数年前から近隣の市町村の小中学校を回り『福祉講話』をしています。
子供達とのふれあいを通して、視覚障害者の生活などをお話ししています。 これから成長していく子供達が障害者と自然に付き合える社会になれば・・・。と思いながら続けています。
福祉講話ってなぁに?! |
小学校4年生の国語の教科書に『点字」のお話しが出ています。 小学校には、総合という授業の時間が設けられていて、その時間を使い福祉の事や社会の事などをお勉強しているようです。 私は学校側からの依頼を受けて各学校に講師として出向きます。 子供達に普段の生活の事や、外出時に困った事、うれしかった事、感動した事などを話しています。 質問を受けたり、ふれあったり楽しい時間を過ごします。 私が子供の頃にはなかった授業ですよね!! |
どんな内容を話すの? |
途中から視覚障害者となり、そこから再出発し色々な工夫をしたり、周囲の人たちからのお手伝いを受け日常生活を円滑に進められている現状。 こうして見えにくくなり、でもそれによって感じ取れる事がたくさん増えてきました。 視覚障害者にとって、便利で優れものグッズなども紹介しています。 |
どんな質問が飛んでくるの? |
Q : 目が見えなくなって困った事は何ですか? A : 全般的に困っているけど、特に外出した際に信号のない道路の横断はとても怖いです。 人の顔が見えないので、声を頼りに記憶しなくてはならない事。 お買い物は、一人ではできない事。 特に、スーパーでのお買い物は、値段・種類・グラム数・産地などの表示が見えないので、誰かと一緒でなくてはお買い物ができません。 色の見分けが難しくなり、洋服のコーディネートや買い物の際にも人の力を借りなくてはなりません。 Q : 一人でご飯は食べられますか? A : 一部介助を必要とします。 例えば、大皿に野菜の煮物が入っていて、「大根が食べたいな!!」と思っても どれが大根か分からないですよね。 そんな時は、誰かに取ってもらったりしますよ。 そう言う事を除けば後は大丈夫です。 Q : 視覚障害者になって、良かったと思う事は何ですか? A : 少し考えてしまう質問です。 でも私は、こう答えます。 「人との出会いです。」 視覚障害者を始め、さまざまな障害をお持ちの方や、それをサポートして下さる方々との出会い。 こうしてパソコンを通じて知り合った方々。 沢山の出会いが有りました。 Q : どんな物が有ったら便利だと思いますか? A : 私はすかさず答える事の一つとして、『盲導犬ロボット』です。 と言います。 盲導犬の仕事振りは素晴らしいものです。 しかし、住宅事情・動物アレルギーなどの色々な状況により盲導犬を持てない視覚障害者も居ます。 うちも住宅事情により難しいんです。 そこで、これだけ科学技術が進歩した現在です。 どこかのメーカーで開発して下さらないかなぁ?!と思うのです。 |
何か道具は持っていくの? |
講話の時は色々な便利グッズを持って行きます。 視覚障害者にとって頼りになるのは、「音」です。 さまざまな音声付のグッズが有ります。 パソコン (皆さんが使われている物となんら変わりは有りません。 ただ唯一違うのは、画面を読み上げさせるソフトがインストールされている事です。) 音声時計 (これも一般の方々が使われる物です。 ボタンを押すと、時刻・年月日・曜日・アラームの設定状況などを音声により教えてくれます。) 携帯電話 (ドコモのラクラクホンです。 これは、音声ガイドがしっかりしているのでメールの送受信・各種設定・時刻・年月日・万歩計などが一人で操作できます。) 体温計 (これは、盲人用です。 しっかり点字の標記も付いています。 アイポッドのような形に似ています。 今、体温はいくつなのか?・測定結果などを音声で教えてくれます。) 白杖 (これは視覚障害者のシンボルです。 折りたたみ式なのでたたんでいる状態からピーンと伸ばして上げると、子供達は喜んでくれます。) 点字の本 (点字のみの本を持っていくと 子供達は「これで読めるの?」と聞いてきます。) |