・・・現実だッ!!

やだ・・・泣きそう・・・!今日、会社に来て・・・いや、この会社に入って良かったーッ!!!


『まさか、村山さんが、この番組に来てくれるとは思いませんでした!スタッフもダメもとで交渉した結果、なんと、まさかの実現ッ!まさに夢の訪れです!!

その美貌と人気は今だ健在!!中高年のおじさん達のアイドルと言ってもいいのではないでしょうか!?どうですか?荻野目さん!』


『村山葉月さんは、元はアイドルデビューから芸能活動を始めています。今は女優さんですが、元祖アイドルと言ってもいいでしょう!

コレクターの間では、彼女のアイドル時代の写真集は高値で取引されています!そして、極上とも言うべき、あの癒しの笑顔!まさに女神ですッ!!

女優としてはもはや一流!体当たりな演技は、そうそう真似出来る人はいないでしょう!

有名なのは”辻向井シリーズ”ですが、ドラマ『蒼い銃撃』も有名ですし、映画『追憶』での彼女の演技は、ハリウッドも認めていますしね。』


そうそう。辻向井シリーズだけじゃないんだよ!なかなか、解ってるじゃないか、荻野目さん!ちょっと見直したぞ!


『嗚呼・・・ここは、まさに新旧の女神の決戦地と言っても良いでしょうッ!!!

ふおおおおおおッ!!来てますよ!ここは、女神降臨の地ですよおおおお!!はあああああああああんッ!!!』


・・・ここで疑問なんだが、果たして、一人で身悶えしている荻野目さんは、地上派で放送して良い人なのだろうか・・・?他人事ながら、不安である。


『は、はい・・・荻野目さんのテンションが、本日も変な方向に上がってきた所で、いよいよ、バトルスタートですッ!!』


い、良いんだ・・・次、行っちゃうんだ・・・。ていうか、本日もって事は、荻野目さん、いつも変な方向にテンション上がる人なんだ・・・。

しかし、この番組・・・思ってたよりも面白いかもしれない・・・。

俄然、私は興味が沸いてきた。勿論、アイドルなんかどうでもいいのだが、村山葉月の活躍に期待したい。



『第一回戦は・・・常識クイズ対決ーッ!!』


「「「「「「わああああああああああああああああああ!!」」」」」」


『はい。本日のアイBANは、城沢グループさん本社にて、ロケをさせていただいてますが、社員の皆さんの温かい声援がありがたいですね!

みんな、盛り上がってるかああああああああ!!!』


「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


『お前ら、アイドルは好きかあああああああああああああああああ!?』


「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


うっせえ!!!男性社員の咆哮がうるっせえぇッ!!!


『はい、大変ありがとうございます。では、常識クイズ対決に参ります!

今から出すクイズの答えをお手持ちのフリップに書いて下さい。1問正解ごとに10ポイントです!

このバトルの勝者は、宣伝時間1分が与えられます!!』


短かいッ!?

いや、最初はこんなもんなのかもしれない・・・。


(頑張れ・・・葉月さん・・・頑張れ・・・!!)


『第一問!固く泡立てたメレンゲに砂糖、アーモンドプードル等を加え混ぜて焼き上げた柔らかな2枚の生地に

クリームやジャム・ガナッシュを挟んだフランスのお菓子といえば・・・何!?』


え・・・なんだっけ?

すると、傍にいた男性社員の会話が聞こえてきた。


「あれ?なんだっけ?お前、答えわかる?」

「馬鹿だなぁ”マカロン”だよ。」


なるほど・・・マカロンかあ・・・・・・・・・・・食べた事ないけど・・・。


『では、答えを一斉に・・・オープン!!』

『まずは、TDFK47・・・”エクレア”?・・・うーん惜しい!』


『あーん・・・間違えちゃったぁ・・・てへッ☆』


「「「「ファイトー!!ゆーぽん!」」」」


『ファンから温かい声援が届いてますねーどうですか?荻野目さん』

『すごいかわいい!!・・・その一言に尽きますな。』


・・・え・・・何、コレ・・・。


『続いてSORA時代・・・”サムギョプサル”?・・・フランスのお菓子だって言ったじゃないですか!』

『日本語難しー。聞き取れませんでしたー。てへっ☆』


「「「「ファイトー!ソヨン!!」」」」


『ファンから温かい声援が届いてますねーどうですか?荻野目さん』

『すっごいかわいい!!・・・その一言に尽きますな。』


・・・え?・・・ええ・・・?こんなゆるい空気で良いの?こんな小っさいボケで、番組作ってて良いのか!?

ボケるなら・・・もっとボケろ!深くボケろよッ!!!



次は葉月さんだけど・・・ここは華麗に達筆に”マカロン”と決めてくれるだろう!貰ったな・・・10ポイントゲットだ!!



『続いて・・・村山さんの答えですが・・・・・・・”マキロン”・・・。』



は・・・葉月さんが、まさかのボケえええええええええええええええ!?それ消毒薬の名前ッー!!!



『マキロンかアクロンで迷ったんですけれど・・・違いましたっけ?』



葉月さあああん!!やめてぇ!葉月さんはボケなくていいのッ!それは横にいるアイドル共の仕事よッ!!

しかもボケが雑な上に訳がわからん!なんか似てますね(笑)とか4文字なだけじゃん!ってツッコミしか出来ない!!



「「「「「・・・・・・・・・・。」」」」」



し、しかもステージ場の出演者がドン引きしている!イメージに合わないからか・・・!?

確かに、彼女は、良識あって、しっかりしてるというイメージが定着しすぎている!

ここでボケをかましても、仇となるだけだ・・・!!もしくは、本物の天然なのか・・・!?


いや、状況はもっとマズイぞ・・・!さっきみたいにフォローの声援が一切無い・・・周囲が・・・会場全体が完全にドン引いている・・・ッ!?


よし!ここは・・・!!



「は、葉月さああああん!ファイトー!!!」


ファンの私が声を上げるしかあるまい!!頑張れ!葉月さん!!!


『え、えー・・・ふ、ファンから温かい声援が届いてますねーど、どうですか?荻野目さん』

『エロい!!・・・その一言に尽きますな。』



それは、お前が葉月さんを見た感想じゃねえかッ!!どんな目で解説してんだよ!!ふざけんなーッ!荻野目!!



『で、では第二問!アニメ”ふたりはプリキュア”に出てくるプリキュアの変身後の名前は、キュアホワイトともう一人は何?』



え・・・なんだっけ?

すると、傍にいた男性社員の会話が聞こえてきた。


「あれ?なんだっけ?アニメなんか見ないからなぁ・・・お前、答えわかる?」

「馬鹿だなぁ”キュアブラック”だよ。」



なるほど・・・ブラックかあ・・・・・・・・・・これは割と簡単かもしれない・・・白の反対の色を答えたら良いんだから。



『では、答えを一斉に・・・オープン!!』


『まずは、TDFK47・・・”キュア・ストロベリー”?・・・うーん惜しい!』


『やっだぁ〜・・・でもこっちの方が可愛くないですか?・・・うふッ☆』


そういう問題じゃないんだよ・・・!!可愛さアピールしても間違いは間違いだぞ!!


「「「「可愛いぞー!!たけゆみー!!」」」」


・・・ファンからすれば、可愛ければいいのか・・・!?


『ファンから温かい声援が届いてますねーどうですか?荻野目さん。』

『すんごいかわいい!!・・・その一言に尽きますな。』


・・・またかよ・・・もう解説になってないじゃないか・・・。


『続いて、SORA時代・・・”キュア・スンデ”?・・・日本のアニメは、ちょっと難しかったかなー?』

『日本のアニメ好きだけど、でも、こっちの方がしっくりきまーすっ☆あはッ♪』


お前のしっくり具合はどうでもいいんだよ!笑ってごまかしても、間違いは間違いなんだよ!!


「「「「しっくりくるぞー!!キムー!!」」」」


・・・それでも、ファンにとっては、可愛ければいいのか・・・!!


『ファンから温かい声援が届いてますねーどうですか?荻野目さん』

『もうすっげぇかわいい!!・・・その一言に尽きますな。』



・・・もう、ダメだ!この解説者!!



葉月さん・・・頑張って!黒です!黒ですよ!!葉月さん!!




『続いて・・・村山さんの答えですが・・・・えー・・・”キュア・遺影”・・・。』




違ーうッ!!黒は黒でも、違う意味の黒さ出しちゃったーッ!!!そんなプリキュア嫌ーッ!!




「「「「・・・・・・・・・・。」」」」



『”キュア・遺影”か”キュア・サイコ○ンダム”で迷ったんですけど・・・』


もうアニメ違うよ!確かにサイコガ○ダムも黒いけれど!ガン○ムって言ってる時点でアニメが違うよ!葉月さんッ!!

そして、ボケなくて良いの!!横のアイドルが十分ボケてるから!!大丈夫だから!!

というか、ここまでのボケをかまされたら、他のアイドルのボケが霞んでいく・・・!!


「は、葉月さああああん!頑張ってーッ!!!」


もう一度、ファンの私が声を上げるしかあるまい!!頑張れ!葉月さん!!!


『え、えー・・・ふ、ファンから温かい声援が届いてますねーど、どうですか?荻野目さん』

『実に、エロい!!・・・その一言に尽きますな。』



だから、それは、お前が葉月さんを見た感想だろッ!?さっきから、いやらしい目でしか見てないじゃないか!荻野目!!



『だ、第三問!先日来日した、過激なパフォーマンスと個性的なファッションで話題を集めたアメリカのカリスマ的人気アーティストとは、レディー何?』



え・・・な、なんだっけ?えーと・・・。

すると、傍にいた男性社員の会話が聞こえてきた。


「あれ?なんだっけ?ど忘れしちゃったよ・・・お前、答えわかる?」

「馬鹿だなぁ”レディーガガ”だろ。」



なるほど・・・ガガか・・・・・・話題になったんだから、これはみんな知っていてもおかしくは無いだろうな。

きっと、葉月さんも答えられるだろう。



『では、答えを一斉に・・・オープン!!』


『まずは、TDFK47・・・”レディーガール”?・・・うーん気持ちは分からないでもないが、不正解!』

『えー惜しくないですかー?オマケして下さいよー!・・・えへッ☆』


えへッ☆じゃねえよ・・・なんでもかんでも可愛らしさで許してもらえると思ったら・・・。


「「「「可愛いー!!オマケしてやりてええええええ!!」」」」


・・・ああ、許されちゃうんだ・・・かわいいが正義なんだ・・・そうだ、ここはアイドルバトルだった・・・。


『ファンから温かい声援というか、願望が届いてますねーどうですか?荻野目さん。』

『滅茶苦茶かわいい!!・・・その一言に尽きますな。』



・・・もう、そのくだりはいいよ!!解説しろっつってんだよ!



『続いて、SORA時代・・・”レディートッポギ”?・・・さっきから韓国料理しか書いてませんか!?』

『正直、お腹空いてまーすっ☆ウフフ♪』


本番中に、空腹訴えてんじゃねえよ!!しっかり食って来いよ―ッ!!


「「「「可愛いー!!食べさせてやりてえええええええ!!」」」」


・・・ああ、許されちゃうんだ・・・空腹も正義なんだ・・・そうだ、ここはアイドルバトルだった・・・。


『ファンから温かい声援というか、願望がこちらもが届いてますねーどうですか?荻野目さん』

『もうッマジかわいい!!・・・その一言に尽きますな。』



・・・もう、誰だよ!この解説者呼んだのはッ!!



葉月さん・・・頑張って!ガガです!ガガですよ!たった二文字です!葉月さん!決めて下さいッ!!




『続いて・・・村山さんの答えですが・・・・えー・・・レディー・・・”カカ!”・・・ああッ!村山さん、すごく惜しいです!!』



ああッ!葉月さん!濁点!濁点が足りない!!それだと、どこかのサッカー選手の名前になっちゃうッ!!



『あら、いけない。肝心なものを付け忘れましたわ・・・えーと、これでよろしいかしら?』



そうそう!濁点を付けて!!頑張って!!



『えー、村山さん、もう一度お願いします・・・えーと・・・”加賀たけし”さん・・・?』



”レディー”どこ行ったあああああああああああ!?”レディー”が突然の行方不明――――ッ!!!

そして、濁点つけても”加賀”じゃ濁点足りないし、意味も違ってくるし!もう、それ以前に”加賀たけし”じゃアメリカ人じゃないッ!!そもそも”加賀たけし”って誰ーッ!?



「「「「・・・・・・・・・・。」」」」



『加賀たけしさんか、サイコ○ンダムで迷ったんですけど・・・』


一体、どこで迷ったの!?ロボと人間だよ!?サイコガ○ダムはさっきの問題で終わったでしょうが!!ガン○ムって言ってる時点で気付こう!?葉月さんッ!!

そして、もうボケなくて良いの!!横のアイドルが十分ボケてるからッ!!大丈夫だから!!

ボケの供給は、もう十分です!もう飽和状態ですッ!!


「は、葉月さああああん!次、頑張ってーッ!!!」


も、もう一度、ファンの私が声を上げるしかあるまいッ!!頑張れ!葉月さん!!!せめて、今度は○イコガンダムは忘れて!!


『え、えー・・・ふ、ファンから温かい声援が届いてますねーど、どうですか?荻野目さん』

『あえて言わせて貰うと・・・ねっとりエロい!!・・・その一言に尽きますな。』



だから、お前の感じるエロチシズムはどうでもいいよッ!!さっきから葉月さんのエロい部分しか見えてねえよ!あの解説者!!解説する気無いだろ!!




その後・・・3者共々、正解する気はあるのか?と問いたい程のボケを連発。



一問も正解者は出ないまま・・・時間は過ぎていった・・・。



『はい、終ー了ー!!第一回戦・・・三者共0ポイントーッ!!!』

『おおっと!ここで、まさかの時間切れです!』



ええ・・・ッ!?そ、そんな・・・!



『こ、ここまでのバトル・・・いかがですか?荻野目さん!』

『ここまで白熱したバトルは今だかつて無いでしょう!もう、僕はたまらんですッ!!はああああああああん!!』



・・・・・・もうダメだ・・・この解説者・・・!身悶えてるばかりで、解説する気がないッ!!




『それでは、二回戦目!!・・・の前に!一旦、CMですッ!チャンネルはそのまま!!』



・・・私なら、葉月さん出てなかったら、番組変えるぞ・・・。



『えーそれではですねー・・・第二回戦の準備の為、一旦カメラ止めまーす!!』



若いADさんらしき男性が、そう言ってステージに上がってきた。



こんな番組で、大丈夫なのか・・・!?

果たして、村山葉月の宣伝タイムはやって来るのだろうか・・・!?

心配だ・・・一ファンとして、村山葉月が心配だ・・・!!!




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私は、このSSシリーズの方向性が心配です・・・。