遅ればせながら、2021年9月にアイホンを購入しました。


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全盲の視覚障害者の皆さんでも使いやすいアイホン。
たぶん、シェア率はだいぶ上がっているはずです。
私も皆さんからだいぶ遅れましたが「アイホン」を購入しました。
そこで、購入してからの苦労や戸惑い、工夫などを書きました。


購入したきっかけと、ドコモショップにて… ずっと以前から、私もボチボチアイホンにしないと時代に取り残されるよね!と考えてはいました。
しかし、面倒くさいのが先に立ち、愛用し続けていた「らくらくホン」に頼っていたんです。
そんなある日、ドコモショップにアイホンを定価より安く購入できるキャンペーンがあることを知りました。
タイミングよく数日後に、4日間だけ割引で販売することを聞きました。
すでにアイホンユーザーである知人や、視覚障害者の日常生活のサポートをしている団体の職員さんなどに買うべきかどうか質問したりしましたよ。
底値ではないかという意見やら、購入する気持ちがあるのであれば買いだと思いますよなどの意見もいただき、私も「今だな!」と、思い切って購入を決意しました。
ただし心配だったのが、機種変したものの電話に出られるのか?電話が掛けられるのか? まずそこでした。
その辺りも知人などに聞いてみました。
2本指でダブルタップ(画面を2回トントンとたたく)で発信、切断ができること。
ただし、初めは電話帳操作が面倒なので、シリ(アイホンに搭載の話し掛けるだけで手伝ってくれるアシスタント機能)に頼んで「誰誰さんに電話して」などと言えばよいと聞きました。
ふむふむ。それじゃなんとかなるかも?!
そして、ドコモショップにて初期設定をしてもらう項目を、知人やネットから収集。
私がお願いしたのは、以下の4つです。
・シリの起動。
・ボイスオーバー(アイホンに搭載の画面読み上げソフト)の起動。
・ボイスオーバーをショートカットに登録。(これはホームボタンを3回押すとボイスオーバーがオン・オフになるための設定)
・アップルIDの登録(お店に行く前に、IDとパスワードを考えておくことが必要)
これをしてもらえると、家に持ち帰っても電話することくらいはできます。
経験から…。
ショップなどで、使い方、数個あるボタンの機能と用途をしっかりと聞いてきましょう。
あまり使わないかもしれませんが、電源のオンとオフ「再起動をする」(サイドボタンの長押し あるいは、サイドボタン+音量上げるボタンを押すこと)を聞いておくと、電源を落とさないといけない場合などに対応できますよね。
それと、サイレントモード(マナーモード)にする操作も…。
充電の仕方(充電用の差込口はどこなのか、どうやって指すのかなど)
不安なことや分からないことは、ショップのかたと練習してみることが大事かもしれません。
あとはおうちに持ち帰り練習するのみです。
電話に出る・終える… さぁて、未経験のスマホを持っておうちに帰ってきました。
かなりドキドキ。
電話来るなよって思ったり、でも、鳴ってほしいなと思ったり。
まずは、家の電話から携帯にかけてみました。
着信音が鳴ると同時に、誰誰さんから電話!みたいにしゃべります。
それを聞き逃したら誰からの電話かが分からない状態。
受話口の辺りを指でなぞると、運が良ければ誰からの着信かしゃべってくれます。
うーん、これは不便!
仕方ないから、誰かが分からないまま2本指でダブルタップ(2回トントンと叩く)をします。
そうすると通話開始です。
通話を終えるときも2本指のダブルタップ。
しかし、この2本指のダブルタップ、できるときとできないときがあります。
聞いてみると、これはIOSのバグ(システムの不具合)らしいのです。
困ったことに、発信・切断ができないだけではなく、なんとボイスオーバー(音声ソフト)が停止してしまうことも多々あるんです。
最初にこの状態になったのが、買ってから1週間もしない頃でした。
困ったので、晴眼者のかたにSOSを出して、アップルサポートに電話しました。
その手順を聞いていたら、ボイスオーバーを再起動したら直ったので、次からはこれだな!と思いつつ聞いていました。
どうも、アイホンが2本指のダブルタップを、3本指のダブルタップと思い込んで起きているらしいとのことでした。
そうなんです、3本指のダブルタップは、音声をオン・オフする動作なんですね。
なるほどね!と納得しました。
それを避けるために、他の方法を調べたり人に聞いたり。
電話が鳴っていたら、画面上を1本指でスリスリします。
すると何かしゃべります。
誰誰さんから電話。
電話に出る!というボタンが出てくるので、1本指でダブルタップ。
これで誰からの電話なのかが聞けるし、通話ができました。
それと、何より音声が止まることの回避ができます。
じゃあ切断はどうするか。
できれば相手から切ってもらいます。
または、仕方なく2本指のダブルタップ。
または、画面上で電話を切るボタンを探す。
現在はこの3つの方法を使っています。
音声が止まってしまったら、3本指でトントンとダブルタップして「音声開始」です。
電話帳操作とデータの書き換え シリに頼むと、なんだかうまくいかないこともあって、やっぱり電話帳をしっかり操作して電話を掛けようと思いました。
アイホンのトップ画面に、電話というアイコンがあります。
ダブルタップ(1本指で2回トントン)し起動します。
電話が起動し「連絡先」と聞こえたら、右にスワイプ(指をシュンシュンと動かします)
各項目を読んでいきます。
連絡先と聞こえなかったら、画面の下の方を触ると、よく使う項目や、履歴、連絡先、キーパット、留守番電話、などと並んでいます。
その中から、連絡先って聞こえたらダブルタップします。
ポンっていう音が聞こえますよ。
その後、画面の左上の方を指でなぞっていくと「連絡先 みだし」って聞こえるので、それで準備完了です。
そして右にスワイプすると、自分の名前を読むところが出てきます。
その次、「あ」と聞こえたら、下にフリック(上下に指をはじく感じ)します。
そうすると、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ、A、B、Cと続きます。
このときは、みだしというモードになっていないといけません。
そして、佐藤さんという人に電話を掛けたいなって思ったら、「さ」のところで泊まり、右にスワイプします。
そうすると、ご自分が電話帳に入れている「さ」の着くかたの名前が次から次へと読み上げていきます。
そして、佐藤さんが見つかったら、ダブルタップして電話帳を開くんですね。
その後右にスワイプしていくと、携帯の番号とか会社の番号とか家の番号とか読み上げるので、ダウブルタップすると電話が掛けられます。
ガラケイなどからデータを移行すると、携帯もいえでんも全部「その他」となっているので、ここは面倒でも自分で変えていきます。
そんな感じで、電話帳を操作し電話を掛けることもすいすいできるようになりました。
文字入力 何をするにも必要なのが文字入力の練習です。
アイホンには、入力するためにいろんなタイプのキーボードが用意されています。
ガラケイと同じように、「あ」を2回押すと「い」になったり、「あ」を選んで上下左右フリックで「あいうえお」を選んだりできます。
それに、パソコンのキーボードと同じ配列の「日本語ローマ字入力モード」もあります。
入力の方法も、標準モードといって、選んでトントンとダブルタップするやり方や、タッチ入力モードといって、画面から指を離すと文字が入力される方法など。
ほかにもダイレクトタッチ入力モードというのもありますね。
あとは、2本指でダブルタップして、マイクを起動してしゃべった言葉を入力することもできます。
これは、メールやメッセージやラインなどで視覚障害者同士なら誤変換があっても、読み上げが間違えていないなら楽な入力方法だと思います。
しかし、晴眼者さんが相手だったとしたら、誤変換してしまうとめちゃくちゃなものが送られてしまうので要注意ですね。
凹凸のない画面上でキーの位置を覚え文字を探して打つ。
これは大変なことかもしれませんが、努力するしかありません。
しかし、もっと楽に入力や操作がしたいというかたには、ブルートゥースで接続できる外付けキーボードや、リボツーなどもあります。
ただし、アイホン(電話本体)のほかに購入しなくてはならず、費用負担は増えてしまいます。
私は、ひたすら文字入力の練習をして外付けのものを買わずに済ませています。
それと、やはりパソコン操作に慣れているので、試した結果「日本語ローマ字キーボード」を使っています。
それだと、頭の中に文字配列が入っているので指を動かすのにも楽です。
ひとそれぞれ楽な方法があると思います。
どれが自分に合っているのかを見極めて使うことが、やっぱり大事なんでしょうね。
文字入力は、とにもかくにも慣れるしかないように思います。
最初にインストールしたアプリ アイホンを始めたのだから、とにかくLineを使いたい!と考えていました。
いろんな知人たちや友人たちは、今ではLineでグループラインをして情報の共有をしていますが、私のためにメールを送ってくれたり、送ってもらえなかったり。
そんな状況の中、スマホに変えたのならすぐにでもLineを覚えなきゃ!という気持ちがありました。
そこで、購入し2週間後くらいのとき、日本盲導犬協会の職員さんに家に来てもらい訪問指導を受けることにしました。
回数は2回で、まだまだ操作のおぼつかない私にマスターできるのかなど不安材料となりました。
職員さんにサポートを受けながら、アップストアーからLineをダウンロードしてインストール。
たまたま私は、パソコンでLineにチャレンジしてみようと思ったことがあり、アカウントは持っていました。
IDやパスワードを入れたら「おかえりなさい」とメッセージが出てきました。
そりゃそうです。
作って数年は放置していたんですもんね。
そこからいろいろな設定を教わりながら進めて、まずは使い方の練習です。
IDや電話番号から相手が勝手に拾い友達の申請をしてこないよう、設定で全てブロックかけました。
私が「この人とつながりたい」という人だけこちらから連絡しつながることができるようにしたんですね。
だから、スマホ買って今、4カ月になろうとしていますが、いまだラインの相手は20名弱ですよ。
あっちからもこっちからもメッセージ来たら、返信するの大変だしね。
まあ、便利だなって思うのは、やっぱりグループラインかな?
例えば、1回だけメッセージ書けばみんなに伝わるからその辺は楽ですね。
でも、文字入力は時間もかかるし面倒くさいので、やっぱり電話で話すのが一番楽でしょうね。
Lineは、電話するほどじゃないとか、相手が忙しいだろうから!みたいなときに、ちゃちゃっと書いておけばいいかな?くらいの使い方ですね。
あと、不便だなと感じる点は、晴眼者の皆さんはスタンプをよく使います。
ありがとうとか、バイバイとか、はぁいとか。
でも私たち視覚障害者がボイスオーバーで読んだ時、スタンプ・スタンプ・スタンプとしか読んでくれません。
中には、いろんなキャラクターがおしゃべりするスタンプがあり、それをわざわざ選んで送ってくれる人もいます。
それだと私たちにも音で聞くことができます。
ドナルドダックがしゃべったり、ミッキーがしゃべったり、キティーちゃんがしゃべったりしてくれます。
まあ、パソコンも携帯も同じですが、自分が必要なアプリ(ソフト)を選んで使うということが大事でしょうね。
便利だと感じたアプリ アイホンを手にして自分が何をしたいのか?
それに合わせてアプリをインストールします。
私が便利だと感じているアプリは以下のようになります。
・ユニボイスブラインド=音声コード(ユニボイスコード)を読み上げてくれるアプリです。(無料)
・シーイングAI=文字や周辺の状況、明るさ、お札の識別、色の識別などができます。(無料)
・サリバンプラス=上のシーイングAIと同じ。(無料)
・マネーツリー=通帳の管理に便利です。私はパソコンで先に浸かっていました。
※ただし、アプリを使い始めるときにパスワードの設定が必要で、起動する際には必ずパスワード入力をしなくてはいけません。
・徒歩で行く 東海道五十三次=歩数計アプリですが、ボイスオーバーでも分かりやすいシンプル表示です。(無料)
※一部読み上げしない箇所もあります。
以上、代表的なものを書きましたが、まだまだ発展途上なので、これから先もいろんなアプリなどを発見して、便利だったりゲームで楽しかったりするようなものを見つけていきたいと思っています。
インストールしたのに使い勝手が悪かったり、全く音声に載らず使い物にならなかったりして、あえなく削除する。みたいなこといっぱいしています。
でも、こうやっていろんなものでチャレンジして、やったぁ使えるじゃん!とか、便利だわぁと感じたり、おもろいじゃん!って思ったりして、そうやって発見していくのもなかなかおもしろいですよ。
皆さん、それぞれいろんなアプリを入れていらっしゃるでしょうが、何かいい情報があれば掲示板とかメールフォームから教えてください。
これから先 自分的には、今後は、徒歩ナビを上手に使いあちらこちらへとお出かけしてみたいと感じます。
それと、写真が上手に撮れるアプリを探しています。
せっかくアイホンにしたのだから、一人でできなかったことの助けになる何かを身に付けられたらいいなぁ!と考えていますよ。
ただ、誰もかれもがアイホンがいいって勧めるわけじゃありません。
その人の生活環境(例えばワイファイが飛んでるかどうか)や、困ったときに目を貸してもらえる人がいるかとか、スマホの操作に不安があるかどうかとか、いろんな状況の人がいると思います。
アプリもいらないし、Lineもしなくてもいい!という人は、「ガラホ」を選ぶ方が、ずっとずっとストレスなく電話を操作できると思います。
今まで使い慣れていた「らくらくホン」とほぼ同じような操作ができますしね。
だから、そこのところはあくまでも個人の考えで進めるといいと思います。
私は、いろいろと操作を重ねたくさん練習して、パソコンと同じように少しでも他の人にお教えできるようになろうと頑張っています。

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