「フルレストア」って何?
中途半端な考えでクルマを弄ることはしません。
外観を弄ると、玩具になってしまうスタイルだからこそノーマル形状がとても大切です。
フルレストアというと、金がかかって直すにも相当な工数がかかると及び腰になるものです
しかし現実はそんなことはありません
実際、レストア作業を始めてみると趣味の範囲で十二分にレストアできてしまうものなのです。
純正部品代はかかります。だけど自分で整備して修理してレストアップできるのですから
お金は最小限で最大効果を発揮することができます。
新車時の姿に戻すこともできてしまいます。
車体はテッパン(鋼)を使用していますので元通りにもどすことは実際問題不可能です。
ただ、延びと縮みを繰り返した結果、一番落ち着いた場所にいる最適な状態のテッパンなのです。
酸化いわゆる錆との闘いにも見えますが、クソ三菱を除く自動車メーカーは当時の最新技術を用いて
ある程度妥協の産物として生まれています。
今から数十年前のクルマは、高品質でオールJAPAN製で強固な姿勢を貫いた
HCR32スカイラインは本物のクルマ、早々壊れることも少ないのです。(壊れたら修復すればよい)
自分の持ち物として、大切な資産として考えた時に「フルレストア」が必要になります。
特殊なパーツでなければ、入り口としては容易と思います。
私の思い
さて、フルレストアを始める前に頭の中にインプットしていることがあります。
何時もの決め事をご説明いたします
@専門家(業者)に僕のHCR32には一切手をつけさせない→所詮ディーラ整備に預けても直せる技術がないからです。
A整備工具はホームセンターを中心とした補給体制で進めます。(その方が安上がり)
B交換が必要と思われる部分をリストアップし極力経費を抑え、整備加工全てにおいて自分で責任をもちます。
C純正パーツに関しては、NISSANパーツセンターを主役においたものにします。(スカイラインですから当然ですが)
スカイラインは僕にとって大変思い出深い一台なのです。
クルマの感動を教えてくれた一台がHCR32スカイライン。
伝説のマシン発売直前、あれはR32GT-Rが出る夏の暑い日のことでした。
昼飯棟の休憩所の広場に180SXと一緒にHCR32タイプMが展示されていました。(ニッサンの飯はブタの飯、社内ワード)
社員向けに買って下さいねと広告宣伝のための展示です。
見て、触ることができました。
ちなみにスカイラインの隣に止まっていた180のエンジンは200SX仕様だったかもしれません。
まだ発売前の試作車(確定量産車)でしたし。
これが8代目スカイラインとの最初の出会いです。
「本物」との出会い
初めてスカイラインと出会ったときの感動は今も忘れることはありません。
ある時、開発後期のプロトタイプR32GT-Rを見る機会があって
R32GT-Rスカイラインとの最初の出会いとなりました。
タイプMで驚かされた後にGT-Rプロトタイプを拝み倒せるわけですからたいへん幸運でした。
その時の思いは今も忘れることはない。
スカイラインとは僕の人生の一部として常に心の片隅にいます。
8代目スカイラインの魅力
日産スカイラインGT-RとGTS-TタイプMは
僕にとって理想の形、性能なのです。
エンジンの音、マフラーから出てくる特有の振動波
室内の雰囲気
排気量
クルマ全体の品質、エアコンの動き方
外観、操作性
そして、そのクルマが放つ独特の雰囲気
すべてがパーフェクトでした。
市場に出すとき、こいつは必ず売れる。と確信していました。
価格はいくらなのか聞いてみました。
僕の手持ち資金では買えない破格の値段
特にGT-Rは10代の僕では無理でしたが、スカイラインを必ず手に入れると心に決めた時でもありました。
スカイラインは常に僕の心の中にあった
僕は学校に通い、スカイラインのことを思っていました。
学生の身分ですから新車はおろかクルマなんて買えるわけがありません。
クルマは二の次、とにかく生活することが優先です。
ですが、いつもR32スカイラインタイプMは心の片隅におりました。
みなさんはGT-Rが良いとみなさんは思うでしょう。
ですがドライブテクニックもGT-Rを扱うほど上手くなかったですし、メンテナンスを僕一人で行うには大きすぎる
税金も高い、維持費もそれなりにかかるもの。
GT-Rは無理ですが、タイプMならば手が届く。
そして僕にとってはパーフェクトな存在。
ある場所で直接触って、「確信」した気持ちが色褪せず今も残っている。
クルマを持てない環境下に住んでいる以上諦める他はない。そう思っていました。
地方から出てきた田舎者が都会で駐車場をもつことなんてできません。
クルマだけで生きていければ、とても楽です
無理して背伸びしてまで屋根のない、最低限以下の整備しかできないのですから結果的にすぐクルマを手放すことになります。
いつも電車でバイト先に行く時
白のタイプMが駅前のアパートの軒先に止まっていて
「いいよなぁ〜」「何時か、スカイラインを飼えるかな」
何時かは白のタイプMが欲しいと思って眺めていました。
あれは確か、ワインレッドのタイプMが国道を颯爽と走っている姿を見たとき
やはり、あきらめるにはまだ早い
手に入れたい。と再燃しました。
現在のHCR32スカイラインタイプMは・・・
手に入れてから大分時間も経過し、販売終了から約20年という月日が流れました
いつも、今も僕の手の内側にいるHCR32スカイラインタイプM
僕にとってはいつも特別なクルマです。
とても感慨深いクルマの一台。
901活動の集大成ともいえるクルマです。
エンジンも駆動系も車体もくたびれてきている
正規規定するアライメントも合っていませんし、部品一つ一つが消耗しています。
だけどボディスタイル、エンジン性能、駆動方式、乗り味すべてパーフェクト。
僕が思っている資質と特性を持ち合わせている大切なクルマ
それがHCR32スカイラインタイプM
とくに高速巡航でその性能を発揮して現代のクルマにも負けない品質と性能があります。
僕は今まで登場してきたスカイラインの中で一番スカイラインらしい姿であり、動力性能、車体特性
走りの質感もどんなクルマにも負けない最高性能を持っています。
現代のクルマたちにも負けない気質を持ったクルマ、それがHCR32スカイラインタイプMなのです。
今は、使い古したクルマですが。数学の公式のように「使い古した」をもう一つ付け加えて乗じて「新車同然」に生まれ変わらせます。
まず最初に足回りのリフレッシュから
レストアップで重要なのは、車体に対して「内から外」か「外から内」かを考えますが
大切なのは、テッパンの状態から確認していくことです。
今回は「内から外」を貫くことにします。
通常、整備上で足回りのリフレッシュというと、スプリングやショックアブソーバー系の交換作業かな?と思うところですが
車体内部のチェックからスタートです。
まずはフロントサスペンションから整備開始しました。
- 整備技術と技能 -
「技術」と「技能」を追い続ける