私は、盲導犬ユーザーになるべく2011年7月から日本盲導犬協会「富士ハーネス(静岡県富士宮市)」にて共同訓練に入りました。
初めての盲導犬との生活、安全で、かつ快適な歩行を目指し訓練に邁進します。
なぜ盲導犬と歩く事を希望したか? |
数年前までは、家に居て主婦生活が主で、外出する機会は家族と共に、あるいはヘルパーさんと一緒に。このくらいで用は足りていました。 しかし、近年の私はNPO法人の活動に参加したり、パソコン教室の講師を始めたりと外出する機会も増えてきました。 それと逆行するように、私の目は症状が進み、どんどん光を感じなくなっています。 ハイブリッドカーやエコカーも増え、安全な歩行にも不安を感じる事も増えました。 そこで、2010年11月に1泊2日の盲導犬体験訓練に家族と共に参加。 これは、いくら私が要望し、盲導犬ユーザーになりたくとも、同居する家族の承諾をもらわなければ成り立たない話です。 家族ともども納得し、新しい家族を迎える気持ちが固まり、この度共同訓練をさせていただける運びとなりました。 4週間の訓練所での訓練を経て、晴れて盲導犬ユーザーデビューとなります。 この先、壁にぶつかる事も多々あると思いますが、持ち前のポジティブシンキングで、なんとか乗り切りたいと思います。 私の、更なるアクティブな人生を手に入れるために…。 |
いよいよ共同訓練に!! |
2011年7月11日 月曜日 前日から訓練所に泊まっていた私。 キラキラの朝日の中目覚めました。 朝ご飯は7時。 いつもより早い朝食に少し早起きをして準備していました。 慣れない部屋、慣れないベッド、1人で居る不安、訓練に対する不安や期待も少々。 寝不足の朝となりました。 朝食を済ませ待っていると、訓練師さんがお迎えに来てくれました。 私の盲導犬となるワンコとの初対面の時です。(緊張) 訓練室に入ると、白っぽい犬が登場。 色はイエローの男の子です。 年齢は、2歳5ヶ月と紹介されました。 私のパートナーとなるクートとの初対面でした。 だいぶ元気がよさそうだなぁ。と私の最初の感想です。 訓練師さんとクートと私で、訓練所の周囲に散歩に出ました。 昨年11月に体験訓練で盲導犬と歩いていたので、ハーネスを持つ方法などは覚えていました。 かなり緊張し肩や腕に力が入りまくりの散歩となりました。 その後も犬と触れ合ったりしながら1日目のスケジュールが終わりました。 初日の晩は、あまり緊張が抜けずに眠れませんでした。 翌朝目を覚まし2日目の訓練が始まりました。 いよいよ本格的な訓練が始まりました。 朝から真夏の太陽が照りつけ暑い暑い日々でした。 犬と生活をしたことのない私、何が何だか分からないまま、ただただ訓練師さんに教わりそれを学ぶ時間が過ぎていきます。 最初の1週間は、信頼関係を作るため「グッド グッド」と犬をほめることから始まりました。 シット・ダウン・アップ・ウェート・カム・ヒールなど基本的支持に犬が反応して動けば「グッド」です。 でも、見えない私には、犬がきちんとシットしたのか、ダウンしたのか全く分かりません。 グッドを掛けるタイミングもずれています。 どうしたらいいんだろう?どうやったら犬の動きがわかるんだろう?と疑問と迷いの中から抜け出せないまま数日が経過しました。 2日目の晩からクートは私の居室で同居しています。 心配だったり不安だったりで数日、ろくろく眠れない日が続きました。 最初の1週間は、とにかく訓練が嫌になりました。盲導犬と生活をすることに対しても不安だけが募り、早く家に帰りたい、犬はもういらない。と弱音が心の中でグルグルしていました。 2週目に入り、今度は「ノー」を使います。犬の動きを見極め、タイミングを掴み、更に犬との関係性を強める時が来ました。 基本的指示などは、最初に比べたら楽に出せるようになっています。 10日くらいしたら、杖より犬と歩く方が気持ちが楽かも?!って、なーんとなく感じ始めました。 しかし、指示に対して犬がうまく言う事をきいてくれなかったり、アップの声を掛けないのに立っちゃったりなど、まだまだ四苦八苦している時期でした。 訓練の日数も残り少なくなってくると、今度はあせる気持ちが出てきました。 訓練師さんも居ないわけだし、こんな段階で、犬を家に連れて帰り大丈夫なのかなぁ?うまく一緒に暮らせるかな? そんな状態の中、横浜の本部から訓練師さんのゼネラルマネージャーさんが私の進捗状況を見に来てくださいました。 「盲導犬と家に戻り、どんな事ができるかなぁ?どこに行こうかなぁ?」って希望があるかな?それとも「不安ばかり先に立つ?」って聞かれました。 私は、すかさず不安が先に立ちます。って答えちゃいました。 あらら、そうなんだね。って言われてしまいましたが素直な気持ちでした。 このころ、初めてウンチをもらされました。訓練終了まで数日のことでした。 訓練に向かおうと施設の外を歩いていたら、芝生の所にクートが走り「ノー」の指示にも耳を貸しません。 えっ?何で何で。 近くで見ていた訓練師さんが「ああ、ウンチしている。」って教えてくれました。 お出掛けする前にはワンツー(おしっこ・ウンチ)はさせないといけなかったのに、私は時間がまだ来ていないから大丈夫かな?って思い込んでいた結果でした。 また1つ大きな勉強をしました。 こんな状態でしたが、8月3日に共同訓練終了をいただき、クートも、訓練犬から正式な盲導犬となりました。 |
盲導犬と一緒に家に戻り、新しい生活が始まりました。 |
いよいよ、我が家族とクートの生活が始まりました。 時間を見つけては家の周辺を歩き、クートに道を覚えてもらったり、角や段差で止まる訓練の強化をしています。 9月に入っても、まだ暑い日が多く、滝のような汗をかきながら歩いています。 日々のグルーミングも重要なコミュニケーションの方法ですので、まめにしています。 家の中に大きなワンコ。 少しにおうし毛も抜けますので、家の掃除も、まめにしないとダメですね。 忙しくて目が回りそうになる日もありますが、歩くにはだいぶ楽になりました。 これから犬が元気なら10歳まで我が家の家族として一緒に生活をします。 無理せず信頼関係を強く持ち頑張っていこうと思います。 |