2頭目の盲導犬「ガロン」と再スタートを切りました!


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8年半一緒に暮らしたクートが2019年10月に引退し、新たな盲導犬ガロンと再スタートを切ります。


クートとの別れに苦悩 2011年7月から共に生活をしていたクートが、2019年10月をもって引退しました。
ほぼ8年半、ずっと一緒にいた私たちですが、いよいよお別れしなくてはいけない時期が来てしまいました。
10歳9カ月まで、元気で一生懸命お仕事をしてくれたこと、癒しを与えてくれたことに「心からありがとう」です。
感謝の気持ちとともに、寂しさを隠すことはできませんでした。
引退が迫る中、毎日のように目を潤ませていた私です。
一緒に歩いた道、一緒に行った場所、失敗したこと、クートがきっかけでお知り合いになれた人もたくさん。
思い出は泉のように湧き出してきます。
盲導犬を持った時から、10歳になったらお別れをしなきゃいけないって分かってたけど、それでもつらすぎる。
いよいよ10月21日が来て盲導犬協会にパパとバーバとクートと私で出発。
行く道、寂しさで涙がにじみました。
仕方がないと分かっていても手放すのは嫌だ。
心は葛藤を続けます。
パパさんが、引退の書類に署名捺印。
私とクートの繋がりである「盲導犬使用者証」に穴が空けられた。つらすぎる。
もう私の家族じゃなくなったんだなと悔しい気持ちも湧いてきた。
あああ〜絶望感。
でも力を振り絞りクートにお礼を言った。抱きしめた。涙が滝のように流れた。
ハッピーリタイアという言葉があるんです。これは健康で10歳ごろまできちんと仕事をこなせた盲導犬の勲章だ。
クートは、みごとに仕事を最後までやり遂げたんです。お祝いなんです。
この日から、一人と一匹は別の道で暮らしていくための再スタート。
後ろ髪を引かれながらもさよならをした。
クーちゃん、本当にありがとう。元気で長生きしてください。ママも今までどおり頑張ってやっていきますね。ありがとう ありがとう ありがとう(ハート)
2頭目の盲導犬「ガロン」との出会い 2019年10月21日 月曜日
午前中にクートとお別れし、午後から2頭目の盲導犬とご対面のときです。
お昼ご飯を済ませ悲しさ寂しさが残る中でしたが、ガロンとの初対面をしました。
クートより一回り小さめの子で、色も茶色だそうです。
今度のパートナーは女の子でした。
名前をガロンといいます。
ちょっと聞くと男の子みたいな名前ですよね(苦笑)
でも性格は、さすがに女の子らしくおとなしめで控えめな感じの子です。
今までやんちゃ坊主の活発な子と暮らしてきた私でしたので、ガロンモードに切り替えるのは容易じゃない気がします。
大丈夫かなぁ?と不安になったりもしました。
共同訓練1週目 1週目は静岡県富士宮市の盲導犬協会の施設に泊まり込んで訓練を受けます。
今度は2頭目なので、宿泊訓練は1週間で済むんです。少しうれしい。
その後に地元に戻り、残りの訓練スケジュール(約2週間)をこなしていきます。
ここはユーザーと犬の出来上がりにより多少長くなったり短くなったりするようです。
どんちゃんは、少しでも早く卒業できるよう頑張らないとだな!と気持ちをガロンに集中しようと考えていました。
基本のコマンド(犬に出す指示)は2頭目ということでOKだろうと考えていました。
今までとは少し違うところや、前にはなかったコマンドも少し増えたりしていましたが、ここは苦労せずクリアできました。
しかし甘かった。
犬も、それぞれの性格や運動能力などが全く違うことを忘れていました。
クートのときのことを生かし、それなりにできるんじゃないかって!
角一つ、段差一つ、障害物のよけ方一つ取っても違う動き…。
あれぇぇぇ、なんで止まってるの?角はどこ?などと迷うことばかり。
ガロンの動きの癖や、伝えてくるサインを私がしっかりと認識できていないから迷うことばかり。
でも、ワンツー(排泄)などはとても上手にこなすガロン。
それに、歩く速度や、引きの強さなどはそれほど強くなくて歩きやすいなと感じていました。
あっという間に訓練所の最終日になり、シャンプー訓練。
犬を洗うバスタブに自力で上がらない。なんで?どうしたの?シャンプー嫌いなの?
違いました。
犬舎の職員さんに聞いたところガロンは最初から自分ではジャンプしないようです。
あれぇぇぇ、ここも違うんだ。
結局、人が抱っこしバスタブに入れてあげ、その後シャンプーするとのことです。
でもシャンプーは嫌いじゃないようでおとなしくしていました。
その後のドライヤーも、きちんとおとなしくでき花丸でした。
きれいになりその日の午後からどんちゃんの自宅に戻りました。
共同訓練2週目から3週目 地元に戻り共同訓練が始まりました。
今までとは違い、頭の中に地図があるので歩くのも楽です。
あとは犬の動きに集中すればいいだけ。
私がよく歩くお散歩コースや、よく使う場所など十数か所を繰り返し歩いて、角の入りやスピードコントロール、方向指示などを強化していきます。
午前からお昼休みを挟み午後も歩きます。
毎日4キロから5キロは歩いています。
足や腰が痛み始めていますが、泣き言なんか言っていたら訓練終了がもらえません。
私もガロンも必死で歩きました。
やっとというか、ようやくというか11月8日で訓練終了の許可が出ました。
しっかり3週間、土日は休みながらも毎日歩きました。
もちろん座学も数時間学び、8年前にも教えていただいていたのにすっかり忘れていたことや、しっかり覚えていたことなどさまざまでした。
雨の中歩いたり、台風が来て暴風雨の中訓練士さんと一緒に遠方まで行って訓練したり…。
いやはや、2頭目だからもっと楽にできるのかと思っていた私がばかでした。
悩み、考え、工夫してやってみる、この繰り返しでしたが、1頭目と何ら変わりなく訓練はたいへんだなぁと実感しました。
共同訓練がおわり 訓練は終了しましたが、翌週月曜日(11月11日)にすべてのスケジュールが終わりました。
この日は、午前の早い時間から動き始めました。
市役所に行き、市長さんや福祉部長さんや課長さんなど皆様にご挨拶。
この時の様子が山梨の地方新聞に掲載され、いろんなかたからお電話をいただいたりしました。
ちょっとした有名人気分。(アハハ、ジョークでーす)
その後、ガロンの観察を取るために担当部署へ。
その後も、これからお世話になる獣医さんや社協や警察署などを回りました。
訓練中のことなんですが、人が歩く歩道上に柴犬が繋がれていました。
そんなところに犬が居たら、犬を連れた私は通れません。
どこの犬かと思ったら、目の前のお宅の犬で、訓練士さんがそのお宅に言いに行ってくれたのですが、出てきたおばさんの態度たるや頭にくるような態度なんです。
そのときは訓練士さんがいたからいいけど、一人と一匹で歩いていた時同じ状況だったら近づき吠えられるまで気付けません。
万が一かまれたらしゃれにもなりません。
警察署に行き、その辺のことも話し、そんな場面があったら助けて欲しいともお願いしてみました。
なければないにこしたことはないけど、万が一あった場合の保険ですね。
そんなことを全て済ませて完全に終了しました。
これから訓練士さんは一緒に歩かなくなります。自分の感覚やコマンドの出し方、感じ取る力をめい一杯広げ、新米ユニットは富士の麓の街を歩き回ろうと思います。
安全第一で…。

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