EA21RカプチーノF6B搭載への道 

−F6Bカプチーノ製作記−

 インテークマニホールド製作

前ページで紹介しましたが、ここは溶接技術以外にも切削、穴あけなどの基本動作が入ります。

切削、穴あけくらいは別として、溶接を含めた特殊作業は一般の方々には普通に出来ません。

ここはあくまで僕のノウハウ、僕自身の技術と技能しかありませんので上手くご説明できれば良いのですが、一番目安もしくはサンプルになるのは以下の写真かと思います。

答えがしっかり出ています。よ〜く御覧あれ。

素材すなわちアルミニウムのよさがしっかり素材に反映されていまして、何処まで溶接で攻められるかを考えながらの製作でした。(少々のノウハウでは出来ない技術であることははっきり申し上げておきます)

最初は形状も大きく変わってしまったし、低回転時の発生トルクが落ちるかもしれないと思っていましたが、

実際走ってみた結果、性能向上はできますし僕自身で作ってよかったと思えるものになりました。

タービンに助けてもらう走り方も要りませんでした。

仕上がり見た目は悪くは無いと思います。ビード外観も良好です。リークもありません。一発補修無しで作ることができたのも練習につぐ練習の結果であり、一人で溶接そのものを勉強してきて出来上がったマニホールドなのです。

ある意味本物のワンオフパーツではないかと思っています。

カプチーノ+F6B搭載考えた人は、このマニホールド製作が出来ずに終わります。やはりここは技術と技能があれば楽々乗り越えられるものだと思っています。溶接とは経験と失敗の繰り返しなのです。

インマニ流用も期待できません。(一部製作不能なところがあります)





触媒の加工修正



触媒も純正品をそのまま生かします。触媒がないと公道を走れませんし公認車検も合格することができません。保安基準を満たさなければ最終目的である日本で一台しかない公認車両になりません。

ここはさすがに軽量化という簡単な目的の為に取り除くことはできません。

元々F6B、F6A、K6Aも触媒本体でエンジン部品のバランスを持たせる構造ですから、取り払ってしまってはいけません。

写真では確認するのが難しいですが、今回の使用触媒はF6B用をそのまま流用できません。

触媒本体は基本的に同じですが、取り付け方法が違います。

タービンアウトレット形状が違うのです。

もしここで、形状が違うということでフランジぶった切って溶接しようという安易な想像ができるかもしれません。

ここは、溶接工法はやめたほうが良いと思いますよ。

ネットでどこかの方が汚い溶接で作ったものを見かけましたが、自分はよくても間違いなく他人を危険を与えてしまいます。

破損状況悪化すれば、車両火災なんてことも考えられます。

よほどの高い溶接技術をお持ちの方なのかもしれませんが、僕は切って貼ってというのはやる気がしません。

鋳物溶接は適材適所という言葉があります。方法論も知らない素人は手を出すべきではありません。

長い目で見た場合、切って貼っては・・・無駄な投資です。(の、はずです)

ならば、触媒レスという考えもありますがサーキット専用、競技専用でいくのならそれもありですが、有害ガスを放出というのは現在の規定規格には合致しませんのでやめた方がよいと思います。。

公道を「音の違うカプチーノ」で走ることを実現するために触媒レスは選択しません。



マフラーパイプ加工
触媒を確実に導入して最終目的である公認を取得するのですから、触媒以降のマフラーも当然加工が必要になります。

写真は、溶接前処理のものです。このまま溶接は出来ません。クラック、ビード外観不良の原因になります。

ここも溶接、パイプ形状変更など色々と面倒な加工箇所であることは間違いありません。

今回はステンレスパイプを利用して作業工程を増やさない方法を探し出してみました。

NCパイプベンダーがあれば自由自在にパイプを加工して、ワンオフパーツを製作してしまうところなんです。

しかし数千万もする高価な機械を購入できるならば、F6B搭載カプチーノを「創る」ことはしません。

一般的な汎用工具だけ、自力加工だけで頑張って作ってみることが僕の目標。

数千万の値段を出す資力があるのなら、スーパーカーを買う、事業拡大目的で小さくても家、土地を買います。

マフラー程度のパーツはサンダーで荒削り、で乗り切れますよ。多分。

ここでも溶接技術が有効に活用できます。

細かく言えば、見栄えは悪いと思いますが溶接と切削、前処理がしっかりしないと多分・・・無理かと思います。

ああ、ここのところ集中力と体力、精神力を使う日々が続いている2足のわらじ状態。

日中は会社命令の資格取得勉強、夜はF6Bエンジン搭載、この楽しい日々が続くのはうれしいのですが、さすがに少し眠くなってきたのでここで2〜3日休むことにしました。

優先順位を考えましたら、資格試験が先です。一気に爆睡。


ハーネス加工
今回メインハーネスとサブハーネスはF6BとK6Aの合体型で制御することにしました。

エンジンを送ってもらった時付属していたハーネスは古く、コネクタ、カプラも割れていたため自作する必要があったためです。

F6Bのケーブル類は古い

殆どが使えそうにありません。

合体型とはいえ全てハーネスを作り直しました。

K6Aの一部エンジン制御部分を利用しながらの製作になりましたが、全てハーネスは新品状態です。

普通なら簡単なF6B用をそのまま再利用してポン付けしますが、延長しないと無理があります。

配線延長を実施するならば、最初から作ってしまった方が安上がりです。

つまり、末永くクルマを使用することを前提としていますからK6Aハーネス流用にF6Bエンジン制御系は新規で起こした方がベターです。

おそらくですが、K6A用の合体となるとCPU制御の違いから余計なセンサー類が邪魔していますので、簡単には合体できません。

CPU経路にあるセンサー類のクロック数も違いますし、PCのキーひとつで簡単に。とはいかずCPU改良はできません。

ここで問題になるのは

K6Aの弱点プラグコード方式はF6Bはセミダイレクトイグニッション(DTI方式)ですから、このあたりの部分の改造なのか、改良なのかわかりませんが、一本でも間違って結線した時、ジエンドです。

ちなみにスズキの整備解説書を頼りにできません。解説書、修理書そのものが無いのです。

まあ、ディーラーが嘘いっているんだろうけど・・・

確かに配線図に関するものはありませんでした。

配線図集はありましたが、大幅に間違っているのです。さすがスズキ、大雑把。悲しきかなスズキ。

こんなものは最初から期待してません



もしも、CPUハーネスが使用できないのであれば別の方法もあります。

今回は新しいハーネスをそっくり作ってしまいました。一言でいえば難しいとか簡単とかという範囲のものではございません。

ただ、製作するまでの相当な時間がかかりました。1ヶ月はかかってしまっています。

あまりにも複雑な配線方法になってしまったので途中で投げ出しそうになりましたが、ルートを変えて最適な方法を見つけながら作業しまして一番ベストな設置状況、不具合が発生し難い方法へと実現することができました。

ここも搭載術のノウハウがあります。新しくハーネスを作って正解だったと実感したものです。

  フロントフレームバー(フロントブレースともいいます)

エンジンフロント付近に装着されるパイプ品です。

F6、K6では丸パイプをプレス加工したものでして、ここにエアクリが固定される部品です。

イエローバードは一部曲げ加工を実施してこの部品を再利用していましたが、僕の場合はそのまま利用せず、新しいものから作り直しました。

写真を見てもらえれば分かると思いますが

実は、この部品普通の角パイを使っただけではありません。この部品のおかげでF6Bエンジン搭載を可能にしたパーツなのです。これだけでF6Bが搭載可能になったわけではありませんが、大変重要なパーツのひとつなのです。

イエローバードの場合、少しの加工でクルマに装着してあったのを確認しましたが、ああなるほどと思わせる部品の一つです。

部品加工前にイエローバードを一度参考にさせていただきましたが、やはり記録樹立の為のスペシャルとサーキット&公道スペシャルの考え方はコンセプトから違っています。

細かな部品までどんな意思をもって作っていくかを考えていくこと、何故この部品が必要だったのかといった製作者の考えを探ってみると、方向性は一緒だったと感じるものです。

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