リアの足を全てを分解します。

次はスカイラインの駆動系の要。

リアサスペンションとその周辺の全オーバーホールです。

リアサスペンション周りは軽量部品と重量部品の混載ですのでストラット式の足回り方式よりは作業は楽ですが

スカイラインのリアサスは部品点数も多くて、さらには重量物の第一人者サブフレームが装着されています。

最初にサブフレームを除いて取り外せるものを全て取り外して順番に整備していくことします。

面倒ですが、ブッシュ交換も必要です。

どちらにしても部品を取り外すわけですし完成まで時間はかかりますが全て気になったものは交換してしまった方が

よいと思います。一人作業の場合は特に、使えるかもしれないと思うのは禁物です。

何度も話してしまいますが、一度装着されてしまうと、すぐ交換できる場所でもなく

同じ作業を繰り返すだけでは体力も精神力も10倍も20倍も使うだけになってしまいます。

ここが、整備の駆け引き、経験が試される。手の入らない絶対的な場所だけは妥協してはならないのです。

つまり古い、だけでは整備する意味がありません。

別の視点から考えた場合であってもクルマが古ければ価値がないというのは大きな間違いなのです。

といいますのも、価値がなければ純正部品も全て古いから欠番、欠品にして価値がないから新しいクルマを買えということを言うのであって、未だに純正部品があるということは?

つまりは入手できるというのはクルマにまだ価値が残っているから修理せよという意味としてとらえることもできます。

どこの役人が、8年なんて決めたのでしょうか。意味がないと思います。

これこそ国産車の重要な価値を落としてしまっているか。アフターサービスという日本の付加価値を削り落としてしまっているか、浅はかすぎるバカ役人と専門家、知識人が余計な動作をした結果、失敗した政治を行った代償は大きかったものと言えます。

現在作業をしながら考えていたことをそのまま文章にいたしました。作業中はこのようなことを思いつつ、不具合発見に努めます。

  リアの足を全てを組立します。

クルマの価値を決めるのは、ユーザーだけの特権です。法律だけで全てが決められるわけがありません。

交換といっても単なるAssy交換ではなくて使える部品は生かしつつ消耗しているところを修復します。

いつも以上に慎重に行っていきます。

リア周りで交換が必要になっている部品点数はかなりの数にのぼります。

ゴム部品や柔らかめの部品たちを眺めてみると状態は良くありません。

特にハイキャスが整備する上で邪魔な部品です。こちらも取り外して整備していきます。

ハイキャスは走りに対してあまり有効活用できない部品ですが、この部分にも手を加えて

今まで以上に素直な走りができるようにします。

HICASキャンセラーも同時に打ち込みます。

CPUもセットで変更するとよいかもしれません

重要なポイントは、単品購入不能となっているバランスウエイトも取っ払わずノーマルに徹したほうが良い。

この部品走りの性能で少しだけですが安定方向に振り替えるものです。(理論上の話です)



上の写真は、リアサスペンションメンバーに装備されているハイキャスです。

いわずとしれた厄介者ですが、足回りの剛性を出す為に必要な部品です。

発売当初は画期的なシステムとして紹介されましたが

高速領域ではまず使えない厄介者。

ならば、殺してしまってフワフワ感を閉じ込めます。

本来、ハイキャスは高速走行のレーンチェンジで安定方向に走れるというコンセプトだったと思います。
位相、逆位相を使ったシステムですが、眠らせることで一部足回りの剛性を高めたいと思います。

反対に走りの足かせになっている傾向が強いものは休眠してもらったほうがよいのです。

筑波を走った時に本気でこのシステム「不要!」と思ったのが始まりです。

カウンターを当てた後、最後のおつりを吸収したいのに、グニャグニャするのが嫌で、タイヤにも優しくない。

何故、日産はこんな不必要な部品を装着したのか不明ですが、何か特殊性を出したかったのでしょう。

ハイキャスをつけるならば、パワステフルードタンクから遊び走行をしたときに漏れ出す不具合の対策にでも費用を当てればよかったのではないでしょうか。

例えばリザーブタンクの大型化、耐熱化。

以前足回り修理依頼を受けてハイキャスを制御しているCPUをチェック中、勝手にハイキャスが動く不具合も確認できていますし、いずれにしましてもCPUの値段も高額で中古も必要なく、破損しても自分の能力で基板修復可能です。

ならば、不動にしてしまった方が安全じゃないかと思いますので、ここはプレート付キャンセラーを突っ込んでおきます。

キャンセラーを含んで、ブッシュ系の整備は走りに対してかなり効果的なものとなります。

純正もしくは元の性能以上の能力は引き出せると思います。

ノーマルよりは良くなるはずです。元が良いクルマだから、本来の姿に戻せたということになります。

  ハイキャス分解

ハイキャス分解には結構時間が必要です。

油圧回路の関係が特に難しくて、洗浄だけでも結構気を使います。

保管するにもフルードが漏れて来ますからしっかりビニールの袋に詰めておきます。

まだ整備が終わっても装備することまではできません。

タイロッドエンドの分離作業も固着状態ですから人力では大変です。

ここもできれば専用工具で一気に抜き取ります。

とにかく固いですが、あまりにも硬ければ裏ワザをつかって外してしまいます。

無理な力を加えてしまっては結局部品単体そのものを壊してしまいますので、油断なく慎重に作業します。



  リアサスペンションアーム類の分解


足回りの整備は、泥や油で結構な範囲が汚れています。

同時にこの汚れも全て落としていきます。

走行距離と時間経過はブッシュを変形させます。

少しずつの変形ですから人間気がつきません。

部品単体の異常、そこまで分かる繊細なドライバーはいません。

走行中、安定性がないとか、ジャダーがでるとかそうしたことを判断できることは可能かもしれませんが

ブッシュの変形まで分かるのは無理です。

定期交換が必要になるのはこの辺が原因、所詮材質が柔らかいゴム系ですから仕方のないものなのです。

これが金属であっても摩耗消耗するのは当然ですから、交換整備はドライバーさんの感性にゆだねられるものです。

特に、スカイラインはタイヤを基軸としたキャンバー側に関係するブッシュはまちがいなく変形しています。

おまけに交換作業も足回りの構造の複雑さが作業困難にしています。

ここは持ち前のアイデアで交換していきます。

   ドライブシャフトの分解

ドライブシャフトの分解も、ブッシュ交換と同じでして

固着はつきものです。

ナックルからドライブシャフトを取り外すにはかなり苦労すると思います。

大きな力をかけては部品を壊す要因になりますから、壊さないような体制を整えたうえで作業します。

本来は整備をする上で簡単に外せるパーツの一つですが、部品固着が間違いなく発生しています。

取り外し方にコツがあるかと思いますが、失敗を恐れずに作業します。

組付け時に固着防止等の改良を施しておくことにいたします。

ナックルはそうそうに壊れない構造ですが、シャフト側が結構傷んだりしますので慎重に・・・

  ナックル+リンクアームブッシュ交換

やはり消耗しています。カラーがかなり偏心しています。

足回りの構造が複雑なことありまして整備性は最悪です

特にロアアームのボールジョイント周辺が外しにくいのです。

  ブッシュを外すことができました

経年変化によるカラー偏心は顕著です。

この部品は必ず劣化します。ということは確実に規定アライメント変化は必ず発生するものです。

新しいハリのあるブッシュ交換は結果的に走って楽しい仕様になります

新車時よりも走りが確実に良くなると思います。(シャーシのヘタリは考えないこととして)

古いブッシュを取り外すには結構時間が必要でして

プレスを用いた場合、特殊な場合、同じくらいの時間がかかります。

日産の場合、ブッシュのゴムは結構強い材質をつかっているようでして

そう簡単にはおかしくなることはないようです。

フルレストアという意味合いもありますし、足回りを全体的に分解していること点を考えますと

やはり交換しておいた方が良いのではないでしょうか。

しかも、今回はハイキャスのジョイントも交換しますので、優先順位を考えて作業していくことにします。



とりあえず写真アップしますがよく見てください。

ブッシュはすでに取り外しています。

まだ、この部品(リンク)のブッシュ取り外しは簡単ですが、他の部品が知恵の輪のように難しいです。

ここをアイデアを使って簡単に乗り切る方法を用います。



上の写真よく見ていただきますと、中心カラーが偏心しているのがわかるかと思います。

古い部品だから交換したいところですが、それだけでは交換作業の意味がないため、よく部品を眺めてみます。

この部品は間違いなく日常の車重荷重で中心がズレます。

ゆっくり確実に変形していきますので、ユーザーさんは気がつきません。

そこまで人間のセンサーは優れていません。(走行中でもないからです)

走ってみて、やっと分かるものです。


  ハイキャスジョイントの交換

ジョイント部にガタが出ているとか直接的な不具合であれば交換するかもしれません

この部品の劣化は走行距離に応じて交換が望ましいかもしれませんが、定期的に診断していくことが必要な部品の一つです。

トーの調整も兼ねている部品の一つです。

やはりゴム部品は再使用できません、結果的に交換になってしまいます

実際はまだまだ交換の必要ななくゴムの部分だけが劣化しやすい

現時点でも、日産純正部品で購入可能な商品です。

ぽつぽつ部品だけ交換するなら、ナックルごと交換してしまったほうが早いと思いますが

やはり経費はかけたくないものですし、使える部品は全て使う

これこそがプライベーターの醍醐味ではないかと思います。

僕は楽しみながらブッシュ単品で交換作業する

Assy交換よりも比較にならないくらい安く済みますし、整備の勉強になるからです。




            交換前



         交換を待つNew部品

上の写真はハイキャスジョイント新品パーツ

ブーツのところの形が変形していないことがお分かりになると思います。

経年劣化はこうしたところに現れるものです。。

交換すれば、走り出したときの感動が大きく違います。

ブッシュ交換は走りの期待が大きくなります

この部品の良いところ、悪いところは以下の通りです

取り外した部品、新品の差はほとんどなく、ゴム樹脂部分の品質が一部改良になっている点以外は長期使用可能です。

無理に交換する必要性はないと思います。内部に水分が混入してサビが発生していないならば問題なく動作します

状況に応じて専用グリースを補充します。

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