トランスミッションのオーバーホール

 さて、次は駆動系の要、トランスミッションのオーバーホールです。
トランスミッション整備を行うために、まず最初に行わなくてはならないこと
それは、車体から降ろすことから始めなくてはなりません。
トランスミッションは、重い部品のひとつです。怪我に注意しながら本体を壊さないように慎重に71C(MT型式)を降ろします。

と、その前に外観状態の良くないマフラーから手をつけることにします。



フロントマフラーパイプに装着されている遮熱板(パイプカバー)
古いので状態はお世辞にも良い状態とは言えません。手直しと改良が必要です。
当時としては、結構コストのかかった部品の一つです。
2重構造で、断熱シートも挟みこんである特別仕様です。
バブル期のクルマはやはり良いと思います。
ある程度、サビとりを行い耐熱化対策を施しました。
これでミッション本体を降ろせます。




ミッション本体はとても重いです。一人で行うには作業も慎重になりますし、その慎重さの中に正確さが入って
エンジンとボディから切り離すことができます。
今回は、単に本体を降ろすだけではなくて、フルオーバーホールなので、ギア+シンクロも分解整備していきます。



分解中のミッション本体です。
ガスケット、シール類は全て新品交換を行いまして
今までかかっていた不要な機械的ストレス、負担のかかっていた部分を取り除いていきます。
少し面倒なのがシフトピンを打ち込むときでしょう。
整備中は細かく部品の状態をチェックして、要交換部品をリストアップして部品屋に注文します。
その間は別作業メニューとなります。



交換前のクラッチカバーとクラッチディスク、フェーシングは基準値の80%以上残っておりまだまだ使用可能です。
古い部品ですが、使用可能領域で良品扱いですの補修部品としてストックします。
ただ、写真で判断できますように、汚れはかなり酷いものです。
ディーラーで間違った組み方をされたのが原因。リターンピンも折れておりました。ディーラ整備士が組み付け方法を誤った結果です。普通は折れるパーツではありません。
カバーの黒さは実際はこの程度は普通に汚れますしかし、これは汚れすぎ。
グリースの選択方法を誤った結果です。無知な整備士はやはり無知のまま。

今回はカバー+ディスクを新品セットで交換します。
ノーマルディスク、カバーで十分。



ミッションオーバーホールで、一番気にかかっていたのが、この部品
ミッションマウントです。

ゴム部品であるため、変形しハリを失っています。

しかし、状態確認するとまだ使用可能レベルと思いますが、新品交換です。

丁度この頃に発注した部品が入手できまして、前工程に戻りガスケット、シール類を全て交換て

ギア本体、ケースともに洗浄、本組立てを行いました。

機械的ストレスはほぼ解消しているでしょう。今度は取り外す作業工程とは反対に行うだけです。

クラッチと4速シャフトスプラインと合致させるために注意したい部分があります。SST専用ツールの登場となるところ

でしょう。センターが出ないと、どんなことをしても接合できません。

なければ、旋盤で削りだすしか方法はないと思います。(ビニールテープは特にNG)

最近は、安い工具がありますが、全く駄目です。使い物になりません

一番良い方法は、工具を買う前に4速インプットシャフトの中古品を用意

一部を切り出したものをそのままセンターツールとして使用するのが近道です。

多用車向けに使用される特殊工具は価格が高い上にめったに使用する機会はありません

ならば中古インプットで十分です

組立に関して、71Cで良くやってしまう組み付け不良は、Cリング、スナップリングの組み付けをすっかり忘れること。

ディーラーアホ整備士はとくにこれを忘れる

おかげでフルード漏れも発生しました。

遠き昔の出来事ではありましたが、これでミッションを壊す結果になったことも付け加えておきます。

自分で整備したほうがミスもしないし、おかしくなることもない

信頼におけないのがディーラー整備士、無知な人

ミッション整備はセンスがないとまず無理です。

しっかり勉強して生かさないと必ず、どこか不具合を抱えます。

組立も何度か練習したほうがよいと思います。

慣れてくれば、こっちのものです。

「こんなに簡単に、効率よく組めるのかと驚くはずです」

トランスミッション系を正確に組める人は、エンジンを組む技能者よりも優れていると断言できます。

一応、こんな整備をしてましたと言わんばかりの写真をどうぞ。

馬鹿整備士の言い訳がいかに嘘だったか。(この状態で組み上げてあった。スプリングがない)

これで1速の入りが悪かったわけです。スプリングが片方なければクラッチの切れも悪くなる。

いかに整備士が素人か分かる。

今回の写真は過去に交換対応した後、最近後片付けをしていたところに出てきた。当時のお品物。

スプリングがない。片方ないのです。

この欠損した状態でトランスミッションを組んでいった悪態業者。

おかげですぐ新品部品に交換となってしまった。

現在は私が整備したため1速の入りは良くなり、不具合解消済みとなっています。

整備士ってホント、バカしかいねぇ〜。
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